結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2023年04月27日(木曜日)

イオンネクスト副社長インタビューと「ネクスト・ソサエティ」

朝から千葉の海浜幕張。

イオンタワー。
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1994年5月に竣工。
高さは112.55 m、
地上26階地下1階。

その前は神田に本部があった。

岡田卓也さんらしい、
思いきりのいい決断だった。
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今日はインタビュー。

イオンネクスト㈱の副社長のお二人。IMG_39373

商人舎流通スーパーニュース。

イオンnews|
オンラインマーケット「Green Beans」今夏始動

4月4日(火)に発表された。
イオンネクストが、
オンラインマーケットを立ち上げる。
ブランド名は「Green Beans」

イオンは2019年11月に、
イギリスのオカドと戦略的提携をした。
そしてイオンネクストはその直後の12月に、
イオンネクスト準備㈱として設立された。

コロナ禍の間の3年間に、
オンラインマーケットの要件を整えて、
この夏にサービスがスタートする。

2021年4月に、
千葉市緑区誉田町に第1号のCFC建設に着手。
最先端のAIとロボティクス機能を導入した、
カスタマーフルフィルメントセンターである。

その新しい事業の話を、
お二人からたっぷりと聞いた。IMG_39273

右が野澤知広代表取締副社長、
左が太田正道取締役副社長。IMG_38913
野澤さんはグループ経営企画部長や、
物流改革プロジェクトリーダー、
イオングローバルSCM㈱社長を経て現職。

太田さんは清水商事㈱社長から、
イオンのネットスーパー本部長などを経て現職。
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お二人の話が素晴らしくて感動した。

だから最後には私も多弁になって、
感じたことなどを語った。 IMG_39313

『ネクストソサエティ』は、
ピーター・ドラッカー最後の著書だ。
「次の社会」の像を見事に言い当てた。

2002年に刊行された。
もちろん故上田惇生訳。
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ネクスト・ソサエティは知識社会となる。
知識は教育によって与えられ、
その教育は万人に開かれる。

だから知識社会の主役は、
知識労働者となる。

私の言葉で言えば、
知識商人の時代だ。

イオンネクストは、
「ビヨンド・リテイル」をつくり出す。
つまり既存の小売業を超えるものとなる。

そして、
「ライフ・タイム・バリュー」を最重視する。
顧客生涯価値」である。

一つひとつが、
ドラッカーの考え方に合致していると思った。IMG_39293

1時間40分ほどもインタビューをして、
最後に三人で写真。
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イオンネクスト――。
いい社名だ。

イオンの次代を担う会社だ。IMG_39433
ありがとうございました。

商人舎5月号のネタはもう満杯。
そのなかで燦然と輝くインタビューになる。

ご期待いただきたい。

毎日新聞の巻頭コラム「余禄」
4月25日版は「風に吹かれて」

もちろんボブ・ディランの曲。
「Blowin’ in the Wind」

The answer, my friend,
is blowin’ in the wind

The answer is blowin’ in the wind

この部分を忌野清志郎が自分で訳詞して歌う。

「その答えは風の中さ
風が知ってるだけさ」

清志郎は天才だ。
素晴らしい。

ディランももちろん天才だ。

1962年、この曲を発表したころ、
その意味を語っている。
「答えは本や映画、テレビ、
討論会の中にはない。
風の中にある」

4月の来日公演で歌われた曲の一節にも、
「風のように私を見えなくして」

ディランは「風」という言葉をうまく使う。

「余禄」は最後に、
ウィリアム・ウォードの有名な言葉を引く。
「悲観主義者は風を嘆く。
楽観主義者は風向きの変化を期待する。
現実主義者は帆を動かす」

イオンネクストは今、
野澤さんも太田さんも、
帆を動かしている。

頑張れ。

〈結城義晴〉

2023年04月26日(水曜日)

