結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年10月28日(金曜日)

円高メリットを活かし、ドラッカー「ポストモダンの七つの作法」に則ってアメリカに学ぶ旅に出発

いま、成田空港。
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第10回商人舎USA研修会の結団式とセミナー

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10時半集合で、1時半まで、
講義や打ち合わせ、顔合わせ。
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昨日27日のニューヨーク外国為替市場、
円相場が一時1ドル75円67銭まで上昇、
史上最高値を更新

このところ、アメリカを訪れるたびに、
円が高くなる。

円高に関して、ふたつ。
第1は、日本経済の空洞化の問題
円高は輸出産業にとって、
決定的な痛手となる。

黙っていても、
自分たちがつくって、売る商品が高くなる。

コストを抑えるといっても限界がある。
だから必然的に海外に工場をつくったり、
拠点を移したり。

その分、国内の工場が縮小され、
場合によっては閉鎖される。
それを「空洞化」と称する。

しかし、この「空洞化」、
指をくわえて見ているわけにはいかない。
何らかの産業で「空洞」を埋めなければならない。

私はその役目が、
小売流通業・サービス業にあると思う。

3年前の2008年4月17日、
商人舎発足の会の記念講演の私のタイトルは、
「小売サービス業が日本を救う」
まったく、その通りになってきた。

空洞化を補い、日本経済を救うのは、
小売り流通業・サービス業である。

それが実現されたなら、
日本は住みやすい国となる。
観光にふさわしい国となる。
そのうえで、新しいテクノロジー産業が構築される。

その原動力となるのが、
小売サービス業である。

円高に関する第2のこと。
それは高くなった円のメリットを活かすこと
私は日本人の海外体験に向けるのが一つの方法だと思う。

日本人が日本人としての強みを自覚し、活かしつつ、
本当の国際人になる経験、体験を積まねばならない。
そのチャンスが、今だ。

小売流通・サービス業は欧米に学んできた。
我々は今こそ、欧米を、アジアを、体験すべきだ。

「もうアメリカに学ぶものはない」
10年も前からそんな声が、
小売業・消費産業の、それも識者のなかから、
ちらほらと聞こえ始めた。

私も直接、そんな発言を、
耳にしたことがある。

しかし聞いてみるとその人は、
もう10年もアメリカを訪れたことがなかった。

ピーター・ドラッカーの「ポスト・モダンの七つの作法」。
その第一にあるのが、
「聞く、そして見る」

ドラッカーは、〈イノベーションの原理〉を五つあげている。
第一は、機会を徹底して分析する。
第二は、自分の目と耳で確認する。
第三は、焦点を絞り、単純なものにする。
第四は、小さくスタートする。
第五は、最初からトップの座をねらう。

自分の目で見る、自分の耳で聞く。
それがイノベーションの基本態度である。

円高の今、多くの幹部・社員が、
自分の目で見、自分の耳で聞き、
自分で体験することができる。

「ポスト・モダンの七つの作法」の第二。
「分かったものを使う」
ドラッカーの言葉を使えば、
「既に起こった未来」
それを学ぶ。

例えばアメリカにも、
団塊の世代がある。

「団塊」とは呼ばず、
「ベビーブーマー」というけれど。

これは日本よりちょっと早い。
第二次世界大戦が終結して、
戦地から大量の兵士が戻ってきた。
そして、子づくりに励んだ。
母国が戦場とならなかった戦勝国のアメリカの方が、
イギリス、フランス、そしてドイツ、イタリアよりも、早かった。
もちろん日本よりも早かった。

その団塊の世代がまた30年後に、
ベビー・ブーマー世代をつくった。
これもアメリカが日本より数年、早かった。

アメリカの近代小売業は1850年代にスタートした。
1858年 ジョン・ワナメーカー、ペンシルバニアで最初の百貨店を開店。
1859年 ザ・グレイト・アメリカン・ティ・カンパニーが食品店を創業。
1879年 フランク・ウールワースが非食品のバラエティストアを発明。
1886年 リチャード・ウォーレン・シアーズ通信販売業スタート。
アメリカ小売業の近代はもう、
150年もの歴史を刻んで、
幾多のイノベーションの歴史を重ねてきた。

アメリカには消費の先行性とともに、
小売りシステムの先進性があるのだ。

その「既に起こった未来」を見る、聞く。
「分かったもの」を使う。
ドラッカーの「ポスト・モダンの七つの作法」。
第四は「欠けたものを探す」

日本に欠けたもの、それがアメリカにある。
探し物のすべてではないが、
アメリカには確かに、それがある。

さらにドラッカーの言葉。
「企業の目的と使命を定義する場合、
出発点は一つしかない。
顧客である。

顧客によって事業は定義される。
顧客を満足させることこそ、
企業の使命であり目的である」

それでいてドラッカーは、こうも言う。
「もっとも重要な情報は、顧客(カスタマー)ではなく、
非顧客(ノンカスタマー)についてのものである」

自分の目で見、自分の耳で聞くとき、
大切なのが、三つの目。
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」

「虫の目」とは、現場を見る力。
細部まで丁寧に「見極める能力」。
これを支えるのが、専門性と現場主義。

「鳥の目」は、大局を見る力。
全体像を俯瞰しながら、「見渡す能力」。
これを支えるのが、情報量と知識。

「魚の目」は、流れを見る力。
時間の経過の中で、現在と未来を「見通す能力」。
これを支えるのは、経験と見識。

そして、「四つ目の目」は、
謙虚で、真摯で、真っ正直な「心の目」である。

アメリカ小売業の競争は、
試験管の中の現象である。
ビーカーやシャーレの中の変化である。
純粋に市場原理に基づいたコンペティションが展開される。

日本やヨーロッパと比べて、
はるかに規制が少ないからだ。

しかしここに
「客観化・普遍化・理論化」の確かさが生まれる。

アメリカ小売流通業から学ぶのは、
この客観性、普遍性、理論性である。

もちろん日本に持ち帰って、
この客観的で普遍的なセオリーや経験則を、
日本独自のイノベーションに役立てたい。

ただしここでもドラッカーの「ポスト・モダンの七つの作法」の第三、
「基本と原則を補助線として使え」

イノベーションに必須の要件は、
堺屋太一言うところの「本気のプロデューサー」の存在である。
それは、「自ら、変わる」ことのできる人財である。

アメリカ消費産業に触発され、
アメリカ小売業に感動することによって、
人は、自ら、変わる。

商人舎研修の狙いは、ここにある。

昨夜は、商人舎チーフ・コーディネーターの鈴木敏と打ち合わせ。20111028081846.jpg

朝には、ゲスト講師の大久保恒夫さんと合流。
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㈱マルト社長の安島浩さんも、
いわきからタクシーで合流。
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まったく偶然のことながら、
月刊『マーチャンダイジング』主幹の日野真克さんとも遭遇。
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なにかが起こりそうな今回のツアー。
まずは第1陣「経営戦略」スペシャル・コース出発。
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2日遅れで、
商品戦略マーチャンダイジング・コースの第2陣が出発。
ワシントンで合流。

今年第6回目にして、
2011年最後のアメリカレポート。

極力、2012年の動向にアンテナを張りつつ、
お届けしようと思う。

乞う、ご期待。

<結城義晴>


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