結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年12月27日(火曜日)

月刊商人舎新年1月号の「責了」と「商人舎仕事納めの辞」

月刊商人舎新年1月号。
2023年1月10日発刊予定。

責了しました。

ありがとう。
心から感謝。

そこで記念の写真。
IMG_81512

1年間、つくり続けて、12冊。

7月1日から山本恭広編集長が加わって、
本当に充実した日々でした。

山本さんは慶応義塾大学文学部から、
1990年4月に新卒で㈱商業界に入社した。
そして食品商業編集部に配属され、
最初の上司が結城義晴。

私も30代の編集長で、
ビシビシやっていた。

よく耐えてくれて、
立派な編集長になった。
2003年、月刊食品商業編集長。
その後、2011年8月、
㈱商業界取締役に就任。

そして今年から再び、
一緒に雑誌を編集することになった。

亀谷しづえゼネラルマネジャーは、
2008年2月1日の商人舎発足の時から、
ずっと一緒にやっている。

㈱商業界の営業企画部長、販売部長を歴任。

それから鈴木綾子エディタースタッフ。
もう13年、商人舎で仕事してくれている。

英語はネイティブで、
アメリカやヨーロッパの資料は、
綾子さんが翻訳してつくってくれる。

商人舎流通SuperNewsでも、
海外ニュースは綾子さんが担当。

ライターは磯村ゆきさんと、
梁川憲太郎さん。

今年前半まで、
増田伊作さんが書いてくれていた。
しかし引退した。

雑誌や単行本、
それからWebページのデザインは、
七海真理さん。

七海さんはアメリカでデザインを勉強した。
だから日本の雑誌とは異質のクオリティをもつ。

今日も秀逸のデザインで、
秀逸の雑誌が出来上がった。

店も商品も、雑誌も本も、
美しくなければいけない。

広告営業は、
松井康彦エグゼクティブプロデューサー。
㈱商業界元取締役営業企画本部長。
40年来の私のパートナー。
IMG_60212-448x363

そして猪股信吾広告マネジャー。
ウェブサイト・アナリスト。
立教大学大学院ビジネスデザイン研究科の修士。
結城ゼミの2期生。
inomata_l

さらに来年から、
強力な営業スタッフが加わる。

商人舎Specialメンバーは、
特別顧問の萩原政利さん。
企業経営戦略・実務指導のスペシャリスト。
元西友商品本部長、
元㈱サニー代表取締役社長。
ogiwara_l

エグゼティブ・コーディネーターの川勝利一さん。
企業マーケティング支援のスペシャリスト。
201902_5_kawakatsu_03-448x410

海外特別顧問の浅野秀二さん。
米国研修企画・コーディネートのスペシャリスト。
IMG_75022

顧問税理士の宮田昇さん。
法人税務のスペシャリスト。
miyata_l

そして食育スペシャリストの武藤麻代さん。
合同会社オールスプラウツ 代表。
武藤さんも立教大学大学院修士。
結城ゼミ4期生。
17862389_10210572626884263_2743913480670561603_n

さらに商人舎特任研究員は、
朝川康誠さんと嶋内仁さん。
商人舎Webコンテンツに連載を執筆。

朝川さんも立教大学大学院マスターで、
結城ゼミ3期生。
asakawa
その浅川さんの連載は99回続いている。
「経済心理学の世界へようこそ」

嶋内さんは112回。
「ポストモダン・チェーンストア組織論」
shimauchi-profile2021-e1638180482861-450x600

商人舎Webコンテンツの長期連載は、
「林廣美の今週のお惣菜」
この連載はなんと498回も続いている。
今週は「ふっくら牡蠣ご飯」
20221222_hayashi

それから連載は、
常盤勝美の2週間ウェザーMD予報。
20221227_tokiwa
アクセス数の多い連載です。

最後に「連載・こちら人事部」
特定社会保険労務士の石澤清貴先生と、
そのお弟子さんの木村康太社労士。

今年1年、本当に、
ありがとうございました。

㈱商業界で30年、
㈱商人舎を設立して15年。
まだまだ最低15年は現役で頑張ります。
IMG_81592

では、これにて株式会社商人舎、
2022年の仕事納めです。

商人舎流通SuperNewsも、
来年5日まで休信します。

もちろん毎日更新宣言ブログは、
年中無休です。

朝に希望、
昼に努力、
夕に感謝。

ありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。

〈結城義晴〉

2022年12月26日(月曜日)

