結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年11月18日(金曜日)

ベイシアの新フォーマット「Foods Park」の「トレードオン時代」

横浜の商人舎オフィスで、
来年のアメリカ研修の打ち合わせ。

いよいよ始まります。
よろしくお願いします。

まず、1月27日に出発して、
2月12日に帰国。

17日間。

楽しみです。
頑張ります。

打ち合わせが終わって、
東京駅へ。
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それからオフィス街を歩いて、
大手町プレイス内科。IMG_71702
今日は毎月の診察に加えて健康診断。

今年からこの病院でやることにした。
30分ほどでマンツーマンで、
診断が終わる。

しかも主治医の田嶼尚子先生が、
つきっきりで見てくれる。

ありがたい。

トモズで処方箋薬を出してもらって、
終わると外は暗くなっていた。

読売新聞ビルの裏のイルミネーション。IMG_71712

銀杏がライトアップされている。IMG_71742

それから丸の内ストリート・ギャラリー。
ここもイルミネーションで飾られている。

丸の内イルミネーション

とくに丸の内仲通り。IMG_71752
彫刻が並んで、それらにも、
ライトが当てられている。

箱根彫刻の森美術館から提供された作品群。

そのなかで、
ルイジ・マイノルフィ作「巨大な町」
1987年のブロンズ作品。
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マイノルフィは1948年、
イタリアのロトンディ生まれ。
第5回ヘンリー・ムーア大賞展の優秀賞。

古代イタリアからアイデアを得た、
青銅色(ブロンズ)のふくよかな女性像。
しかし近寄ると、
窓状の空隙が無数に施されていて、
古代の城塞か中空都市のようにも見える。
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夜には作品の内側から光が照らされ、
窓から光が漏れるような光景をつくる。

ティモ・ソリン作「日光浴をする女」
1995年、ステンレス・スティール製。IMG_71782
ティモ・ソリンは、
スウェーデンを代表する彫刻家・画家。
1947年、フィンランド生まれ。
やはりヘンリー・ムーアに感銘して、
独学で彫刻の作品を作り始めた。

この「日光浴をする女」は、
陽光の中に座っている女性像。
人生を積極的に生きる情熱と活力がある。image-top
それが夜のイルミネーションの中で、
正反対のイメージを醸し出す。

イルミネーションと彫刻。IMG_71792

ぶらぶら歩いていたら、
東京駅に戻っていた。IMG_71812自分の身体のケアをして、
精神もリラックスした。

ありがたい。

東京駅に降りたら、
ちょっと散策してみるのもいいだろう。

お薦めします。

さて商人舎流通SuperNews。

ベイシアnews|
新フォーマット「Foods Park」大田原店11/23オープン

㈱ベイシアが新フォーマットを開発した。
「Foods Park」(フーズパーク)

来週の勤労感謝の日11月23日(水)に、
第1号店をオープンする。
栃木県大田原市のFoods Park大田原店。

旧ベイシア大田原店を、
スクラップ&ビルドして開業した。

コンセプトは「食のテーマパーク」
だからFoodsのParkである。 beisiafoodspark2

店舗面積は3248㎡(984坪)。

たとえば青果部門では、
栃木県内の地場農家生産の「下野野菜」を販売し、
果物売場にはフルーツパフェを揃える。

鮮魚は東京の豊洲市場を中心に、
全国の市場から直送で丸魚を品揃えし、
顧客の要望に合わせて無料で下処理をする。
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精肉は独自の「ベイシア とろ牛」を初登場させる。
4等級の牛を一頭買いして、
赤身から霜降りまでの部位を揃える。

