結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2022年04月11日(月曜日)

商人舎4月号「値上げvs価格凍結」とライフ決算発表「やられた~!」

Everybody! Good Monday!
[2022vol⑮]

2022年第15週。
4月第3週。

すっかり春らしくなった。
桜が散ると新緑が美しい。

一年で一番いい季節だ。

この3年間、
常時、マスクをしているから、
花粉症もそれほどひどく感じられない。

だから余計に、一番いい季節である。

スポーツも大盛況。

ゴルフの「マスターズ」は、
昨年、松山英樹が優勝して、
今年も期待を抱かせた。

タイガー・ウッズも、
昨年の自動車事故の怪我から、
奇跡的に復帰して、
決勝ラウンドに進んだ。

毎年この季節は、
夜と朝がひっくり返って、
テレビ観戦する。

松山は2日目には2位につけていたが、
その後、パットが入らず、
結局、2オーバーの14位タイ。

初優勝のスコッティー・シェフラーは、
25歳のアメリカ人。
ニュージャージー州で生まれ、
テキサス州アーリントンで育った。
テキサス大学で活躍し、
2018年にプロ転向。
190センチ91キロの巨体で、
フェードボールを打つ。

今回のマスターズでは、
圧倒的にショットが良く、
終始リードして勝ち切った。

ゴルフ界にまた新しいスターが登場した。

一方、日本のプロ野球界。
千葉ロッテマリーンズの投手。
佐々木朗希。20歳。

大船渡高校時代から、
時速163キロの直球を投げて、
大谷翔平を超えていた。

その佐々木朗希が、
オリックスバファローズ戦で、
完全試合をしてしまった。
しかも三振を19も奪取して日本記録。

若い人たちの活躍はうれしいものだ。

さて、
月刊商人舎4月号、
本日発刊!!!
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[特集]
値上げvs価格凍結
製造業ブランドと小売業ブランドの相克(そうこく)

いつものように、
[Cover Message]
日本小売業界初の「価格凍結宣言」は1980年。中内㓛ダイエーによる宣言だった。それをイオンが受け継いで、何回も何回も「価格凍結」を実施してきた。西友はウォルマート流の「プライスロック」ポリシーを貫く。
世は製造業ブランドの値上げオンパレード。食品の9割方のアイテムが値上げされるのだろうか。
コロナ禍とウクライナ危機。世界は揺れに揺れている。社会不安は増大している。そうして景気は悪化し、物価が上がり、原材料費や物流費が高騰し、人手不足は慢性化する。
「価格凍結宣言」は、製造業に対する小売業としての産業的な意義を強くもっている。製造業ブランドの値上げに対して、小売業ブランドはどう動くのか。その動き方によって、小売業の社会的な価値とポジションは変わっていく。小売業は製造業ブランドと小売業ブランドを、どのように組み合わせて販売してもよい。その自らの意志が政策に反映されているか否かがもっとも大切なことだ。声の大きな者の言に従うことは、もう止めねばならないし、その時代は終わっている。

そして[Contents]
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巻頭特別インタビューは、
川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長にして、
日本スーパーマーケット協会会長。
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チェーンストア産業と、
スーパーマーケット産業において、
現時点の最重要課題がすべて網羅された。

そのうえヤオコーの戦略も解説していただいた。
感謝したい。

特集の「値上げvs価格凍結」では、
土谷美津子さんのインタビュー。
イオン㈱執行役商品担当で、
イオントップバリュ㈱代表取締役社長。
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タイトルは、
イオン価格凍結宣言の「内側」

これも絶対に読んでおくべき、
ロングインタビューです。

それから島田陽介先生と結城義晴の、
値上げと価格凍結に対する考え方。

今回は両者の違いがよく出た内容です。

月刊商人舎は1冊1特集を売り物にしてきた。
しかしこのところ特別企画などを、
どんどん増やしてきた。

4月号は特集以外に特別企画が2本。
第1は、
ヤオコー「Foocot2号店」の進化。
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鈴木哲男先生と結城義晴の分析。
こちらはかなりの部分の見解が一致しています。

第2の特別企画は、
店舗改装に意志を込める。
関西スーパー鴻池店
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マックスバリュ関東津田山店
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どちらも意欲的な改装店舗です。