ダイエーとしまむらの「歴史は繰り返さないが韻を踏む」

Everybody! Good Monday!
[2022vol52]

2022年第52週。
12月最終週。

今週末の土曜日が大晦日。

今年も1年間、
できることをやってきた。
そしてブログを書き続けてきた。

そのことに感謝したい。

最後の週は仕事仕事。
明日が月刊商人舎最終責了日。

2022年の原稿書き納めは、
明日ということになる。

この月刊販売革新を取り出してきて、
読みながら書いている。
2001年4月号。
IMG_8146 (002)2

もちろん私が編集長。
特集「ダイエー、成るか不死鳥伝説」
高木邦夫新社長のインタビュー。
平山敞(たけし)新副社長の政策分析。

平山さんは昨年のはじめに亡くなった。
79歳だった。

この2001年は、
1月30日に故中内功さんが、
ダイエーのすべての職を辞任した。
「これまでの人生で
楽しいことは一つもなかった」

この発言は、
さまざまな受け止められ方をした。

もちろん楽しいこともあったはずだ。
しかし辞任する瞬間には、
苦しいことばかりが頭に浮かんだ。

私はそう理解した。

リクルートにいた高木さんが経営を受け継ぎ、
平山さんが助っ人になった。

この再生プランは、
当を得たものだと私は思った。

しかしダイエーの組織が動かなかった。

「歴史は繰り返さないが、
韻を踏む。」
“History doesn’t repeat itself, but it rhymes.”

rhymeはラァィムと発音して、
「韻を踏む」という意味。

米国の作家マーク・トウェインの言葉とされるが、
いかにも言いそうだ。
51BTK80K7SL

どんなにいいプランでも、
それが実現されないことが、
繰り返される。

今週のスケジュール。
28日の水曜日は、
甲府に出張。

楽しみだ。

そして30日、31日は、
関西出張。

年末まで動き回ります。

さて商人舎流通SuperNews。

しまむらnews|
第3Q売上高4639億円6.2%増/経常利益455億円14.6%増

㈱しまむらが好調だ。
第3四半期は売上高4639億万円、
前年同期比6.2%増。

営業利益445億4700万円(14.9%増)、
経常利益455億2700万円(14.6%増)。
IMG_55702-448x335

実質的創業者の藤原秀次郎さんが復帰して、
好調を取り戻した。

営業利益率9.6%、経常利益率9.8%。

2023年度のグループ統一テーマは、
“リ・ボーン2ndステージ「進化と応用」”

そして「商品力と販売力の強化」を進める。

これはすべての企業に共通する。
来年も商品力と販売力の充実に努めるべきだ。

しまむらは、
「事業の基礎と基盤の強化」も推し進めた。
11月度に顧客管理システムの新規導入、
ディバロ事業の新モデル店舗をオープン。

ディバロは新フォーマットの靴屋で、
20代~50代の女性をメインターゲット、
その子供と男性をサブターゲットとする。

中核となるしまむら事業は、
売上高は前年同期比5.1%増の3465億円。

古い事業は飛躍的な伸びを示すものではない。
だから新しいフォーマット開発が必要となる。

そのしまむらには、
自社開発ブランド(PB)と、
サプライヤーとの共同開発ブランド(JB)がある。
後者はJoint Development Brand。

やるべきことをやる。

それが藤原さんだ。

「商品力と販売力の強化」
「事業の基礎と基盤の強化」

来年もこれだと思う。

毎年の戦略も、
「繰り返さないが、

韻を踏む。」

では、みなさん、今週も、
最後のひと踏ん張り。
終わり良ければすべて良し。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年12月25日(日曜日)

