結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年06月08日(水曜日)

ミドルマネジメント研修会2日目の「人は企業の所有物ではない」

日経新聞電子版「経営者ブログ」
愛読していた。

宮内義彦オリックスシニア・チェアマンは、
1カ月に1回のブログを公開していたが、
5月27日に連載が終わった。
「日本はまだ復活できる」

高原豪久ユニ・チャーム社長も、
1カ月に1回のブログが、
5月26日に終了した。
タイトルは「初心に還る」

そして鈴木幸一IIJ会長。
鈴木幸一
毎週火曜日に書いてくれていて、
私は必ず読んでいた。

「私がこのコラムを始めたのは、
日本経済新聞が電子版を始めた
2010年からである。
というわけで、私は、
13年目まで書き続けたのである」

私もこのブログに、
鈴木さんの言葉を何度も引用した。

「今さらそんな言葉も
なくなってしまったようだが、
『皆勤賞』なのである」

「内容はともかく、13年目になるまで
いちども休まず書き続けたわけで、
皆勤した努力については
多少のお祝いをしていただいても
いいかと思うのだが、
“へぇーっ”と驚かれるだけである」

同感だ。

私の場合には毎日更新で、
15年間続けている。

「13年目になるまで続いた習慣で、
週末、間違って文章を書こうと
机に向かってしまう気がするのだが、
公になることはない。
長年、ありがとうございました」

あっけない終わりだが、
私のような熱心な読者から言わせれば、
なぜ、この「経営者ブログ」が終わってしまうのか。

執筆者たちはちょっと不満気だ。

さて湯河原で開催している
ミドルマネジメント研修会2日目。

2日目の朝は理解度判定テストから始まる。
自分の理解度を自分で認識するためのテストだ。

朝8時15分、スタート。IMG_3239-1

昨夜は遅くまで、今朝は早朝から、
受講生たちは自室で、ホテルのラウンジで、
テストに備えて復習をしていた。

初日の講義内容から出題される。
設問はどこから出るかわからない。
だから前日の講義をすべて復習する。
そしてこのテストに臨む。IMG_3345-1
皆、頑張った。

研修会2日目の第1講義は「計数」。

講師は白部和孝さん。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。
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データ活用のポイントを整理し、
在庫管理と人時管理について講義。IMG_32482

商品回転率や交差比率、
人時コントロールの考え方とその指標などを、
わかりやすく解説してくれる。
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具体的な設問を投げて、
実際に受講生に解を求める。

そして一人ひとり、
指導する。
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3時間の講義に、
受講生からお礼の拍手。IMG_32602

2日目第2講座の講師は、
井坂康志さん。
ドラッカー学会共同代表、
モノづくり大学教養教育センター教授。IMG_32672
テーマはドラッカー・マネジメント。

ピーター・ドラッカーに最後に会った日本人で、
ドラッカー本の翻訳者・故上田惇生先生とともに
「ドラッカー学会」を立ち上げた。
上田先生も信頼を置いていたドラッカー研究者。
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ドラッカー・マネジメントの本質を、
丁寧な語り口で紹介してくれた。IMG_32692
講義を終えると、
受講生からの質問を受けてくれる。

真っ先に質問したのは、
㈱ロピアホールディングスの佐野淳基さん。IMG_32773

同じく半場俊輔さん。IMG_32742

㈱関西スーパーマーケットの黒井洋之さん。IMG_32782

㈱キョーエイの新田貴樹さん。IMG_32822

一人一人の質問に、
真摯に答えてくれる井坂講師。IMG_32862

最後の質問者は
関西スーパーマーケットの許斐高志さん。IMG_32872

現場の悩みや質問にも丁寧に答えてくれた。
井坂さんに感謝しよう。IMG_32922

そして15時30分からは20時まで、
結城義晴の講義。
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はじめに理解度テストの解答を解説。

