ジジとサンフランシスコのおとうさん[日曜版2012vol44]

おなか、すいた。

おとうさんは、いないし。

ユウキヨシハルのおとうさん、
また、アメリカです。
サンフランシスコのピア39。

ネプチューン・パレス。
きれいなお店。

ゴールデンゲート・ブリッジがみえる。

アルカトラズ島も。

こんなに、ちかい。

おわかれパーティ。
ナツハラさんが、おはなし。
そして、カニ。

ダンジネスクラブといいます。
おとうさんは、タンノウ。
ボクも、いただきます。

シーバ。

ボクはカニは、
たべません。

ただただ、シーバ。

そしてお水。

ビールやワインではありません。

それで、タンノウ。

マンゾク。

あ~あ、おいしかった。

おとうさんと、おんなじ気分。
うれしい。
つぎの朝、つまり今日ですね。

バスのなかでさいごの講義をして、
サンフランシスコの空港へ。

みんなは、かえります。

ナツハラさんとかたいシェイク・ハンド。

事務局のみなさん、
ごくろうさまでした。

ロサンゼルス経由で、ナリタへ。

アメリカン・エアライン。
ちょっとさみしかったけれど、
ひとあんしん。

みんな、ありがとう。
おとうさんは、ひとり。
バートにのった。

ベイエリアをぐるりとまわる鉄道。

サンフランシスコでは地下鉄になる。
パウエル・ストリート・ステーション。

地上にあがると、
人がならんでいる。

ケーブルカーが、おりかえすあたり。

そのケーブルカーが坂をのぼる。

ユニオン・スクエアのむかい。

それがおとうさんのホテル。

ウェスティン・サンフランシスコ。

やっと、つきました。

おとうさんは、ちょっと、つかれたみたい。

へやにもどって、
サンポして。
またへやにもどって。

窓からサンフランシスコ湾がみえる。

きょうは、ほんものの快晴。
すこしずつ、陽がかたむいてきた。

そして西の空に、陽がしずむ。

月がでる。

夜景がうつくしい。

おとうさん、ひさしぶりに、
ゆっくり。
夕方から、
メジャーリーグのワールドシリーズ。
サンフランシスコ・ジャイアンツ三連勝。

ひとしごと、おわって、
おとうさんは、マンゾク。
帰国したひとたちの無事をいのりつつ、
これからビールでものみにいきます。

おとうさん、おつかれさま。
<『ジジの気分』(未刊)より>




