ジョイホンパーク吉岡とツルヤ吉岡店を取材して「前橋が熱い!!」

昨日の夜から群馬県高崎市。
高崎駅前のホテルに宿泊して、
朝7時半過ぎにレンタカーで出発。

1時間ほどで北群馬郡吉岡町に到着。

今日はあいにくの雨だが、
ジョイホンパーク吉岡、
グランドオープン。

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商人舎流通スーパーニュース。
ジョイフル本田news|
群馬県北群馬郡に「ジョイホンパーク吉岡」開設
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「ジョイホンパーク吉岡」は、
ジョイフル本田が開発したショッピングセンター。
12年ぶりに超大型店を新規開店した。

核店舗は「ジョイホン吉岡店」。
サブ核が「ジャパンミート生鮮館吉岡店」と、
ヤマダデンキの「Tecc LIFE SELECT前橋吉岡店」。

これも商人舎流通スーパーニュース。
ヤマダnews|
創業の地に「Tecc LIFE SELECT前橋吉岡店」4/14開店

先行して4月17日にオープンしている。
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この吉岡町は創業者の山田昇会長が、
1973年に8坪の売場からスタートした原点の地だ。
それだけに日本最大級の品揃えやサービスを提供する。

最新家電をはじめ、
大塚家具の家具・インテリア、
さらにリフォーム、生活雑貨、
ゲームや玩具などを総合的にそろえる。

ジョイホンパークは、
ジョイホン吉岡店のほかに、
43のテナントによって構成される。
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開店は朝9時。

その前から顧客が行列をつくっている。

報道陣も少しずつ集まり始めた。
流通ニュースの志鎌廣仁君。
以前、商業界の食品商業編集部にいた。IMG_29363

9時から記者会見。

服部将允執行役員営業本部長(左)と、
本間和人総務部広報・IR担当部長。IMG_29353
ゆっくりと丁寧に答えてくれた。

私は基礎的な数字をいくつか訪ねた。
それから総投資額と初年度年商を聞いたが、
答えてくれなかった。

総資本の回転くらい知りたいと思ったが、
これから有価証券報告書で、
じっくり分析しよう。

そのあと広大な店舗をくまなく巡った。
敷地面積は3万9885坪、
総売場面積は1万1500坪。

1階がホームセンターとジャパンミートなど、
2階がフードコートと専門店街。

1階の新フォーマット「ジョイホン吉岡店」は、
食品や日用品のDailyが充実して、
レジの前にずらりと並ぶ。IMG_29313

5つのゾーンに分かれていて、
「すべての日常に、エンタメを」がコンセプト。
①Proゾーン
②Living Spaceゾーン
③Ways of Lifeゾーン
④Dailyゾーン
⑤Hobby/Varietyゾーン
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もちろんジョイフルの専門性の高い、
ホームインプルーブメントは、
Proゾーンを構成していて、
他の追随を許さない。IMG_28423

園芸も同じく深くて広い品ぞろえだ。IMG_28663

エスカレーターで2階に上がると、
広大なFOOD PARK。
ファストフードのショップが並び、
フードコートは圧倒的な広さ。IMG_27093

GUをはじめアパレルも揃ったテナント構成だ。IMG_27053

1階の飲食ゾーンのグリコの前で写真。IMG_29333

ジャパンミート生鮮館吉岡店は、
オープニングセールの大目玉価格を打ち出して、
集客していた。
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やはり精肉は強い。
ジョイホン同様専門性を前面に出す。
アウトドアBBQコーナーも、
なかなかいい。
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くまなく歩くと疲れ切る。
しかしこの店は私に、
あることを思いつかせた。

それは月刊商人舎5月号で、
くまなく紹介し、分析しよう。

ジョイホンのあとは、
ヤマダデンキに寄って、
それから隣接する店に。

昨年10月オープン、
ツルヤ吉岡店。IMG_28963

ツルヤnews|
群馬県3店目のツルヤ吉岡店10/13新規開設 

前橋南店、みどり店に続く群馬県内3店目となる。
このあとも6月21日にローズタウン店が開業して、
ツルヤの群馬出店戦略は順調だ。

山本恭広編集長と写真。IMG_29293

今、前橋が熱い。

吉岡町をあとに、
前橋南インターへ。

4月21日にオープンした、
ユニクロ・ロゴ・ストア。IMG_29273

「KIDS BOX」では子どもたちが、
楽しそうに遊んでいた。IMG_29283
それからユニクロ・コーヒーは、
郊外型喫茶店と化して、
雨にもかかわらず顧客が行列していた。