それから産業構造の変化から商業統計の問題点、
日本小売業の最新ランキングの劇的変化、
ミドルマネジメントのための経営数値までを、
一気呵成に講義。
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コーヒータイムを挟んで、
マネジメント理論の変遷、
戦後日本のマネジメント教育の課題、
MTP教育による日本のチェーンストア組織の弊害、
ドラッカーとハーバード・サイモン、
そしてヘンリー・ミンツバークの
アンリ・ファヨール管理過程論への批判などなど、
組織問題を整理した。IMG_33082

そのうえで、
ドラッカーのマネジメント手法を講義した。IMG_33132

「責任の組織化」。
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「自己管理の目標管理」。IMG_33152

そしてコミュニケーション。IMG_33162

最後はドラッカーの真骨頂。
「コミュニケーションが成立するためには、
経験の共有が不可欠である」IMG_33203
午後8時ぴったりに講義が終了した。

そして夕食。

今回のミドルマネジメント研修会は、
昼食・夕食会場を2カ所設けた。
感染症対策のためだ。

こちらは和室の「天照」。
一方向を向いて夕食を食べている。IMG_3324-1

元気なスタジオアリスの女性陣。IMG_3329-1

京都のマツモトの面々。IMG_3331-1

受講生の後ろで、一人、
元気よく手を挙げているのは誰だろう。IMG_3327-1

もう一つの会場は「瀬音」。
三角商事の面々。
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Vサインするのは平和堂の面々。IMG_3334-1

ロピアホールディングスの個性的な面々。
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食事を終えると三々五々、
研修会場に受講生たちが集まってくる。IMG_3345-1

明朝の理解度テストの準備のためだ。IMG_3341-1

湯上りの浴衣姿もちらほら。
こうして夜は更けていった。IMG_3342-1
第18回商人舎ミドルマネジメント研修会。
2日目も順調に終わろうとしている。

ピーター・ドラッカー。
「人は、企業の所有物ではない」

「マネジメントとは、
人の強みを発揮させることである」

〈結城義晴〉

2022年06月07日(火曜日)

第18回商人舎ミドルマネジメント研修会始まる

商人舎ミドルマネジメント研修会。

2012年、
東日本大震災の翌年から始めて、
10年が経過した。

毎年、初夏と秋に開催して、
第18回を数えた。

COVID-19パンデミックによって、
2020年は2回とも中止し、
昨2021年も初夏の開催を見送った。

昨年秋に再開すると、
まだ県外派遣禁止の会社などもあって、
参加企業数は少なかったが、
なんとか会場を関西に移して、
第17回目を実施することができた。

そして2022年初夏、
2年半ぶりの湯河原での開催となった。

この研修会は、
オンラインで開催しても、
まったく意味がない。

新横浜駅9時15分発のこだまで熱海駅へ。
久しぶりに降り立った熱海。IMG_31222

スタッフの鈴木綾子と写真。IMG_31262

新緑の間から相模湾が見える。IMG_31412

関東地方は昨日、梅雨入りした。
昨日の大雨が嘘のように、
少し青空が見える。

右手が伊豆半島、
正面左に小さく初島、
その奥に大島が浮かぶ。IMG_31342

熱海駅から車で30分ほどで、
会場のニューウエルシティ湯河原へ。
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右は亀谷しづえ。
商人舎ゼネラルマネジャー。

入口の看板が迎えてくれる。
商人舎ミドルマネジメント研修会御一行様。
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ホテルは千歳川に面していて、
橋の真ん中が神奈川県と静岡県の県境になる。IMG_32112

ホテルには研修棟と宿泊棟があり、
研修会場は研修棟2階の大会場「大観の間」。

広いホワイエ。IMG_32152

会場入り口には
感染予防の除菌剤と体温計。IMG_32172

ホワイエにはテーブルや椅子があって、
休憩時間にはゆっくりとくつろげる。IMG_32162

会場は天井が高く、
学びの場としても快適。
特に今回は、感染対策もあって、
机1台を1人が使うように配置した。IMG_31482

午後1時、
第18回ミドルマネジメント研修会が、
スタート。

この研修会は、
ドラッカーのマネジメントをベースにしている。
2泊3日で17講座のプログラム。

知識商人として必須の考え方や技術を、
さまざまな角度から学ぶ。

各社の幹部候補生たちが、
全国から参集してくれた。
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初日の第1講義・第2講義は結城義晴が担当。IMG_31502
今回は初めに、
「コロナは時間を早める」を講義した。

