結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年01月09日(水曜日)

東北シジシー講演会と野菜相場高騰対応安売りとマクドナルド減収

今日は朝から、
東北新幹線に乗り込んで、
盛岡を目指す。

仙台に着く前に、
景色は真っ白。
20130109154629.jpg
ああ、東北はまだまだ、寒い。

あらためてそんな感慨を抱きながら、
結城ゼミ生の論文を読んだり、
パワーポイントをチェックしたり、
最後は急遽、原稿のゲラの校正をしたり。

2時間20分ほどで、あっという間に、
盛岡に到着。
20130109154644.jpg
30年ほど前に盛岡に通っていたころは、
いつも羽田空港からYS11に乗り込んで、
花巻空港に降りたものだった。

着陸直前には、必ず、
岩手山から吹き上げる風で、
機体がスーと持ち上がって、
それからガクーンと落ちる現象に見舞われた。

そんな盛岡が、
140分の時間距離に近づいた。

到着したら、㈱東北シジシーの鎌田晃さんが、
改札まで迎えに来てくれていた。

駅前のホテルメトロポリタン盛岡。
ここで㈱東北シジシー主催の「2013新春講演会」。
20130109154716.jpg

メンバー企業から、約300名が参集。
20130109154736.jpg

私は第一部で講演。
「2013スーパーマーケットのTide of Time」
20130109154815.jpg

今週月曜日の立教大学院サービスマーケティングが、
今年最初の講義だったが、
「講演」と呼べるものは今回が初めて。

気合が入った。
20130109154828.jpg

ご清聴を感謝したい。
20130109154756.jpg
しかし自分ながら、
今日はいい講演だった。

第二部は、岩田松雄さん。
リーダーシップコンサルティング代表で、
元スターバックスコーヒージャパン㈱社長。
20130109154843.JPG
昨年11月21日に名古屋の㈱折兼主催の「白熱教室」。
ご一緒して好評を博したが、
二度目の結城義晴・岩田松雄の共演となった。

岩田さんの講演テーマは、
「大競争時代の企業成長と組織再生」

私も一番後ろの席で聴講させてもらった。
もしかしたら、商人舎で、
岩田さんをお招きして、
講演会を開催できるかもしれない。

そう、考えたからだ。

とても感動的な講演だった。

さて、高値の野菜が続く。
そこで各地で「野菜のセール」が始まった。

気温低下の影響で野菜の入荷量が減り、
一部の価格が高騰しているため、
消費者の節約志向に応える。
これが名目。

日経新聞で報道。
まず、イトーヨーカ堂。
今日の9日から11日まで、
全161店で、
キャベツや長ネギなど18品目を、
通常より2割から6割値下げ販売。

期間中は通常の3倍の販売量。
約2000トン。

イオンは、グループの総合スーパーで、
野菜のディスカウント。
キャベツ、白菜、ジャガイモなど約20品目、
2~6割低価販売。

9~10日は関東の95店、
11~12日に関東を除く北海道から沖縄までの325店。

ダイエーは19~20日、
北海道を除く全国の約280店で、
野菜と果物の計20品目強。
これも2~6割のディスカウント。

相場商品を、高くなったら、安く売る。
それができる可能性は、
考えられる限り三つ。

第1は、自分の利益を度外視して、
仕入れて売る。

だから短期間、限定店舗。
つまり販促のためのマージンミックス説。

セブン&アイ・ホールディングスなら、
セブン-イレブンやヨークベニマル、ヨークマートなど、
グループを挙げて野菜の安売りができればいい。
イオンは、全国のマックスバリュで総力を挙げて、
これを展開できれば、拍手喝采。

ウォルマートやテスコなら、
そうするだろう。
期間限定、総合スーパーだけ。

これは集客の手段であり、
衣料品から住関連商品まで扱う土日型の業態だから、
展開する作戦ということになる。

第2は、年間契約で、
相場に関係なく調達できるから、
安く売れる。

調達説。

イトーヨーカ堂もイオンも、
農業経営に進出した。

だからそのメリットが出たということなのか。

しかしまだ、こんなことができるところまで、
生産量が高まってはいない。

第3は、取引先と利益減を分かち合う。
もちろん今回も協力を仰いでいるかもしれない。
だから量の限定がある。

通常仕入れのスーパーマーケットは、
青果物の相場が上がったら、
それに合わせて、
それでも利益を吐き出して売るしかない。

ここには画期的方策は、
考えられない。
革新的な農業経営をして、
産地直結するしか方策はない。

さてイトーヨーカ堂、イオンリテール、ダイエー。
いかなる手段で対応したのか。

今度、聞いてみよう。

もうひとつ大事なニュース。
「マクドナルド、9年ぶり減収」
日本マクドナルドホールディングスの2012年の既存店売上高。
9年ぶりにマイナス。

これは外食産業にとって、
ちょっとショックな報道。

「低価格メニューで客数は増えたが、
主力のビッグマックなど
価格の高いハンバーガー類の販売が振るわなかった」

「デフレ下の『勝ち組』とされた同社も、
消費者の節約志向を前に苦戦を強いられた」

2012年12月のマクドナルドの既存店売上高、
前年同月比8.6%減。

1~9月期が前年同期比2.2%減、
だから2012年度の減収が確定。

原田泳幸会長兼社長就任以来初。
つまり2004年以来のこと。

「かつて市場に驚きを与えた100円メニューは
今では珍しくない」。
原田さんの言葉。
しかし原田魔術にも陰りが見えてきた。

総合スーパーの野菜ディスカウントも同様だが、
この低価格消耗戦のなかで、
魔術はあり得ない。

今日の講演でも強調した。
最良のベーシックを、
全社・全店・全員で、
丁寧に販売していくしか、
道はない。

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.