「備蓄米」販売と倉本長治が指摘した「農業と商業」の違い

上総モナークカントリークラブ。
商人舎を設立したあと、
メンバーになった。
だからもう17年ほど、
このコースでゴルフをしている。
ゴルフ名人会は、
1989年に始めた。
最初のころは故小森勝さんが、
すべてにわたってリードしてくれたので、
いろいろなコースでラウンドした。
厚木のコース、箱根のコース、
湘南のコース、藤沢のコース。
東名高速道を利用して、
その周辺のゴルフコースに行った。
小田急藤沢ゴルフコースは、
何度もラウンドした。
名門の趣があるゴルフコースで、
私は大好きだった。
またラウンドしたいものだ。
昭和40年から49年までの10年間、
家庭からの生ゴミ等の廃棄物を集積して、
東京湾を埋め立てて造成地をつくった。
それをゴルフコースにした。
三方を海に囲まれた54ヘクタール、
6970ヤード、パー72。
散水施設の制御システムのエネルギーには、
太陽光を利用している。
だからコースの中に大きな風車がある。
ゴルフ場のコース監修は岡本綾子プロ。
フラットないいコースだ。
風は強いけれど。
東京オリンピックは、
この若洲リンクスで開催するという案があって、
私は密かにそれに賛成していた。
名人会はその後、
多摩カントリークラブを本拠地にした。
引退した土井弘さんのコース。
ここは難しいコースだが、
ずいぶん多くのことを学んだ。
今日は立心の会。
メンバーそれぞれのホームコースを、
順に回っている。
茨城ゴルフ倶楽部、
高坂カントリークラブ、
戸塚カントリー倶楽部。
そして上総モナークカントリークラブ。
前後半とも40台ぎりぎりで、
不本意なゴルフだった。
それでもいいショットが出て、
それなりに満足した。
楽しかった。
肉体的な疲れは、
精神の疲労を癒す。
中村博中央大学大学院戦略経営研究科教授。
次は9月、楽しみです。
さて備蓄米騒動。
いろいろな小売企業が、
それぞれに入手したコメを、
それぞれ工夫を凝らして販売している。
ネット上では百花繚乱。
商人舎流通SuperNews。
備蓄米news|
スーパーマーケット各社で6/6以降、販売本格化
オーケーは6月6日(金)から、
みなとみらい店で販売を開始。
1日500袋。
価格は会員現金払いで1903円、
非会員・カード払価格は1960円。
カード会員を増やすことに利用した。
(株)Olympicグループは、
シジシージャパンが随意契約で調達した備蓄米。
墨田文花店で5㎏1980円で販売開始。
シジシージャパンは、
5月27日に5000トンの古古米を申し込んだ。
その後、どのように加盟企業に分配したのだろう。
ヤオコーはまだ準備中。
扱い量は令和4年度産9944トン。
販売方法は店頭のみ。
オンラインでの販売はしない。
コンビニnews|
6/5からファミマ・ローソン・6/17からセブンで備蓄米販売
コンビニの備蓄米販売。
ファミリーマートは随意契約1000トン分で、
事業者認定を受けた。
2021年産の古古古米。
「精米(「備蓄米」)と印字して、
1kg本体価格360円で6月5日から販売。
ローソンも古古古米、
「政府備蓄米1kg」360円、
同じく「政府備蓄米2kg」700円。
まず6月5日から東京都5店舗と大阪府5店舗。
6月14日から沖縄県を除く、
全国のローソン約1万3800店舗で売る。
セブン-イレブンは出遅れた。
そこで「無洗米」に加工して、
「政府備蓄米 無洗米2kg」718円で販売。
6月17日から東京都・大阪府・愛媛県、
それになぜか香川県・徳島県・高知県で販売開始。
「無洗米」は読んで字の通り、
洗う必要のないコメ。
研ぎ洗いせず、水を加えるだけで、
炊飯できるように工場で加工したコメ。
日本では1991年から売り出された。
通常販売されているのは「精白米」。
収穫してもみがらを取り除いたものが「玄米」、
その玄米から「胚芽」と「ぬか」を取り除く。
それが「精白米」。
セブンは出遅れた分、
「無洗米」にして販売する。
さて、備蓄米。
故倉本長治商業界主幹が、
「米」のことをちょっとだけ書いている。
「失敗のない店」
「すべての商人が
開店当時の心構えと意気込みをもつなら、
世の中に蹉跌する店は皆無となろう」
「蹉跌」は「さてつ」と読んで、
「物事がうまく進まず、しくじること」
つまり「挫折」や「失敗」のこと。
私も新店などには必ず、
「初心忘するべからず」と言う。
倉本。
「どんなに条件の整わない商店主でも、
開店売り出しと閉店売り台とだけには、
失敗ということが無い」
「絶えず研究し改善されて進歩する商店には、
モウ不況とか不振の時代は来ない」
勢いのある店にはそれがない。
ヤオコーやオーケーだろうか。
それにロピアが加わるのだろうか。
そしてユニクロやニトリだろうか。
「それだけにどこかに、
何時(いつ)も、何時までも、
一向に振るわない店が持続する」
ここからだ。
「米作にモウ凶年がなく
万年豊作が続く理屈と
それとは相似ている」
かつての「凶作」はひどいものだった。
それに比べると現在の米づくりは、
おおむね万年豊作と見ていい。
農業技術が飛躍的に高まったからだ。
「農業と商業との違うところは、
こちらの田が良い時、
お隣の田も良いようには、
商店の場合には、すべて一率(いっそつ)に、
同じように良いとはいかないという点である」
この指摘は実に鋭い。
こちらの店が良ければ、
お隣の店は悪い。
それが商業の競争だ。
備蓄米騒動を見ていると、
「こちらも備蓄米、あちらも備蓄米」で、
商業の営みのようには見えない。
つまり、国がかりの商売は面白みがでない。
もっと顧客に熱狂してもらえるような、
そんな商売の競争が見たい。
〈結城義晴〉