「民主主義に二度万歳」とチェーンストアの「正月休業」

朝からオンライン会議。
ビッグデータマーケティングは今、
最もトレンディな「仕事」です。
だから多くの企業から、
アライアンスの申し込みがあります。
ありがとうございます。
精一杯、お応えします。
午前中、Teamsで会議をして、
それから商人舎オフィスに出社。
月刊商人舎1月号の原稿が上がってきている。
二人の筆者の原稿と、
編集部の取材記事。
それらを読んで、手直しをして、
タイトルをつける。
そしてデザイナーに入稿する。
夜まで集中して「仕事」した。
3本仕上げた。
順調だ、気分がいい。
さて朝日新聞「天声人語」
「民主主義には二度万歳をしよう」
20世紀のイギリスの作家、E・M・フォースター。
(1879年~1970年)
一度目は多様性を許すから。
二度目は批判を許すから。
「フォースターは民主主義を擁護しつつ、
その限界も認識せよと説いた」
最近の世界中の動向を見ていると、
その限界を強く感じさせられる。
フォースターは釘を刺す。
「ただし、二度で充分。
三度も喝采することはない」
文学ならばそれでいい。
コラムニスト。
「多様性と批判を許容し、
見解が異なっても議論を尽くすのは
民主主義の根幹だ」
問題はその先だ。
「フォースターの小説は、
価値観が異なる者たちが出会い、
わかり合えずに衝突、葛藤する描写が秀逸だ」
「二度にとどめた万歳は、
理想と現実を冷静に見据えて
たどりついた境地だったか」
会社の民主主義は、
多様性を認め、批判を許しつつ、
結論を出し、実行される。
そしてそこに成果を求める。
成果がよく見えるところで使われるとき、
デモクラシーは最良の手段なのだと思う。
一方、「折々のことば」第3543回。
明日には目が見えなくなる
かもしれないと思って、
世界を見てください。
〈ヘレン・ケラー〉
見えず、聞こえず、
当初は話すこともできなかった米国女性。
「もし3日間だけ視力が与えられたら、
まず自分を支えてくれた大切な人を見たい」
「翌日は人類のこれまでを見るため
博物館や劇場を」
「3日目は働く人を見るため大都会を訪ねたい」
三番目が、とくにいい。
『もしも3日間だけ目が見えたなら』から。
原題は「Three Days to See」
この直截的な英語の方を味わってください。

「目が見えない私から、
目の見える宝物を与えられた皆さんへ」
「貴方が持っている
当たり前の機能を最大限に活用し、
全てのものに目を向け、
本当に価値のあるもの、
大切なものを見極めてください」
「 私は、全ての感覚の中でも、
自分の目で見る光景こそが、
人生に最大の喜びを与えてくれるものと
信じています」
ヘレン・ケラーさんが見たいもの。
第1は、大切な人。
第2は、人類の歴史。
第3が、働く人。
それも人が集まる大都会の。
人のために働くことの価値を、
ヘレンは訴えた。
商人舎特任研究員が送ってくれたのが、
チェーンの年始の営業日リスト。
元旦から営業するのが、
イオンとマックスバリュ各社。
イトーヨーカ堂。
報告にはないがハローズも、
年中無休だ。
1月1日休業で2日から営業するのが、
ヤオコー、マルエツ、いなげや。
1月2日まで休業するのが、
バローと関西フードマーケット。
一番多いのが三が日休業の会社。
ライフコーポレーション、サミット、オーケー、
関西では万代、アプロ。
そして1月4日まで休業するのが、
ロピア、コノミヤ、エイビイ。
私は「それぞれ」でいいと思う。
故上田惇生先生がドラッカーを読むとき、
「それぞれのドラッカー」をお薦めしていた。
ちなみに㈱商人舎は4日まで休業。
5日が仕事始めだ。
営業日に関しても、
意図をもって休業日を決め、
それを働く人たちに了解、納得してもらう。
お客様にもお知らせする。
それでいい。
自社らしさがあれば。
その自分らしさが、
想定した成果につながれば。
それもポジショニングである。
しかしヘレン・ケラーは、
目が見える3日のうちの最後の日に、
働く人を見たいと思う。
モノをつくる、
モノを運ぶ、
モノを売る。
これはみな、仕事だ。
「仕事」とは、
するべきこと、
しなければならないこと。
「働く」とは、
精出して仕事すること。
他人のために奔走すること。
効果を出すこと。
「働く」ことこそ、
人間の価値を示すものだ。
休むときは休む。
働くときは働く。
それを見ているのは、
気分がいいものだ。
成果が出ていればなお、
いい気分だろう。
〈結城義晴〉

























