結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2017年02月11日(土曜日)

建国記念日の安倍晋三の「やってる感」と私たちの「仕事の成果」

建国記念の日。

日本のそれは神話に基づく。
単純に思う。
ロマンティックだ。
DSCN8719.JPG-7

初代天皇の神武天皇。
古事記や日本書紀に描かれる。
だから神話と言われる。

その神武天皇が即位した日。
紀元前660年1月1日。
現在は2017年だから、
建国されてから2677年。

神話だけれど。

旧暦の1月1日を、
新暦に換算すると2月11日。

1873年、明治6年に、
この日が紀元節と定まった。

さらに第二次大戦後、
1966年に「建国記念の日」として、
国民の祝日になった。
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いま、安倍晋三日本国首相が、
ドナルド・トランプ大統領を、
訪問している。

そのアメリカ合衆国の建国の日は、
1776年、アメリカ独立宣言が、
公布された日。
7月4日の独立記念日、
Independence Day。

こちらは241年。
DSCN8717.JPG-7

神話だけれど日本は、
アメリカの10倍の時間、
独立した国として、
それを堅持してきた。

なかなかに、すごい。

1990年3月に、
司馬遼太郎『この国のかたち』
第一巻が刊行された。
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その初めに司馬は書く。
「私は、日本史は世界でも
第一級の歴史だと思っている」

そう、私たちも、
建国記念の日を、
大切にしたい。

もちろん、司馬はこのあとに、
鋭くえぐっていく。

「ところが、昭和十年から同二十年までの
きわめて非日本的な歴史を光源にして
日本史ぜんたいを照射しがちなくせが
世間にあるようにおもえてならない」

「この十年間の非日本的な時代を、
もっと厳密に検討してその異質性を
えぐりだすべきではないかと思うのである」

この日本的なものと、
非日本的なものを、
建国記念の日だからこそ、
それぞれに考えてみたいものだ。

さて、渡米中の安倍総理、
トランプ大統領から、
「おもてなし」を受けている。

「異例づくしの米国訪問」
秋田浩之日経新聞コメンテーター。

日本側の作戦。
「トランプ氏がアドリブで発言する時間は
できるだけ減らし、
事務方が事前調整したシナリオ通りに
会談が終わるように準備を進めてきた」

「安倍氏が訪米の数日前から
秋葉剛男外務審議官をひそかに
ワシントンに送り、
事前調整に当たらせた」

アメリカ側の事情。
「最大の関心事である
通商・通貨問題を担当する
財務長官、商務長官らの
議会承認が遅れている」

だから今回は、
「おもてなし」外交。

日経新聞コラム『大機小機』
安倍政権の「やってる感」
コラムニストは希さん。

「筆者はしばしば、安倍政権の経済政策を
焼き畑農業と評している」

手厳しい。
しかし、上手い。

最初の「3本の矢」は、
一定の成果を収めた。
しかしそれだけでは、
日本の成長力は高まらない。

「それ以降、地方創生、
新『3本の矢』、一億総活躍などと
次々に目先を変え続けている。
ただし、看板を掛け替えて
会議を立ち上げるだけだから、
実際に成果が生まれるはずはない」

これが「焼き畑農業」

つまりは「水田の農法」をせよという示唆。

しかしそれでも、
安倍内閣の支持率は極めて高い。

コラムニストがその理由となる、
重要なキーワードを見つけた。
御厨貴・芹川洋一対談本『政治が危ない』
日本経済新聞出版社刊。
政治が危ない

それが「やってる感」である。

「しかも同書によれば、首相自身が
『やってる感が大事なんだ』と意識して
行動しているのだという」

ここでコラムニスト。
「日本には成果の有無ではなく、
『頑張っている人を
おとしめてはならない』
という文化がある」

「アベノミクスは道半ば」
しかし「次々新しいスローガンを
掲げ続ける経済政策は、
確かに頑張っている印象を与える」

「頻繁に外遊をこなし、その度に
テレビに自身の姿を映し出す外交姿勢は
『やってる感』満載といえよう」

希さんの辛口、これに留まらない。
「黒田東彦総裁率いる
日銀の金融緩和も同じかもしれない」

「4年近く経っても物価上昇率は
いまだにマイナスだから、
『2年で2%の物価目標を実現する』
という約束は大嘘だったことになる」

「マイナス金利や
長期金利コントロールなど、
あの手この手を繰り出して
頑張っている姿勢が
評価されているのだろう」

さらに
「日本企業の長時間労働は、
この成果よりも頑張る姿勢を
重視する文化の反映だ」

成果そのものよりも、
頑張る姿勢。

「やってる感」

コラムニストは最後に一言。
「今年こそ安倍政権には
『やってる感』だけではなく、
実際の成果を出してもらいたい」

アメリカの安倍晋三。
「やってる感」尺度で見ていると、
本質がわかるかもしれない。
いや、わかるに違いない。

だが、そこで終わってはいけない。

あなた自身の「やってる感」
あなたの店の「やってる感」
あなたの会社の「やってる感」

それをクールに見定めてほしい。

希さんが日本の文化というのだから、
それは日本人全体にあるのだろう。
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もちろん私自身にも。

ロマンティックな建国記念の日に、
クールな眼で再確認したい。

仕事は成果を上げるものだ。
「やってる感」ではいけない。

〈結城義晴〉

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