平和な日本の日曜日のXmasのクリエイトSDの新店オープン

日曜日のクリスマス。
IMG_81312

子どものころや若いころとは違って、
特にやることはないし、
感慨もない。

ロシアによるウクライナ侵攻。
2月24日だったから10カ月が過ぎた。

国連人権高等弁務官事務所の調査。
2月24日から12月18日までに、
6826人のウクライナ民間人の犠牲者がでた。

このうち428人は子ども。

負傷者は1万769人。

ゼレンスキー大統領。
「これはテロであり、
脅しと快楽のための殺害だ」

クリスマス停戦はないのか。

一方、中国のコロナ感染。
中国政府はコロナの感染者数や死者数の情報を、
公表しないと言い始めた。

これまでは毎日発表していた。

香港メディアの報道。
中国政府の内部資料が流出した。
12月20日までに2億4800万人が感染した。

「ゼロコロナ」政策は機能しなくなっている。
これが日本や世界に広がることは避けたい。

神に祈ろうか。

私の家から歩いて30秒。

クリエイトSD横浜西大口店がオープン。
12月23日。
IMG_81322

商人舎流通SuperNews。
クリエイトSDnews |
2022年度3507億円/生鮮と調剤が強化の2本柱

2022年度売上高は3508億円。
前年比3.6%増。
営業利益は181億7600万円(同2.4%減)、
経常利益186億6500万円(同2.1%減)。

立派な3500億円企業だ。

売上総利益率27.3%、
営業利益率5.2%、経常利益率5.3%。

「生鮮強化」と「調剤併設」が、
経営の2本柱。

期末店舗数は686店舗だった。

駐車場だったところに、
ピロータイプで開設。
1階が駐車場、2階が店舗。
IMG_81343

登りだけのエスカレーターがある。
IMG_81382

入口に調剤の売場があって、
右手がチェックスタンド。
左手がドラッグストア、
奥に食品が配置される。
IMG_81372

店舗の奥中央あたりから、
青果が並ぶ。
魚も肉も日配品も冷凍食品も、
惣菜や弁当、パンなども、
一通りそろっていて、便利な店だ。
会社の戦略通りの新規店舗である。
IMG_81352

近隣500mには、
ローソンとセブン-イレブンがある。
車で5分のところにヨークマート。
妙蓮寺駅のそばにオーケー。
商店街にまいばすけっとがある。

しかしこの店、
間違いなく繁昌する。

私も利用する。
IMG_81392
クリスマスイブにロピア越谷大里店が開業して、
わざわざ出かけて取材した。

けれど歩いて30秒のドラッグストアは、
近すぎて取材とはならない。

申し訳ない気がして、
ちょっと買物した。

これからながらく、
よろしくお願いします。

平和な日本の、日曜日のXmasだ。

〈結城義晴〉

2022年12月24日(土曜日)

