結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2007年12月18日(火曜日)

全日食チェーン齋藤充弘・食品流通研究会杉伸一郎両氏との夕食会

12月17日、夕方、東京、日本セルフ・サービス協会
JR山手線・京浜東北線・中央線・および地下鉄銀座線神田駅直近。
それで、人が絶えない。

こういった協会や会社にも、
立地の良さは大切なのである。

そのセル協で、待ち合わせて、
近くのフランス料理店「万惣」へ。
斎藤、杉さんと
左から井口、齊藤、三浦、杉各氏。

全日本食品社長の齋藤充弘さん。
ご存知、食品スーパーマーケットのボランタリーチェーンとして、
全品供給を成し遂げる全日食チェーンのトップ。
現在、1703店、本部年商803億円。

全国展開するボランタリーチェーンであるから、
有力ナショナルブランドメーカーとも、
イオン、セブン&アイ・ホールディングスなどと並んで、
広域流通本部と取引関係を持つ。
私は、㈱商業界時代、「全日食チェーン」の別冊号をつくったりして、
旧知の仲。
尊敬する流通業界人の一人。

もうおひと方は、食品流通研究会代表の杉伸一郎さん。
杉さんは元イトーヨーカ堂取締役食品事業部長・販売事業部長、
ヨークマート社長などを歴任された。
イトーヨーカ堂の食品部門の超のつく専門家。
私は、20数年前からのお付き合い。
鮮魚の専門家としての杉さんから、様々の教えを乞うてきた。

食品流通研究会会長の井口征昭さんも加わって、
有意義な食事会。
井口さんは、元西友及びミレニアムリテイリング食品部長。

もちろんセル協から、三浦正樹専務理事。

全日食チェーンのPOSシステムは、優れもの。
齋藤さんによると、以下のようになる。
「POSはコンピュータの付いた現金箱。
ストアコントローラーは、サーバー。

だから、コンピュータと現金箱のハードウエアと、
ソフトウエアは別々に購入すると、ものすごくコストダウンになる。
欧米のチェーンストアは皆、この方式。
全日食チェーンもこの方式をとっている」

なるほど。

プラネット社長の玉生弘昌さんが言っていた「レガシー問題」につながる。
齋藤さん、ここから、商品データ分析を、自ら展開。

バイヤーよりも、よく知っている。

杉さんとのコンビで、
「売れ筋・死に筋問題」を解決し、
全体効果は前年対比20%アップだとか。

「店頭にある商品の3割は死に筋。
売れ筋の3割は売っていない。
売れ筋は特売のときにしか売っていない。
売れ筋の定義が難しいのだけれど。
しかし、これを確実に問題解決したら、
60%は伸びる。

そう、シミュレーションしている」

杉さんの持論。
「今、経営理念の違う小売業態が必要。
利益が出ないビジネスは、意味がない。
過疎地で成り立つ業態がある。
それには日常にこだわること。
非日常を排除すること」

「今、バレンタインデー対策を一生懸命やっている。
しかし、バレンタインデーはスーパーマーケットでは利益が出ない。
だから奥さんが買って旦那や息子に贈るチョコ、
あるいは職場の義理チョコに徹しろ、と言っている。
若い女性が、若い男性に贈るチョコレートを品揃えして、
たとえ買ってもらったとしても、
うちの店で買ったチョコレートで、若い二人は幸せになれるか?」

杉さん、凄い。

齋藤さんが言う。
「私は、杉さんから、自分のお客を見るということを教わった」

お二人とも今、自信に満ちている。

最後に、
「商業の現代化を目指しているんです」
と、私。

齋藤さん、すかさず、
「私たちは、未来化です」

一本、取られた。

<結城義晴>


0 件のコメント

  • 売れ筋の定義、本当に難しいですね。時間、曜日、週の要因に
    商品のライフサイクル。この組み合わせ。

    米人には、商品の持つポテンシャルの大きさで計れ。
    現時点で販売高の高い物は単にトップ売上商品で、必ずしも売
    れ筋にあらず、と教えていました。

    個人の感性と商品本来の持つ、未来への可能性。
    感性に頼っていては、現代化も未来化も無いでしょうが。

    でも、可能性を持つ商品の開発に参画するのもMDとしての
    幸せ。それが売れれば、OPと幸せを分け合う。そんな楽しみ
    がこの業界に居るモチベーションでしょうか。

    買ってくださったお客様、売ってくれた現場に感謝と喜び。
    義理チョコにも義理を果たしたという立派な喜びがあるかもし
    れません。
    長くなって恐縮です。

  •    長い書き込み、大歓迎。
       「売れ筋」は単に、売れている感じがする商品では、
       もちろんありません。
       陳列量や発注量の多いアイテム、
       補充頻度、発注頻度多いアイテムも、
       売れている感じはしますが、
       売れ筋ではないことが多い。 
       社内の、チェーン店内の売れ筋は、
       世間の売れ筋と一致しないことも多い。
       しかし現場で日々、商品を見ているとそれがわかる。
       その現場の目を定義化し、数値化しなければ、
       売れ筋論議はできません。
       売れ筋を検討できる基準が確立されると、
       とたんに欠品対策も可能となり、
       売り逃しもなくなります。
       ベンダーからの納品が滞りなければ。
       だから、売れ筋定義が明確になったところで初めて、   情報化、物流が問題となります。
       売れ筋概念が不明確なまま、物流や情報化に
       取り組んでも、実は伴わないことが多いのです。

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