さて今日は午後4時から、
東京商工会議所会議室。IMG_21662

ライフコーポレーションの決算記者会見。

人数を絞ってソーシャルディスタンシング。
それからZOOMによるオンライン方式。
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やはりリアルの会見が一番いい。

はじめに岩崎高治社長の写真撮影。
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それから河合信之常務が、
決算内容を説明。

営業収益は7683億3500万円で、
前期比1.2%増。
営業利益は229億3200万円で16.3%減、
経常利益は236億9500万円で15.8%減。
それでも営業利益率は2.98%、
経常利益率は3.08%。
コロナ禍前の水準を大きく上回っている。

新規店舗と既存店活性化の投資、
採用投資を積極的に続けて、
リアル店舗もネットスーパーも、
順調に推移した。

そのあと岩崎さんが丁寧に、
ライフコーポレーションの現在のすべてを語った。

良い経営者は会社のことを、
全部、知っている。

その最後の方で紹介されたのが、
セントラルスクエア恵比寿ガーデンプレイス店。
今度の金曜日4月15日にオープンする。
それを岩崎さんは、
「スーパーマーケット4.0」とぶち上げた。

私は思った。
「やられた~!」

私が打ち出そうと考えていたコンセプトを、
岩崎高治に先を越された!!

凄い。

会見が終わってから、
岩崎さん、森下留寿専務と話した。
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私のコンセプトは「チェーンストア4.0」で、
これは秋に単行本として出版する。

しかし同じような感覚を、
岩﨑さんが持っていた。

参った。

というところで、三人で写真。
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ありがとうございました。

恵比寿ガーデンプレイス店、
見ものです。

では、みなさん、今週も、
凄いことをしよう。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2022年04月10日(日曜日)

「いつも電話でネクタイを注文する男性」

「いつも電話でネクタイを注文する男性」
朝日新聞DIGITALの4月1日版。
若松真平記者の記事。
笏のね3
「葬式につけていけるネクタイが
ほしいんですけど」
関西弁の男性が電話をかけてきた。

黒いネクタイの注文だった。

自社ブランドのネクタイ、
「SHAKUNONE(笏の音)」に、
興味を持ってくれたらしい。

送り先や料金を確認して商品を発送する。

しばらくして電話がかかってきた。
「今度は結婚式につけていける白いネクタイを」

ネット注文も受け付けているが、
年配の男性は電話で注文する人も少なくない。

岡山県津山市にある㈱笏本縫製。
その
社長の笏本達宏さん。
35歳。

「商品を気に入っていただけたんだな」
ぐらいにしか考えていなかった。

男性からは、その後も電話がかかってきた。
「黄緑のワイシャツに合う色は?」
「細いのと太いの、どっちがいい?」
「結び方は?」

そんなやりとりの中で尋ねられた。
「次にイベントの予定はありますか?」

大阪・梅田の百貨店に、
期間限定で出店する予定があった。
日程を案内した。

2021年4月、阪急メンズ大阪。
ネクタイを売っていた笏本さんは、
まっすぐこちらに向かってくる男性に気づいた。

女性に支えられながら
「あっちですよ」と案内される男性は、
杖を手にしていた。

「こんにちは、板谷です。
電話ではお話ししましたが、
初対面ですよね」

そうあいさつされ、
電話注文の男性だと気づいた。

そしてこの時、
なぜ電話だったのかの理由がわかり、
体が一気に熱くなった。

「今はもう、デザインも色も、
誰かに説明をしてもらわないと
わからないけど、
生地や縫製の良さは人一倍わかるんです」

「目が見えていた時から
ネクタイが好きなんです」

そう話す男性は、
両目の視力をほぼ失っていた。

ネクタイの手触り、つけ心地を
気に入って選んでくれていたのだ。

そのことを理解した瞬間、
笏本さんは天井を向いて、
必死に涙をこらえた。

自分たちが信じて続けてきた「ものづくり」。
認めてもらえた喜びがあふれていた。

阪急メンズ大阪を訪ねてきたのは、
大阪府在住の鍼灸(しんきゅう)マッサージ師、
板谷満夫さん(51歳)。

小学4年生の時に、
病気で右目の視力を失った。

そして2016年12月、
左目の網膜剝離(はくり)が判明。

翌年に手術したが回復せず、
現在は左目で
ぼんやり明かりを感じる程度で、
ほぼ何も見えない。

音声ソフトを活用して、
ネットを閲覧していた時、
SHAKUNONEのことを知った。
笏のね
もともと下請けだった会社が、
自社ブランドを立ち上げて
奮闘しているという。