デザイナーの佐藤可士和さんの発言。
「店はメディアです」

私は書いた。

「しかし店というメディアには、
顧客の存在が欠かせない。
多くの顧客が店にやって来ることで、
メディアとしての店の意義は高まる」

雨にもかかわらず顧客が押し寄せて、
メディアとしての店が、
しっかり機能していた。

前橋の新しいショッピング機能は、
全体が調和しつつ、
怒涛の奔流のごとく一つの方向に向かう。

月刊商人舎5月号で、
それが明らかになる。

ご期待いただきたい。

レンタカーで高崎駅に戻ると、
「幸福のだるま」が迎えてくれた。IMG_E29253
いい取材だった。
1万5374歩も歩いた。

だるまさん、ありがとう。

〈結城義晴〉

2023年04月25日(火曜日)

イオンがいなげやを連結子会社にしてU.S.M.Hと統合する話。

横浜商人舎オフィスにいた。

午後3時10分。
イオン㈱の飯田あき子さんからメールが入った。
コーポレート・コミュニケーション部。

本日、「関東SM事業の構想について」会見を、
開催いたします。

1.日時 本日4月25日(火)17:30~18:30
2.場所 御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター

ご出席賜りますようお願い申し上げます――。

私はピンときた。

そして商人舎の社内に向けて言った。

「いなげやを子会社にするんだよ」

イオンの幹部から、
聞いていたわけではない。

近いうちにいなげやを連結子会社にして、
それからユナイテッドと経営統合する。

これはコロナ禍中に成し遂げた、
「全国リージョナルシフト」の総仕上げである。

これが私の確信に近い見方だった。

イオンは現在、
いなげやの株式を17.01%保有する。
持ち分法適用会社の扱いである。
連結決算には含まれない。

突然の記者会見の開催は、
何か大きなことが決まったからに違いない。

それともどこかのメディアが、
スクープしたのだろうか。

そう思っていると、
すぐにわかった。

案の定、日経電子版が午後3時02分付けで、
「イオン、いなげやを子会社に」との記事を掲載した。

午後5時半から記者会見が始まった。

商人舎編集陣は高崎に向かっていた。
だから緊急の記者会見には出席できなかった。

吉田昭夫イオン社長、本杉吉員いなげや社長、
そして藤田元宏U.S.M.H社長が壇上に座った。

商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
いなげやを子会社化し「関東1兆円SM構想」加速 

イオンは2023年11月をめどに、
いなげやの議決権51%相当の株式を取得する。
そして連結子会社とする。

さらに、2024年11月をめどに、
ユナイテッド(U.S.M.H)と経営統合する。
正式にはユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス㈱。

㈱マルエツ、㈱カスミ、マックスバリュ関東㈱、
それにいなげやが加わって、
関東圏における売上高1兆円・1000店舗。
最大のスーパーマーケットチェーンを構想する。

いなげやの決算発表は、
5月7日の予定だ。

そのときには、
胸を張ってイオンと経営統合すると、
発表するのだろう。

それでいい。

小売業の六重苦。
⑴市場縮小
⑵競争激化
⑶人手不足
⑷原材料費アップ
⑸建設費高騰
⑹光熱費等上昇

商業の人手不足には日本の産業界挙げての、
給与の引き上げがさらに影響を与える。

原材料費アップは、
昨年からの異常な食品値上げを引き起こした。

さらに決定的な電気代の高騰もある。

本杉いなげや社長は述懐した。
「1社の企業努力では電気代高騰、デジタル化、
マーケティングなど時代の変化への対応が
厳しくなってきています」

ユナイテッドのDXとの融合は、
乗り遅れないためにも有効だ。

ネットスーパーは、
イオンネクスト㈱がこの夏に、
「Green Beans(グリーンビーンズ)」を立ち上げる。
いなげやはこれにも乗ることができる。

物流2024年問題に対しても、
物流基盤の共通化は、
イオンとともに進む方がいい。

さらにプライベートブランドは、
イオンが今、最も力を入れる領域だ。
それも活用できる。

ユナイテッドは、
営業収益7087億円、
営業利益は47.5%減ながら63億8400万円、
経常利益も47.6%減で65億3600万円。
グループ総店舗数529店舗。

