結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年08月05日(木曜日)

「殿様茹で蛙」とアマゾンの「Day 1を忘れるな」

とうとう5000人を超えた。
東京都の新型コロナウイルス感染者。
今日1日で陽性反応が判明したのが、
5042人。

全国で1万5263人。

神奈川県が1846人。
わが神奈川も、
留まるところを知らない。

埼玉県が1235人、
大阪府が1085人。

千葉県942人、
福岡県718人、
沖縄県648人。

福岡を除く6都府県が、
緊急事態宣言中。

一番悩み深いのが、
緊急事態宣言を発していながら、
感染者が爆発的に増えていることだ。

だとすれば、
一番厳しいはずの「宣言」を、
さらに厳しくするしかない。

あるいは「宣言」の内容や方針が、
間違っているのだから、
その内容を変えねばならない。

菅義偉政権は、
そのどちらも考えないらしい。

感染者が増えれば、
病院に行く人が増える。
そして入院する人も増える。

すると病院の病床が足りなくなる。

だから通常なら入院する中等症の人は、
自宅待機にする。

そんな方針転換が政府から発表された。

これには国民が反発した。
当然だ。

そしてまた中等症の人も、
原則的に入院すると改められた。

しかし病床が足りないという問題は、
まったく解決されていない。

思考停止に陥っている。

前に書いたが、政府が、
「茹でガエル」になっている。
そうすると菅首相は、
「殿様茹で蛙」ということになる。

滑稽な話だが、
笑ってはいられない。

会社や組織にもある。

スーパーマーケットなど、
コロナ特需の恩恵を受けた業態ほど、
茹でガエルになりやすい。

最近は空を見上げることが多い。
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もうすでに秋の気配を感じさせる。IMG_56201

商人舎流通スーパーニュース。
アマゾンnews|
第2Q売上高27%増・純利益48%増/実店舗売上げ10%増

米国のアマゾン・コム。
上半期の総売上高は2216億ドル、
1ドル100円換算で22兆1598億円。
なんと34.8%の増加である。

営業利益は165億6700ドル、
1兆6567億円。
こちらは68.5%の増加。

純利益は158億8500万ドル。
1兆5885億円。
前年の2倍を超える104.2%の増加。
前年比204.2%。

アマゾンに茹でガエルの兆候はない。

創業者ジェフ・べゾスはいつも言う。
「Day Oneを忘れるな!」
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創業1日目の燃えた日こそ「Day1」である。
そしてその精神を忘れてはならない。

だからべゾスが執務するビルは、
所番地が変わろうと「Day 1」と名づけられる。

1年1年を「Day1」と見なして、
努力を怠らず精進を続ける。

すなわち「初心忘るべからず」。
能を大成した世阿弥の精神。
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世界最大の企業ウォルマートにも、
茹でガエルにならないための金言がある。
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ウォルマートの歴史上、
もっとも有名なCIOケビン・ターナー。

「私たちは、
世界最大の会社を
つくろうとはしていない。
地域の1店1店を、
最良の店にしようと
しているだけである」

世界最大の会社だけではない。

日本最大の小売業も、
首都圏第一の小売業も、
西日本第一の小売業も、
東北第一の小売業も、
関西ダントツの小売業も、
沖縄一番の小売業も、
それをつくろうと無理をしてはいけない。

「この1店」を最良の店にしよう。

それだけを念じて、
売場をつくり、店をつくる。
顧客を迎え、仕事をする。

それが結果として、
世界最大や日本最大、
首都圏や西日本、関西や東北、
そして沖縄第一の企業となる。

東京オリンピックでは、
今日も日本の選手が金メダルを獲得した。

レスリング女子57キロ級の川井梨紗子選手。
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昨日はレスリング女子62キロ級で、
妹の川井友香子選手が金メダル。

これで2日続けて姉妹のチャンピオン。

昨日はスケートボード女子パークでも
四十住さくら選手が金メダル。
開心那選手が銀メダル。

女性アスリートの活躍が目立つ。

金メダルだけではない。
今日は卓球女子団体で、
石川佳純、伊藤美誠、平野美宇の、
三人娘が銀メダル。

立派。よくやった。

空手「女子・形」の清水希容選手も、
美しく、力強く、速い試技で銀。

素晴らしかった。
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さらに陸上男子20km競歩では、
池田向希選手が銀メダル。
山西利和選手が銅メダル。