商品のこだわりにも興味を持って、
まずは黒いネクタイを注文。

仕事の得意先は高齢者が多く、
葬儀に出る機会も多かったからだ。

実際に手にしてみると縫製もよく、
結びやすかった。

何より、最後に結び目を引き上げるときに
「キュッ」と音が鳴るところが気に入った。

スーツを着る機会は少ないが、
ワイシャツにネクタイという
スタイルがお気に入りなので、
他の色柄も欲しい。

電話のやりとりだけでなく、
実際に商品を手にしながら
作っている人と話をして選びたい。

そう思って尋ねた。
「次にイベントの予定はありますか?」

笏本さんに会った時に伝えた。

「感覚で信じたものだけを使いたいから
選んでます」

「今日はどうしても
作り手さんに会いたくて来ました」

しばらく無言だった笏本さん。

彼がどんな顔をしていたかはわからないが、
喜んでいることは伝わってきた。

天井を向いて必死に涙をこらえた笏本さん。

板谷さんの好みや用途を詳しく聞いて、
しゃれたペイズリー柄のネクタイを選んだ。

購入して帰って行く後ろ姿を見ながら、
「今の気持ちを忘れちゃいけない」と思った。

後日、会社に戻って仲間に伝えると、
涙を流す職人もいた。

縫製技術に自信はあったけれど、
自分たちのこだわりや良さは、
伝わっているのだろうか。

そんな不安をかき消してくれた出会いだった。

「ネット時代に電話なんて、
相手の時間を奪う無駄な行為だ」

そう言う人もいるが、
効率だけでは判断できない。

それこそネクタイだって、
効率だけを考えたら、
なくていいものかもしれない。

でも、ネクタイづくりも、電話対応も、
自分たちのできる精いっぱいでやり続けよう。

再び、
「自分たちのやってることは
間違いじゃなかった」と
思える日を迎えるために――。

記事はここで終わっているが、
ネクタイ業界は厳しい三重苦が続く。
第一はカジュアル化。
第二はクールビズ。
そして第三はコロナ禍による在宅勤務。

東京ネクタイ協同組合の調査。
「日本におけるネクタイ生産」。

バブル期の1988年の国内生産は4780万本、
輸入を含めると年間5620万本が流通した。

2007年のクールビズのときには、
国産が965万本と1000万本を割り込んだ。

直近の2019年は国産が310万本、
輸入を含めても1730万本。

ピーク時から約70%も減少した。
そのうえにコロナ禍で在宅勤務が増えた。

まさしく三重苦。

しかし、景気が良くなると、
派手なネクタイが流行る。

そしてネクタイはなくならない。

笏本縫製はいま、
ネクタイづくりの技術を生かして、
マスクを製造販売する。
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技術と知恵で、生き残りをかける。

〈結城義晴〉

2022年04月09日(土曜日)

五賢帝マルクス・アウレリウスの「魂の隠れ家」と「忙中の閑」

朝日新聞一面コラム「折々のことば」
編著者の鷲田清一さんには、
いつも驚かされる。
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あらゆるジャンルの人物の短い言葉が、
今日の世界や日本の一瞬をとらえている。

その第2345回。
忙中閑あり
(ことわざ)

「しないでいいことばかりさせられて
忙しいのは御免(ごめん)だが、
したいこと、すべきことが
まったくないのも辛(つら)い」

忙しい中に、
ちょっとした閑(ひま)がある。
それが一番いい。

「”忙”がもし心を亡くしていること、
心ここに在らずということだとしたら、
いちばん怖いのは、
したいこととさせられていることの区別が
本人にすらつかなくなること」