いなげやは営業収益が約2500億円。
店舗数133店舗。

合計すれば約9587億円、総店舗数662店。

日本のスーパーマーケット産業で、
ライフコーポレーションを抜いて、
トップに躍り出ることになる。

しかしまあ、急ぎなさんな。
2025年2月期の決算で、
ということになるのだから。

「経営統合した暁には」という、
「たられば」の話ばかり出ているが、
それまで本杉さんはいかに、
社内をまとめるか。

それが一番の問題だろう。

イオンもユナイテッドも、
それほど揺らぐことはない。

いなげやこそ、
焦点となる。

私はいつもこういったときに、
言うことにしている。

商人には本籍地と現住所がある。
本籍地いなげや、
現住所ユナイテッドあるいはイオン。

それを幹部や社員が自覚し、納得することだ。
そこからスタートすることだ。

もう一つの問題は、
イオンの持ち分法適用会社の㈱ベルクの行方だ。

こちらは業績絶好調で、
今、イオン首都圏スーパーマーケット構想に、
入ってくる必要はまったくない。

ベルクnews|
営業収益3108億円・営業利益140億円/経常利益率4.6%

2023年2月期決算は、
営業収益3108億円、
営業利益140億1800万円、
経常利益142億9700万円(3.0%増)。
営業利益率4.5%、経常利益率4.6%。

しかし将来にわたって、
どう考えるか。

イオンにとっては、
ベルクこそ首都圏構想の中核に据えたい企業だ。

原島一誠社長と幹部の、
考え方にかかっている。

さらにこの首都圏統合によって、
日本中のスーパーマーケットは、
経営統合を急ぐことになるだろう。

その際に忘れてはならないことがある。
成長と膨張である。

単なる膨張であるならば、
経営統合は危うい道に踏み出すことを意味する。

くれぐれも忘れずに。

私は夕方の新幹線で、
高崎へ。

駅前にOPAがある。IMG_2685 (002)3

その核店舗はイオンスタイル。IMG_2687 (002)3

夜の時間帯としては、
まあまあの状態だ。IMG_2686 (002)3

スケールが1兆円に近づこうが、
膨張であってはならない。

膨張は終わりの始まりなのだから。

〈結城義晴〉

2023年04月24日(月曜日)

内田憲一郎君の「当選」とヤマナカへの激励「知恵と力を合わせよ」

Everybody! Good Monday!
[2023vol⑰]

2023年第17週。
4月は第5週。

昨日、第20回地方統一選挙の後半が、
投開票された。

立教大学院時代の結城ゼミ生が、
東京都板橋区議会議員に再選された。
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内田憲一郎。
二期目に入る。
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おめでとう。

