結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年07月10日(日曜日)

第26回参院選の「投票」と「中道コモディティ化現象」

7月10日の日曜日。
第26回参議院議員通常選挙、
投開票日。
《総務省の広告〉
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横浜は快晴。
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太陽に緑の木々がまぶしい。
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神奈川県は24人の立候補者。
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私の投票所です。
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港北小学校の構内も、
森林浴ができるほど。
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投票所は体育館。
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あらかじめ決めてあったので、
さらりさらりと候補者と政党を、
投票用紙に鉛筆で書いて出てきた。
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そして、いつものようにもらってきた。IMG_E39212

投票証明書。
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あとは結果を待つのみ。

午後8時、
投票時刻が終了した時点で、
NHKをはじめ、
テレビ局は当選を打ち出す。

そして予想通り、
自民党圧勝。

公明党、日本維新の会が議席を増やし、
立憲民主党、国民民主党、
共産党、社民党などが減らした。

比例区の投票をする際、
立憲民主党も国民民主党も、
略称を「民主党」と届け出ている。

両党は旧「民主党」から袂を分かった。
そして略称に関して、
両党ともに譲らなかった。

その結果、
実際に「民主党」と書いたら、
開票区ごとに、有効票に応じて、
按分される。

なんとも馬鹿なことだ。
たとえば立憲に投票するつもりで、
民主党と書いても、
この開票区の割合に応じて、
按分されてしまう。

民主党と書いた投票者の真の意志は、
結果に反映されない。

総務省の資料では、
2021年衆院選の際、
「民主党」と書かれた票は、
362万6320票だった。

そこで立憲に295万8201.722票、
国民に66万8116.241票が、
割り振られた。

馬鹿馬鹿しい。

こんなことをやっているから、
野党総崩れとなる。

つまり両党をまとめるリーダーがいない。
あるいは政党そのものに、
右派と左派を統合するパワーがない。

自由民主党も、
「民主党」という言葉を使っているが、
略称は「自民党」である。

ついでに言えば社民党も、
「社会民主党」だ。

日本の政治は「民主党」だらけで、
それは「中道」を意味している。

昨年10月の衆議院選挙のときにも、
このブログに書いた。

日本の政党政治は、
どの党も民主主義を基盤とするが、
全体の趨勢は「中道」である。

公明党はもともと、
「古い左と右」の中道の位置にいて、
民主主義をベースとする。

日本共産党も「中道化」してきている。

だから全党党首が、
安倍晋三元首相殺害のとき、
「民主主義への挑戦」と憤った。

「汝、殺すなかれ」は、
民主主義の前のロジックのはずだ。
モーゼの十戒である。

安倍殺害は反民主主義勢力によるテロで、
政治家だけがそれを知っているのか。
そんなことも思ったほどだ。

ほとんどすべての党が中道で、
自由民主党の中にも、
保守と革新がある。
右翼的と左翼的が混在して、
全体として大きな「中道」を形成している。

旧民主党にも、
リベラルとコンサバティブが同居した。

それを明らかにしようとして、
分裂した。

ここが大人げない。

そして「民主党」を名乗っている。
これも大人げない。

自民党のように、
そのまま抱え込む度量があれば、
そこそこ対立軸になれたものを。

中道の中で、
ちょっと右寄りが多いのが、
自民党で、
ちょっと左寄りが多かったのが、
民主党だった。

いまはイデオロギーにおいて、
「右」も「左」もないのだが。

全体にコモディティ化している。

与党となっている公明党も、
原則的に護憲であり、
原発ゼロ派である。

それを「加憲」と言ったり、