サッポロは東京よりも暑かった。

ボクシング男子フライ級では、
田中亮明選手が銅メダル。

彼らにかぎらず、
オリンピック参加のアスリートたちに、
「茹でガエル選手」は一人もいない。

「Day 1を忘れるな」
「初心忘るべからず」

見ている私たちも、
ただ浮かれていてはいけない。

残念ながら、
国が茹でガエルだろうと、
首相が殿様茹で蛙だろうと、
たとえ会社が茹でガエルだろうと、
自分は自分の「Day 1」を忘れてはいけない。

私も自分の44年前の、
第1日目の心持ちを、
絶対に忘れず、
新しい気持ちで前に進もう。

〈結城義晴〉

2021年08月04日(水曜日)

「苦しみは無理から生じる」だから「がんばりすぎない」

毎日、必ず見る。
NHKのWebサイトに、
毎日午後4時に掲載される。

新型コロナウイルス、
都道府県別の感染者数マップ。zennkokukansenn

8月4日、全国で1万4207人。
これ、1日の陽性確認者の数。

東京都は4166人。
過去最多。

神奈川県が1484人、
大阪府が1224人、
埼玉県が1200人。
1000人台が3府県。

千葉県840人、
福岡県752人、
そして沖縄県602人。

沖縄県の総人口は、
この2021年7月1日現在で、
145万9214人。

福岡県は513万0371人、
千葉県が628万4573人だから、
沖縄の感染率は高い。

あんなに素晴らしい沖縄で、
変異株が猛威を振るっている。

お見舞い申し上げたい。

沖縄の小売業、サービス業の皆さん、
エッシェンシャルワーカーの皆さん、
頑張ってください。

東京、沖縄を含めて、
全国の14都道府県が、
過去最多。

ああ。

インド型変異種のデルタ株が、
圧倒的感染拡大を見せる。

「自助・共助・公助」をモットーとする菅義偉首相。
自助・共助に頼っている。

こういう時こそ、
的確で迅速な「公助」の出番だ。

よろしく、頼むよ。
ソーリ。

私は月刊商人舎8月号の最終責了。
終わりました。
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特集は?

まだ秘密!
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しかし、お陰様で、
いい雑誌になりました。

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門前に掲げられた住職の書。
「人生
すべての苦しみ

無理から生じる」
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故人となられた西端春枝先生を思い出した。
「結城さん、
無茶はあかん、
無理はええけど」

しかし「無理」を重ねていると、
「無茶」になる。

すべての苦しみは、
その無理から生じる。

以て自戒とすべし。

8月1日の朝日新聞「折々のことば」
第2102回。

ほら、
暗くなってるでしょ。
これはこの世界が
今日はここまでと
言っている証拠。
(森田季節)
小説『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました』から。
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「”社畜”として過労死した後、
不老不死の魔女に転生した女性」

「彼女を慕う弟子が師を歓(よろこ)ばすため
徹夜で遅れを取り戻そうとすると、
すぐにこう戒めた」

「頑張るって言葉を
いい意味で使いすぎちゃダメ!」

「ほどほどを保て」

だから、
「がんばりすぎないでください」
将棋の谷川浩司第17世名人の言葉。

谷川は阪神淡路大震災で被災した。
その経験から2011年3月に、
東日本大震災の現地に向けて発言した。
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谷川と同じ神戸出身の森田季節。
ライトノベル作家。
「無理はやがて波紋のように
不幸を周囲の人たちに広げるから」

人生のすべての苦しみは、
無理から生じ、
やがて波紋のように、
不幸を周囲の人たちに広げる。

無理はまるで、
コロナウイルスのようだ。

だから「頑張る! 頑張れ!」を、
いい意味で使いすぎてはいけない。

ほどほどをたもって、
がんばりすぎずに、
がんばろう。

暑い夏だ。

それがいちばん、いい。

〈結城義晴〉

2021年08月03日(火曜日)