地元の高島平を、
より良くするために活動を続ける。

この時代に政治家を志望するのは、
貴重なことだ。

世のため、人のため。
信念を貫いてほしい。

ゴールデンウィークが迫って来る。
29日土曜日の昭和の日から、
最長で9連休。

短くても、
ゴールデンウィーク後半は5連休。

商売は書き入れ時。

新型コロナ感染パンデミックのあと、
3年が経過した。

そのなかでインフレが進む。
電気代をはじめエネルギーコストが上がる。

商人舎流通スーパーニュース。

ヤマナカnews|
年商866億円・経常利益1億7300万円も赤字転落

㈱ヤマナカの本決算。
減収減益で、純損失が出た。
これも電気代などの高騰の影響だ。

営業収益866億5700万円、
経常利益1億7300万円、
四半期純損失6億5600万円。

わずかでも経常利益が出ている。
それが地域に貢献している証だ。

業務改革を断行している。
そのなかで本部適正人員化を進める。
現場を大事にしつつ、
本部をスリムにする。

ここは本部と店舗のチームワークだ。

これは間違いではない。
今こそ踏ん張ってほしい。

ただし余計なことはしないほうがいい。
現場が荒れないように乱れないように、
お客様一人ひとりを大切にするように。

そこに専心する。

こんな時こそ、
商業界精神に縋(すが)ってよろしい。

店は客のためにある。
店員とともに栄える。

愛と真実で適正利潤を確保せよ。

今日は令和名人会。

1989年から続くゴルフの会。
もう34年もやっている。

オリジナルメンバーは、
鈴木國朗さんと結城義晴。

小森勝さんは故人になってしまい、
浅香健一さんは引退した。

それでもいつも小森さんと浅香さんを思い出す。

土井弘さんもなかば引退だが、
今日はその土井さんのホームコースでラウンド。

多摩カントリークラブ。IMG_26833

現在のメンバーは大阪の新谷千里さんと、
宮本洋一さん。

今日は土井、宮本、鈴木の各氏と結城。

1日が終わってみると、
右足を痛めていた宮本プロの圧勝。

そして最高齢の土井プロが、
大健闘で80台を出した。

鈴木、結城は低空飛行。

終わってから写真撮影。IMG_26793

どんなスコアでもゴルフは楽しい。IMG_26803

令和名人会もまだ、
40年、50年まで続けたいものだ。IMG_26823

2023マスターズ選手権の始球式で、
ゲーリー・プレイヤーのスイングを見た。
87歳ながら見事なフォーム。

プレイヤーを目指す。

スコアも大事だが、
それとともに見事なスイング。

これは私のトレードオンだ。

固い決意。

よろしくお願いします。

今週は月刊商人舎5月号の入稿をしつつ、
火曜と水曜は前橋に出張する。

今、前橋が熱い。

ゴールデンウィークの前半は、
休みなしで仕事に邁進する。

商人舎もみんな踏ん張ろう。
我々も商業界精神だ。

お互いに知恵と力を合せて働け。

では、みなさん、今週も、
チームワークで。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2023年04月23日(日曜日)

倉本聰「石油と水はどっちが大事か」とイオン「CO2ゼロのイチゴ」

今、とくに全国の地方新聞で話題にしている。
脚本家の倉本聰さんのMessage。

「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」が、
札幌市で行われた。

この会合に向けたメッセージだ。

あなたは文明に麻痺していませんか
石油と水は どっちが大事ですか
車と足は どっちが大事ですか
知識と知恵は どっちが大事ですか
理屈と行動は どっちが大事ですか
批評と創造は どっちが大事ですか

あなたは本質を忘れていませんか

あなたは己れの体内のエネルギーだけで
生きるということを忘れていませんか
己れのエネルギーの消費を抑えて
他のエネルギーに縋っていませんか

あなたは結局何のかのと云いながら
他所から奪いとったエネルギーの中で
我が世の春を謳歌していませんか

現境問題は 全てそこから発しています

地球環境を正常に戻すには
今の豊かさ少し犠牲にして
時代を戻すしか方法はありません

文明社会というこのスーパーカーは
プレーキとバックギアをつけ忘れました
こんなスピードは要りません
こんな眩しさも要りません

我々人類は今立止り
地上の植物、けものたちにならい
謙虚につつましく生きましょう

我が世の春を謳歌して、
豊かさを求めるのは止めましょう

 環境問題を解決するには
その道しかないと 考えます

〈倉本聰〉
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石油と水は、どっちが大事か。
車と足は、どっちが大事か。

知識と知恵は、どっちが大事か。
理屈と行動は、どっちが大事か。
批評と創造は、どっちが大事か。

どっちも大事。

どっちかを選んで、
他を切り捨てる行為は、
いけない。
それがトレードオフから、
トレードオンへの転換だ。

しかしそれでも、
どっちが大事かと言えば、
水のほうが大事だし、
足のほうが大事だ。

コロナ感染拡大防止と、
経済の活性化。

どっちも大事で、
どっちもやらねばならない。
それがトレードオンだが、
それでもコロナは直接、
人の命にかかわることだった。

だからコロナ対策が大事だ。
こちらが優先される。

そのなかから経済や消費の活性化の道を探す。

そうして今がある。
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日経新聞が日曜版の1面で記事にした。
「イオン、国内初のCO2ゼロ食品」