「確かな安全基準」で容認したり、
自民党に合わせている。

この融通無碍さが、
立憲や国民にあっていい。

立憲も国民も、
その線引きを自分たちだけ、
きっぱりとしようとして、
分裂し、負てしまった。

全体が中道で、
同質化、コモディティ化すると、
一番大きなものが勝つ。

マーケットシェア最大のブランドが強くて、
その他は必要ないとさえ言える。

それが消費社会の趨勢である。

政治も同じだ。

日本の民主主義が中道化し、
コモディティ化している。

だから、
マーケットリーダーが、
圧倒的に強い。
そのフォロワーが増える。

リベラルとコンサバティブの両サイドに、
マーケットフォロワーが多い。

マーケットチャレンジャーは、
ひどく弱い。

そのくせ互いに批判し合っている。

実はこれは、
つまらない市場である。

ドイツやフランスは、
その政治のコモディティ化に、
我慢ならない国民が増えて、
中道が負け始めた。

極右などが出てきて、
決していい状態とは見えないが。

日本の政治は、
中道コモディティの行き詰まり段階である。

安倍晋三元首相は、
そのなかで少しだけ、
ポジショニングを明確にした。

だから人気を博した。

日本の政治は今、
突き抜けた存在の登場を待っている。

与党側にも野党側にも。

ただし期待されるのは、
小粒な安倍晋三の再来ではない。

この参議院選で一番印象に残ったのは、
そのことだ。

〈結城義晴〉

2022年07月09日(土曜日)

安倍晋三銃撃は「幼児化と素人化」の表出である。

安倍晋三氏、逝く。
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第26回参議院議員通常選挙の、
応援演説のときだった。

自民党をはじめ、
各党党首たちが、
「民主主義への挑戦」などと、
いきり立っている。

メディアもそれを主張している。

しかし山上徹也容疑者は、
民主主義など考えもせず、
恨みに思った宗教団体に関連する大物として、
安倍元首相を狙った。

歴史は得てして、
こういったつまらない理由で、
人間が殺されることを伝えている。

それよりも日本社会が、
幼児化していると私は感じる。
素人化しているとも思う。

日本にかぎらない。
世界がその方向に進んでいる。

私自身もその中にいる。

ドナルド・トランプなど、
幼児化と素人化の末の米国大統領だった。

ウラジーミル・プーチンを見ていると、
「おしゃぶり」を加えさせてみたくなる。
(これは冗談だが)

世界のトップが、幼児化している。
政治手法は素人化の域を出ない。
ごく単純な手法である。

知性の欠落である。

幼児化は、
「物事を単純に白だ黒だと決めつけて、
どちらかを一方的に攻撃する、
他人は自分の思い通りに動くものだと
思い込む」

榊原英資氏がそう定義しているし、
社会全体がその傾向をもっている。

山上容疑者は、
憎いと思ったら殺すという行為に走った。
幼児化である。

「民主主義への挑戦」と唱えるのではなく、
社会の幼児化を見つめなければならない。

一方、「素人」は、
「ある事に経験のない、専門的でない人」

「素人化」は、そんな人が増えること。
玄人やプロフェッショナルが少なくなること。
そんな未経験者が重要なポストに就くこと。

安倍元首相の警護側も、
そして山上容疑者自身も、
社会の素人化を象徴してはいないか。

それが問題だと思う。

もちろん幼児は可愛いことこの上ない。
幼児が悪いのではない。

大人が幼児のようになることが問題である。

また素人発想が、
思わぬ創造性に結びつくことはある。
だから素人を無条件に非難するものでもない。
だれでもはじめは素人だった。

しかし仕事や企業において、
幼児化と素人化が進めば、
すぐに生産性は貶められ、
経営は崩壊する。

そんなコンサルタントも増えてきた。
そんなジャーナリストも多い。

戒めねばならない。

社会の幼児化と素人化が、
安倍晋三元首相の暗殺となった。

だから安易な模倣犯が出やすい。
それを阻止しなければならない。

「仮に、われわれは、
不死なるものになれそうにないとしても、
やはり人間はそれぞれ
ふさわしいときに消え去るのが望ましい」

「自然は他のあらゆるものと同様、
生きるということについても
限度をもっているのだから」

「因(ちな)みに、人生における老年は
芝居における終幕のようなもの。
そこでへとへとになることは、
避けなければならない、
とりわけ十分に味わい尽くした後ではな」

古代ローマの政治家・哲学者、
キケロの言葉。
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古代共和制のユリウス・カエサルの同時代人。

