結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年08月21日(日曜日)

グランドの「声出せ~」と店長たちの「いらっしゃいませ⤴」

昨夜、彦根から帰宅して、
今日は完全休養。

平和堂での都合12時間超の講義。
IMG_51512

頭は興奮していた。
身体は疲れ切っていた。
IMG_51692
それでも声が枯れてはいない。
喉が痛いわけではない。

これも40代から50代初めまで、
少年ソフトボールの監督をやったお陰だ。

毎週土日はグランドに出て、
声を出して指示し続けた。

子どもたちにも、
「声出せ~!!」と怒鳴り続けた。

子どもたちは、
「バッチコーイ!」
「バッチコーイ!」
と、大声を上げた。

声を出すと自分の元気が出てくる。
リラックスすることができる。
仲間を勇気づけることができる。

声が合ってくると、
チームがまとまってくる。

1年間、三が日や年末を除いて、
それは休みなしで続いた。

私は1989年1月1日、
36歳のときに、
㈱商業界の編集長に就任した。

それから1996年、
44歳の時に、
取締役編集担当になって、
販売革新誌の編集長を兼務した。

編集現場の仕事に、
一番邁進した時期だったと思う。

しかしその時に、
少年ソフトボールの監督を、
引き受けてしまった。

ちょっと後悔もしたが、
こちらの監督仕事も面白くて、
手を抜かなかった。

お陰様で関東大会などにも行った。
全国大会は一歩手前までだったが。

横浜市のオールスター大会では、
港北区の監督を務めて、
優勝までさせてもらった。

その間ももちろん、
グランドでの「声出せ~!」はやめなかった。

そのお陰もあって今、
1日6時間や7時間、8時間の講義をしても、
声が枯れることはない。

どんなことでも、
一所懸命にやれば、
あとで必ず役に立つ。

だからと言って、
あとで役に立てるために、
やっているわけではない。

どんなことにも、
一心不乱、
真剣に向かい合う。

私の人生訓のひとつだ。

ブレーズ・パスカル。
「パンセ抄」より。
私たちの本性は
運動のうちにある。
完全な静止は、
死でしかない。
(断章一二九)
IMG_4561 (002)2

いくつになっても、
動き続ける。
声を出し続ける。

商人は店で声を出す。
売場で声を出す。
「いらっしゃいませ~!」

店を訪問して、
売場を案内してもらう。

そんなときにも、
店長や地区長は、
お客さまと顔が合うと、
ちょっと控え目に、
「いらっしゃいませ⤴!」

これは、どこの企業も例外はない。

その声はやはり、
とても鍛えられていて、
通常の会話の声ではない。

ちょっと古いけれど、
三波春夫のような、
浪花節で鍛えられた、
張りのある声だ。

今でいえば、
玉置浩二が、
サビのところで張り上げるような、
伸びのある声だ。

その店長たちの声は、
私には心地良い。

プロの声だ。

昔むかしの物売りの声。

いまではもう、
落語家が演じる物売りの声くらいしか、
聞くことはできない。

しかしその物売りの声も、
日々、繰り返し顧客に呼びかけることで、
張りと伸びをもっていた。

私も講演の時、
興奮してくると、
声を張り上げる。
IMG_51722

わかってほしい。
理解してほしい。

そして実行してほしい。
成果を上げてほしい。

「君たちならば、できる」

そんな思いが、
大きな声になって、
出てくる。

30年前にグランドで、
子どもたちに向けていた思いと、
それはとても似ている。

声を張り上げることは、
思いをつたえることだ。

ありがとう。
心から。

〈結城義晴〉

2022年08月20日(土曜日)

平和堂「Positioning勉強会」の熱血講義「君たちはやれる!」

第104回全国高校野球選手権大会。
花の準決勝。

滋賀県代表近江高校。
残念ながら負けてしまった。

滋賀県中から、
大きなため息が聞こえた。

第1試合は、
宮城の仙台育英と、
福島の聖光学院。

18対4で仙台育英の圧勝。

2006年夏に早実で優勝した斎藤佑樹。
ハンカチ王子。
「仙台育英は140kmを投げる投手が
5人いるチーム。
みんなきっちりと準備して、
ストライク先行で
自分の仕事をこなしてました」