コロナ禍で社会はどう変わったか。
それに対して私たちは、
どう対応したらいいのか。

「時間が早まる」ことの本質。
そしてコロナ特需による「成長と膨張」。
「トレード・オフ」から「トレード・オン」へ。
さらにK字型の回復。
デジタル・トランスフォーメーション。

「ポスト・コロナ時代への決断とは、
“不確実な成果”に対して、
目隠しで一歩、踏み込む
心の在り方である」(結城義晴)

本論に入って真っ先に語るのは、
倉本長治の商業近代化思想。
そして「商売十訓」。

それが恐ろしいほどに、
ピーター・ドラッカーと共通している。

それから「賢者は歴史に学ぶ」。

小売業近代化の世界史、
働きがいのある企業ランキング、
そして商業の現代化に必須の、
顧客満足と従業員満足。

2時間あまりの冒頭の講義。
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全員が実によく聴講してくれた。
今回の受講生、大いに期待できる。

コーヒータイムを挟んで、
第3・第4・第5講義は鈴木哲男講師。
㈱REA代表取締役会長。IMG_31942

「52週MD」の本質と実践法、
プロモーションとストアコンパリゾン。IMG_32192

考え方から実践まで、
それぞれのテーマのエッセンスを、
4時間ほど講義してくれた。 IMG_32012
商売の本質をこの側面から語れるのは、
巨匠鈴木哲男以外にいない。

ありがとうございました。

初日の講義を終えるころ、
明日の講師のお一人、
白部和孝さんが到着。
シラベ・リテイル・システム研究所代表。

3人で写真。
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夕食を終えると、
受講生たちは三々五々、
会場にやってきて自習する。
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明日は朝一番に、
理解度判定テストがある。

そのテストに備えて、
夜11時まで会場を開放。

そのあとも各自、自主的に復習する。

「社会人になってから、
こんなに勉強したことはありません」
いつも修了生から漏れてくる声だ。

受講生は例外なく、
仕事のできる者ばかり。

だからこの研修で原則や考え方を学べば、
実務の能力が再整理される。
モチベーションも格段に上がる。

それがすぐに成果に結びつく。
この成果の獲得が、
何よりも貴重なことだ。

みんな、がんばれ‼

彼らの学ぶ姿を見ていると、
涙がにじんでくる。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2022年06月06日(月曜日)

「マスクいつまでつけるのか」論争のトレード・オンとパラドックス

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉓]

2022年第23週。
6月第2週。

関東甲信越で、
梅雨入り。

平年は6月7日ごろで、
昨年は6月14日だった。

九州から東海は、
まだ先になりそうだ。

一方、沖縄は、
来週末に梅雨明けする。

関東甲信の梅雨明けは、
平年は7月19日ごろで、
昨年は同16日だった。

1年で最高の6月。
梅雨前の時期だ。

それも、そろそろ終わる。

「人々の眼、
闊歩、足踏み、とぼとぼ歩き、
怒号と喧騒(けんそう)
馬車、自動車、バス、荷車、
足を引きずり体をゆすぶって歩く
サンドイッチ・マン、
ブラス・バンド、手風琴(てふうきん)
頭上を飛ぶ飛行機の
凱歌とも鐶(かん)の音とも
奇妙な高調子の歓声とも聞こえる爆音、
こういうものをわたしは愛するのよ。
人生を、ロンドンを、
六月のこの瞬間を」
(ヴァージニア・ウルフ『ダロウェイ夫人』)
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ヴァージニア・ウルフは、
19世紀のイギリスの女性作家。