「ケなのにハレ」のヤオコーと「ケ」に徹するフーコット

8月3日。
暑いを通り越して、熱い。
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この暑さのピークは明後日ごろ。
今年はお盆も暑い。

積乱雲が盛り上がる。
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そして東京五輪が開催されているが、
今週金曜日の8月6日は、
広島への原爆投下の日。

五輪閉会式が終わって、
山の日の振り替え休日の8月9日は、
長崎への原爆投下の日。

そしてお盆の真ん中の8月15日は、
終戦の日。

夏が暑ければ暑いほど、
76年前のその夏を忘れてはならない、
という思いは強くなる。

私だって生まれてはいなかったけれど。

世界からアスリートが集うオリンピック。
その最中(さなか)の広島原爆投下の日。

世界中に正しく認識してもらいたい。
その機会にしたい。

今日の朝日新聞「天声人語」
テーマは「ハレとケ」

柳田國男が見出した概念。
民俗学や文化人類学で言う、
日本の伝統的な両極の暮らし方。

「ケ」は日常的な空間で、
労働を中心とするもの。
「ハレ」は非日常の空間で、
正月や盆、祭りなど特別なもの。

チェーンストアやスーパーマーケットは、
「ケ」の産業だとされた。

一方、百貨店や高級専門店は、
「ハレ」の小売業だという。

コラムは今の暮らしに当てはめる。
「コロナで
行動を抑制せざるをえない日常が
“ケ”であろう」

「東京五輪による気持ちの高ぶりは
“ハレ”そのものだ」

そして指摘する。
「第5波ともいえる感染拡大のなか、
“ケなのにハレ”という
ややこしい事態に陥っている」

ケなのにハレ。

「五輪関連イベントなどの盛り上がりが
感染対策と矛盾するメッセージになり、
人びとの警戒心が緩んでしまうのではないか」

「政府は、感染拡大と五輪は
関係ないと言い続けている」

そして朝日の主張。
「今なすべきは
五輪による緩みがあるのを
前提に対策を立て、
強いメッセージを発すること」

しかし「ケなのにハレ」はもう、
コロナ禍前から始まっていた。

チェーンストアが、
ロングテールの商品を扱う。
高質スーパーマーケットが登場する。

これは「ケなのにハレ」だ。

一方、デパ地下はどんどん「ケ」に近づく。

こちらは「ハレなのにケ」である。

ハレとケを上手に使い分けて、
あるいはハレとケを融合させて、
豊かな生活を営む。

それが現代人の生き方。
そしてその生活を支える小売業の在り方。

今日、㈱ヤオコーが、
新フォーマットをお披露目した。
子会社の㈱フーコット
第1号店を埼玉県の飯能市にオープンさせた。フーコット飯能
ヤオコーと言えば、
ライフスタイルアソートメント。

これはケの商売に、
上手にハレを盛り込んだ考え方だ。

そのヤオコーがあえて、
ディスカウントスーパーマーケットに、
「挑戦」する。

これは「ケ」に徹する商売だ。

このフーコットのことは、
私の本にも書いた。
『コロナは時間を早める』
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第六章は「ポスト・コロナ時代への決断」

その最後の節は、
ヤオコーの「フーコット」始動の時代観。

私はヤオコーのフーコットを、
日本の小売業界にとって、
極めて重要な現象であると考えた。

ぜひ読んでほしい。

商人舎に直接お申込みいただくか、
アマゾンで注文するか。

「Foocot」の意味するところは、
“Food cost performance market”
「商品の圧倒的な安さと
鮮度、品揃えで満足できる店」

今日は訪れることができなかった。

しかしチラシやレイアウトなどの、
資料は手に入った。

非食品は扱わず、
現金決済のみ。

これは㈱ロピアの方針に似ている。

レイアウトは私の予想とは違っていた。
もっともっとシンプルにしたほうが、
いいのではないかとも思う。

もちろん店を見ずに判断してはいけないが。

チラシでは、
エブリデーロープライスを謳いながら、
日替わり特売をする。

だがこのフォーマットの場合、
何よりも重要なのはオペレーションである。

どうなっているか、興味がわく。
それは店を見て分析しよう。

「ケなのにハレ」のヤオコーと、
「ケ」に徹するフーコット。

ダイエーも失敗した。
イトーヨーカ堂もとん挫した。

しかしヤオコーは、
ポスト・コロナ時代への決断として、
果敢に挑戦する。

期待しつつ、動向に注目しよう。

〈結城義晴〉

2021年08月02日(月曜日)