そう、育英は自分の仕事をこなすチームだった。

第2試合の近江対下関国際。
2対8で下関国際が勝利。

斎藤佑樹の解説。

「準々決勝と違って、最終的に
点差が離れる展開になりました」

「2試合とも、
疲れを含めた投手力の差が出た」

「近江の山田君は、
本当に魅力があるピッチングで、
この先のステージで見るのが楽しみです」

近江の山田陽翔(はると)
高松商業の浅野翔吾。

プロでも活躍して、
メジャーに挑戦するに違いない。

「君たちは、やれる!」

私は滋賀県南彦根。
平和堂本社。
通称HATOC。
Head Office And Training Omotenashi Communication。

今日は土曜日で、
本社に出社している人は少ない。
IMG_5162.-1JPG

昨日に引き続いて、
ポジショニング勉強会。
商品本部のバイヤーたちが、
本部3階の大ホールに集合。

店舗の支配人、統括店長たちは、
webで参加。
IMG_5137-1

講義プログラムは2日間同じ。

新型コロナウイルス感染で、
一堂に会することができなくなった。

それでもリアル講義ほど、
成果の上がるものはない。

だから2日に分けて行う。

同じ講義テーマだから、
テキストも内容も同じものだが、
話し方や説明の仕方は、
2回目になると変わってしまう。

目の前の受講者たちが、
関心を寄せるところは、
どんどん脱線しつつ、
深い話となる。

難しいことを易しく、
易しいことを面白く、
面白いことをより深く。

これが私のモットー。
林廣美先生に教えていただいた。

この講義の2日目も、
若干、説明の仕方や、
取り上げるエピソードが変わった。

それでも訴えたい内容は一貫している。
そして最も重要なケーススタディなどは、
抜け落ちることはない。

朝、10時スタート。
IMG_5144-1

初めに社内講師の藤田幸之助さん。
ショップ事業部部長。
平和堂が進めるショップ事業の推進役だ。
IMG_5140-1
具体的で実務的なマネジメント内容で、
商品部バイヤーにとって有益だった。

そして5時間を超える、
結城義晴の熱血講義。IMG_5151-1
自分で言うのも恐縮だが、
なぜかこのHATOCで講義すると、
“熱血”となってしまう。

上から夏原平和さんが、
見ているような気分になるからか。

はじめは著書『コロナは時間を早める』から、
その重要なエッセンスを披露。
IMG_5152-1

コロナによって、
競争の実態がどう変わったのか。
M&Aの加速、
DXの進捗とさらなる加速、
イノベーションなどなど。
IMG_5156-1

一人ひとりの決断を求めた。
「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」
(ピーター・ドラッカー)

商売は経済活動そのものだ。

だからその本質は、
リスクを冒すことだ。

昨日と同じことをしていてはいけない。
前年と同じことはもっといけない。

マイケル・オークショット。
「変化の時代に選びうるのは、
確実な損失か、
不確実な利益かの
いずれかである」

確実な停滞か、
不確実な前進か。

ならば不確実な前進を選ぶしかない。

そのなかで
仕事のスピードを上げる。
それを強く求めた。
IMG_5154-1

午後は日米チェーンストアの最新動向。
今日は急遽、スライドを用意した。IMG_5159-1

米国における総合業態の強さ、
日本における総合業態の停滞。

その違いは何か。
アメリカに何を学ぶのか。

話をしながらも、
一刻も早く渡米して、
米国小売業の現場を見たいという気持ちが、
ふつふつと湧いてきた。

さらに業態の盛衰、
ストアフォーマット論、
マスマーケティングとSTPマーケティング、
ポジショニング戦略。

私の持論の一気呵成の講義。
IMG_5168-1

平和堂の商品本部と店舗に、
改革の必要性を説いた。
IMG_5171-1

今日も朝10時から、
夕方6時過ぎまでの講義。
最後は声が枯れた。
「もう限界です」と言って、
講義を終了した。
IMG_5176-1
ご清聴を感謝したい。

最後に受講生からのプレゼント。
「E-wa!」の詰め合わせ。

平和堂のクオリティブランドで、
非食品でも商品開発が進められている。IMG_5180-1

講師の藤田さん(左)と松澤恒雄さん。
松澤さんは上席執行役員衣住統轄兼衣住事業部長。
-1

最後はハトッピーポーズで記念撮影。
web参加者もモニターでハトッピーのポーズ。
IMG_5187-1
二日間にわたるHATOCでの講義。
延べ12時間を超えた。

それでもまだまだ、
語りたいことがある。
伝えたいことがある。

「ポスト・コロナ時代への決断とは
“不確実な成果”に対して、
目隠しで一歩、踏み込む
心の在り方である」

平和堂の社是。
「商業を通じて
豊かな暮らしと文化生活の向上に貢献し、
より多くの消費者に
なくてはならない店になる」

君たちには、
それができる。

君たちは、やれる!