惣菜部門には幅約7m×2段に30種類のフライを揃える。
ベイシア史上最大規模のフライ売場。

カレーバイキングは約5年ぶりの復活。
カレーはご飯盛り放題。

ギガ盛り焼きそば&ナポリタンも復活。

ニュースリリースの表現から判断すると、
ヤオコーとロピアを足して割ったような店づくりか。

ヤオコーがフーコットを開発し、
ベイシアがフーズパークを始める。

我田引水で言わせてもらえば、
強い企業群が、
「トレードオン」する時代を迎えた。

あちらも立てて、
こちらも立てる。

ライフスタイル型と、
ディスカウント型を、
どちらも展開して、
マーケットシェアを高める。

ベイシアグループは、
ソリューション型ホームセンターの、
カインズを日本一にした。

さらにワークマンを、
ワークマンプラスに変えた。

ただし「トレードオフ」は比較的易しいが、
「トレードオン」はひどく難しい。

しかもトレードオフに慣れ切った組織が、
トレードオンを試みると、
失敗の連続が待っている。

ベイシアをFoods Parkにする場合にも、
担当者たちのトレードオンに対する、
意識の転換が一番の問題だろう。

〈結城義晴〉

2022年11月17日(木曜日)

万代渋川店の「明日のパン」とサミットTAKEYA1店の「常笑軍団」

万代知識商人大学の講義の日。
ランチはいつも、
万代渋川店の惣菜を購入する。

本部の下の旗艦店が、
渋川店だ。IMG_70922

一丁目一番地。
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青果の鮮度と品質が万代の売り物。
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秀島みかんが平台に積まれている。
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秋鍋の島陳列。
コーナーには4分の1カットの白菜。IMG_70972

鮮魚売場のコーナーにはサーモン。IMG_70982

10月に入ったらお節料理の予約。
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「おうちクッキング」のアイテムがずらりと並ぶ。
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平日の弁当売場。
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「おさかな屋さんの鮨」コーナーを始めた。IMG_70912

下段は「よろず牛」ブランド商品の3割引き。IMG_71042

それから人気のパンコーナー。IMG_71032

読売テレビの「秘密のケンミンSHOW」
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大阪のオカンは1日何度も、
「明日のパン」という言葉を口にする。

明日の朝、食べるパンを、
いつも気にしているらしい。

それがこの万代のパン売場のパン。
売場は広いし、品揃えも多彩。
しかも、よく売れる。

さて、東京の御徒町。
サミットストア御徒町TAKEYA1店、
オープン。
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商人舎流通SuperNews。
サミットnews|
11/16御徒町TAKEYA1店オープン/台東区初出店

御徒町で圧倒的な知名度の「多慶屋」。
業態は「ディスカウントハウス」。
1947年創業の総合廉売店。

その多慶屋がスクラップ&ビルドして、
新たに「TAKEYA1」をオープンした。

地上5階地下3階の建物。

多慶屋が1階から3階までを占め、
サミットストアが地下1階と2階。

長い行列ができた。
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サミットのフロア構成は、
地下2階に生鮮3部門と冷凍食品、
そしてグロサリー売場。

地下1階はベーカリー、惣菜、
さらにデイリー、酒など、
即食性の高い商品の売場。
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かつて三軒茶屋店で、
はじめて2層の店をつくり、
エスカレーターを設けた。

その伝統の2層店舗。

朝礼には服部哲也社長(後姿)も顔を出して、
みんなを激励した。
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店頭にはチンドン屋が出て、
気勢を上げ、盛り上げた。
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開店と同時に顧客が、
なだれ込むように入ってきた。open

店長の三上達士さんが、
「常笑軍団」と書かれた写真入りの紙を見せて、
店舗の方針と特長を示した。
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売場が1080㎡(327坪)、
バックヤードが881㎡(267坪)で、
サミットの加工能力が、
十分に果たせる機能を備えた。

300坪型でもセンターに頼ることなく、
インストアでつくり立てを提供する。
それがサミットの経営方針だ。

年商19億4000万円と発表されている。
坪当たり600万円に近い数字である。

この立地で多慶屋とシナジーを生むだろうから、
計画通りの店になるだろう。

「日本のスーパーマーケットを楽しくする」
それを常笑軍団が担う。

万代の「明日のパン」も、
サミットの「常笑軍団」も、
スーパーマーケットの本質を表している。

〈結城義晴〉

2022年11月16日(水曜日)

万代大学院の「ロイヤルカスタマー論」と「ザイアンスの法則」

東大阪市の万代。
万代知識商人大学第7期は、
大学院の位置づけ。

今日が最後の講義になる。

1月の最終発表と修了式を残すのみ。

いつもの会議棟。
いい天気だ。
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1階の大ホール。
ここで講義が行われる。IMG_7080-1