FSSFの運営委員会と「豪放磊落な人・細心緻密な人」

Everybody! Good Monday!
[2021vol㉛]

2021年第31週。
8月に入って2日。

あと1週間で、
東京オリンピックが終わる。

オリンピックには、
対比的な日程がある。
競泳は前半、
後半は陸上。

柔道は前半、
レスリングは後半。

ソフトボールは前半、
ベースボールは後半。

そしてオリンピックの花、
マラソンは女子が8月7日、
男子が閉会式の8月8日。

もう後半に入って、
柔道景気に沸いた日本も失速気味か。
だがそれは絶対に悪いことではない。

代表選手たちに、
メダルのプレッシャーを与えることこそ、
断じて避けたいものだ。

北海道新聞の巻頭コラム、
「卓上四季」

100歳の双子姉妹として、
国民的人気を得た、
「きんさんぎんさん」
8月1日が誕生日だった。

妹の蟹江ぎんさん。

100歳を超えてからも、
テレビ出演収入を、
「老後のために蓄える」

ユーモアが長寿の心得だった。
ぎんげん
アルベールビル冬季五輪。
きんさんぎんさんの100歳の年。

フィギュアスケートの伊藤みどり選手は、
銀メダルだった。

それをぎんさんはことのほか喜んだ。
「金よりも銀がいちばん。
胸がシュカーッとした」

「129年前、ぎんさんはきんさんより
10分ほど早く生まれた。
なのに妹になったのが悔しかったらしい。
姉へのライバル心は並大抵ではなかった」

そのぎんさんは姉より、
1年と少し長生きした。

コラムニスト。
「長寿くらべという競走があったなら、
その勝者だったのかもしれない」

「東京五輪では連日、
メダルの色を巡って喜憂が交錯する」

「金の栄光の陰で、
次のチャンスをうかがう
銀の存在は見過ごせない」

「”銀がいちばん”という価値観も、
五輪が目指す多様性の一つなのだろう」

商売やマーケティングは、
金のマーケットリーダーに対して、
銀や銅のマーケットチャレンジャーがいる。

そしてマーケットニッチャーが、
実に多様な世界をつくっている。

マーケットニッチャーは、
メダルとは縁がないけれど、
尊敬されるアスリートのような存在だ。

わたしたちも、そうありたい。

今日は東京・八丁堀。
日本食糧新聞社。

フードストアソリューションズフェア。
9月8日・9日に開催が予定されている。
略してFSSF。

その運営委員会がオンラインで開催された。
主催は「日食」と称される日本食糧新聞。
共催は一般社団法人離島振興地方創生協会。

副主催の小売業は、
西日本の18社のスーパーマーケット。

この運営委員会は、
18社の考え方や意見が反映される場だ。
私もアドバイザーとして参加した。

まず、日食の今野正義会長兼CEO。IMG_5581 (002)1
このコロナ禍での、
開催か中止かの判断基準を、
きっぱりと表明。

見事だった。

そして千野和利さん。
離島振興地方創生協会理事長。IMG_5583 (002)1
FSSFの趣旨と意義を説明し、
安全・安心なフェアの開催を宣言した。

そして結城義晴は、
フェアのセミナー企画を説明した。IMG_5587 (002)1
パネルディスカッションは、
㈱万代の阿部秀行社長と、
H2Oリテイリング㈱食品グループの松元努専務。
司会は結城義晴。

話題の対談だ。

千野さんが基調講演を、
結城義晴が総括講演をする。

西友の大久保恒夫CEOの特別講演もある。

自分で言うのも恐縮だが、
いいセミナーです。

なんとか実現させたい。

最後に日食の杉田尚社長が、
行き届いたお礼の挨拶。

ZOOM会議が終わると、
4人で記念写真。
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一応、みんな笑顔です。IMG_5589 (002)1