マルクス・アントニウスと対立し、
最後には追放され、殺害された。

弁舌の徒として知られる。

安倍晋三さんも、
政治家としてはまだ引退の年ではないが、
十分に味わい尽くしたことは確かだろう。

生きている時には、
片隅から一方的に、
いろいろと注文をつけたし、
批判もした。
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お許しいただきたい。

しかしキケロに言わせると、
「ふさわしい時」だったのかもしれない、
とも思う。

ご冥福を祈る。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年07月08日(金曜日)

安倍晋三元首相、凶弾に倒れる。FSSF運営委員会開催。

安倍晋三元首相、
奈良で参議院選の応援演説中に、
銃撃され、逝去。

父の安倍晋太郎元外相も、
67歳での永眠だった。

日本の憲政史上最長在位の元首相の死は、
世界レベルの影響を与えるに違いない。
それだけの政治家であった。

英国のボリス・ジョンソン首相は、
すでに辞意を表明している。

世界の政治が大きく変わる。

参議院選は、
自民党の圧勝で終わるだろうが、
政府与党もそれに奢ることなく、
世界の平和と日本の繁栄のために、
鋭意努力してほしい。

搬送される救急車の中では、
まだ意識があったというから、
誰よりも残念な思いをしたのは、
安倍晋三その人だ。

ご冥福を祈りたい。

私はこの惨劇を、
東京・八丁堀で知った。

日本食糧新聞社本社主催、
フードストアソリューションズフェア。
略してFSSF。

その社内ミーティングに参加し、
その後の運営委員会にも出席した。

オンラインで、
全国の運営委員と話し合う。

東京本社に参集したのは、
4人の面々。IMG_4128 (002)2
左から杉田尚さんと今野正義さん、
千野和利さんと結城義晴。

モニターには、
西日本の食品小売業のトップのみなさん。

この食品展示会は、
18社の副主催企業が重要な役割を担う。IMG_38672

今野日本食糧新聞社会長が、
ユーモアを交えた冒頭の挨拶をし、
千野離創協会長が、
強いメッセージを発した。
離創協は一般社団法人離島振興地方創生協会。

その後、事務局から、
フェアの全貌が丁寧に説明された。

私はセミナー企画の内容を説明した。IMG_4133 (002)2
もうすでにすべての講演者が決まっている。

尾﨑英雄フジ・リテイリング会長の記念講演。
パネルディスカッションは、
万代の芝純常務と、
関西スーパーマーケットの柄谷康夫常務。
コーディネーターは結城義晴。IMG_4131 (002)2
千野さんには総括講演をお願いした。

それ以外にも、いい講演が並ぶ。
私は西川隆さんと、
「店づくり」に関する対談をする。

ローコストで個性的、
しかもコストパフォーマンスの高い店。
どうつくったらいいか。
事例報告もふんだんに盛り込む。

ご来場とご聴講をお願いします。
その方法は追ってお知らせします。

FSSFは9月7日(水)8日(木)。
インテックス大阪。
外食産業展示会とFABEXが同時開催されて、
大いに盛り上がる。

この展示会は、
2025年の大阪万博を、
ひとつのピークに設定して、
西日本の地方創生と離島振興を推進する。

意義の深い食品展示会である。

最後に記念写真。
杉田さん、今野さん、千野さんと私。IMG_4138 (002)2
よろしくお願いします。
頑張ります。

横浜商人舎オフィスに戻ると、
セルコレポートが届いていた。IMG_E38892

私の連載の第三回は、
「サム・ウォルトンの絶望」IMG_E38862
世界最大企業をつくった経営者の物語。

サムは1945年に、
ベンフランクリンの加盟店として創業し、
5年後の1950年、創業の繫盛店を失う。

しかし絶望の底から立ち上がって、
アメリカ第一のチェーンストアをつくりあげる。

「艱難が忍耐を生み出し、
忍耐が練達を生み出し、
練達が希望を生み出す。
この希望は失望に終わることがない」
(新約聖書・ローマ人への手紙5章)