朝9時からスタート。
午前中は結城義晴の講義。
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今日のテーマは、
マーケティングマネジメント。IMG_7054-1

会議棟の前方に7期生が座り、
後方に役員のみなさんが陣取る。

同じ講義を聞き、
役員が毎回、講師を務める。
これが企業内大学の良さだ。IMG_7056-1

いつものように、
マネジメントのピラミッドを示して、
マーケティングマネジメントの
位置づけを確認する。
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今回は「マーケティング・リサーチ」と、
「ロイヤルカスタマー論」を重点的に講義した。
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フィリップ・コトラーの言葉の数々。

⑴マーケティングの基本となる、
最も重要な概念は、
人間のニーズである。

⑵市場の変化とは、
本質的に顧客の行動の変化である。

⑶顧客を理解すること、
そして顧客ごとの異なるニーズを
見抜くことが重要だ。

⑷マーケティングは
販売に注力するのではなく、
むしろ販売が不要なほど
魅力的な製品の開発に注力すべきだ。

ーーこれはピーター・ドラッカーと同じだ。

⑸新しい戦略の一部分をまねすることと、
その戦略全体を模倣することとは、
まったく別問題である。
偉大な戦略は、
容易にまねのできない、
多くの強力な活動をもとにした、
独自の組み合わせから構成されている。

――これはジェイ・バーニーの、
模倣困難性を意味している。

⑹サービスを工業化したり、
経費を削減したりしようとすると、
短期的には効率が上がるが、
長期的には、サービス品質を刷新したり、
維持したり、顧客ニーズに応えたりする
能力を減少させることになる。

これはチェーンストアの近代化に、
警鐘を鳴らしている。

⑺皆がマイナス思考に陥っているときにこそ、
違う視点から市場を見つめ、
大胆に行動することこそが
マーケティングの真骨頂なのだ。

「今でしょ!」

⑻失敗から何かを学び、
成功に結びつけるのが
真のマーケティングである。

そしてコトラーは言う。
「マーケティングは一日あれば学べる。
しかし、使いこなすには一生かかる」

午後は、二人の役員の講義。

松岡俊行さん。
生鮮と惣菜の担当役員。IMG_7071-1

中筋浩二取締役は、
ドライグロサリーとデイリーを担当する。IMG_7089-1

二人の商品戦略の講義を聞きながら、
大事な内容はメモする。IMG_7096-1

そして講義の後は、
営業を統括する芝純常務取締役も加わって、
ディスカッションタイム。
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すべての講義を終えると、
最後は、経営トップの訓示。

芝常務は営業トップとして、
「MR」の本質と重要性を強調した。IMG_7116-1

加藤健常務は、
自分の経験をもとに、
いい講話をしてくれた。IMG_7119-1

最後は阿部秀行社長。
いつものように、
平易な言葉づかいで、わかりやすく、
マーケティングの本質を語ってくれる。IMG_7127-1

最後の最後は、
講師を務めてくれた幹部の皆さんと写真。IMG_7135-1

万代知識商人大学院。
あとは来年1月の修了式だ。

その前に大仕事がある。

頑張ってほしい。

「人間は、知らない人に対して、
攻撃的になりやすい傾向がある」

その反対に、
「何度も会って、
その人のことを知れば知るほど
心を許すようになる」

「ザイアンスの法則」という。
米国の心理学者ロバート・ザイアンスが、
提唱した。

「熟知性の原則」だとか、
「単純接触効果」などと言われる。

東京新聞の巻頭コラム「筆洗」

「だから営業担当者は
顧客の元に熱心に足を運ぶし、
新聞記者は取材相手のところに
しつこいほど顔を出す」

「だとしたら国際社会の安定化のため、
このお二人にはよりひんぱんに
会っていただくしかない」

米国のバイデン大統領と、
中国の習近平国家主席。

インドネシアのバリ島で、
対面の首脳会談をした。

2019年のトランプ・習会談以来、3年ぶり。

「それでもザイアンスの法則の効力を信じ、
会い続けることだ」

「会談前に握手をかわす両氏の写真がある」

「お互い笑っている。
腹の中は分からぬが、
その写真がどれだけ
世界を落ち着かせることか」

同感だ。

商売でも、
ロイヤルカスタマーは、
ザイアンスの法則によって、
さらに信奉顧客となる。

逆に新店は、
ザイアンスの法則によって、
顧客から攻撃的に見られている。

店に対する顧客からの信頼は、
来店の頻度が高まることによって生まれる。

信頼は来店の回数によって高まる。

〈結城義晴〉

2022年11月15日(火曜日)