Xmas Eveの越谷大里/新規開業ロピアと改装スーパーバリュー

Merry Xmas!
そのクリスマスイブ。
早朝、東横線、日比谷線、
千代田線、東武伊勢崎線を乗り継いで、
越谷の先、大袋駅へ。

そこから徒歩15分。

埼玉県越谷市大里55番地。
Xmas Open。
コーナンとロピアのコンビネーション。

商人舎流通SuperNews。
コーナンnews |
12/24「コーナン越谷大里店」オープン/食品核店舗はロピア

コーナン越谷大里店。
IMG_8068b2

敷地面積約1万3000㎡。
三層構造の商業施設。
売場面積は約7000㎡。

ホームセンターのコーナン。
さらに業務用フォーマット「コーナンPRO」
そしてロピア越谷大里店。

ロピアの売場は、
エスカレーターを上った2階にある。

2階駐車場に、
顧客の行列ができた。
IMG_80362

駐車場には、
ロピ太の着ぐるみが登場。
IMG_79492

私はオープン前に売場に入って、
内田貴之取締役管理本部長から、
説明を聞いた。
IMG_79892

10時開店と告知していたが、
9時45分に店を開けた。

入口に風除室を設けて、
そこにグロサリーの目玉商品を並べた。
IMG_80382
ウォール・オブ・バリューとなった。
米国ウィンコフーズの店づくりだ。

青果部門は八百物屋あづま。
この店のこの部門、素晴らしい。
IMG_80392

白菜、ダイコンとカブの売場。IMG_80412

入口で入場制限をしているが、
生鮮部門はあっという間に混雑してくる。

鮮魚部門は日本橋魚萬。
IMG_80542

蟹、ブリ、海老の目玉展開。
IMG_80522

そして肉のロピア。
とくに和牛ステーキセットのコーナーは、
開店直後から人だかりしている。
IMG_80432

高木秀雄会長が自ら一頭買いする「みなもと牛」が、
その中心にある。
IMG_79882

クリスマスイブのオープンで、
肉がよく売れる。
だからロピアの核部門は大人気である。IMG_80462

日配部門の壁面にはイラストが描かれる。
ロピアのアーティストたちの作品である。IMG_80572

最後にパン売場。
IMG_80582

ゴンドラ内の菓子売場。
床に双六が描かれている。
IMG_80602

内田さんと写真。
IMG_80622

ロピアの繁盛を見てから、
歩いて5分のスーパーバリュー越谷店へ。IMG_80692

スーパーバリューnews|
12/15「越谷店 食品館」リニューアルオープン

㈱スーパーバリューの旗艦店のひとつ。
食品館とホームセンター館、
それにDIY館、園芸館などが、
別棟で並ぶ複合タイプだ。

この食品館が12月15日に、
改装オープンしている。

コーナンとロピアの開業への対策の意味もある。

しかしその前に、
スーパーバリューはロピアと経営統合している。
スーパーバリューnews |
ロピアHDが51.62%を保有して筆頭株主に

経営統合とともに、
スーパーバリューの食品館に、
テコ入れが行われた。

その成果がこの越谷店である。

入り口横の産直コーナー。
よく売れているし、
ロピアにはない売場だ。
IMG_80932

青果部門にも顧客が多い。IMG_80942
天井からPOPが吊るされているが、
ロピアと同じ文字。

青果部門が改装で広げられた。
IMG_80872

食肉はロピアと同様に、
和牛が1グラム398円で売られる。

それからもともと、
スーパーバリューが強かった鮮魚と惣菜も、
顧客を呼び寄せている。
IMG_80832

もっと閑散としているかと想像していたが、
それを超えた。

スーパーバリューの良さが際立っている。

そのうえこの楽しいPOP。
IMG_80842
非食品の売場にも、
掲げられていて、
売場全体に顧客が入っている。

岸本圭司社長も顔を出してくれて、
店づくりについて話し合った。IMG_80762

岸谷さんも楽しそうに話してくれた。IMG_80782

私の隣から相川博史さん、岸本さん、
そして内田さん。
IMG_80792
相川さんはロピア取締役で、
スーパーバリューの執行役員商品部統括。
改革の中核的役割を担う。
内田さんもスーパーバリュー取締役。

最後に岸本さんとツーショット。IMG_80652
スーパーバリューの良さを、
絶対に失ってはならない。
しかしロピアの強みは、
どんどん活用したらいい。

商人の本籍地と現住所。
本籍地を失わず、
現住所を充実させる。

それがスーパーバリューとしての、
ポジショニング戦略である。

今日、この店に来てくれた顧客が、
本当のロイヤルカスタマーだ。
一人ひとりを大切にしなければならない。

これは大髙善興さんの言葉である。
もちろん㈱ヨークベニマル会長。

相川さんも今朝の朝礼で、
越谷店の人たちに、
同じような話をしたとか。

そのスーパーバリュー越谷店のみんなが、
ロピア新店開業の日に、
300mの近隣の店で顧客を楽しませている。

商売はこうでなくてはいけない。
ポジショニングがあるから、
棲み分けができる。

今日は小売業の本質を、
勉強させてもらった。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年12月23日(金曜日)