イオンは生産や運送過程などで実質的に、
二酸化炭素(CO2)を排出しない食品を売り出す。

凄い。

イオン子会社のイオンアグリ創造が、
島根県安来市と三重県いなべ市で、
生産過程でCO2を出さない構造の温室を建設。
2024年にイチゴを栽培する。

温室の冷暖房には、
冷媒を使ったヒートポンプを活用する。
これは化石燃料を使わないで済む。

低温時にはボイラーを使うが、
その場合は発生したCO2を集めて、
イチゴの葉にあてて吸収するシステムを作る。
ヒートポンプや照明などは、
太陽光などの再生可能エネルギー由来の電気を使う。

まず近畿や東海、中四国地方の、
マックスバリュなどで販売する。

生産量は当初年100トン、
10個前後入りで約100万パック分。

価格は既存のイチゴパックの321円に据え置く。

従来よりも生産量を3倍に増やす。
それによって価格を抑えつつ、
収益を確保して投資を回収する。

国内では初めての試みだ。

「脱炭素の流れが食品にも及んできた」   nav_11

国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)。
世界の温暖化ガスを直接排出する割合では
農業・林業など土地を利用する活動由来が
24%にも上るとしている。

運輸が14%、産業が21%。

戦争は話にならないくらいナンセンスだが。

日本はこの面では、
ヨーロッパに遅れた。
イオンが先陣を切ることで、
農業や食品の脱炭素は加速する。

CO2ゼロ食品はイチゴを皮切りに、
今後、トマトなどにも広げる方針。

脱炭素食品は欧州が先行する。

仏カルフールはECサイトで、
プライベートブランドに環境ラベルを付ける。

ドイツのリドルや、
ベルギーのコルロイトなども、
同様の環境ラベルを導入している。

石油と水は、どっちが大事か。
車と足は、どっちが大事か。

どっちも大事。

どっちかを選んで、
他を切り捨てる行為は、
いけない。
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イオンのCO2ゼロのイチゴは、
トレードオンである。

環境も大事だし、
収益性も大事だ。

これらは小さく始めてもよろしい。

始めることが大事だ。
倉本聰さんもそう言っている。

〈結城義晴〉

2023年04月22日(土曜日)

スーパーバリュー杉並高井戸店改装オープンの「非食品のロピア化」

スーパーバリュー杉並高井戸店。
改装オープン。
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朝、オープン前に出かけた。
顧客が行列をつくっていた。

商人舎流通スーパーニュース。
スーパーバリューnews|
杉並高井戸店4/22改装/2F食品はロピアとコラボ

東京都杉並区の2層店舗。
1階がホームセンターで、
2階がスーパーマーケット。
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3月末から1カ月ほど休業して、
食品売場を根本的に変えた。

昨年7月、㈱ロピア・ホールディングスが、
筆頭株主となってから、
店舗改装ではロピアの売り方を採り入れている。

東京の杉並でこの食品430坪の売場面積があり、
駐車場は平面と屋上に300台装備されている。

2階に上がると、
カート置き場にイラスト。IMG_26173

大型カートはロピアの仕様。
100円硬貨を差し込んで抜き取るタイプ。

青果部門から始まる。
もうロピアそのもの。

天井からPOPが下がる。
「ただ安く売るより、
価値のあるものを安く売りたい」IMG_26183

行列をつくっていた顧客は、
9時の開店とともに2階に直行する。
入口では入場制限が行われている。

2階はすぐに混み始める。
青果部門は八百物屋あづま。IMG_26143

イチゴ4パック1000円が超目玉。IMG_26153

ロピアの事業部長たちが、
全部門に応援にやって来ていて、
ロピアの新店オープンのようだ。

鮮魚部門は日本橋魚萬。
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鮮魚も惣菜も「常に挑戦進化」IMG_26283

