春の豆腐商いと春の富士、そして春のイオンスタイル岡山
｢水ぬるむ季節である｣
朝日新聞｢天声人語｣
大分県出身の松下竜一
豆腐屋から作家･歌人になった。
その代表作『豆腐屋の四季』の中の歌。
けさよりは我が指刺さぬ缶の水
春の豆腐と思いあきなう
春の豆腐を商う。
いいですね。
しかし春は豆腐の売れ行きが落ちた。
鍋物の季節が終わるからだ。
豆腐屋にとって、
｢春はやさしいだけでなく、
苦みもあった」
春嵐砂捲く幾日か豆腐売れず
寂しくて満つる海を見に来つ
｢春は苦味を盛れ｣
菜の花、ふきのとう、筍、ウド。
春野菜。
コラムニスト。
｢冬の寒さに耐えて育まれた味わいが
活力を与えてくれる気がする」
春の豆腐や春野菜を商う。
季節を感じ取りながら。
今日は二十四節気の｢雨水｣
｢うすい｣と読む。
冬至から小寒、大寒、
それから立春、雨水。
1年を24に分けるから、
一つの節気は15日ほど、約2週間。
雨水は、雪が雨になり、
溶けた雪が土を潤すころ。
私は午後、新横浜から、
新幹線で南へ。
春の曇り空。
富士の姿は見えないだろうと、
初めから諦めていたが、
頂のところだけ、
顔を出してくれた。
雲の合間から、
頂上が見える。
少しずつ姿を現す。
そして雄大な全貌。
富士川のあたりから、
今日、最後の富士を望む。
それだけで幸せな気分になる。
ありがたい。
夕方、岡山駅に到着。
イオンモール岡山へ。
2014年12月5日にグランドオープン、
開業後1カ月間で合計230万人が来店して、
好調な滑り出しを見せた。
そしてこの店が、
都市型のイオンスタイルのベースを、
構築した。
岡山駅からモールまでの地下街。
ちょっと距離はあるが、
完全に定着した。
そのあおりを受けて、
表町商店街は衰退した。
イオンスタイル岡山が、
核店舗。
正面入り口には、
フォション(FAUCHON)。
そして高島屋の食品部門。
右手にはZARA HOME。
この店の商品、ずいぶんよくなった。
ユニクロもやがて、
UNIQLO HOMEに参入するに違いない。
そしてイオンスタイル岡山のフード。
夕方、6時を過ぎると、
岡山では土曜日でも客足は少ない。
それでも売り場を維持している。
ハムの売り場にワイン。
そして早くもホワイトデー。
早仕掛け・早仕舞い・際の勝負。
バレンタインデーが終わったら、
翌日からすぐに、
ホワイトデーに切り替えねばならない。
食品売り場はまあまあの状態。
客数も十分だ。
隣から一線で、専門店群。
このモールから始まった、
ラ・ドロゲリア。
イタリアンフードの専門店。
板橋前野町につながるイータリー化現象。
店頭にはMonthly Pickup。
この言葉は英語だけれど。
そしてイオンリカー。
ワイン売り場には、
イースターの提案。
これも早仕掛け。
このモールの1階は、
フード&ドラッグ。
問題は2階のファッション部門。
これはイオンスタイル全体として、
何とかしなければいけない。
３階は住関連。
こちらも少しずつ良くなってきた。
４階はキッズ。
そしてモールにはペットショップ。
イオンモール岡山は、
絶好調を維持している。
イオンスタイル岡山も同様に好調。
問題はアパレル部門。
3月に大胆な組織改革が行われる。
それは部門改革でもある。
組織は戦略に従う。
それが店に現れる。
小売業は恐ろしいビジネスだ。
〈結城義晴〉