ニトリホールディングスの「減益」と似鳥昭雄の「失敗した」

平成まで天皇誕生日の祝日だった。
だから平成ならば、
23日・24日・25日と三連休のはず。

クリスマスに対して、
絶好の曜日回りだった。

その平成天皇が上皇に即位し、
令和がやってきた。

上皇明仁様、89歳。

昭和天皇の天皇誕生日は4月29日で、
ゴールデンウイークに絡んだ。
今、昭和の日となっている。

年末のクリスマスイブの前日を、
「平成の日」とすれば、
国民は3日間を楽しめる。

折衷することが大の得意の私たち。
クリスマスには全然関係ないけれど、
「平成の日」を制定して、
年末3日間の楽しみをつくってほしい。

商売も繁盛するはずだし。

今日は昼前に、
ユースキン製薬㈱のみなさんが来社。

来年の3月に同社で講演する。
その打ち合わせ。

私が最近考えていることをお話しして、
ディスカッション。
講演のテーマを決めた。

「ユースキン」の意味は、
「あなた(you)のお肌(skin)を守ります」
だから35年も値上げをしていない。
主婦の味方、国民の味方をもって任じている。

いい会社だ、
凄い会社だ。

打ち合わせが終わったら、
商人舎の目の前の野田岩で、
鰻重のランチ。

そして記念写真。
野渡和義代表取締役社長(中)と、
齊藤和之常務取締役(右)、
野渡毅之取締役(左)。IMG_80302
野渡社長は私の中学高校の器械体操部の先輩。
お世話になりっ放しです。

ありがとうございます。

来年もよろしくお願いします。

さて商人舎流通SuperNews。
今年も週100本、
年間にして5000本を超えるニュースを、
小売流通業に特化して配信してきた。
ご愛読を感謝します。

ニトリnews|
第3Q売上高6318億円4.2%増/ニトリ事業800店突破

第3四半期の連結業績。
売上高6318億円で前年同期比4.2%増、
営業利益950億円、12.0%減、
経常利益976億円、11.7%減。

増収減益。

四半期決算を開示し始めたのが2003年だが、
それ以降、第3四半期で2年連続減益は初のことだ。

急激な円安の進行と、
原油高に起因する輸入経費の上昇。
製造小売業の最大の弱点。

売上原価が激増し、
その結果の減益だ。

それでも営業利益率は15.0%、
経常利益率が15.4%。

凄い会社です。

ニトリ事業は、
売上高5447億円で7.9%増、
営業利益911億円の13.5%減。

島忠事業は、
売上高925億円の11.6%減、
営業利益34億9400万円の29.5%増。
島忠は利益面での改善が進む。

第3四半期期末時点のグループ店舗数は、
ニトリ事業809店、島忠事業54店の863店舗。

1円の対ドル円安が、
ニトリでは年約20億円の減益につながる。

その結果、この第3四半期は、
円安の影響額が184億円となった。

ニトリホールディングスは、
今年10月後半から23年3月分まで、
1ドル147円80銭で為替予約をしている。

9月分までは1ドル114円90銭での予約だったから、
なんとか難を乗り越えたが、
それ以降は、打撃が大きかった。

似鳥昭雄会長のコメント。
「結果的に失敗した」

率直だ。
これがいい。

「為替の予想が得意なほうだったが、
見誤った」
d085d6836044f12c061b4dcfb8f07970

似鳥さんは「円高に反転する」と予想していた。
しかしその予想は外れた。

物流費の上昇も、
利益を118億円分ダウンさせた。

しかし営業努力で粗利益を237億円分押し上げた。
ここがニトリの強さだ。

これまで価格凍結などしていたが、
一部商品は1割から2割の値上げに踏み切った。

これは仕方がなかった。
顧客も許容した。

だから既存店客単価は9月以降、
前年同月比でほぼ10%上がった。

今は、ニトリにとって正念場だ。

さらに今期から決算期を変更する。
2月20日から3月31日へ。

それによって、23年3月期は、
13カ月11日となって、
通期での36期連続増収増益は、
死守できるかもしれない。

似鳥昭雄さんらしい。
記録にこだわる。

それでもこの執念、
私は拍手を送りたい。

ジョン・レノンは言っていた。
「ギターをピアノのように弾き、
ピアノをギターのように弾きたい」
4620326585.01._SCLZZZZZZZ_SX500_

人とは違うことが、
その人の価値となるのだ。

〈結城義晴〉

2022年12月22日(木曜日)

