ミドルマネジメント研修会の「リーダーシップ」と「自ら、変われ!」

備蓄米の随意契約の追加申請を、
見送る大手チェーンが出てきた。
日経新聞の記事だが、
ドン・キホーテやイトーヨーカ堂、
ライフコーポレーションやヤオコー。
考えてみると、
古古米や古古古米は、
それほど魅力的でもないし、
とりわけておいしい商品とは言えない。
消費者がそれに気付き始めた。
当たり前と言えば当たり前か。
さて24回目の、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
初日の6月10日に、
関東は梅雨入りした。
昨日まで雨が降り続いた湯河原。
今朝は雨も上がって薄日が差している。
会場はニューウェルシティ湯河原。
千歳川が神奈川県と静岡県を分ける。
会場のホテルは写真左サイドの静岡県にある。
私は気に入っている。
温泉のわきの筧(かけひ)と蹲(つくばい)。
紫陽花の花があしらわれている。
2日目の講義から6問を設定。
電卓を使って求める計数問題もある。
昨夜も遅くまで復習する受講生たちがいた。
朝5時に起き出した人もいた。
学んだ成果をテスト用紙にぶつける。
その姿を見るのはうれしいことだ。
それでも2回目のテストが終わって、
皆、晴れやかな顔になる。
いつも通り、テストの回答とその解説。
結構、時間をとって丁寧に説明する。
高野保男講師の回答に対しては、
大野耐一さんの考え方を紹介した。
「トヨタ生産方式」の生みの親。
私の講義は「リーダーシップ」。
ここではさまざまなリーダーシップ論から、
私がチョイスした重要な内容を紹介する。
実はリーダーシップには誤解が多い。
リーダーシップにも方法論がある。
4つのリーダーシップスタイルを紹介して、
自分がどれに当てはまるか、
手を挙げてもらう。
部下やチームメンバーにも、
4つの成長段階がある。
4つのスタイルと4つの成長段階を、
うまく組み合わせて、
リーダーシップを発揮する。
最後に「チームワーク」の講義。
パワーポイントを使って、
コーネル大学の教授陣のレクチャーを再現した。
最初にケーススタディ。
これは私のオリジナル。
チームマネジメントを採用するチェーンストア。
ウェグマンズ、ホールフーズ、
そしてウォルマート。
チームマネジメントはもう、
米国チェーンストアでは定石になりつつある。
チームマネジメントの発案者は、
ケン・ブランチャード。
ドラッカーの考え方をベースにおいている。
丁寧に講義をして、
プロジェクトチームに積極的に参加するよう、
アドバイスした。
第2講義は井坂康志講師。
ものつくり大学教養教育センター教授、
ドラッカー学会共同代表。
ドラッカーの分身と言われたのが、
翻訳家の上田惇生先生。
このミドルマネジメント研修会では、
第1回からずっと講義してくださった。
しかし2019年に逝去された。
その上田先生の後継者として、
井坂さんが講師を務めてくれる。
もう10年になる。
今回はテキストを刷新して、
事例豊富なレクチャーだった。
ドラッカーの神髄を語る。
私のドラッカー論とは違った角度からの講義。
それが受講生の理解を深める。
講義の後はQ&Aタイム。
真っ先に手を挙げたのは
㈱成城石井の明石始さん。
井坂講師は、質問に対して、
いつも真摯に考えて答えてくれる。
井坂さんが通うものつくり大学は、
埼玉県行田市の田舎にある。
最近、井坂さんも、
スーパーマーケットでの買物が増えた。
そこで持ち歩くようになったのが、
トレーダー・ジョーの保冷バッグ。
私は井坂さんの近著を持って写った。
岩波新書の『ピーター・ドラッカー』
昼食をはさんで、
研修会の最後は、
結城義晴の総括講義。
90分。
流通理論の紹介と解説。
まずは『チェーンストア』
ゴドフリー・レブハー著。
一番わかりやすいチェーンストア理論書。
「純粋批判」を込めて解説。
何しろこの本のゴーストライターは、
結城義晴なのだ。
それからポジショニング戦略。
コーネル大学のストアフォーマット論を、
アメリカの事例を引き合いに出しながら、
我ながら力のこもった講義となった。
最後の最後はサービスマネジメント。
「ホッケースティックの関係」は、
忘れないでほしい。
そして最後のメッセージは、
「自ら、変われ!」
講義を終えると、大きな拍手。
送り出すや否や、
私はタクシーで熱海駅へ。
それから東京に戻る。
今日はオール日本スーパーマーケット協会の、
総会と懇親会がある。
熱海駅で㈱マツモトの皆さんと再び遭遇、
そこで一緒に記念撮影。
東海道新幹線と中央線に乗って、
水道橋に着いた。
本当に久しぶりに、
荒井伸也さんにお会いした。
その模様は明日のブログへ。
〈結城義晴〉
3 件のコメント
『商業経営の精神と技術』のゴーストライターが結城さんだったのは驚きました。
渥美さんの著作は、絶版になっているものを除いて全て読みましたが、『商業経営の精神と技術』はとてもわかりやすかったのを覚えています。
㈱商業界創立40周年記念発刊の本です。
渥美先生と12時間くらいサシでインタビューして、
それをテープにとって書き起こしました。
渥美先生ご自身が仰っていました。
「この本が一番読みやすくてわかりやすい」
「結城君が書いたからだ」
セミナーでもそう語ってくださって、
ありがたいことでした。
これが渥美理論のエッセンスだったと思います。
第24回 受講させていただきました。
濃密な3日間を過ごさせていただき
まだ、厳密に言葉にはできておりませんが
人生観、社会人観が大きく動いたと実感しております。
「自ら、変われ!」とマザーテレサを胸に
受講内容を再度噛み締め消化し、今後に生かしていきたいと思います。
貴重な機会いただきありがとうございました。