安倍晋三党政治家も、
2007年に一度、
首相の座を降りてから、
再び2012年に総理として立ち上がった。

故吉田茂首相以来のことだった。

安倍晋三さん、
お疲れ様でした。

合掌。

〈結城義晴〉

2022年07月07日(木曜日)

「セブンとイオン」第1四半期決算の格差と「ああ、もったいない」

七夕。

今年は梅雨も明けているし、
台風も去って、
空は晴れた。

夜にはちょっと雲が出たが、
織姫と彦星の1年に一度の逢瀬は、
成就したのだろう。

商人舎流通SuperNews。
第1四半期決算が発表されている。

セブン&アイnews |
第1Q営業収益57%増・経常37%増過去最高/米コンビニ貢献

セブンアンドアイ・ホールディングスは、
営業収益2兆4473億(57.3%増)、
営業利益1024億(32.1%増)、
経常利益955億円(36.7%増)、
四半期純利益650億円(51.2%増)。

すべてが四半期としては過去最高。

国内コンビニ事業は、
営業収益1.1%減で、
2152億4300万円。
営業利益は592億8200万円(2.1%減)。

海外コンビニ事業が、
1兆7239億円で、
これは153.8%増。
前年比153.8%ではない。
153.8%増。

営業利益も262.4%増で、
439億8100万円。

日本のセブン-イレブンは、
全店売上高は1兆2567億円(2.0%増)で、
収益性も米国より高い。

それでもセブン&アイの過去最高益は、
米国のセブン-イレブンとスピードウェイが、
大きく貢献して、
同社を日本一の小売業に引き上げた。

一方、スーパーストア事業は、
営業収益3558億円で21.2%減。

イトーヨーカ堂は1788億円で32.1%減、
ヨークベニマルは1198億円で0.5%増。

営業利益は、
イトーヨーカ堂が7億7000万円(18.3%増)、
ヨークベニマルが44億6200万円(26.1%増)。

利益はベニマルがヨーカ堂の5.8倍。
完全に逆転している。

一方、
イオンnews |
第1Q過去最高/営業収益2兆2032億円・営業利益12%増

営業収益2兆2032億円(2.3%増)、
営業利益4398億(12.0%増)、
経常利益444億(10.0%増)、
四半期純利益194億円(287.3%減増)。

こちらもすべて過去最高。

ただし、セブンには四半期で、
2331億円の差をつけられた。

事業会社のイオンリテールは、
営業収益4188億円(6.4%減)で、
イトーヨーカ堂の2.3倍で、
差を広げた。

さらに九州・北海道・東北の、
それぞれの総合スーパーを加えると、
総営業収益7890億円で2.0%減ながら、
イトーヨーカ堂の4.4倍となった。

セブン&アイの総合スーパー業態は、
イトーヨーカ堂1社だから、
イオンとセブンの祖業比較をすると、
4.4倍の差となった。

イオンのスーパーマーケット事業は、
全国にマックスバリュやU.S.M.H、
そしてダイエーがある。
ザ・ビッグをはじめとする、
ディスカウントスーパーマーケットを加えると、
営業収益は6434億円の2.8%増で、
これもセブンを圧倒する。

さらにイオンのヘルス&ウエルネスは、
営業収益2690億4100万円(7.6%増)、
営業利益74億7900万円(6.4%増)。

セブン&アイがコンビニ事業に収斂し、
イオンはコングロマーチャントとして成長する。

月刊商人舎5月号で[特別企画]を組んだ。
セブンとイオン「逆転のダイナミズム」

10年ぶりに日本小売産業の首位が逆転した。
両者の2022年2月期決算を比較すると、
営業収益は300億円の「微差」だった。
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それが新年度の第1四半期で、
2331億円の差となった。

ひとえに米国コンビニのおかげ、
さらに「円安」の影響もあった。

2020年3月5日(木曜日)のこのブログ。
セブン&アイの[米国コンビニ買収断念]を考察する
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私は「ああ、もったいない」と、
三度も書いた。