最後に日経新聞「交遊抄」
紀文食品社長の堤裕さん登場。
堤裕
交遊抄のお相手は、
慶応義塾大学マーケティング研究会の同窓。
マルナカの中山明憲さん。

「柔道で鍛えた大きな体、
豪放磊落で声も大きい」

その通り。

「体形も性格も私と真逆で、
それが良かったのか、
不思議とウマが合った」

私は堤さんとも中山さんとも親しい。
正反対のふたり。

しかし中山さんは、
姿形に似合わず(失礼!)、
繊細なところも多い、
と私は思う。

「中山君と再会したのは2017年9月。
思えばこの再会を機に、
私の人生の歯車が動き出した」

中山さんは堤さんのエンジェルか。

「その3カ月後の12月、
私は紀文食品の社長になった」

「今年4月に紀文は株式を上場、
この上半期は65年間のこれまでの人生で、
最も忙しい半年だった」

「そんな日々の中、
心安まるひとときが、
上京するたび訪ねてくれる
中山君との語らいだった」

いい交遊抄だ。

昔からの親しい友人は、
何があろうと、いいもんだ。

では、みなさん。

若い人も老いた人も、
強い人も弱い人も、
豊かな人も貧しい人も、
豪放磊落な人も細心緻密な人も、
女も男も、ジェンダーを超えて。

ともにアルファ、ベータ、
ガンマ、デルタと、
闘い続ける8月にしたい。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2021年08月01日(日曜日)

[日々の詩集より]谷川俊太郎「巨人になりたい」

2021年の8月に入った。

空は青い。
雲は白い。
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朝、7時52分。
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雲は静かだ。
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池の水も穏やか。
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そして雲は動かない。
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木も静かに立っている。
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「谷川俊太郎詩集」から。

美しい夏の朝に

巨人になりたい
この山々を
この雲を
この青空を
この夏の朝を
両腕に抱きとりたい
巨人になりたい
山の彼方の幸せを
指でつまんで
ポケットに入れ
夜へと向かう
すべての憧れを
小鳥のように
つかまえてしまう
巨人になりたい
一日に一度打つ心臓
永遠をみつめる瞳
太陽に火傷する指先
日記には歴史をしるし
革命の悲惨を
裏切りの栄光を
残らず両手にすくいとる
巨人になりたい
暗黒の宇宙に身を投げ
銀河の流れに泳ぎ
両腕に地球を抱きしめ
黙って涙をこぼしている
限りなく無力な
巨人になりたい

そうでなければむしろ
一匹の蟻になりたい
露草の迷路に果てなく迷い
いつまでも迷いつづけ
それでいい
この美しい夏の朝に

〈挿絵・長新太〉
谷川俊太郎 夏の朝に

東京オリンピックを、
テレビで観戦していて、
「巨人になりたい」を思い出した。

この青空を
この夏の朝を
両腕に抱きとりたい
巨人になりたい…

両腕に地球を抱きしめ
黙って涙をこぼしている
限りなく無力な
巨人になりたい…

さあ、8月だ。

このひと月を、
COVID-19との、
最後の闘いにしたい。

この夏の朝を、
両腕に抱きとり、
オリンピックの感動を、
新型コロナとの闘いの、
原動力にしたい。

一人残らず、
アルファとベータとガンマと、
そしてデルタとの闘いに、
参加させたい。

若い人も、
老いた人も、
強い人も、
弱い人も、
豊かな人も、
貧しい人も、
女も、
男も、
ジェンダーを超えて。

ともにコロナと闘う、
8月にしたい。

〈結城義晴〉

2021年07月31日(土曜日)

宮内義彦「コロナ敗戦」と日本の「凡事徹底・有事活躍」

2021年7月最後の日。
土曜日だが商人舎オフィスに出社。

裏の遊歩道。
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緑がまぶしいし、
蝉の声がうるさいくらいだ。
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あっという間に夕方がやってくる。 IMG_55291