2023年1~4月の食品値上げ7152品目と「絶妙なミックス」

冬至2022。

昔から言われる。
「冬至冬なか冬はじめ」

二十四節気では、
立冬から始まって、
小雪、大雪、そして冬至となる。
それから小寒、大寒を経て、立春。

だから暦の上では、
冬至は冬の真ん中にある。
つまり冬なかだ。

しかし実際には、
これから本格的な冬の寒さに入る。
だから冬至は、
冬はじめでもある。

いつの間にうしろ暮れゐし冬至かな
〈1997年、角川春樹「存在と時間」より〉

今日も一日、
必死で原稿を仕上げた。

いつの間にか、
日が暮れてしまっていた。

うしろをふり返ると、
一日が終わり、
一年が終わっていく。

冬至の暮れは早い。

帰宅すると、
柚子湯に入って疲れをとる。IMG_80162
古稀迎へけふの柚子湯のやさしけれ
〈小川昭江 「 沖」より〉

今年の私にぴったりの句だ。

さて、2022年は値上げの年だった。
それはもう終わるのか。

いや、そうでもない。

商人舎流通SuperNews。
帝国データバンクNews|
「食品主要105社」23年4月までに7152品目値上げ

帝国データバンクの発表。
「食品主要105社」価格改定動向調査

teikokude-taneage

2022年の価格改定品目数は、
最終的に2万822品目だった。
値上げ率平均14%。

特に10月。
約6700品目の飲食料品が値上げした。

「記録的な値上げラッシュ」だった。
全食品分野・全品目での一斉値上げが、
短期間に集中した。

ところが、
2023年1月から4月まで、
値上げが決定している品目数は、
7152品目。

品目数は今年と同じ時期比で50%超多い。
昨22年1月~4月は4672品目だった。

つまり値上げペースは1.5倍の加速。

値上げ率平均は18%。
2022年通年比4ポイント高の水準。

2023年の値上げで最も多い食品分野は、
加工食品の3798 品目。

冷凍食品類のほか、
小麦製品や水産缶詰、水産練り製品など。

次いで酒類・飲料の1442品目。
輸入ウイスキーやワイン、焼酎など、
値上げは2月以降に本格化する。

調味料は1343品目。

嗜好性の強い菓子(480品目)は、
再値上げとなる品目が多い。

本体価格の引き上げではなく、
内容量減による価格維持の傾向も目立つ。
つまり「実質値上げ」だ。

値上げは続く。

それを覚悟して、
「値ごろ」を追求しつつ、
商品開発と産地開発に勤しむ1年になる。

朝日新聞「折々のことば」
今日の第2593回。

人生は両極ではない。
悲しいこと、
うれしいことの
絶妙なミックス。
(Rei)

Reiは、今大注目の、
シンガーソングライター。
71kiGj+20dL._AC_SL1500_
Rei。
「ブルーノートは、
全音階(ドレミファソラシド)ではなく、
ドミ(♭)ファソ(♭)ソシ(♭)シド。
不思議なことに長調にも短調にも使える」

1800年代の中ごろ、
アフリカから奴隷として、
アメリカに連れてこられた黒人たち。

ヨーロッパ音階のドレミを教えられたが、
それとは異なる耳慣れない音程で歌い始めた。

どことなく物悲しい旋律をもっていた。
そこでその黒人たちの音階は、
「憂鬱」の意味の「ブルー」と名づけられた。

「ブルース」は、
このブルー音階で歌われ、奏でられる音楽だ。

Rei。
「明るい曲調のブルースに
この音階が挟(はさ)まると
“ハッとさせられる”」

「人生、絶望の中に
ほのかな夢が芽吹き、
歓楽の中にも愁いが漂う」。
NHK・Eテレの番組「クラシックTV選」から。

人生は両極ではない。
悲しいこと、
うれしいことの
絶妙なミックス。

1店における品揃えも、
両極ではない。
価格志向のコモディティアイテムと、
価値志向のノンコモディティ品目の、
絶妙のミックスである。

値上げが続くなかで、
「自分の歌を歌う」ことができる店が、
顧客の支持を得るのだ。

〈結城義晴〉

2022年12月21日(水曜日)