「すぐ、やる。
かならず、やる。
できるまで、やる」
日本電産の永守重信さんの言葉。

そう、必ずやれる。
期待したい。

〈結城義晴〉

2022年08月19日(金曜日)

HATOCでの勉強会講義で夏原平和さんとお別れした。

東北6県の夏祭りが復活。
コロナ禍で3年ぶりに開催された。

日経新聞が取り上げた。

来場者数は合計で約545万人、
経済効果は6県合計で約370億円。

夏は祭りだ。

最も経済効果が大きいのが、
青森ねぶた祭。
今年は大型ねぶた17台が運行。

盛岡さんさ踊り。
延べ160団体の浴衣姿の踊り手が、
市内中心部を練り歩いた。

秋田市の秋田竿燈(かんとう)まつり。
238本の竿燈が勇壮に夏の夜空を彩った。

仙台七夕まつり。
商店街を色とりどりの七夕飾りが彩る、
「静」の祭り。

私はこれを「夏物在庫処分」の祭と言っている。

しかし夏は祭りだ。

甲子園の祭は、
全国高校野球選手権大会。

ベスト4が決まって、
1日、休養日が設けられた。

準々決勝の前日と翌日、
準決勝の翌日。
都合3日が休養日に充てられる。

たいへんな進化だ。

エースに2日続けて投げさせるのは、
その選手の将来をダメにする危険性がある。

そのベスト4に残った滋賀県近江高校。
今、滋賀の彦根にいるが、
地元の盛り上がりは大変なものだ。

妙な縁があって、
滋賀にいて、近江を応援する。

大阪から滋賀に移動して、
平和堂のアル・プラザを3店視察した。

それから彦根のホテルに泊まって、
朝、南彦根の平和堂本社「HATOC」へ。
Head Office And Training Omotenashi Communication。

快晴の青空にピンク色の建物が映える。IMG_5079-1

1階のロビーにモニュメント。
IMG_48372

平和堂敦賀店とアル・プラザ敦賀。IMG_48382

本社3階の大ホール。
IMG_5055-1

金曜・土曜と平和堂の勉強会。
商品本部のバイヤーや支配人、統括店長たちが、
2日に分かれて学ぶ。

朝10時から夕方5時半までの長丁場の勉強会だ。

コロナ感染症拡大もあって、
リアルとウェブでの参加になる。

初日は70名あまりがリアル聴講。
IMG_5056-1

はじめに社内講師。
ショップ事業部部長の藤田幸之助さん。
ワールド出身で、
リフレクト事業や百貨店事業を担い、
アセアン・中国市場、FC事業も手掛けた。

平和堂が進めるショップ事業の推進役として、
今年、平和堂に入社した。
IMG_5061-1

これまでの取り組みを紹介しながら、
平和堂におけるビジネスモデルの方向性を、
専門性を交えて語ってくれた。

そして11時20分からは、
結城義晴の5時間セミナー。
IMG_5062-1

テーマは持論の「ポジショニング戦略」。
サブタイトルは、
ポストコロナの日米チェーンストア競争を踏まえて。

丁寧に語った。
IMG_5066-1

後方では平松正嗣社長をはじめ、
福嶋繁取締役やエリア営業部長など、
幹部も勢揃い。
IMG_5101-1

午前中の1時間は、
自著『コロナは時間を早める』から、
スライドを使って、
大事なポイントを講義。
IMG_5069-1

昼食を挟んで、午後は、
日米のチェーンストアの動向をレクチャー。

日米のランキングの変動、
有力企業の戦略をガイダンス。
IMG_5087-1

さらにチェーンストアと商品部バイヤーの役割、
バイヤーのための市場分析手法、
プライベートブランド開発などなど、
戦略的な技術論を講義した。
IMG_5080-1