万代知識商人大学前夜交流と「世界人口80億人」の「他人の立場」

大阪上本町の定宿、
シェラトン都ホテル大阪。

エントランスはクリスマス仕様。IMG_7077

3メートルはあろうか、
クリスマスツリー。
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赤から白に変わり、
さらに緑に変わる。
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1時間ほどホテルのカフェで打ち合わせ。
そしてタクシーで今里新地へ。

日本料理の料亭久恵。
若女将が玄関で出迎えてくれた。

明日は万代知識商人大学院。
その前日はいつも、
阿部秀行社長と情報交換の食事会。
さらに講師となる取締役が加わってくれる。

私にとって万代の本質を知る、
とてもいい機会だ。

私の知見もどんどん披露する。

久恵は若いおかみとなり、
メニューがずいぶん変わってきた。

先付けは秋の味覚が満載。
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お椀はかぶらと海老しんじょ。IMG_7081

イカと鯛のサラダ仕立て。
絶品。
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美しい椀に盛り付けられた魚の煮物。
緑のとろりとしたソース。IMG_7029

焼き物は笹の葉で包んである。IMG_7084

開くと金目鯛の焼き物。
淡雪がけ。IMG_7087

揚げ物は野菜の肉巻き。
大根おろしのポン酢でいただく。IMG_E7032

〆は雑穀のおかゆ。
飲んだ後の胃にやさしい味。 IMG_7035

この後、チョコレートムースが出て、
コースが終了、大満足。

会話も大いに弾んだ。
阿部社長と商品部の二人の取締役。
中筋浩二さん(右)、
松岡俊行(左)さん。IMG_7038

明日の講義テーマは、
マーケティングマネジメント。
両取締役に万代の商品戦略を、
大いに語ってもらおう。IMG_7044

いつものように、
阿部社長にホテルまで送ってもらった。
IMG_E7050
ありがとうございました。

さて、
世界の人口。
80億人に達した。

私たち商業者はいつも、
人口に関心を寄せていなければならない。

商売はどこでもどんなときにも、
人口動態に左右されるからだ。

シンプルに考えれば、
人口が増えるところで商売をする。
それが繁栄の大原則だ。

2010年8月に比べると、
世界人口は10億人の増加。
12年で10億人。

このトレンドは今後も変わらず、
2030年には85億人になる見通しだ。

日本は少子高齢化の深刻な課題を抱える。
そんな国々も多い。

中国でさえ、
少子高齢化が最大の未来問題だ。

それに対して、
人口が増えているのは、
アフリカやアジアなど。

一部地域への偏りが顕著だ。

今年7月1日現在の国連の「世界人口推計」。

1位は中国の14億2588万人。
2位のインドは14億1717万人。
来年にも中国を抜く。

3位はアメリカの3億3829万人、
4位はインドネシアの2億7550万人
5位はパキスタン2億3582万人――。

日本は1億2395万人の11位。

少子高齢化でも11位で1億人を超えている。
日本商業の繁栄はこの人口増によって支えられた。

この12年間で70億人から80億人へと増加した。
アジアとアフリカの2地域だけで、
増加分の10億人の9割を占める。

インド、中国など、
上位10カ国で増加分の過半数を占める。

さらに2050年には世界人口は97億人に達する。
今後の増加分の半数以上は8カ国に集中する。
・コンゴ民主共和国
・エジプト
・エチオピア
・インド
・ナイジェリア
・パキスタン
・フィリピン
・タンザニア