ウナギ弁当。1480円と1980円。IMG_26303

精肉部門は最強の「肉のロピア」。IMG_35773

食品売場は430坪で、
ロピアとしては狭いけれど、
生鮮と惣菜のスペースは、
レギュレータイプと同等の面積だ。IMG_26323

精肉は次々に売れていって、
冷蔵ケースは空になる。IMG_26333

グロサリーにも、
ロピアのアイテムが投入されている。 IMG_26213

そのグロサリー売場には、
列車の模型がセットされて、
これもロピアのアイデンティティ。IMG_26243

パスタは「値上げ反対」のPOP。IMG_26253

高級食パン専門店「どんだけ自己中」のコーナー。IMG_35813

私は売場と顧客の動向を観察していた。IMG_35852

一方、1階にも顧客が殺到。IMG_35863

POPはロピア仕様。
売り方もロピア方式。IMG_26353

非食品にもロピア流が導入されて、
売場は活気づく。IMG_26363

ペットショップとペット用品売場を、
店舗の奥にもってきた。IMG_26373

天井から癒し系のPOPが吊るされると、
この売場もロピアの印象に変わる。IMG_26393

改装前から顧客はついていた。
その顧客たちが喜んで戻って来てくれた。IMG_26403

屋外テントの園芸売場も人気だ。IMG_26433

レジには行列ができる。IMG_26463

「お客様の幸せを願って、
ただそれだけを考えて」IMG_26343
家電などを縮小して、
日常生活に必須の雑貨を増やした。
そして園芸とペットを充実させた。

まだまだ改革は進む。

非食品マーチャンダイジングのロピア化。
その可能性は魅力に満ちている。

1階でもレジには行列ができた。IMG_26413

岸本圭司スーパーバリュー社長と、
売場の改善について話し合った。
自信がわいてきている。
スーパーバリューの店長や社員にも、
そしてパートタイマーさんたちにも、
その自信は見られる。IMG_35913

その岸本さんと握手。IMG_35943

相川博史さんは、
ロピア・ホールディングス取締役で、
スーパーバリュー取締役を兼務。
改革の中核的役割を担う。
IMG_35883

内田貴之さんも、
スーパーバリュー取締役。
ロピア・ホールディングス取締役管理本部長。IMG_35973
いつものロピアの新店オープンの顔ぶれが、
スーパーバリューの改装に揃った。

そして順調に改革は進む。

スーパーバリューの店長たちも、
応援に駆け付けていたが、
その店長や幹部の人たちも、
手ごたえを感じているようだ。

会社の改革は、
人心の刷新から始まる。

それがこの改装から見える。

スーパーバリューnews|
年商678億円6.0%減・赤字幅拡大

スーパーバリューの2023年2月期は、
売上高678億円で前期比6.0%減、
営業損失16億円、経常損失15億円だが、
今期は大幅の改善が進みそうだ。

改装店舗にそれが表れていた。

〈結城義晴〉

2023年04月21日(金曜日)