そして最も伝えなければならない、
フォーマットとポジショニング戦略。
IMG_5092-1

フォーマット戦略のための、
ポジショニングはどのように築かれるべきか。IMG_5082.-1

平和堂へのエールも込めて、
講義は30分伸び、夕方6時に終了。
IMG_5085-1

その後、全員が揃って記念撮影。
人事部スタッフが撮影。
IMG_5104-1

商人舎もブログ用に撮影。
70名あまりが揃うと、顔が見えないが、
手でハトッピーを表現している。IMG_51092

平松社長とも久々に会って、
つもる話もした。
IMG_E5113-1

HATOCには、
亡き夏原平和さんの写真パネルが、
飾られている。
IMG_48392

平松さんとのツーショットもある。
IMG_48402

その前で一枚。
IMG_E5117-1

HATOCに来ると、
夏原平和さんを思い出す。

講義の一番最後、
夏原さんのことが思い出されて、
一瞬、詰まってしまった。

ほんとうにさようなら。

ここへ来て、
1日、心を込めて講義して、
やっとお別れができた気がした。

ありがとうございました。

〈結城義晴〉

2022年08月18日(木曜日)

夏の甲子園4強揃って平和堂の滋賀県店舗を視察

第104回全国高等学校野球選手権大会。
夏の甲子園も準々決勝。

準々決勝は8校。
準決勝が4校、
そして
決勝が2校。

だんだん絞られるが、
この夏の高校野球で、
最も運が強くて、
最も力をつけ、
それを出し切った8校が、
準決勝で出揃う。

それが1日の4試合に凝縮される。
毎年書いているが、
準々決勝が一番面白い。

その第12日目の結果は、
第1試合
愛工大名電(愛知)-仙台育英(宮城)は、
2対6で仙台育英の圧勝。

第2試合
高松商(香川)-近江(滋賀)は、
6対7の接戦を制して近江。

第3試合
大阪桐蔭(大阪)-下関国際(山口)は、
4対5で下関国際。
これも大接戦で昨年の覇者大阪桐蔭が、
逆転で敗れた。
三度目の春夏連覇を目指したが、
それは成就しなかった。

第4試合
聖光学院(福島)-九州学院(熊本)
10対5で聖光学院が4強に残った。

結果として、
東北地方から2校が残った。
近畿地方と中国地方の高校が、
それぞれ1校ずつ準決勝に進んだ。

私は昨日から関西に入って、
今日は滋賀県へ。

ショッピングセンターを巡ると、
高松商-近江戦が大画面のテレビに映されて、
人々が熱心に応援していた。

近江の山田陽翔(はると)選手は、
大会屈指の投手であり、4番打者。
当たり前だが二刀流。

一方、高松の浅野翔吾中堅手は、
PL学園の清原和博を超えるスラッガー。

その対決は浅野が、
3打数3安打2打点の1申告敬遠。
バックスクリーンへの本塁打まで出て、
一対一では山田投手に完勝したが、
試合は近江が制した。

地元は大興奮だ。

BS朝日でこの試合の解説をしていたのが、
渡辺元智横浜高校前監督。
「解説を忘れて、
試合観戦に没頭してしまいました。
山田君は疲れていて、
本来の投球ではなかった」

二人ともプロ野球に行くのだろう。
これからも楽しみな選手たちだ。

さて私は滋賀県の草津市へ。

アル・プラザ草津。
平和堂ナンバー1の売上げを誇る巨艦店。

昨年、食品フロアをリニューアルし、
来年には2階の衣住のフロアの大改装を控える。IMG_4725 (2)-1

2階売場の中央に設けられた、
プロモーションコーナー。IMG_4737 -1

1階には平和堂の強みである、
広い広い靴売場。IMG_4705-1

主通路を挟んで無印良品。
IMG_4703-1

売場を丁寧に説明してくれた皆さんと、
記念撮影。IMG_4754-1

私の隣から、
衣住統轄店長の奥野正士さん、
支配人の谷脇直公さん、
そして滋賀第三営業部長の平塚善道さん。IMG_4757-1
平塚さんは平和堂米国研修の第13団団長。
テキサス州ダラスとイリノイ州シカゴに行った。

