結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年06月07日(水曜日)

Frankfurt「ALDI」の進化とヒット商品番付東横綱「稀勢の里」

月刊商人舎5月号の巻頭言。
「カ・カタ・カタチ」の福音を聴け。

「カ・カタ・カタチ」論。
建築家・菊竹清訓の持論。
IEの巨人・城功の考え方。

「カ」は最も根源的なもの。
経営理念や社会的使命、
わが社のビジョンやコンセプト。

「カタ」は「カ」を実現する手段・方法。
たとえばわが社らしい技術、仕組み、
特有の組織とヒューマンリソース。

そして「カタチ」はできあがった成果物。
たとえば完成された商品、売場、
たとえば旗艦店舗、フォーマット。

しかしカタチの真似ばかりが横行する。
優良店を訪れても写真ばかり撮りたがる。
カタチの真似しかできないからだ。

カタがなければカタチはできないし、
カがなければ、カタもカタチもない。
カは独自のものでなければならない。

カタは「学ぶ」ことができる。
それを学ぶ時には「真似る」から始まる。
カタを学ぶには時間と根気がいる。

しかしそれを十分に学び取ったうえで、
今度は「カタ破り」をする。
それがイノベーションだ。

カタを顧みずに新しさだけを求め、
あるいは思いつきに走るならば、
それは「カタ無し」になる。

旗艦店にはカタチがあるし、カタがある。
そしてもともとカが備わっている。
カ・カタ・カタチの象徴が旗艦店である。

だから旗艦店改造のときには、
カタチをつくり、カタとカを確認する。
カから発してカタとカタチを生み出す。

仕事の改革手順はカ・カタ・カタチである。
フラッグシップのリモデリングも、
「カ・カタ・カタチ」でなければならない。
〈結城義晴〉

もう1カ月前のメッセージとなって、
忘れてしまったかもしれないが、
とても大切なことだ。

今週土曜日の6月10日。
月刊商人舎6月号が発刊される。

乞う、ご期待。

日本では日経新聞が、
「ヒット商品番付」を発表。
とはいっても2017年上期(1~6月)分。

商品番付の東の横綱に、
「稀勢の里」

笑ったけれど、とてもいい。

西の横綱は、
「ニンテンドースイッチ」
発売1カ月で274万台を販売、
来年3月までに累計1270万台の計画。
据え置き型のゲーム機ながら、
持ち運んでも遊べる。

東の大関は「ヤマト値上げ」
西の大関は「GINZA SIX」

東の関脇は「C-HR(トヨタ)」
小型の多目的スポーツ車(SUV)。

西の関脇は、
タクシー初乗り410円。

まあ、商品ではないけれど、
稀勢の里の東の横綱はヒットだった。

明らかなニーズがあったが、
それが達成できない。
それを成し遂げると大ヒットとなる。

タクシー初乗り410円もそれだし、
ヤマトの値上げは、
業者側の明らかなニーズだった。

負のニーズやギャップも、
イノベーションの種(シーズ)だが、
明らかなニーズがあるのに、
それが満たせない不満を解消するのが、
現在のビジネスの役目なのだと思う。

さて、フランクフルト。

ドイツの表玄関。
昨日の朝6時過ぎに到着して、
ホテルに直行し、
仮眠をとって、仕事して、
午後2時にホテルを出発、
フランクフルト国際空港で3時過ぎに、
万代ドライデイリー会の面々を迎えた。

そしてすぐに向かったのが、
アルディ。

レーベ・センターと隣り合わせの箱型SC。
アルディは単体企業として、
ドイツナンバー1。
DSCN9446.JPG-7

アメリカにも進出して、
ウォルマートよりも安いのが売り物。DSCN9492.JPG-7

大型カートは1ユーロ(120円)で、
顧客に貸し出す。
アメリカでは25セント(25円)だから、
ずいぶん格差があるように見えるが、
要は一番流通しているコインがその値段。DSCN9449.JPG-7

入口はご覧の主通路で、
ワンウェイコントロール。DSCN9450.JPG-7
この店は新店で最新の設備。
実にきれいな店だ。

主通路右手にパンコーナー。DSCN9452.JPG-7

欲しい商品のボタンを押すと、
そのパンがころがり落ちてくる。DSCN9453.JPG-7

それを自分で袋に入れてレジに行く。DSCN9454.JPG-7

グロサリーも含めて、
ほとんど95%がプライベートブランド。
そのPBを入れる段ボールケースが、
写真のようにカラフルだ。
だから段ボール陳列で、
売場がカラフルに出来上がる。
DSCN9456.JPG-7