その後の2020年8月3日のブログ。
米Speedway買収/セブン&アイの「もったいない」と水際の勇気

逆転の買収が相成って、
私の「もったいない」が届いたかと思った。

「米国セブン-イレブンCEOが奮闘。
ジョセフ・デピントCEO。
そして再び買収にこぎつけた――」

そして付け加えた。

「その買収効果が出るのは、
今期の最終決算であるし、
来期からである」

その結果がこの第1四半期だ。

それにしても、
よく買収をあきらめなかった。

「水際の勇気」が「今」につながっている。

〈結城義晴〉

2022年07月06日(水曜日)

ニチリウ研修会の1日講義と「危機対応が次の危機をつくる」

昨夜から大阪。

台風一過。
台風が去ると、
関西はやはり関東より暑い。

新大阪の隣の西中島。IMG_41052

日本流通産業㈱の研修会。
通称「ニチリウ」。
1974年に発足した流通機構。
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朝10時から始まる。
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全国のニチリウ加盟企業から、
受講者が参集。
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午前中の講師は結城義晴。

ゴドフリー・レブハーは書き残している。
「チェーンストアは、
小売業であり、
卸売業である」

小売業の側面は店舗運営部が担い、
卸売業の側面は商品部が担当する。
それが一つの会社として、
有機的に機能する。

これが根本的な考え方だ。
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昼食をはさんで、
午後の講師は鈴木哲男先生。IMG_40852

「52週MD」の考え方は、
鈴木先生がつくり出し、
理論を確立した。

そしてそれが今や、
日本中の消費産業の大原則となった。IMG_40942
そのご本人から学ぶのが一番いい。

夕方、再び結城義晴。

最後の総括をしつつ、
プライベートブランドのあり方、
仕様書発注の注意点、
さらにサプライチェーンの本質など、
マスターしておかねばならないテーマを
最後に講義した。

米国のサプライチェーンカウンシルは、
その概念を定義している。

「価値提供活動の初めから終わりまで
つまり原材料の供給者から
最終需要者に至る全過程の
個々の業務プロセスを、
一つのビジネスプロセスとしてとらえ直し、
企業や組織の壁を越えて
プロセスの全体最適化を継続的に行い
製品・サービスの顧客付加価値を高め、
企業に高収益をもたらす
戦略的な経営管理手法」

これを目指すのが、
卸売業であり小売業であるという側面の、
チェーンストアである。IMG_41012

ホテルの中は涼しくて静かだ。IMG_41032

講義が終わると最後に、
質疑応答。

各社の代表から、
質問を出してもらい、
感想を述べてもらった。
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そして最後に拍手をいただいた。IMG_41242
ご清聴を感謝しつつ、
参加者のご健闘を祈りたい。

講義が終わると、
すぐに新大阪から新幹線に乗って、
車中で原稿執筆。
こんなに集中する時間はない。

午後8時半ごろ、
横浜の商人舎オフィスに帰った。

そして7000字の最後の原稿を書き上げて、
入稿し、責了した。

お疲れ様。

いい雑誌ができました。
ご期待ください。

今日の日経新聞「大機小機」
コラムニストは赤金さん。
テーマは、
「危機対応がつくる次の危機」

「危機への対応が次の危機を用意する――」
その通り。

「急速に世界で進む
金融市場の逆回転をみると、
その歴史を繰り返すことになるかとの
懸念がよぎる」

歴史は回る。

「世界を襲った新型コロナウイルス禍」

「人やモノの移動が止まり
需要が蒸発する事態に各国は
大規模な金融緩和と財政出動で
しのぐ道をとった」

「ただ、それは一段とマネーをあふれさせ、
新たなバブルを膨らませることになった」

危機への対応が、
次の危機を生んだ。

「30年続いた低金利時代は
債券価格が上昇を続けるという
大相場をつくった」

「脱炭素を旗印にした欧米の需要創出策も、
ロシア問題で道が険しくなった」

「インフレ抑制を優先すれば
景気の犠牲は免れず、
まして金融緩和策の手も取りづらい」

あちらを立てれば、
こちらが立たず。

「危機打開へ国際協調を期待できなければ
閉塞感は強まるだろう」

「忍び寄る嵐の気配」と、
コラムニスト。

会社の経営でも、
店の運営でも、
「危機への対応」が、
「次の危機」をつくる。

そんな危機連鎖のときに、
なにを拠り所とし、
どう考え、どう行動するか。

月刊商人舎7月号に、
そのヒントがある。

ご期待ください。

〈結城義晴〉

2022年07月05日(火曜日)