六月のロンドン、素晴らしい。

私たちは明日から、
商人舎ミドルマネジメント研修会。
2022ミドルマネジメント
2019年までは毎年、
初夏と秋に開催していた。

2020年と2021年初夏は中止し、
昨年秋に再開した。

そして今年初夏に、
開催できる。

熱海の隣の湯河原で、
2泊3日の缶詰セミナー。

これまでに1300名を超える履修者がいる。

今日はその準備に、
1日を費やした。

私の気力、体力が続く限り、
やり続けます。
ナレッジ・マーチャントの養成。

さて日経新聞の記事。
「マスクいつまで着けるか」
4人の専門家、識者に聞く。

山際大志郎経済財政・再生相、
新型コロナ担当を兼ねるが、
「感染を抑止できている状況を保てれば、
普通の生活が送れる日が来る。
マスクを外す日々は必ず来る」
主張は「ワクチンと検査で次へ」

黒岩祐治神奈川県知事。
「新型コロナはゼロにはならず、
共存していかなくてはいけない。
現在も”2類相当”から変更されていない。
その見直し議論をすべきだ」

鈴木基国立感染症研究所感染症疫学センター長。
「当面の対策は現状維持だろう。
地域ごとに合意形成する必要がある」

明和政子京都大教授。
「大人には、脳の感受性期にある子どもたちの
環境を守る責任がある」

「感染防止と両立しうる、
“子どもにとって必要な”
新しい生活様式とはどのようなものか。
政府は科学に基づく対策を
早急に実施してほしい」

日経新聞としてのまとめ。
「いつマスクのない生活に戻れるのか。
脱マスクはコロナの出口戦略の象徴となった。
全ての人が感じる問題だけに、
条件や手順以上に
人々がどう受け止めるかが重要だ」

「4人の識者は、
不便さと予防効果のバランスをとるカギが
コミュニケーションと示唆する点で一致する」

マスクはコロナ出口戦略の象徴だ。

その時に求められるのは、
「不便さと予防効果。
そのバランス」

ここでもトレード・オンの考え方が、
最重要となる。

あちらを立てて、
こちらも立てる。

小売業・サービス業は、
最後にマスクを外す業種業態だ。

そのカギを握るのは、
コミュニケーションだ。

皮肉なことにマスクは、
根本的なコミュニケーションを、
阻害するものである。

ここにもパラドックスが横たわる。

19世紀のヴァージニア・ウルフ。
「こういうものをわたしは愛するのよ。
人生を、ロンドンを、
六月のこの瞬間を」

21世紀の私たちは、
なかなかウルフのようにはいかない。

それでも人生を愛して、
自分の街を愛して、
六月のこの瞬間を愛して、
生きていこう。
仕事していこう。

では、みなさん、今週も、
「この一瞬の積み重ねが、
君という商人の全生涯」(倉本長治)

Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年06月05日(日曜日)

「惣菜の教科書」と「サミットスタディ」の自分を変える「勇気」

日曜日だけれど、
オフィスに出て仕事。

そして月刊商人舎6月号を責了。

今月はこの2冊の雑誌を読み直しました。
1993年4月刊の『サミットスタディ』と、
1994年5月刊の『惣菜の教科書』
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いずれも㈱商業界の食品商業別冊号。

当時はこんなすごい別冊を、
毎年、毎年、編集し、
発刊していました。

編集長は不肖、結城義晴。

30年後の今、読み直しても、
まったく古くはない。

むしろ原点に戻って、
それぞれの問題を、
根本から組み立て直すことに役立つ。

「いっさいの事柄は物憂(ものう)く、
誰も語り尽くせはしない。
目は見て、
飽きたりることなく、
耳は聞いて、
満たされることはない。
かつて起こったことは、
いずれまた起こり、
かつてなされたことは、
いずれまたなされる。
日の下(もと)に、新しいことは
何一つ存在しない」
〈『旧約聖書』「コーヘレイト書」より〉
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30年間、次々に、
イノベーションを果たした企業と、
それができずにそのままだった企業。

大きな差がついてしまった。

そこに新興企業が登場し、
「後進の先進性」を享受して、
一番先頭のところをスタート地点として、
どんどん先に進む。

するとまた格差が広がる。

しかし、
かつて起こったことはまた起こり、
かつてなされたことはまたなされる。

新しいことは何一つない。

だから30年前のものが、
いま、大いに役立つ。

「すぐ役立つものは、
すぐに役立たなくなる」

けれど、
すぐに役立たない真理は、
追求し続ければ、
ずっと役立つことになる。

朝日新聞「折々のことば」
第2400回。

現代人は
「仕方がない」が
苦手である。

何事も
思うようになると

なんとなく思っている
風情である。

(養老孟司)