人口増加の要因は、
公衆衛生や栄養状態の向上で死亡率が低下し、
平均寿命が延びていること。

人口増は15~64歳の生産年齢人口増につながり、
経済成長を促進する効果が期待される。

しかし同時に、
格差の拡大や環境破壊、
食糧危機や開発の停滞を生む。

人口減の地域は、
ヨーロッパ、東アジア・東南アジアなど。
2050年までに61の国・地域の人口が、
1%以上減少する。

朝日新聞「折々のことば」
第2558回。

よくしなる綱の上の
踊り子を見上げる群衆は、
いつの間にか自分の体を
くねらせよじらせて
バランスをとる。
(アダム・スミス『道徳感情論』から)
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「感覚が伝染したり、
他人の心情に同感したり、
他人の立場になって思考したり
というふうに、ひとには
他人のことを心に懸けずにはいられない
性向がある」

「[私]という囲いを超え出る働きは、
身体の中でいつも
すでに蠢(うごめ)きだしている」

80億人の感覚が伝染したり、
他人の心情に同感したり、
他人の立場になって思考したり。

人間は他人のことを、
心にかけずにいられない。

それが商売の本質であり、
このことを理解することが、
繁昌のもとになる。

〈結城義晴〉

2022年11月14日(月曜日)

True Dataの「データの民主化」と小嶋千鶴子「商いは公のこと」

Everybody! Good Monday!
[2022vol㊻]

2022年第46週。
11月第3週。

朝からオンライン会議の連続。

㈱True Dataの臨時取締役会。
第2四半期決算の承認。

このたびTrue Dataは、
リテールAIアワード2022を受賞した。

目出度い。

一般社団法人リテールAI研究会が、
小売流通業界において、
AI導入・DX推進に貢献した企業を表彰する。

この賞は、
同研究会に参加する245社の会員社から、
特に先進的な取り組みをしている企業に与えられる。

正会員101社、流通会員27社、賛助会員112社。

昨年から始まって、
今年度は二度目だ。

受賞企業の第1は小売流通部門で、
イオン九州㈱。

他社を圧倒するスピード感で、
デジタル化を進めた。
サプライチェーン改革の推進、
リテールメディアの活用などなど。
店長職はデジタル資格の取得を義務化している。

第2に卸部門は、
ヤマエ久野㈱。

「J-MORA」は、
商品マスター構築のプロジェクトだが、
このJ-MORAにおいて、
改廃業務の効率化などに先駆けて取り組み、
生産性向上の実証実験を実施した。

第3にメーカー部門は、
サントリー㈱。
人材育成に「飛びぬけた実績」を残した。

そして第4がベンダー部門で、
㈱True Dataが受賞。

データコンペへの協賛、
J-MORAへのデータ提供など、
「データの民主化」を強く推進した。

私はいつも、
True Dataはパブリックな存在になろう、
と言っている。

パブリックとは、公的なという意味だ。
公的な機能を持って、
公的な存在感を示す。

ありがたい受賞で、
社員、役員一同、
励みになる。

頑張ります。

True Dataの役員会のあとは、
第一屋製パン㈱のオンライン役員会。

こちらは喫緊の課題など、
厳しい議論を展開して、
成果を確認した。

頑張ってほしい。

それから商人舎オフィスに出社。

ユースキン製薬㈱の、
野渡和義さんから、
ユースキン・シソラのセットが届いた。IMG_E70732
野渡さんは中学と高校の器械体操部の先輩。
シソラからフェイスマスクが新発売された。

ありがとうございます。

今週は忙しい。
大阪出張もあるし、
店舗クリニックもある。

記者会見は目白押し。
そちらは山本恭広編集長が対応してくれる。

朝日新聞「折々のことば」
第2556回。鷲田清一

「食べられればいいのよ……
好きなことができていれば
永遠に認められなくても
いいのよ」

(水村美苗)

経済学者の岩井克人さん。
「米国で経済学界の頂点からあえて脱落し、
不均衡動学、さらに貨幣論、
法人論の未踏の問題に挑んでいった」

そんな時、伴侶で作家の水村美苗さんが、
いつも笑って背中を押してくれた。

「引き受けたくない仕事なら
引き受けなくていい」と。

そして進行中のその仕事は、
異分野の研究者にも
鮮烈な刺激を与え続ける。

岩井克人『経済学の宇宙』の「あとがき」から。
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私も岩井克人さんの本の愛読者の一人だ。