台風去って大阪へ。第1四半期決算の「良い戦略」

台風4号「アイレー」
長崎県に上陸したが、
九州を横断中に、
温帯低気圧に変わった。

しかし各地で大雨を降らせた。
お見舞い申し上げたい。

私は横浜商人舎オフィスで、
原稿執筆と入稿。

今月号は故岡崎久彦さんや、
故外岡秀俊さん、
そして遠藤乾さんが書かれたものを、
参考にさせてもらった。

岡崎さんは元外交官、評論家の論客。
サウジアラビアとタイで特命全権大使を歴任。

外岡さんは元朝日新聞編集局長で、
ジャーナリスト、小説家。
昨年12月23日に逝去した。

遠藤さんは国際政治学者。
東京大学大学院教授で、
読売・吉野作造賞を受賞している。

原稿を書くなかで、
どういうわけか、
怒りのようなものが込み上げてきた。

ウクライナ問題などに関して、
私のストレスがたまっていたのか。

それが巻頭の原稿に、
ストレートにあふれ出てきた。

そういったときもあるだろう。
それもいい。

夜の8時半まで必死で書いてから、
新横浜に向かった。

雨はやんでいた。

すぐにチケットを買って、
新幹線のホームに上がる。
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待合室に座っていると、
後ろをひかり号が過ぎていった。IMG_E40602

私が乗るのは21時13分発ののぞみ115号。IMG_38202

乗り込んでパソコンに向かっていると、
2時間余りで新大阪に着いた。IMG_38212

新幹線の構内にもう人影は見当たらない。IMG_38222

新大阪隣接のホテル。
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大阪は雨がしとしと降っていた。

定宿は上本町のホテルだが、
遅く入る時はこのマリオット。
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新幹線から近いのがいい。IMG_38262

さて商人舎流通SuperNews。
このところ、
第1四半期決算が報告されている。

U.S.M.Hnews|
第1Q営業収益1736億円・経常利益68.7%減の減収減益

ウエルシアnews|
第1Q売上高2677億円7.6%増・経常利益18.6%増

サンエーnews|
第1Q営業収益512億円0.7%増・経常利益26億円1.0%増

アークランドサカモトnews|
第1Q巣ごもり消費の反動減で売上高828億円

U.S.M.Hはスーパーマーケット業態で、
減収減益。
ウエルシアはドラッグストアで、
増収増益。
サンエーは総合スーパー中心で、
微増収微増益。
アークランドサカモトは、
ホームセンターで多分、
増収増益だが、
収益認識に関する会計基準を採用したので、
今期はわからない。

四者四様。

営業利益率と経常利益率は、
ユナイテッドが0.4%、0.5%。
ウエルシアは2.9%、3.9%。
サンエーは5.0%、5.2%、
アークランドサカモトは、
同じく7.1%、7.6%。

売上高や利益額の前年対比指標は、
コロナ禍の巣ごもり消費の反動などがあって、
今、正確に企業力を示してはいない。

しかし利益率は、
その企業のレベルを表している。

商品値上げやエネルギーコストが、
歴史的高騰を見せるとき、
良い戦略のもとに進む企業は、
戦術の失敗を取り戻すことができる。

今、自覚すべきは、
根本的な戦略の問題である。

〈結城義晴〉

2022年07月04日(月曜日)

そごう・西武の売却問題と「3つの処方箋」

Everyone! Good Monday!
[2022vol㉗]