草津をあとに、
アル・プラザ近江八幡へ。
IMG_4814-1

今年1月に食品フロアを、
6月に衣料と住関連を改装。
9月にさらに改装して、
グランドオープンする。
IMG_4806-1

いずれも平和堂の最新の売場づくり。IMG_4820-1

奥壁面は精肉と惣菜。IMG_4814 -1

クッキングサポートコーナー。
IMG_4821-1

衣料品売場は斬新な改革をした。
そしてそれが成果を出し始めている。IMG_47642

キッズ・フォレストのショップは、
完成に近づく。IMG_47702

衣料品や住関連の「E-WA!」も、
開発が進んでいる。
平和堂のクオリティブランドだ。
IMG_47982

案内してくれたお二人。
店長の下村武広さん(中)と
衣住統轄次長の河村慎二さん。IMG_4811-
お二人ともに、
商人舎ミドルマネジメント研修会の修了生。

どの店に行っても、
米国研修性とミドルマネジメント研修性が、
暖かく迎えてくれる。

そして成果を出しつつある。

しかしまだまだです。
それを厳しく優しく指摘する。

厳しさがないと、
近江高校のように勝ち抜いてはいけない。

小売業の競争も、
甲子園並みに激しい。

しかし艱難は商人を鍛える。
私はそう、信じている。

〈結城義晴〉

2022年08月17日(水曜日)

AOKI元会長贈賄容疑とアル・プラザ高槻訪問

青木拡憲(ひろのり)さんが、
容疑者となってしまった。
贈賄容疑で逮捕。

AOKIホールディングス前会長。
もう83歳か。

受託収賄容疑は、
東京五輪大会組織委員会の元理事、
電通出身の高橋治之容疑者。

青木さんは、
長野商業高校卒業後の1958年、
出身地の長野市で「洋服の青木」創業。

行商から始めた。

商品の低価格販売と郊外型低投資店舗。
チェーンストア理論そのままに、
紳士服業界ナンバー2へ登り詰めた。

ペガサスクラブのメンバーで、
熱心にチェーンストア理論を勉強していた。

その経営理念は、
社会性、公共性、公益性の追求。

「法を犯して物事を進めるな」とも言っていた。

㈱商人舎をつくってからは、
会ったことはない。

70歳を半ば超えてから経営を離れ、
さまざまなことを取り巻きに任せていた。

報道では捜査の過程で、
「高橋元理事にだまされた」と打ち明けたとか。

それでも贈収賄のことが、
わからなかったはずはない。

紳士服チェーンも、
業態そのものが行き詰っていた。

貧すれば鈍す、なのだろうか。

厳しい言い方だが、
商売がうまくいかなくなると、
どんな会社も、どんな人も、
鈍感になりやすい。

それに打ち勝つ、
強い哲学がなければならない。

私は昼の新幹線で関西へ。

車中、必死で仕事していたら、
富士を見過ごした。

気がついたら伊吹山。IMG_46082
京都について、乗り換えて高槻へ。

JR高槻駅前のアル・プラザ高槻。IMG_46772

駅とはペデストリアンデッキで結ばれている。

2004年オープン。
そして16年後の今年4月27日、
全フロアを改装した。

駅直結の入り口。
IMG_46132

4層の店舗で
1階が食品、2階にHBCとドラッグストア、
そして婦人衣料を配置。
3階は紳士衣料と靴売場、
4階が家庭用品や寝具などの暮らしのフロア。

1階の食品フロア。
平和堂の食品部門は、
総合力が格段に向上した。
とくにプレゼンテーション力がアップした。IMG_46672

突き当りのコーナーに、
一部対面を入れた鮮魚売場。
IMG_46692

「秋の味覚初到来!!!」のPOPで、
生秋鮭の展開。IMG_46712

惣菜売場の平台のトップは、
だし巻き卵とおにぎり。IMG_46722

精肉売場は店舗の右奥。
そしてデイリー売場へ続く。IMG_46742

30代、40代の女性をメインターゲットに、
簡便・即食商品を強化した食品売場。IMG_47112

平和堂オリジナルブランドの「E‐WA」は、
売場の随所に配置されている。
もっともっと開発し、
もっともっと強烈に訴求していい商品群だ。IMG_46752

2階導入部に制度化粧品を配置。
駅から直結でこの売場に来ることができる。

新しい試みだが、顧客には好評。
売上げもアップしている。

非食品のフロアは通路幅を広げ、
買い回りしやすい売場づくりだ。IMG_46152

「マッチング・クローゼット」は、
ショップ形式で、
コーディネート訴求が図られる。
商品部の腕の見せ所だ。IMG_46282

インナーを強化して、
トップブランドをずらりと並べた。IMG_46542

「Mono Studio」も、
ショップ形式で、
大人の文具を集めた。IMG_46552

キッズ・フォレストも、
ショップ形式で、
子ども用品を集める。IMG_46602

意欲的な改装で、
その成果も出ている。

説明を受け、店内を案内してもらった。

わたしの隣から、
北浦寿也・衣住統轄店長、玉垣寛支配人、
そして光久正二京阪第二営業部部長。IMG_47182
みんなアメリカ研修でご一緒した。
そのときの話でも盛り上がった。

