結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2015年12月01日(火曜日)

12月1日の流行語大賞・水木しげるの訃報と「革命しよう」

2015年の終わりの始まり。
12月1日、火曜日。

いい天気。
DSCN7664-5

初冬にしては、
まぶしい日差しが差し込む。
DSCN7665-5

「2015新語・流行語大賞」が発表された。
1984年から続く、暮れの風物詩。

今年は二つ。
「爆買い」と「トリプルスリー」

前者はインバウンド消費を表現した。
後者はプロ野球の3割・30本塁打・30盗塁。
ホークスの柳田悠岐と、
スワローズの山田哲人が達成した。

2004年から㈱ユーキャンの提供となった。

審査委員は7人。
姜尚中(作家・聖学院大学学長)
俵万智(歌人)
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)
室井滋(女優・エッセイスト)
やくみつる(漫画家)
箭内道彦(クリエイティブ・ディレクター)
清水均(『現代用語の基礎知識』編集長)

もちろん事務局がある程度選考して、
最終審査と決定をこの7人がやる。

ことしはまあ、妥当な線だった。

では、去年は、どうだったか。
覚えているだろうか。

2014年もふたつ。
「集団的自衛権」
「ダメよ〜ダメダメ」

こう並べてはいけない、という意見もある。

一昨年の2013年は、多かった。
「今でしょ!」
「お・も・て・な・し」
「じぇじぇじぇ」
「倍返し」

なるほど、豊作の年だった。

2012年は、ひとつ。
「ワイルドだろぉ」

お笑い芸人のギャグは、
長続きはしない。

東日本大震災の2011年は、
「なでしこジャパン」

明るい話題を拾った。

そして2010年は、
「ゲゲゲの~」
朝ドラの『ゲゲゲの女房』のタイトル。

そのゲゲゲの女房の亭主、
漫画家の水木しげるさんが亡くなった。
享年93。

各紙が評伝を書き、
巻頭コラムで追悼した。

朝日新聞『天声人語』
「ネコのように生きるのが理想だったという。
自由に寝て、起きて、あくびをする」

「飄々とした味わいの中には、
戦争で散った仲間を悼む
涙があふれていたと思う」

日経新聞『春秋』
「束縛を嫌って自由気ままに生きることを
『水木サンのルール』と呼び、実践した。
強制や締め付けを嫌う気持ちは
生死の境をさまよった軍隊経験で
いっそう強く なっただろう」

毎日新聞『余禄』
「人は死後どうなるか。
水木さんは想像した。
人は生者の目に見えない形に変化する。
天国も地獄もなく、みんな
ふわふわしたものになる。
何と気分いいことか」

2015年の暮れを迎えようというとき、
水木さんは、
ネコのように生き、

ふわふわしたものになった。

ご冥福を祈ろう。

さて、12月の野菜卸値見通し。
農林水産省の調査。

主要野菜14品目で、
高値が見込まれる品目は、
12月の前半・後半ともないようだ。

顧客は喜ぶ。
商売は難しい。

大ニュースは、
「日経・FTグループ」誕生。
私も7月24日の毎日更新宣言ブログで、
取り上げて、コメントした。

今日は日本経済新聞社社長の岡田直敏さんが、
新聞の一面に、自慢気に書きつける。

「英フィナンシャル・タイムズ買収手続きが
30日に完了、『日経・FTグループ』が
世界へ産声を上げた」

買収額はキャッシュで、
8億4400万ポンド、約1600億円。
証券市場評価による企業価値の3倍。

フィナンシャルタイムズも、
よほど現金にひっ迫していたのだろう。

紺屋の白袴、医者の不養生。

しかしデジタル版の有料読者は、
単純合計で93万人。

米国ニューヨーク・タイムズは91万人、
それを抜いて、世界第一位。

新聞発行部数は、
ウォール・ストリート・ジャーナルの、
146万部の2倍強。

メディアの影響力は規模と量と金かもしれない。
しかしメディアこそ質が問われる機能であり、存在だ。

果たして日経・FTは量を質に変えられるのか。

もちろん買収されたFTが日経に対して、
決定的に変質を迫ってくるだろう。

水は高きより低きに流れる。
覆水盆に返らず。

そこで岡田さんが強調するグループの旗印は、
「質の高い最強の経済ジャーナリズム」

「新しいメディアが次々に誕生するなかで、
新聞の生き残る道は、
『クオリティー』の一点にある」

そのQuality Journalismとしては、
「人材とインフラへの終わりなき投資」。

ただし社長としてのコメント。
もうちょっと期待していたが、
優等生的でつまらない。

ドキドキワクワクがない。

21世紀、ドキドキワクワクも、
大切な「質」の要件の一つだ。

まあ、それを、
期待してはいけないか。

私は熱心な有料購読者の一人だから、
言わせてもらっておこう。

さてさて、最後に、
月刊『商人舎』12月号の巻頭言を、
今、思案していたら、
違うものができた。
それを披露。

タイトルは「革命」。

革命しよう。
君は言う。

そうかい。
僕は答える。

でも僕らはみんな、
世界を変えようと思ってる。


それは進化だ。

君は言う。

ああ、そうかい。
僕は答える。

僕らはみんな、
世界を変えようとは思ってる。


でも君が何かを壊そうとしたら、
僕はそれには加わらないよ。

知らないのかい。
破壊などしなくてもいいってこと。

うまくいくさ。
うまくいくんだよ。
〈Beatles「Revolution」〉

もちろんジョン・レノンの考え方。

念のため、歌詞。
You say you want a revolution
Well, you know
We all want to change the world
You tell me that it’s evolution
Well, you know
We all want to change the world
But when you talk about destruction
Don’t you know that you can count me out
Don’t you know it’s gonna be alright
Alright,alright
[J.LENNON/P.McCARTNEY ]

パリ同時多発テロに対して、
「破壊」で臨んではならない。
それではうまくいかない。

日経&FTは、
どんな姿勢で臨んでいるんだろう。
よく読んでみよう。

では、12月もよろしく。

〈結城義晴〉


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
商人舎 流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

ミドルマネジメント研修会
商人舎ミドルマネジメント研修会
海外視察研修会
商人舎の新刊
チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.