「人生をふり返れば、
努力ではなく
“いつの間にかそうなっていた”ことが
ほとんどだ」

「今更打つ手もない。
だから”仕方がない”。
何かを思いどおりにしたくて使う身体、
もっといえばその身体を使う”私”が、
じつはもっとも
思いどおりにならないものなのだろう」

「アステイオン」第96号、随想「人生論」から。
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仕方がない。
いつのまにかそうなっていた。

それがほとんど。

それでもいい。

養老孟司さんは解剖学者、医学博士。
2003年刊の『バカの壁』は、
450万部のベストセラー。
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「変わっていくこと、
それが学ぶということ。
知るということです。
自分が変わっていなかったら、
何も学んでいないと思えばいい」

旧約聖書は教える。
「日の下に、新しことは
何一つ存在しない」

けれど自分を主語にすると、
自分が変わっていたら、
何かを学んだことになる。

「壁は全て、
自分が作っている」

「確かに自分を変えるのは
怖いかもしれない。
どうなるかが、
予想できなくなるからです。
だからこそ、
勇気が意味を持ってくる」

勇気とは、
未知なる世界に一歩、
目隠しで踏み込む、
心の在り方である。

〈結城義晴〉

2022年06月04日(土曜日)

「出生率6年連続低下」と「二千日手」と「艱難の商人」

6月4日。土曜日。

私は横浜商人舎オフィスに出社。
月刊商人舎6月号の最後の詰め。

大量に原稿を執筆して、
デザイナーの七海真理さんに送る。

すぐにデザインが仕上がってくる。
これを「初校」という。
それを2人以上で校正する。
ダブルチェックだ。

それを再び七海さんに送る。
赤字が入ったところを直してくれて、
また送られてくる。
これを「再校」という。

この再校をやはりダブルチェックして、
直しがあればそれを送る。

直しがなければ、
「責了」する。

雑誌や本をつくることは、
手間がかかります。

それでもいい雑誌が出来上がれば、
これ以上の喜びはない。

さて、今日は様々なニュースがあった。
それを短くダイジェストしよう。

まず第1に、
夏の参議院選挙。
自民党の茂木敏充幹事長が発言。
「間違いなく6月22日公示になる」

投開票日は7月10日になる。

今、通常国会が開かれている。
第208回常会。

今年1月17日に始まって、
会期は150日間。

ロシアのウクライナ侵攻は、
この208回通常国会開催中のことだった。

だから日本政府や行政の対応は早かった。

その通常国会は、
6月15日に会期末を迎える。

参議院選はそのあとだ。

17日間の恒例の選挙期間を想定すると、
投開票日は7月10日の日曜日となり、
公示は6月23日になる。
ただしこの日は「沖縄慰霊の日」だ。

そこで公示日は、
1日前倒しされる。

梅雨の選挙となる。
そしてそれが日本の趨勢を決める。

第2のニュースは、
「出生率6年連続低下」
日経新聞は一面トップで取り上げた。

厚生労働省の発表。
2021年の合計特殊出生率は、
1.30だった。
1人の女性が生涯に産む子どもの数を、
合計特殊出生率という。

これは6年連続で低下。
出生数は81万1604人で過去最低。
前年比より2万9231人も減った。

出生率の過去最低は、
2005年の1.26だが、
21年の1.30は過去4番目に低い。

前年より0.03ポイント低下した。

出生率1.5未満を「超少子化」と呼ぶ。
1.3未満はもう言葉にならないくらい深刻な状態だ。

厚労省は何とも無責任な見解を出す。
「15~49歳の女性人口の減少と
20代の出生率低下」

世界的にコロナ禍によって出生数が減っている。
しかし米国は21年に約366万人の出生。
7年ぶりに増加。
出生率は1.66。
前年の1.64から上昇。

フランスは21年出生率1.83。
20年は1.82だったから0.01ポイントの上昇。

ドイツも21年の出生数は増加する見通しだが、
手厚い少子化対策が素早い回復を促した。

出生数から死亡数を差し引いた自然減は、
62万8205人で、過去最大。

「商売は人口動態の通りにせよ」
故渥美俊一先生の言葉を思い出す。