好きなことができていれば、
永遠に認められなくてもいい。
食べていくことができればいい。

追い詰められても、
楽観的に生きる、この態度。
好きなことを、
人に媚びへつらうことなく、
やり続けられれば、
それが一番いい。

私も同じ気分だ。

そしてそんな人が、
貴重な仕事をする。
生きてさえいれば。

日経新聞「春秋」
先週火曜日の巻頭コラム。

「企業のトップは
どのような人間を

重用する傾向があるか」

イオン名誉顧問の故小嶋千鶴子さん。
その著『あしあと』から引用したコラム。
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答えは、
「真実を真実として伝えない
虚構性の強い人間」

「虚構性という性格」の項(112ページ)で、
小嶋さんは手厳しく書いている。

私もこの部分には惹かれるものがあったし、
私も同じような失敗をした覚えがある。

そんな人間の特徴。
「都合の悪いことは打ち消し、
一部分だけをもって真実にしようとする」

「現在の不利な状況が、
他人の失敗によってもたらされていると
必ず告げる」

この要注意人物、自らの担当部署の失敗も、
己の責任ではないと信じ込む。
ここが底なしに恐ろしい。

だから小嶋さんは強調する。
「トップの周囲からは排除すべし」

岡田卓也さんの周辺に、
そんな人間が寄ってくる。

すると、小嶋さんが排除した。
かくてイオンはトップ企業となった。

コラムニスト。
「あまたの従業員らと面接を重ね、
働きぶりを見守り続けたゆえの眼力だろう」

小嶋さんは採用をはじめ、
人事、教育に従事して、
岡田屋からジャスコ、
そしてイオンまで、
一貫して人財育成に努めた。

その根本にはドラッカー思想があった。

「部下の不平は成長の証し。
その本質を見分ける知性と
押さえつけぬ寛容さが
上の者には欠かせない」

見分ける英知と、
受け入れる心の静かさ。

そして小嶋さんは言う。
「商いは公のこと」

つまり商売は、
パブリックなものなのである。

日経新聞の「春秋」で、
『あしあと』を取り上げてくれるのは、
ほんとうにうれしいことだ。

では、みなさん、今週も、
本質を見分ける知性を、養いたい。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年11月13日(日曜日)

上野光平の「クラシックライブラリー」と「自己啓発のすすめ」

カスミつくばセンター。
茨城県つくば市の㈱カスミの本社。

このつくばセンターの1階に、
レコード鑑賞室があって、
地元の人たちにも公開されている。IMG_70372

「上野光平クラシックライブラリー」
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上野光平さんは、
実質的な西友の創業者で、
「支配人」を名乗った。
その後、流通産業研究所所長・理事長。
上野光平
流通業界きっての論客で、
西友のトップを退任するときに、
ダイエーの中内功さんから、
スカウトの話が持ち込まれた。

もちろんそれは丁重にお断りして、
研究の道に進んだ。

その上野さんは、
クラシック音楽マニアだった。

亡くなられたときに、
その膨大なクラシック音楽のコレクションが、
つくばセンターに寄贈された。

個人所蔵のレコードは5000枚。
その貴重盤がここに収められている。IMG_70522
CDではなく、レコード。
レコードの良さが見直されているが、
最新のレーザーシステムによって、
リアルに聴くことができる。

私は上野光平の弟子を自任している。

ここに来ると、
上野さんに会っているような気がする。IMG_70542

その著『自己啓発のススメ』
名著だと思う。
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月刊「商業界」に3年間、
毎月書いてもらった。
その連載がまとめられて、
一冊の単行本になった。

「自己啓発とは、
資質(個性)を変えることではない」

「資質が行動として表現される能力を
高め、深め、豊かにすることである」

「自己啓発の根っこと幹は、
人間としての”自分”を”啓発すること”、
言いかえれば、人間としての自分が、
人間としての自分を、
より充実した人間としての自分に、
創り変えることであり、
そのために、どのような方法で、
どのように努力するか、ということを学び、
考え、そして行動することである」