日々の仕事に追われていると、
自分がやりたいことと、
上司や会社からさせられていることが、
区別できなくなる。

それが一番怖い。
同感だ。

いつも自分のやりたいことがわかっていて、
会社や上司はそれを助けてくれる。
応援してくれる。

そして自分がそれを成し遂げれば、
会社にも社会的意義や利益がもたらされ、
上司の成績にも部下として貢献できる。
それが幸せな仕事との関係だろう。

自分のやりたいことと、
会社のやりたいことが、
違っているとすれば、
それは会社を辞めるか、
我慢しつつもいち早く、
社長になるしかない。

自分のやりたいことと、
上司のやりたいことが、
相反するとすれば、
人事異動を申し出るか、
会社を辞めるか、
我慢しつつ、上司を、
超える立場になるしかない。

私は幸いにして、
会社のやりたいことと、
自分のやりたいことが、
本質的には一致していた。

上司とはときに考え方が異なったが、
我慢しつつ、上司を超えようとした。
若かったから怒りは仕事にぶつけたし、
会社以外の世界の人に教えを乞うた。

私が学んだ大半のことは、
社外の人たちからだった。
費やす時間の大半は社内の仕事だったが、
学んだことの多くは社外だった。

雑誌の著者の先生方、
優れた経営者や実務家の皆さん。

仕事柄、それが許された。
それは大いにラッキーだった。

それによって上司を超えた。

鷲田さん。
「とはいえこのところ、
コロナ禍で
“忙”と”閑”が反転し、

“閑”からも
ときめきが失せている」

鷲田さんが一番言いたいことは、
これだ。

忙と閑が反転している人が多い。

不思議なことに、
多くの忙のなかに、
少しの閑があると、
その閑がきらめくし、ときめく。

けれど閑が多くて、
忙が少なくなると、
閑はきらめかないし、ときめかない。

そのときは、
忙がときめくのかもしれない。

「人は田舎や海岸や山に
引きこもる場所を求める。
君もまたそうした所に
熱烈にあこがれる習癖がある」

「しかしこれはみなきわめて凡俗な考え方だ」

「というのは、
君はいつでもすきなときに
自分自身の内に
引きこもることが出来るのである」

「実際いかなる所といえども、
自分自身の魂の中にまさる
平和な閑寂な隠家(かくれが)
見出すことはできないであろう」
(マルクス・アウレリウス『自省録』より)

マルクス・アウレリウスは、
古代ローマ時代の五賢帝の最後の皇帝。
優れた皇帝、賢い皇帝が五代続いた。
(結城義晴撮影:メトロポリタン美術館のアウレリウス像)
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古代ローマ最高の時代である。

塩野七生『ローマ人の物語』では、
第11巻「終わりの始まり」の主人公だ。
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アウレリウスは、
ストア派の哲学者でもあった。

北はイングランドから、
南はアフリカ、東は中近東まで、
広く地中海沿岸を治めたアウレリウスは、
生涯、辺境の部族との闘いに奔走した。

その合間のわずかな時間に、
日々の行動と考え方を点検して、
『自省録』を書いた。
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まさに忙の中に閑を求めた。
それが考察と執筆だった。

そして自分自身の魂の中に、
平和で閑寂な隠家を求めた。

どんなに忙しくても、
一日の内に休息の時間はある。
それも「忙中の閑」である。

忙しく売場をつくっていて、
顧客から「ありがとう」と声をかけられる。
それによって心が温かくなる。

これも一瞬の「忙中の閑」と考えられる。
マルクス・アウレリウスの言う、
「自分自身の魂の中」の出来事である。

そしてこの「忙中の閑」がある限り必ず、
考え方の反する上司を超えることが出来る。

〈結城義晴〉

2022年04月08日(金曜日)

10年ぶりにセブン&アイがイオンを抜き返した。

奈良・吉野の桜。
見ごろを迎えた。

「一目千本」。

故安川光男さんの有難いお招きで、
2011年4月17日・18日と吉野を訪れた。20110418170120

宿は辰巳屋。
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国宝・金峯山寺蔵王堂は、
奈良の東大寺大仏殿に次ぐ規模。
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上の方の桜の集まりが「上千本」。
真ん中の桜の集団が「中千本」。20110418170541