その通りにするならば、
日本全体の小売業や商業は、
商売を縮小していかねばならない。

政治の最大の責任は、
この出生率の減少を食い止めることだ。

参議院選挙でも、
この点に言及する候補がいるか。
注目したい。

第3のニュースは、
将棋の棋聖戦第1局。
棋聖位についているのは今、
藤井聡太五冠、19歳。
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挑戦者は永瀬拓矢王座、29歳。

二人は、
「VS」と呼ばれる練習対局のパートナーだ。
手の内を知り尽くしている。

長瀬がデビュー直後の藤井に呼びかけて、
練習対局を繰り返し、
自分も強くなった。

なかなかに切れる男だ。

その二人の第一局。
なんと千日手となった。

局面が行き詰って、
両者が同じ手順を繰り返す。

千日も続くのではないかという手順。
そこで千日手というが、
こうなったら差し直しされる。

つまりやり直し。

こういったタイトル戦で千日手となることは、
多くはない。

しかし差し直した2局目も、
千日手となった。
つまり「二千日手」

そこでさらに差し直し。

この対局を永瀬が制して、
藤井は初戦を落とした。

粘りの永瀬と言われるが、
珍しく藤井がそれに屈した。

しかし「二千日手」とは、
凄いことだ。

第4のニュースは、
「セルコレポート」到着。IMG_3102 (002)2

日本セルコチェーンは、
60周年を迎えた。
その記念号だ。

おめでたい。

私は連載の2回目を書いた。
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「艱難は商人を鍛える」
これが連載タイトルだが、
今回は「値上げラッシュに知恵を出せ」IMG_3106 (002)2
主人公は故中内功さん。
そう、ダイエー創業者。

中内さんは「内臓逆位」だった。
つまり心臓が右についていた。

その話を書いた。

その艱難を乗り越えて、
日本一のダイエーをつくった。

艱難は商人を鍛える。

日々、進んで、
鍛えられましょう。

人口減少もなんとか止めましょう。
二千日手も何のその。

人生は艱難の中にある。

〈結城義晴〉

2022年06月03日(金曜日)

「夏原平和さん お別れの会」の「感謝」と「合掌」

今日は滋賀県の大津へ。

「夏原平和さんのお別れの会」
昨2021年12月20日、
77歳で永眠された。

その日、私は訃報を書いた。

「夏原平和さん、
早すぎる。
惜しい。
けれど
見事な人生だった。」

すぐにでも飛んで行って、
お別れをしたかった。

しかし、それも許されず、
半年後の今日となった。

新横浜から新幹線に乗って、
名古屋から京都へ行き、
そこから東海道線で2駅戻る。

JR大津駅。

滋賀県の県庁所在地。

駅前にリムジンバスが待っていて、
びわ湖大津プリンスホテルまで、
次々にやってくる参会者を輸送。

琵琶湖のほとりの大きなホテル。
そのコンベンションホール淡海。

美しい花祭壇に夏原さんの遺影。
夏原平和ブログ用
静かに並んで、
心を込めて献花をする。

退室すると、
出口に3人の姿。

平松正嗣さん、
夏原行平さん、
夏原陽平さん。

無言の目礼。

平松さんは代表取締役社長執行役員、
行平さんは取締役専務執行役員、
陽平さんは取締役常務執行役員。

部屋を出ると、
本持真二さんが近寄って来てくれて、
一言、挨拶を交わす。

「ほんとうに残念でした」
私はそれしか言えなかった。

ホテルのロビーの前に、
リムジンバスが待っていてくれて、
それに乗って大津駅へ。

京都から新横浜へ。

実に簡素なお別れの会だった。

しかし参会した人は、
ひとりの例外もなく、
それぞれに、無言で、
夏原平和さんとお別れをした。

謙虚で、穏やかな、
夏原平和さんらしい、
お別れの会だった。

手渡された冊子の写真。
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実にいい笑顔だ。

直筆の言葉もよかった。

感謝
お客様に感謝

生産者に感謝
働く社員感謝

夏原さん、さようなら。
ありがとうございました。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年06月02日(木曜日)