上野さんは「人間」を重視した。

亡くなられて1年後、
渋谷の鳥屋で追悼の宴がもたれた。

流通産業のトップや著名人が、
50人くらい参加して、
車座で鳥鍋を囲んで、
上野さんのことを語り合った。

全員が順番にスピーチした。
私も上野先生から原稿をいただく話をした。

遅れてやって来たのは、
共産党の上田耕一郎さんだった。

ちょうど国会が開催されていて、
参議院議員として出席していたからだ。

日本共産党中央委員会名誉役員。
前議長の不破哲三さんは実弟だ。

その上田さんが最後にスピーチした。
「日本共産党に入党するためには、
2人の推薦人が必要とされました。
上野君は私の推薦人の一人です」

そして述懐した。
「上野君は優れたコミュニストでしたが、
それ以上に類稀なるヒューマニストでした」

拍手喝采だった。

そのヒューマニストの上野光平だからこそ、
西友でもチェーンストアでも、
「人間」を重視した。

「人間産業」をつくろうとした。

「啓発の対象が技術やモノではなく、
“自分”であり、
“自分という人間”であり、
それを”自分一人”でやらねばならず、
他人の言うとおりにやってもできず、
学ぶことはできても真似ることはできない、
むずかしくはあるがやりがいのある、
そして死ぬ時まで終わることのない
時間のかかる作業、
それが自己啓発の本質である」

上野さんがつくった西友。
現在の社長は大久保恒夫さんである。

その大久保さんと、
カスミ社長の山本慎一郎さん。

対談をしてもらって、
食事の懇親をして、
今日はゴルフ。

常陽カントリー俱楽部。
歩いてのラウンド。

午前中は風もなく絶好の日より。
午後は風が吹いててこずったが、
実に気分のいい一日だった。
IMG_E70662
ありがとうございました。

上野光平の言葉。
リーダーシップに関して、
「忘れてはならないことがある」

「心を動かすことができるのは
心だけだ、ということである」

上野さんに感謝しよう。

〈結城義晴〉

2022年11月12日(土曜日)

「大久保恒夫&山本慎一郎」対談と「たそがれの流通2強時代」??

つくばエクスプレスに乗って、
研究学園へ。

そしてタクシーで、
㈱カスミ本社へ。

6階の応接室をお借りして、
今日は月刊商人舎の対談。IMG_6920 (002)2

カスミ社長の山本慎一郎さんと、
㈱西友社長の大久保恒夫さん。
司会は結城義晴。

午後2時から始まって、
司会が必要ないほどの、
お二人の怒涛の対談。

私も鼎談のごとく、
情報を提供したり、
意見を言ったりした。

エキサイティングなディスカッションは、
2時間近くにわたって展開された。IMG_6916 (002)2
代わる代わる自分の会社のことなどを話す、
という形ではない。

大久保さんが考え方を述べると、
それに対して山本さんが話を展開させる。
その山本さんの見解に、
大久保さんが反応する。

そんな話し合いの中に私も加わる。

化学反応が起こり、テーマは深まっていく。
真理に近づいていく。

本来のディスカッションである。

ここでその一端を紹介したいところだが、
それは月刊商人舎新年号誌上にて。

最近はこういったトップ同士の対談は、
ほとんどない。

かつての販売革新や食品商業では、
頻繁に企画し、実現させた。

1998年9月号。

中内功さんと伊藤雅俊さん、
そして岡田卓也さんの座談会を、
田島義博先生の司会で、
食品商業誌上に掲載したことがある。

キッコーマン米国工場25周年記念。
そのイベントがウィスコンシンで開催された。
私はこのイベントに参加して、
それを食品商業誌上にページを割いて、
ノンフィクションのような形で書いた。

タイトルは「革命者たちの述懐」だったと思う。

今回もそのときのように、
ドキドキワクワクした。

ありがとうございました。
IMG_7015 (002)2
楽しみにしてください。

カスミの幹部のお二人とも写真。
私の隣は塚田英明常務取締役上席執行役員、
そして新井敦之執行役員経営企画室マネジャー。IMG_6913 (002)2
塚田さんはコーネル・ジャパン伝説の一期生、
新井さんはその七期生。