花矢倉展望台。
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吉野を見ずして、死ぬことなかれ。

さて今日は、
イオン㈱の決算発表。
オンライン開催。

電話会議方式より、
断然、いいなあ。

ラジオとテレビの違いか。

ラジオの良さはある。
深夜放送など、
ラジオにしかない世界だった。

昔から大相撲やプロ野球は、
ラジオで伝える時代もあった。
だがテレビが出てきたら、
そのリアル感はラジオを圧倒した。

記者会見でも、
語り手の表情やしぐさは大事だ。

信頼感と直結してくる。

㈱セブン&アイ・ホールディングスも、
早いところweb会議方式にしたほうがいい。

商人舎流通スーパーニュース。
イオンnews|
’21年度営業収益8兆7159億円で過去最高/経常利益20%増

2022年2月期本決算で、
営業収益は8兆7159億5700万円、
対前期比1.3%増で過去最高。

しかしセブン&アイは、
51.7%増の8兆7497億5200万円。

337億9500万円、
セブンがイオンを上回った。

小売業首位が一気に入れ替わった。

2012年2月期。
東日本大震災のあとの決算で、
6年ぶりにセブン&アイをイオン抜いた。

それ以来、10年ぶりに、
セブン&アイがイオンを抜き返した。

新型コロナ禍のキャズムの禍中だ。

とはいっても、その理由は、
米国のスピードウェイを、
セブン&アイが買収したからだ。

10年前は5兆円を争っていた。
だから3兆円を超える増加だ。

イオンの利益は、
営業利益1743億1200万円で15.8%増、
経常利益1670億6800万円で20.4%増。

セブン&アイは、
営業利益3876億5300万円で5.8%増、
経常利益3585億7100万円で0.3%増。

その差は2000億円もあるが、
これはフランチャイズのコンビニの差だ。

吉田昭夫イオン社長は、
中期5カ年計画についても語ったが、
表情も見えるだけに、
自信満々だった。
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直近のナショナルブランドの値上げに対しては、
「トップバリュ」約5000品目を、
6月末まで「価格凍結」している。

そのあたりは、
次の月刊商人舎4月号に詳しい。
ご期待を。

吉田社長はDXの進捗を強調した。

「最もプライオリティの高い施策」が、
デジタルシフトである。

「コロナ前と比較して2倍の売上げとなった」

「ネットスーパーは700億円で、
20億円のスーパーマーットに換算すると、
35店舗に相当する。
ネットスーパーは年平均20%で伸長している」

これは商人舎2月号を読んでもらえばわかる。
特集「ネットスーパー・エイジ」202202_coverpage-448x633

それから吉田さんが、
U. M. S. Hを高く評価していることが、
この記者会見でよくわかった。

カスミ「BLANDE」のことを、
何度も引き合いに出して、
新フォーマットの開発を強調した。
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これは商人舎3月号で詳報した。
特集「販促X」
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手前みそばかりになってしまって恐縮。

吉田昭夫さんの発言を聞いていて、
私は月刊商人舎のそれぞれの号を思い出した。

それにしても、
イオンとセブンの逆転。

実に面白いことになってきた。

両社はもう少し、
むき出しの競争意識を持ってもいい。

それが日本のチェーンストアを、
牽引するパワーになる。

もちろん協力するところもあっていい。
災害のとき、戦争のとき、
パンデミックのとき。
政治や行政に向き合うとき。

それが日本の国民の暮らしを、
安全で経済的で豊かにする。

伊藤雅俊さんも岡田卓也さんも、
「初孫会」を毎年開催して、
とても仲の良い経営者だ。

もちろん競争意識も、
そうとうに強かった。

それが日本を引っ張ってきた。

今も、これからも、同じように、
切磋琢磨してほしいものだ。

アメリカはウォルマートが、
断然強いチェーンストアだった。

そこにアマゾンが登場した。

イギリスはテスコが、
これまたずっと首位を走る。

セインズベリーとアズダは後塵を拝して、
アズダはウォルマートが引き受けた。
そのうえ、セインズベリーとアズダは、
経営統合の道を歩んで、
テスコを猛追する。

2018年の商人舎流通スーパーニュース。
セインズベリーnews|
ウォルマート傘下アズダと合併/年商510億ポンドへ
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同じように日本の流通産業も、
トップの抜きつ抜かれつによって、
全体のダイナミズムが生まれる。

そこに新たなベンチャーも登場する。

私はそんな競争を大いに奨励したい。

〈結城義晴〉

2022年04月07日(木曜日)

セブン&アイ決算電話会議の「拠り所とするもの」

米国メジャーリーグ。
プロフェッショナルのベースボール。
メジャーリーグ
プレイヤーだけではなく、
その機構も先進的(?)