生団連定時総会と「地域生団連」の「この指とまれ!」

今日は生団連の定時総会。

国民生活産業・消費者団体連合会。
略して「生団連」。

実にいいネーミングだ。

場所はホテルオータニ東京。
記念パーティは夕方の6時から始まった。
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新型コロナウイルスの感染拡大のため、
この2年間はパーティの開催が見送られた。

3年ぶりの開催は簡素化したスタイルで、
ドリンク提供のみだった。

私は参加できず。

商人舎上級プロデューサーの松井康彦さんが、
行ってくれた。

まず小川賢太郎生団連会長の挨拶。

それから来賓祝辞は、
岸田文雄内閣総理大臣。
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さらに 茂木敏充自由民主党幹事長、
山口那津男公明党代表、
泉健太立憲民主党代表、
玉木雄一郎国民民主党代表、
馬場伸幸日本維新の会共同代表。

7月の参議院選挙を控えて、
既成政党揃い踏みの祝辞だった。

清水信次さんがつくった生団連は、
政治活動を積極的に展開しているからでもある。

乾杯の音頭は消費者部会のお歴々。IMG_3313

第2代の小川会長となってからも、
その活動は衰えず、
昨2021年7月8日には、
「地域生団連」の第一弾として、
「埼玉県生団連」が発足した。
埼玉県政団連
その埼玉県の会長は、
埼玉県地域婦人会連合会の柿沼トミ子会長。
副会長は㈱ヤオコーの川野幸夫会長、
日本スーパーマーケット協会会長。

発足の会で川野副会長は、
「生産者主権から生活者主権への転換」を強調し、
「埼玉県の生活者の皆様方の生活の豊かさ、
そして幸せを発信することで、
日本の大きな構造改革を実現したい」と、
抱負を語った。

この埼玉県に続いて今年5月27日、
大阪でも生団連が発足した。

商人舎流通スーパーニュース。
生団連news|
2つ目の地域生団連「大阪生団連」発足、5/27発足の会開催

大阪生団連会長には、
堺市消費生活協議会の山口典子会長、
副会長には日本ハム㈱の畑佳秀社長が就任。

この7月には北海道にも、
「地域生団連」が発足する。

消費者と生活産業が、
連携して連合会をつくるところが、
とてもいいな。

清水さんの着想がすごい。

そして小川賢太郎会長、
コロナ禍の中でも、
やります。

素晴らしい。

月刊商人舎2018年8月号特集は、
我ら、ポリティカル・マーチャンツ!
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その[Message of August]
この指とまれ!

右も左も、この指とまれ。
前も後ろも、この指とまれ。
下から上から、この指とまれ。

そして、前向きに、
そして、上向きに、
そして、外向きに。

ポジティブに、
アクティブに、
ダイナミズムをつくれ。

小売りも、卸も、メーカーも、
顧客も消費者もNPOも、
政府も、役所も、県も市も。

売り手良し、
買い手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

いい国、つくろう。
いい街、つくろう。
いい店、つくろう。

だから右も左も、この指とまれ。
前も後ろも、この指とまれ。
下から上から、この指とまれ。
???????????????????????????????????????????
「この指とまれ!」は、
子どもの遊びで使われる。

政治家による政党政治や派閥も、
この指とまれ!のニュアンスをもつ。

しかしそれだけではない。
すべての小売業、サービス業は、
私たちの店においでくださいと、
顧客たちに訴える。

「この指とまれ!」と呼びかける。

マーケティングの原則である。

さあ6月も、
この指とまれ!と、
顧客に呼びかけよう。

そのために、
いい店、つくろう。

〈結城義晴〉

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