それでも仕事をした充実感がある。IMG_55311
これがあるから生きられる。
仕事があるから明日が拓かれる。

でも、新型コロナウイルス感染。
新規感染者は激増し続ける。

今日1日、全国で1万2341人から、
陽性反応が確認された。

過去最多。

東京都は4058人。
初めて4000人を超えた。

神奈川県は1580人、
大阪府は1040人、
埼玉県は1036人。

千葉県は792人。
福岡県は504人、
沖縄県は439人。

大阪府を除いて、
過去最多ばかリ。

なぜだろう。

菅義偉首相は言っている。
「人流は減っている」

この根拠のない発言に対しては、
これら数字が真っ向から反論している。

人が動いて、
人と人が接触して、
感染が起こる。

それが増えているから、
過去最多が増える。

このままお盆に突入したら、
今度は地方にこの過去最多が、
伝染していく。

それをどう食い止めたらいいのか。

東京オリンピックは、
開会式の7月23日から数えて、
閉会式まで今日がちょうど中間点。

日本は17個の金メダル、
5個の銀メダル、8個の銅メダル。

素晴らしい。

柔道混合団体戦は、
惜しくもフランスに負けて銀メダル。
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しかしサッカー日本代表の準々決勝。
ニュージーランド戦。
最後はペナルティキック戦。
ゴールキーパー谷晃生の活躍で勝利。

準決勝の相手はスペイン、
その次の決勝は多分、ブラジル。

すごいところまできた。
信じられない。

野球の侍ジャパンも、
山田哲人、坂本勇人のホームランで、
強敵メキシコに快勝。

オープニングラウンド2連勝で、
次はアメリカと事実上の決勝戦。

こちらもいい状態で来た。

メダルを取れなかった競技でも、
その真摯で必死のプレーは、
新型コロナの気分を吹き飛ばす。

日本中が沸き返った。

しかしそれでも、
感染拡大は留まるところを知らない。

日経新聞電子版「経営者ブログ」
オリックスのチェアマン、
宮内義彦さん。
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「新型コロナを体験して
特に衝撃を受けたのは
行政の能力不足とデジタルの遅れでした」