今期からバッテリー間のサイン伝達に、
電子機器の使用を認める。
バッテリーとは、
ピッチャーとキャッチャーのことだ。

捕手は送信機の付いたリストバンドを着装。
投手も機器を携えていて、
音声で球種とコースが伝えられる。

メジャーリーグでは、
サイン盗みが横行している。

それへの対策として、
電子機器は期待される。

2017年のワールドシリーズ勝者のアストロズ、
18年のレッドソックス。

どちらもサイン盗みで、
監督らが処分されている。

今春のオープン戦で導入実験が行われて、
どうやら成果が出たようだ。

しかし先進的とは言ったが、
どこがどう先進的なのかは、
わからない。

さて今日は午後4時から、
㈱セブン&アイ・ホールディングス、
決算発表。

電話会議方式で行われた。
sebunn kessann

商人舎流通スーパーニュース。
セブン&アイnews|
年商8兆7598億円51%増・米コンビニ事業が牽引

2022年2月期の営業収益は、
8兆7497億5200万円。
51.7%増。

昨2021年5月14日に、
米国のコンビニ「Speedway」を買収した。
220億ドルの投資だった。

それがこの決算で貢献した。

私はこのブログの3月5日版で書いた。
「ああ、もったいない」

一度、買収をすると発表したが、
3月初旬にそれを断念するという報道が出た。
日経新聞のスクープだった。

そこで私は思ったことを書いた。
「ああ、もったいない」

そうしたら5月14日、
紆余曲折の末、逆転して、
買収が成立した。

米国のジョセフ・デピントCEOが活躍した。

私は書いた。
「源になければならないのは、
勇気ある決断だ」

そして続けた。
「セブン&アイ・ホールディングスは、
ますますコンビニ主体の企業となり、
本格的に世界を視野に入れていくだろう」

この言葉の通り、
2022年2月期決算で成果が現れた。

それが8兆7498億円の年商だ。
51.7%の前年比増。

一気にイオンに追いついた。

コンビニ加盟店を含めた「グループ売上げ」は、
14兆2433億万円で前年同期比29.0%増。

営業利益は3876億5300万円、
これは前年同期比5.8%増。
経常利益3585億7100万円で0.3%増。

営業利益率は4.4%、経常利益率4.1%。

セブン‐イレブン・ジャパンは、
微増収減益。

海外の7-Eleven, Inc.は、
チェーン全店売上6兆4639億円で89.7%増。
営業利益2248億6400万円で88.6%増。

営業利益はイトーヨーカ堂が、
16億2000万円の79.2%減。
ヨークベニマルが147億0400万円で11.1%減。

さらにそごう・西武は、
81億5300万円の営業損失。
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電話の向こうの井坂隆一社長の声。
「事業のポートフォリオの見直し」をして、
そごう・西武は売却する。
「構造改革を進めながら、
ベストオーナーを探す」

米国のアクティビストは、
祖業イトーヨーカ堂の切り離しを求めている。
アクティビストは物言う株主のことで、
セブンの場合、「バリューアクト・キャピタル」。

その意見を聞く必要は全くない。

井阪社長の発言。
「同じグループにあることが、
将来の成長に資する」
アジェンダ

けれど電話会議を通じて感じられるのは、
セブン&アイのトップたちが、
株主ばかりを気にしている点だ。

電話会議は16時から始まった。
会社側の説明があって、
まず証券アナリストの質問を受けた。
それが終わったのが17時39分。

なんと1時間39分もかかった。

そのあとにやっとマスコミからの質問。
日経新聞、読売新聞、朝日新聞、
そしてNHKなどとの質疑応答。

業界マスコミからは、
「国際商業出版」だけ受け付けられた。

その時間は30分足らず。

私は端(はな)から質問する気はなかった。

この電話会見全体が、
「株主」と証券業界の方しか、
見ていない印象を強く受けた。

マスコミも大新聞やテレビ中心。

つまりは株価が一番の関心事のような印象。

小売業は顧客が大事だ。
さらに従業員、取引先が、
株主よりも重要なステークホルダーだ。

顧客と従業員、取引先は、
成果を生み出す過程に貢献してくれる。

そこから離れたら、
小売業の成長はない。

株主や株価は、
その成果の結果を問題視している。

言うことを聞いて、
成果が出なかったら、
責任をとってくれるわけではない。

45年もこの産業を見ていると、
経営者がそこから離れているか否かは、
わかるものだ。

セブン&アイにとって、
今、一番心配なのは、
そのことだ。

電話会議という方式も、
オンライン会議と比べると、
ずいぶん遅れている。

その電話会議で気になったのは、
今、セブン&アイのトップマネジメントには、
口では何度も社是を強調するものの、
真の拠り所とするものがないことだ。
あるいはそれが薄れていることだ。
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そしてその「拠り所」は、
株主や株価ではない。