高倉照和の「NetMarket事業」とイオンリテール「AIオーダー」

夜、 高倉照和さんと銀座で会食。
スーパーサンシ㈱専務取締役、
NetMarket事業本部長。IMG_3539-1

高倉さんには、
商人舎2015年4月号に登場していただいた。
特集は、
「ネットスーパー! 移動スーパー!!」
201504_gekkan_290x2801

無店舗食品販売「日本の草分け」
サンシ宅配サービスのすべて

もう、あれから8年。

ネットスーパーは進化を遂げた。

アメリカのウォルマートは、
この5年間に店数を減らしつつ、
7兆円を超える売上げ増を果たした。

それはすべてオンライン販売によるものだ。

高倉さんも大活躍。
スーパーサンシに新事業を立ち上げて、
いま、NetMarket事業本部長。

もう周知のことだが、
関西では㈱万代が、
関東ではサミット㈱が、
サンシのシステムを導入して、
ネットスーパーを展開している。

一昨年には、
フードストアソリューションズフェアに、
出講してもらった。

とてもいい講演だった。

食事をしたのは「銀座ふじやま」。
京料理を中心にしながら、
関西の食材を使った日本料理の名店。
ミシュランガイド一つ星を獲得している。

先付けは、
翡翠色の旬のエンドウ豆とハマグリの、
炊き込みごはん。
IMG_3502.-1JPG

海老とごま豆腐のすまし汁。IMG_3503-1

貝2種おろし和え。
器もひと品ずつ凝っている。IMG_3505.-1JPG

ヱビスの生ビールで始まり、
フルーティな新酒の大吟醸「佐賀の鍋島」をいただき、
次に私の好きな新潟の〆張鶴。IMG_3506-1

美味しい料理とお酒に舌鼓。
すっかり酔って、いくつかの料理を撮り損ねた。

このお皿には、旬の味覚が満載。
ホタルイカ、ぜんまい、サーモン、
フキノトウの点ぷら、おひたし、
そして小鉢。
絶妙の味わい。IMG_3507-1

白子、ん~、うまい。
プリン体も忘れて、いただく。IMG_3510-1

アワビのキャビア乗せ。IMG_3511-1

メイン料理は、
クレソンと和牛の花山椒のしゃぶしゃぶ。IMG_3514-1

板前さんがテーブルでつくってくれる。IMG_3522.-1JPG

最初にクレソンを投入して引き上げ、
たっぷりの花山椒を入れて、
それから和牛を投入し、
ミディアムレアに仕上げる。
IMG_3521-1

花山椒を巻いて肉を食べる。
絶品。
IMG_3524-1

KENZOの赤ワインにもぴったり。

〆のごはん。
縦長の土鍋。
IMG_3526-1

この土鍋で炊くと、ふっくらと甘く仕上がる。
IMG_3527-1

ごはんのおともは、焼魚、ちりめんじゃこ、
パウダー状にしたからすみ、おしんこと昆布。
ご飯はおかわりをしてしまった。

店内の設えもシンプルで粋。
壁に活けられた季節の花。
IMG_3528-1

デザートはお抹茶と抹茶ようかん。
さらに和紅茶。
IMG_3536-1

そして季節のフルーツ。
レッドルビー色のキーウイ。
IMG_3531-1

料理にもお酒にも大満足。
何より高倉さんとの情報交換がよかった。

それが冒頭の写真のこの顔です。
IMG_3539-1

さて、商人舎流通スーパーニュース。

イオンリテールnews|
AI活用の自動発注を5月より約380店に展開

イオンリテールの「AIオーダー」。
独自開発の需要予測・発注システム。
5月13日(土)から約380店舗に導入される。
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客数と商品の需要予測をもとに、
最適な発注数を提示するシステムだ。

さらにカレンダー情報から、
価格、気候、プロモーション、
そのうえカニバリ(類似商品)などの要素が織り込まれ、
各品目の推奨数量が導き出される。
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ただし現在の対象は日配部門の約1000品目。

既存システムでは、
発注時間は部門当たり1日平均90分かかる。
それが5割削減される。
前日発注調整時間は平均80分を要する。
こちらは4割削減となる。

発注精度はPI値予測で、
最大40%の改善となる。

実証実験店舗では特に、
消費期限の短い生菓子、デザート、練り物で、
改善幅が高くなった。

また、過剰発注を防ぐことで、
平均3割の在庫削減につながった。

この「AIオーダー」は、
既存の発注システムに埋め込む形になる。
ここがいい。

だから新たに使い方の教育をする必要がない。
投資コストも抑えられる。

2024年以降は他の食品部門、
日用品、衣料品への拡大を予定する。

システム企画本部の山村卓也本部長。
「こうしたデジタル化を、
発注から開発、製造、物流へとつなげることで
サプライチェーンのDX化を進めたい」

チャットGTPなどの進化は驚くべきものだ。
それをオペレーションに活用する。
需要予測に使う。

このイオンリテールの改革は、
ウォルマートやセブン-イレブンと共通している。

リアリティのあるイノベーションである。

商売のリアリズムと直結していなければ、
DXもあまり意味はない。

〈結城義晴〉

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