2022年第27週。
7月第2週。

梅雨は本当に明けたのか?
そう思わせるような天気だ。

そのうえ台風「アイレー」が北上中。
taihuu4gou

7月1日午前9時の日本列島の南の海上、
熱帯低気圧が台風4号に変わった。

ゆっくりと北北西に進み、
2日から3日にかけて、
沖縄本島地方や大東島地方に接近。
今日4日午後6時現在では、
鹿児島県西の海上を北上中。

明日5日(火)の日中に、
九州北部にかなり接近し、
あるいは上陸して、
6日(水)の未明から朝にかけて、
近畿地方に最も接近する見込みだ。

私は今日と明日、
月刊商人舎7月号の最後の責了をして、
明日の晩、大阪に入る。

そして明後日は1日中、
セミナーで講師を務める。
沖縄からも受講者が参加の予定。

心配だ。

KDDIの大規模な通信障害。
2日未明に発生した。

発生から62時間以上が経過して、
全国的にほぼ回復。

しかし全面的な復旧の判断は、
明日5日の夕方になる。

auの携帯電話だけでなく、
様々なところに影響を及ぼした。

鉄道貨物に遅れが出た。
バスの現在位置が把握できなくなった。
銀行のATMが動かなくなった。
アメダスの観測情報が集約できなくなった。

私はauではないので、
問題はなかったが、
商人舎でも3人が使っていて、
ずいぶん困ったらしい。

音声通話とインターネットは遮断されたが、
ショートメールは繋がった。
これで連絡をとって事なきを得た。

結局は通信網の危機管理が甘かった。
リスクマネジメント問題だ。

さて、そごう・西武の売却問題。

日経新聞がスクープ。

フォートレス・インベストメント・グループが、
優先交渉権を得た。
アメリカの投資ファンドだ。

これも日経の取材だが、
フォートレスはそごう・西武の買収に関して、
ヨドバシホールディングスと、
連携に向けた協議を進めている。

たとえば西武池袋本店の施設内で、
ヨドバシカメラが営業することもある。
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ヨドバシにとっては、
百貨店の本店は魅力ある物件だ。

記事では、
「セブン&アイとフォートレスは、
従業員の雇用や店舗の改革を含めた
詳細を詰めていく。
ただ条件を巡って
今後の協議は曲折も予想される」

「そごう・西武が、
百貨店をどのように改革するのか」

私は百貨店に関して、
もう20年ほど一貫して主張している。

『百貨店の未来』だとか、
『百貨店が復活する日』だとか、
そんな本が出た1998年、2000年にも、
私の考え方はそれらとは違った。

まず第1に旗艦店だけを残す。
英国ロンドンのハロッズが手本だ。

第2はその旗艦店から、
新しいフォーマットを生み出していく。
新しいサービスと新しい商品、
新しいライフスタイルを、
この店しかない形で提供する。

独自のポジショニングである。
それは世界中で、
この店にしかないものでなければならない。

そして第3に、
1店に1人の最終責任者を設ける。
1人のチームリーダーが、
チームマネジメントで、
1店ごとに完全独立採算制を担う。

その際、目標管理の自己管理がいい。

〈1店=1企業〉の考え方だ。

これしかないし、
それはできる。

ただし、誰がそれを意思決定し、
誰がそれを推進していくのか。

意思決定者と改革の推進者は、
現状ならば同じ人格のほうがいい。

本気のプロデューサーである。
故堺屋太一さんが推奨したやり方だ。

そごう・西武に関して、
それは誰なのか。

どう改革するかよりも、
誰が決めて、誰がやるか。

その「誰が」を決めるのにも、
今、誰が責任を持っているのか。

どこが買収先になるかも結局は、
誰が最終的に決めるのか。

そのあたり、
無責任な空気の中で進んでしまったら、
「西武池袋店にヨドバシを入れる」
くらいの話で終わってしまうだろう。

それは唯一のポジショニングには、
結びつかない。

私は西武池袋店も、
横浜そごうも、
大好きで、よく使う。
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だから成功してほしいと願うものだが、
まずは「誰がやるか」の「誰」が決まらねば、
泡と消えていく。

そして今、「誰がやるか」を決めるのは、
セブン&アイのトップしかいない。

では、みなさん、
今週も、暑さと台風には気をつけて。
一人ひとりが、
本気のプロデューサーを目指そう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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