〈結城義晴〉

2022年04月06日(水曜日)

桜満開の令和拡大名人会とニュートンの「未知の大海」

名人会。
平成元年に始まったゴルフの会。
基本的に4人のメンバーで、
毎月、研鑽する。

平成が令和に変わって、
「令和名人会」と名称を変えた。

それでも33年間が経過して、
34年目に入った。

私はどんなことでも、
結構、辛抱強く続ける。

その拡大令和名人会。
4人のメンバー以外の人々に声をかけて、
拡大版で開催される。
IMG_20922

今日は名門・多摩カントリークラブ。
東京都稲城市の丘陵コース。IMG_20982

桜は満開。
IMG_20992

天気は快晴。
IMG_21142

9番ホールからは東京都心が見える。IMG_21062

グリーンの練習場ネットの左に、
東京スカイツリー。
右には東京タワー。IMG_21072

8番ホールは桜の名所。IMG_21012

もう散り始めて、
花びらがティーグランドに散らばる。IMG_21022

第1組の面々。
IMG_21112
左から宮本洋一さん、亀谷しづえさん、
そして土井弘さん。

その亀谷プロ。
IMG_21102

私たちの第2組。
新谷千里さんと平野一郎さん。IMG_21042

ラウンドが終わって、表彰式。IMG_21082

今回もまた宮本プロが優勝。IMG_21202
ちなみに私が準優勝。

何十度目かのスイング改造中だが、
最後の方でそれが少しだけ実り始めた。

全員がスピーチをして、
次の拡大名人会を約した。IMG_21212

アイザック・ニュートン。
「世間の人びとの目に、
私という人間がどう映るかはわからない」

「しかし、私自身には、
目の前に真理の大海が、
未知のまま広がっているというのに、
私ときたらただ浜辺で遊び戯れ、
時おり普通のものよりも滑かな小石や、
きれいな貝殻を見つけては喜ぶ
子供のようなものだった、
としか思えない」
(デイヴィッド・ブルースター『ニュートン伝』より)
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ご存知、ニュートンは、
イギリスの物理学者・天文学者・数学者。
万有引力の原理を使って、
力学体系を構築した。

微積分法を発明したのも、
このニュートンだ。

ブルースターはスコットランドの科学者。
「ブルースターの法則」などを発見したが、
ニュートンの伝記も書いた。

ニュートンはあくまで謙虚だ。

真理の大海は未知のまま目の前に広がる。
その大海に入っていくこともなく、
浜辺の小石や貝殻を見つけて喜んでいる、
と自分を表現する。

万有引力の法則や、
微分積分を見つけたニュートンが、
それを述懐する。

しかししかし、それでもいい。

ある著書を数ページ読んだだけで、
その内容を見切ったと勘違いして、
読むのをやめてしまうといった、
浅はかさは持ち合わせていなかった。

仕事においてはもちろん、
たとえゴルフにおいても。

大海に入ることもできず、
浜辺で極ごく微細な真理を、
見つけるだけでもいい。

ほんの少しでも真理に近づきたい。
その心意気を、
私は失いたくはない。

〈結城義晴〉

2022年04月05日(火曜日)

ウクライナ・ブチャの惨劇とドストエフスキーの「罪と罰」

ブチャの惨劇。
長く語り継がれるだろう。
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ウクライナのキーフ州から、
ロシア軍が撤退したあと、
州内の解放された街々で、
その残虐な所業が明らかになってきた。