「量的・質的異次元金融緩和」の転換と「重荷」の量的・質的な「重さ」

日銀が「異次元緩和」を転換する。

日経新聞は一面トップで取り上げた。
「10年目で実質利上げ
長期金利上限0.5%に」

朝日新聞は社説で書いた。
「金融緩和修正 日銀はもっと機敏に」

異次元緩和は、
アベノミクスの三本の矢の第一の矢として、
象徴的な政策だった。

それが10年目で転換する。

アベノミクスの三本の矢は、
⑴大胆な金融政策
⑵機動的な財政政策
⑶民間投資を喚起する成長戦略

⑴に連なる⑵まではやったが、
⑶が実現しなかった。

そのアベノミクスの実質的な終焉である。

主役を演じた黒田東彦総裁は、
2013年3月に就任した。
nitiginkurada

当時はデフレの真っただ中で、
それからの脱却を目指して、
大規模な金融緩和を打ち出した。

インフレターゲット論も盛んで、
政府と日銀は「2%の物価目標」を掲げた。

そのための異次元緩和だった。

基本的には好景気によって、
場合によっては現在のような戦争などで、
物価が上昇する。
それがインフレーションである。

その場合に中央銀行は、
市場に流通する資金の量を減らす。
そして消費や設備投資の抑制を図る。
「金融引き締め」である。

逆に景気が悪化すると、物価が下落する。
デフレーションである。

このとき中央銀行は、
市場に流通する資金を意図的に増やすべく供給して、
金利の低下を誘導する。

そうすると企業が資金調達を行いやすくなって、
それが景気を刺激し、消費を促して、
物価上昇が実現する。
これが金融緩和である。

しかしこの従来の金融政策では、
コントロールできなくなった。

そこで2013年以降、
従来にはない非伝統的な金融政策が導入された。

量的・質的金融緩和である。
それが異次元金融緩和だ。

「量的」とは金融市場操作目標を、
「金利」という「率」から、
「資金供給量」という「量」へと変更し、
市場に大量に資金を供給すること。

「質的」とは、
長期国債や上場投資信託(ETF)などの、
保有額を増大させて、
金利の上昇を抑えること。

現実は国債市場での売買で金利が決まる。
だから日銀が長期国債などを大量に保有して、
市場金利を下げる政策をとった。

具体的には資金供給量を2年間で2倍
長期国債の保有額も2年間で2倍のペースで、
拡大させる目標を立てた。

そしてそれを、
物価上昇率2%達成まで継続するとした。

2016年には短期金利をマイナス0.1%にして、
マイナス金利付き量的・質的緩和を実施した。

さらに2016年9月には、
長短金利操作付き量的・質的緩和を施した。

長短金利操作は、
イールドカーブ・コントロールとも呼ばれる。
「イールド(yield)」は「利回り」のこと。
「イールドカーブ」は「利回り曲線」のこと。

10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、
長期国債を買い入れて保有し、
利回り曲線をコントロールする政策だ。

異次元緩和は三段階で進められた。

しかし、今年に入って、
米連邦準備理事会が利上げに踏み切って、
円安・ドル高が加速した。

ウクライナ危機で資源高も起こった。

消費者物価指数は3%台半ばまで上昇した。

そこでやっと黒田総裁は、
量的・質的異次元金融緩和政策を転換する。

しかし普通国債の残高は、
1000兆円に膨張している。
これは税収で返済しなければならないものだ。

金利が1%上昇すれば、
元利払いに充てる国債費は、
3.7兆円上振れることになる。

この長期の異次金融緩和によって、
日本の産業の新陳代謝は停滞してしまっている。

アベノミクスも、
これで一定の歴史的評価が下されるだろう。

しかし黒田総裁が去っても、
異次元緩和が転換されても、
国が難局にあることは、
変わらない。

私は午前中、
㈱True Dataのオンライン取締役会。

午後、出社して、
原稿の手直しと入稿。IMG_80022

1日、疲れた。

夜の新田間川。
IMG_80052

クリスマスに向けて、
イルミネーションが施されている。IMG_80072

最寄りの駅は妙蓮寺。 IMG_79392

その門前に掲げられた住職の書。IMG_79382
進んで負えば、
重荷も重からず

重荷は、
その重さを自覚することで、
重荷たりうるものである。

重荷に慣れて神経が弛緩し、
重荷の重さが自覚できなくなると、
取り返しのつかないことになる。

量的にも質的にも、
重荷の重さ、重荷の価値や意義こそ、
冷静に自覚されねばならない。

会社の経営も店の運営も、
産業の舵取りも、
その重みを認識したうえで、
進んで負うべきものである。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人

東北関東大震災へのメッセージ

国内研修会
ミドルマネジメント研修会
商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2025年9月
« 8月  
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.