スマイルが足りないので、
さらにワンショット。IMG_47212
日本の総合スーパー業態は、
1997年段階でピークを迎えた。

百貨店の絶頂期は、
1991年に終わっている。

いずれも商業統計が示すデータである。

実際に高槻駅周辺には、
西武高槻店改め高槻阪急百貨店と、
松阪屋高槻店がある。

高槻阪急は、
地階に関西スーパー高槻店がある。
ピークには62億円を売り上げた。

さらに無印良品、ユニクロ、ビックカメラ、
赤ちゃん本舗、ABCマートなどが入る。
9月下旬にMUJIは2階に移階増床、
GUも新規に入居する。

松阪屋にはエディオン、ダイソー、
マツモトキヨシ、ユザワヤなどが入る。

百貨店は、
箱型多層階のショッピングセンターに、
変わりつつある。

ただし箱型多層階商業集積は、
抜本的な問題解決の方法ではない。
現状よりも若干いい程度の、
弥縫策である。

そしてそこには、
貧すれば鈍す、の観あり。

では総合スーパーは、
どう変わるのか。

アルプラザ高槻が、
その解答の一例を示している。

しかし、
もっともっと変わることができる。
私はそう思うが。

〈結城義晴〉

2022年08月16日(火曜日)

盆明けの「生身魂七十」とコンビニの「本部太る・店痩せる」

盆の明け。

盆過ぎや人立つてゐる水の際                           〈桂 信子〉

1914年から2004年までの俳人。
『草苑』を創刊し、主宰した。

盆が終わる。祭の果て。
誰もが軽い放心状態にある。
そんな盆の明け、
川か池か、水の際に人が立っている。

生身魂七十と申し達者なり                           〈正岡子規〉

生身魂は「いきみたま」。

盆は先祖の霊を供養する。
それだけでなく、
生きている年長者に礼をつくす日でもある。

七十で達者な長寿の人。
生身魂。

明治のころには、
七十は九十にもあたっただろう。

34歳で早世した、病弱な子規には、
うらやましくもあり、
尊敬の対象でもあっただろう。
41qyVRTm0fL._SX353_BO1,204,203,200_

盆はそんな人間たちの生きざまを、
それぞれに自覚させるときだ。

日本経済新聞電子版の記事。
「コンビニ宅配4200店に倍増」

日本経済新聞社の2021年度コンビニ調査。
17日の日経MJに掲載される。

全店舗売上高(比較対象可能な7社)は、
前の年度比約2%増。

しかし新型コロナ禍前の19年度比では3.9%減。

総店舗数も5万7825店で、
20年度比でわずかに0.1%増。

コンビニ業態は飽和である。

そこで宅配が4200店へと、
倍増した。

セブン-イレブンは21年度末時点で、
東京と北海道、広島の都市部で、
商品宅配対応店舗を約1200店に増やした。
前年比で約3倍。

午前10時から午後11時まで、
配送可能な注文を受ける。

店舗の来店客は男性が多いが、
宅配では20~30代の女性の利用が目立つ。

24年度中に約2万店、ほぼ全店に広げる。

セブンは宅配業務を、
外部の物流会社に委託している。
〈セブン-イレブン・ジャパン ホームページより〉
img_convenient_01

ローソンは、
21年度末に全国に約2900店。

前年から1400店の増加。

23年2月には約4000店に拡大する。

ドーソンはウーバーイーツや出前館など、
宅配業者と提携。

一般的にコンビニの商圏は徒歩5分程度。
半径約350mから500m。
ローソンは商品宅配を活用すると、
約5kmに商圏が広がるとコメント。

1店平均日販は約50万円だが、
商品宅配で1日10万円以上稼ぐ店もある。

ファミリーマートは現在約50店で展開。
ミニストップとポプラは、
21年度から始めた。

いずれも宅配に力を入れる。

しかし本誌特派員の報告。
セブン-イレブンのあるオーナー。

コロナ禍で陽性者や濃厚接触者が多発。
9割以上の店が人員不足で困っている。

本部からは人員対策もないし、
応援者もない。

「相変わらず、店任せ」

毎年の最低賃金の上昇、
社会保険経費のアップ。
これも店の負担となる。

しかし、売上げは前年微増。

加盟店の利益は「アップアップ」。

すべて本部が儲かる仕組みでもないが、
店は痩せる、
本部は太る。

私の返答。

「残念ながら本部としての改良は物足りない。
加盟店の修練は進んでいますが」

商品宅配自体は、
外部に委託すると言うが、
受注やクレームなど、
店の人時を費やす業務は増える。

加盟店オーナーたちは、
本心では宅配を面倒だと考えている。

それよりも人手不足。

再び言おう。

本部太る、
店痩せる。

これではいけない。

〈結城義晴〉

2022年08月15日(月曜日)

