結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2016年09月25日(日曜日)

【日曜版・猫の目博物誌 その19】彼岸花

猫の目で見る博物誌――。
DSCN8963-2016-4-10-66666
猫の目は夜にも見える。
光のないところでも見える。
日陰者さえ見える。

そんな猫の目で見る博物誌――。

彼岸の明けには彼岸花。IMG_3800-6
秋の彼岸の頃に咲くから、
彼岸花。

学名Lycoris radiata。
ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年生。
IMG_3803-6
真ん中がツボミ。
両サイドが開花。

花弁は6枚で、
放射状につく。

そこで学名のradiataは、
「放射状」という意味。
Lycorisは、
ラテン語のヒガンバナ属。

鱗茎はデンプンに富むが、
有毒な球根性植物。

鱗茎の毒の主成分は、
アルカロイド。

食べると吐き気や下痢を起こす。
死に至る場合もある。
原因は中枢神経の麻痺。

群生する。

夏の終わりから秋の初め、
高さ30~50cmの花茎が、
地上に出てきて、
その先端に苞(ほう)に包まれて、
花序がひとつ付く。
枝も葉も節もない。

苞はつぼみを包んだ葉。

その苞が破れると、
数個の赤い花が顔を出す。
9月中旬のこと。

花には短い柄があって、
写真のように横を向いて開く。
すべての花は、
輪生状に外向きに並ぶ。

しかも花弁は細長く、
大きく反り返っている。

開花すると、
晩秋には線形の細い葉が、
バラの花のように、
ロゼット状に出てくる。

葉は冬の間、姿を見せるが、
翌春になると枯れる。

そして再び、
晩夏から初秋に、
地上に花茎を出す。

日本では水田の畦などに多く咲く。IMG_9478
〈photo by Huminori Kanaya〉

畦に植える目的は、
ネズミ、モグラ、虫など、
田を荒らす動物を、
鱗茎の毒で忌避させるため。IMG_9477

稲と彼岸花。
救荒作物として、
田畑の草取りのついでに、
植えられ、栽培される。IMG_9476

別名が多い。

曼珠沙華は「マンジュシャゲ」
サンスクリット語のmanjusaka。IMG_3802-6

死人花は「しびとばな」
地獄花「じごくばな」
幽霊花「ゆうれいばな」
剃刀花「かみそりばな」
狐花「きつねばな」
捨子花「すてごばな」
「はっかけばばあ」

日本での別名・方言は、
1000以上だという。

花と葉が同時に出ない。
だから「葉見ず花見ず」ともいう。

ひどい命名ばかり。

それでも、
日本の秋の彼岸には、
必須の花で、
それがこの花の
「ポジショニング」なのだと、
猫は思う。

DSCN8963-2016-4-10-66666
彼岸から、
猫はこの花を、
見ている。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)


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