結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年04月09日(土曜日)

イオンのWAON戦略が共通ポイントに拡張される!

80回マスターズ・トーナメント開催中。
アメリカ合衆国ジョージア州、
オーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブ。

セントアンドリューズ・リンクスと並んで、
二つの、名門中の名門コース。

1934年に球聖ボビー・ジョーンズが、
実業家のクリフォード・ロバーツとともに、
世界的なトーナメントを開始した。
“Augusta National Invitation Tournament”

それが5年後に「マスターズ」と改題。

世界4大トーナメントの筆頭に立つ。

松山英樹が大健闘。

ジョーダン・スピース、
ロリー・マキロイ、
ジェイソン・デイ。
現時点の世界三強に伍して、
その精神力を見せつけてくれる。

さて、日経一面トップ記事。
昨日は「セブン&アイ鈴木敏文氏退任」だったが、
今日は、イオン。
「ワオン」を共通ポイントに。

連日、小売業の記事がトップを飾る。
日経新聞のバランス感覚。

イオンが6月に共通ポイント事業に参入する。
月刊商人舎1月号は、
WAON/nanaco & Beyond
電子マネー・ポイントカードによる日本列島改造論
http://magazine.shoninsha.co.jp/wp-content/uploads/2016/01/20160110_cover_01.png

その1月号の[Cover message]
「キャッシュレス」時代は急速に進行する。
2020年の東京オリンピックでは
海外からどっと人々が訪れる。
それに向けて、日本の電子決済市場は、
さらに飛躍的に膨張する。

ポストペイのクレジットカード、
ジャストペイのデビットカード、
プリペイドの電子マネー。

それぞれに特性を持ちながら、
3割のマーケットを形成する。
なかで、流通業が主導するのが、
ポイントシステムと融合した
プリペイド方式の電子マネーだ。

イオンのWAON、
セブン&アイのnanacoが
東西の横綱。

交通系電子マネーは
それなりの領域を確保するだろうし、
楽天Edyやソフトバンクが提携 したTマネーなど
IT系も伸びるだろう。
それ以外のbeyondの動きからも目が離せない。
まるで電子マネーが日本列島改造論のごとく、
市場を覆い尽く し、マーケットを色分けする。
それはリアル店舗ネットワーク競争を、
水先案内人のごとく先導する。
……………………

そのイオンの電子マネーWAON。
それを他社に開放し、
グループ外の他の小売サービス業で、
現金で買物してもポイントが付く。

目標は3年後に約6000万人の会員数

従来の電子マネー機能付きが、
「ワオンカード」
それとは別に、
ポイント機能だけのカードをつくる。
「ワオンポイントカード」
原則200円の買物で1ポイント。

電子マネーWAONを使う優良顧客には
ポイントを加算する仕組みを導 入。
電子マネーの利用者数も増やす。

総合スーパー、
スーパーマーケット、
コンビニエンスストア、
ドラッグストア、ホームセンター。
そういった小売業態以外にも、
イオンは日本航空、電力会社、外食業などと、
ポイント交換で提携している。

幅広い業種で加盟店を開拓する。
全国約140のイオンモール内のテナントにも、
加盟を呼びかける。

イオングループのポイントカードは、
M&Aなどを経て現在、
60種弱も発行されている。

それらを移行期間を設けた上で、
ワオンポイントに一本化する。

さらにイ オンはグループに、
イオン銀行の金融をはじめ、
冠婚葬祭、旅行、介護、保育など
幅広いサービスを手掛ける。

イオンディライト(株)
(株)イオンファンタジー
(株)ツヴァイ
(株)イオンイーハート
イオンエンターテイメント(株)
イオンカルチャー(株)
イオンコンパス(株)
イオンライフ(株)

この多様で総合的な業態を持つことが、
イオンやセブン&アイの強みだ。
顧客は生活のあらゆる場面で、
ポイントをためることができる。

他の共通ポイントは、
同じ商圏で「1業種1社」の加盟店制限がある。
イオンのWAONにはそれがない。

月刊商人舎で
「日本列島改造論」のごとしと表現したのが、
そのことだ。

当然のことながら、
このビッグデータはやがて、
データ分析にも活用される。

購買データや会員属性情報は、
個人情報がわからないように加工して、
商品開発や売場づくりに活用。

共通ポイントは、Tポイント、Ponta、
楽天スーパーポイントなど、競争も激しい。

カルチュア・コンビニエンス・クラブの
「Tポイント」、
三菱商事系ロイヤリティマーケティングの
「ポンタ」、
楽天が2014年から実験開始した
「楽天スーパーポイント」、
さらにNTTドコモが15年に参入した
「dポイント」。

しかしWAONとnanacoは、
リアル店舗群というプラットフォームを持つ。

オムニチャネルの一環でもあるが、
それよりも電子マネーのスピードは速い。

イオンは現在、
グループのポイントカード会員数を、
約3000万人と発表している。

Tポイントは約5700万人。
イオンの構想は、
このTポイントを追い越すことにある。

野村総合研究所調査。
14年度のポイント発行額は約8300億円。
20年度には1兆円を突破する予想。

WAONはその中核を担って、
列島改造の構想を持つ。

セブン&アイの鈴木敏文さんの退任の一方、
残された経営陣にはnanacoによって、
WAONと闘う戦場が待っている。

〈結城義晴〉


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