77度目の「終戦の日」の日本の「近代と現代」

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉝]

2022年第33週、
8月第3週。

今日の8月15日は、
77回目の終戦の日。

慶應4年9月8日から明治元年となった。
新暦の1988年10月23日だった。

それから明治、大正、昭和と元号が変わり、
太平洋戦争の終戦の1945年までが77年間。

それからまた平成を経て、
令和4年の今年を迎えた。
かの大戦から77年が経過して、
終戦の日を迎えた。

日本の「近代」は、
明治維新から終戦までのことを言う。
つまり77年間。

それからが、
「現代」となるが、
その現代も77年が過ぎて、
近代と同じ年月を経過した。

そろそろ「ポスト現代」が現れるころだ。
「現代の次」が考えられねばならない。

それこそが、
「新しい資本主義」なのかもしれないが、
まったく見えてはこない。

時代は進んでいない。
むしろ後退している。

日本だけの所為ではないけれど。

今日はそれを自覚する日だ。

朝日新聞「折々のことば」
第2466回。
人間が二人集まります。
力は倍になります。
しかし、
責任は半分になったと
感じるのです。
(なだいなだ『人間、この非人間的なもの』から)
9784480020222

「強制収容所では人を番号で呼ぶ。
動物を食する時は”肉を食べる”と言う」

「こういう”抽象化”によって
人は自らの残虐性に鈍感になる」

凄い観察と指摘だ。

著者は1929年、東京生まれ。
2013年逝去。
慶応義塾大学医学部卒業、
精神科医、作家。

ペンネームは、
スペイン語の “nada y nada”からとった。
意味は「何もなくて、何もない」

ときに「抽象化」は人間を、
自らの残虐性に鈍感な存在にする。

「組織の中に入るというのも同様で、
人は個人としては消え、役割になる」

そうすると、
「役割を認識せよ」と強調し過ぎると、
「個人を捨てて、残虐になれ」と、
なりがちだ。

気をつけねばならない。

「そして個人の肉体に内蔵された
攻撃と抑制の二つのスウィッチのうち、
後者がきちんと働かなくなる」

戦争は、
「抑制のスウィッチ」が、
まったく利かなくなって起こる。

元はと言えば、
人間が多数集まって、
力は何億倍になって、
その分、一人ひとりの責任が、
何億分の1になったと感じるところにある。

だから組織構成員が少ないほど、
ドラッカーの言う「責任の組織化」が、
強く機能することとなる。

組織における責任の問題と、
抽象化の行き過ぎは、
よくよく注意せねばならない。

ドラッカーはこれを、
「エントロピーの法則」と呼んだ。

組織は放置しておくと、
すぐに陳腐化する。
やがて官僚化し、
茹でガエルと化し、
大企業病となる。

今日は東京・小平。
第一屋製パン㈱へ。
IMG_E45932

恒例の取締役会。
IMG_E45902
パン工場はお盆でも稼働する。
だから役員会も休まない。

パンの製造において、
国際的な小麦の値上がりは、
大きな問題だ。

小麦の輸入価格が上がると、
パンの値段も上がる。

何といってもパン好きの消費者が困る。
小売業の販売にも影響する。

パンにかぎらない。
パスタやピザも、ラーメンも菓子も、
多くの食品が値上げされる。

そこで政府は、
輸入小麦価格を据え置く措置をとる。

今夜のNHK「ニュースウォッチ9」。
細貝正統(まさのり)社長が、
NHKのインタビューに答えた。
IMG_45962
まったく偶然に、この番組を見ていた。
落ち着いてしっかりと答えて、
頼もしく感じられた。

明日は盆の明け。

そして一般の人たちは、
仕事が始まる。

小売業も日常に戻っていく。

では、みなさん、今週も、
落ち着いてしっかりと。

Good Monday!

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年1月
« 12月  
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.