対談が終了すると、
大久保さんのカブリオレで、
夕食会場に向かった。

快適だ。IMG_7019 (002)2
さて、今日の日経新聞本誌の記事。
「たそがれの流通2強時代」

タイトル自体、ちょっと失礼だ。

上半期決算が発表されたばかりだが、
両者ともに過去最高を記録した。

「今回のそごう・西武の売却劇は、
国内流通史の転換点を象徴している」

私は、そうは思わない。
「転換点」などではない。

セブン&アイにとっては、
ジャンピングボードの役を果たす。

イオンには何の関係もない。

記事は「カリスマ経営者」をテーマにする。

セゾングループの堤清二さん、
そごうの水島広雄さん。
セブン&アイの鈴木敏文さん。

「一時代を築いたそごうと西武百を取り込み、
次の豊かさを描こうとしたセブンだったが、
デフレとデジタル化が進む消費社会を前に
付加価値を生み出すことはかなわなかった」

この問題は昨日書いたが、
百貨店を業態の盛衰という視点から、
再分析するべきだろう。

「戦後のカリスマ経営者がつなげてきた
リアル時代の豊かさの象徴は、
ファンドとデジタル時代の”勝者”である
ヨドバシカメラによって再編集される」

ヨドバシカメラが、
「ファンドとデジタル時代の勝者」と言う。
これにも違和感がある。

賛同する人はどれだけいるのだろう。
別にヨドバシカメラを貶めるつもりはない。

「そごう、西武百、ダイエー、マイカルと
有力小売りが表舞台から去り、
1990年代から2000年代にかけて
国内小売りはセブンとイオンの
2強が取り仕切った」

細かいところだがこれはあいまいな表現だ。
「1990年代から2000年代」と言えば、
「2000年代」は2000年から2010年のことか。

ならば2010年から2022年の現在までも、
2社がトップを走っている。

「スーパー、専門店、百貨店は
総合型小売業の完成を目指す二大勢力に
集約されていくというのが
大方の見方だったが、
そんなシナリオは今回のセブンによる
そごう・西武の売却で見事に崩れた」

これも「二大勢力」と言ってはいけない。
イオンは都市百貨店を統合してはいない。

「スーパー、専門店、百貨店」に、
専門店が加わっているのも理解不能。

専門店チェーンと言えば、
ユニクロやニトリなどが代表だが、
二大勢力に集約されるとの見方は、
どこを探しても、一度もない。

「ショッピングセンターを展開するイオンは
事業リストラには踏み込んでいないが、
かつてのように多数のM&Aを駆使して
総合型戦略を進める余裕はない」

イオンは事業の再編を続けている。
リージョナルシフトはその典型の戦略である。
それは事業のリストラクチャリングそのものである。

それにイオンのM&Aは、
これからも継続されるだろうし、
これからがむしろ本番である。
実際に昨年にはフジと経営統合している。

アメリカでは、
クローガーとアルバートソンが合併する。
それが日本の経営者に、
意識として与える影響は大きい。

イオンに「総合型戦略を進める余裕」が…
ないはずはない。

再度、言おう。
イオンもセブン&アイも、
この上半期に過去最高益を出している。

「デジタル&グローバル化の
流れを前に

2強の成長力は衰え、
新時代を切り開く存在とは
言えなくなった」

デジタルに対しても、
グローバル化に対しても、
「2強」の成長力は衰えるものではない。

特に「グローバル化」に関しては、
セブンが米国スピードウェイを買収して、
グローバル10に名乗りを上げる。
グローバル最大のコンビニチェーンだ。

アセアン戦略においては、
ウォルマートやテスコ、カルフールが、
揃って失敗しているにもかかわらず、
イオンは順調に成長している。

最後に「カリスマどもが夢の跡」
これは極めて失礼な言い方だ。

「カリスマ」に対して、
「ども」という言い回しを使う。

尊敬のかけらもない。

とても日経新聞とは信じられない。

毎日、この新聞を丁寧に読む読者の一人として、
この記事に対しては異議を唱えておきたい。

〈結城義晴〉

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