世界史の中でも初めてのことだろう。
映像を通じて世界中の人たちが、
その非人間的な行為の実態を見せつけられた。

ロシア側はセルゲイ・ラブロフ外相が、
「フェイクだ」と返答した。

ドナルド・トランプの常套句。
これもトランプが世界に伝染させた悪習だろう。

しかしロシア軍の悪逆非道は、
隠せるものではない。
人類の歴史が許しはしない。

ウラジーミル・プーチンは、
アドルフ・ヒトラーの如く、
歴史に刻まれるであろう。

ラブロフも同罪だ。
ナチスの外相ヨアヒム・リッベントロップの如く、
裁断されるに違いない。

日本でも新聞全紙が「社説」で、
ロシアを批判した。

日経新聞社説。
ロシア「戦争犯罪」の
真相を徹底究明せよ

「ロシア軍が侵攻したウクライナで、
市民に対する殺害、性的暴行、略奪など
“戦争犯罪”に相当する行為が
次々に明らかになった」

「断固として許すことはできない」

「徹底的に調査し、
真相を明らかにせねばならない。
ロシアへの制裁強化を検討するのは当然だ」

各紙、論調は似ている。

朝日新聞社説。
侵略の惨状 
戦争犯罪を非難する

「おぞましい惨劇である」

「この残酷な侵略戦争の結果を
断じて容認できない。
国際機関による真相解明を進め、
責任者を処罰しなければならない」

読売新聞。
露の虐殺疑惑 
国連は直ちに調査団派遣せよ

「胸をえぐられるような衝撃的な映像に、
強い怒りを覚える。
国連は直ちに現地調査団を派遣し、
国際法廷による捜査と連携して、
真相の解明を図らねばならない」

「戦争犯罪を扱う国際刑事裁判所は証拠を集め、
責任者を裁きにかける必要がある」

「露軍部隊は侵略の全体像を知らされず、
短期的な軍事作戦や訓練だと
思い込んでいたという指摘もある。
予想外の反撃や統率の乱れが
蛮行につながったのか」

「ブチャでの露軍占拠が続いていた場合、
虐殺の証拠は残らなかっただろう。
こうした惨劇が全土で起きる可能性を踏まえれば、
ロシアが要求するウクライナの”非軍事化”には
到底応じられない」

「日本国内でも、人命尊重の観点からか、
“ゼレンスキー氏は国民の犠牲を減らすために、
ロシアの要求をのむべきだ”といった
論調が見られるのは理解に苦しむ」

これは橋下徹前大阪市長の「降伏論」のことだ。

毎日新聞社説。
ウクライナ侵攻 
首都近郊の虐殺 
露は独立調査受け入れを

「ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中の1995年、
イスラム教徒約8000人が犠牲になる
“スレブレニツァ虐殺”が起きた。
今回はそれ以来の大規模殺害になる
可能性も指摘されている」

「20世紀前半に起きた2度の世界大戦では、
多くの市民が命を落とした」

「その教訓から、国際社会は49年、
ジュネーブ条約を改正し、
戦時であっても民間人を攻撃対象とせず、
捕虜を人道的に扱うことを決めた」

「しかし、ウクライナでは産科病院や、
子どもが避難する劇場が空爆された。
これらの行為は戦争犯罪に当たるとみられる。
今回、組織的に民間人が
大量に殺害されたとすれば、
“人道に対する罪”に該当する疑いも出てくる」

戦争が人間を貶める。
戦争をこそ憎むべきだ。

ドストエフスキーの「罪と罰」
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金貸しの老婆を殺した、
主人公のラスコリーニコフは、
信じている。

「1つの罪悪は100の善行によって償われる」

そして自分の思想を語る。
「《非凡》な人間はある障害を……
それも自分の思想の実行が(中略)
それを要求する場合だけ、
ふみこえる権利がある」

プーチンやラブロフには、
このドストエフスキーの言葉が、
間違って理解されているに違いない。
いや、これらの言葉がどこかで、
救いになっているのかもしれない。

戦争の罪悪は、
どれだけの善行によっても
償われるものではないし、
プーチンもラブロフも、
誰であろうと、
自分を《非凡》な人間と思ってはいけない。

私は1日中、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎最終段階。

朝から晩まで、
ひたすら原稿を書き続けた。

そして疲れ果てた。IMG_2086 (002)2
私は商売について考える。
新しい競争について考察して、
それを文章にする。

それが私の役割だ。
それが私の闘いだ。

〈結城義晴〉

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