ワイン売場もちょっとゴージャス。DSCN9457.JPG-7

ロゼワインも広い売場を取っている。DSCN9458.JPG-7

細長い900㎡の店舗中央を、
非食品の平什器が貫く。DSCN9459.JPG-7

奥から見て左側は青果部門。
BIOと表現されるが、
これがオーガニック。
ニンジンは全部オーガニック。DSCN9461.JPG-7

クレート陳列で、
産地で収穫するときにクレートに積まれ、
それがそのまま店頭まで来る。DSCN9460.JPG-7

エシャロットも安い。DSCN9484.JPG-7

大袋に入れられた葉物。DSCN9482.JPG-7

そしてドイツの名産アスパラガス。DSCN9483.JPG-7

ミニトマトもパッケージに入れられて、
実にカラフル。
これで1ユーロ49セント。DSCN9481.JPG-7

魚は冷凍食品ばかり。DSCN9462.JPG-7

卵は1パック1ユーロ09セント。DSCN9487.JPG-7

BIOの牛乳も、
1リットル99セントと1.09ユーロ。
恐ろしい価格だ。
DSCN9488.JPG-7

そして通常の牛乳は69セント。DSCN9489.JPG-7
アルディはエブリデーロープライスだ。

手前から赤、黄、ブルーのケース。
厳選された低価格の加工肉売場。DSCN9464.JPG-7

魚缶詰には、
MSC認証マークがついている。
これはニシンの切り身の缶詰。
すべてPBだ。
DSCN9465.JPG-7

そして冷凍食品のグリンピース。
1.89ユーロ。
DSCN9470.JPG-7

緑のパッケージでBIOのマーク。DSCN9469.JPG-7

裏側には成分表示。DSCN9467.JPG-7

そしてホワイトアスパラの瓶詰。DSCN9485.JPG-7

なんと99セント。
DSCN9473.JPG-7

これです。
すごい商品。
DSCN9474.JPG-7

ニンジンの千切りの瓶詰。DSCN9475.JPG-7

これはセロリのサラダの瓶詰。DSCN9476.JPG-7

そしてそれらが、
一つのケースに入れられて販売されている。
全部99セント。
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ガラスケースの中には、
上段にパソコン、
下段にコーヒーメーカー。
お買い得の商品があれば、
アルディは高額品でも販売する。DSCN9472.JPG-7

こどもの絵本。
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900㎡なのに広い通路。DSCN9486.JPG-7

レジでは座って対応する。
ドイツは労働者の満足を優先する。DSCN9491.JPG-7
アルディが進化している。

1000㎡未満の小型店を4250店展開する。
その小型ディスカウンターの店で、
イノベーションを実現させる。

より安く、
より広く。
そしてよりきれいに。

すばらしい。

視察が終わったころ、
スコールが来た。
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そしてフランクフルトに来たら、
レーマー広場。DSCN9496.JPG-7

フランクフルト中心部の旧市街の広場。
切妻屋根のゴシック式木造建造物が並ぶ。DSCN9497.JPG-7

第二次大戦ですべて破壊されたが、
戦後、観光のために復興された。DSCN9498.JPG-7

その一角のドイツ料理レストラン。
Zum Standesämtchen。
DSCN9499.JPG-7.JPG-7

窓からレーマー広場が見下ろせる。DSCN9502.JPG-7

店内はclassicなつくり。
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乾杯の挨拶は、
ドライデイリー会会長の今津龍三さん。
(株)今津社長。
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そしてドイツビールで乾杯。DSCN9511.JPG-7

(株)万代の阿部秀行社長(左)と、
事務局長の前田仁さん。DSCN9516.JPG-7

まず出てくるのが、
アスパラガスのスープ。DSCN9518.JPG-7

ホワイトアスパラが上手い。DSCN9519.JPG-7

そしてソーセージと鶏肉。DSCN9521.JPG-7

大満足して、レーマー広場を後にした。DSCN9523.JPG-7
それにしても、まだ9時ごろなのに、
明るい空のヨーロッパの6月。

素晴らしい。
(つづきます)

〈結城義晴〉


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