「日本の政治や行政に、
非常時への対応能力がないということ」

これは国民が痛感した。

宮内さんが驚いたのは、
「各地の知事が
東京から来ないでくださいなどと
都道府県が鮮明になったこと」

「幕藩体制ではあるまいし、
県境などどんな意味があるのでしょう」

その通り。
これは縄張り意識だ。

チェーンストアの展開においても、
県の境はほとんど意味がない。

それよりも物流や顧客の流動性が優先される。

「パンデミック対策としては
首都圏、京阪神、中京といった
過密地域を特定して
対策にあたるべきは明確です」

求められるのは、
「行政区画の機動的な選定、
責任体制が組める非常時体制の確立」

次がワクチン接種。

「高齢者にこんな無理を強いる
行政とは何なのか、
大きな怒りを感じました」

さらにその接種も、
「その開始は欧米に比べ、
半年くらい遅れています。
一体どんな経緯で
こんなことになったのでしょう」

「当初から民間企業の協力を得ながら
オール日本で取り組んでいれば、
こういう事態にはならなかったはずです」

これも同感だ。

「政治や行政が規則やルールに縛られ
自縄自縛になり、非常時にも
平常時対応しかできないのです」

つまりリスク・マネジメントの欠落。
「自助・共助・公助」と言いながら、
その「公助」に危機管理能力がない。

アメリカの2005年。
ハリケーン「カトリーナ」来襲のとき、
連邦緊急事態管理局よりも、
ウォルマートの方がはるかに機敏に動いた。

宮内さんは指摘する。
「保健所のキャパシティーが、
国全体のキャパシティーと、
なってしまった」

ボトルネックである。

「日本の政治や行政は、
予算をいくら付けるかに
重点を置いてきました」

「しかしきちんと執行できない政策は
意味がありません」

「社会の格差が広がるなか、
行政の効率と執行力が
より問われるようになっています」

会社も同じ。
効率と執行力。

「極めつけは酒や飲食店が
大いに悪者に仕立て上げられた上、
生活維持に必死な業者を
行政圧力で従わせようとした発想です」

「反発しない方がどうかしています。
政治センスも駄目でした」

宮内さんも怒っている。

「もっとも、新型コロナ対策が
これほど後手に回っていながら、
欧米に比べ感染者数も死者数も
少ないのも事実です」

「強制されなくても
マスクを着けているのは、
日本人ならではの良さかもしれません」

日本人の誠実さ、勤勉さが、
コロナ感染を防いでいる。

感染者が少ないのは、
政治や行政の力ではない。

「ワクチン接種がこのまま進めば、
秋ごろには新型コロナ感染は
落ち着くとの見通しがあります」

そうなるといいのだが。

政府規制改革会議議長などを、
歴任した宮内さんの最後のMessage。
「気をつけたいのは、
これまでの新型コロナ対策が
しっかりと検証されず、
曖昧なまま終わってしまうことです」

「今回は政治や行政が十分に機能せず、
まさに”コロナ敗戦”とも
呼ぶべきものでした」

そう、コロナ敗戦。
私は「人災」だと言い続けている。
著書にも、書いた。

「これを機にウイルスに限らず、
戦争、領土問題、経済安保、
サーバー攻撃、災害対策など、
有事での日本の危機対応力を真
剣に見直さなければ、
日本は同じような過ちを
繰り返すことになるでしょう」

国も産業も企業も、
凡事徹底・有事活躍が必須だ。

もちろん、スポーツも。
凡事は練習、有事は試合。

〈結城義晴〉

2021年07月30日(金曜日)

一人の人間の一日には必ず一人「その日の天使」がついている。

あの日、恐竜は、
生きていた。
IMG_54941
パシフィコ横浜で、
恐竜科学博が開かれている。

6600万年前に絶滅した恐竜の時代には、
COVID-19など影響はなかった。
人間がいなかったからだ。

さらに地球温暖化もなかった。
人間がいなかったからだ。

そのかわりに氷河期はやってきた。
地球の急激な温度変化はあった。

「”地球にやさしい”は大嫌い!」
早稲田大学・丹治保典教授。
「たとえ何発、原爆が落ちようとも、
地球自体は何ともない。
地球にとって優しいことは、
むしろ人間がいなくなること」

仰る通り。

丹治先生は昨年3月まで、
東京工業大学生命理工学院教授。

「大切なのは、人間が住む環境なのです」

人間が自ら、
自分たちが住む環境を悪化させ、
地球の温暖化を招き寄せ、
ひょっとしたら感染症をまん延させた。

だから本質的な「まん延防止」の措置など、
人間にできるはずがない。

日本の「まん防」もまるで効き目はない。
人間の存在そのものに、
問題の根源があるからだ。

では、どうするか。

日経新聞一面「折々のことば」
第2100回。

一人の人間の
一日には、
必ず一人、
「その日の天使」が
ついている。
(中島らも随想集『その日の天使』から)
中島らも

「ひどく落ち込み、思い詰めて
自死すら考えた時、
知人から思いがけない電話が
かかってくる」

「ふと開いた画集の中の
一枚の絵に震える」

「そんな偶然に救われることがあれば、
それがその日の天使なのだ」
作家・中島らもは言う。

私と同年。

52歳のときに、
フォーク歌手の三上寛と飲んだあと、
飲み屋の階段から転落して、
結局、死んだ。

編著者の鷲田清一さん。
「幼児や酔っ払いかもしれないが、
彼らが神の使いとして日に一度、
誰にも訪れるのだと思えば、
ふんづまりの毎日にも隙間が空く」

スカンジナビア航空を立て直したのが、
ヤン・ゴスタ・カールソン。
航空業界世界最年少CEOだった。

1980年に39歳で、
スカンジナビア航空のトップに就任。
赤字で苦闘していた同社を1年で再建。

それは『真実の瞬間』に描かれている。
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英語では”Moment of Truth”

もともとは闘牛の言葉だ。
闘牛士が牛にとどめを刺す瞬間のこと。

カールソンは航空会社のスタッフが、
顧客にとどめを指す瞬間は、
最初の15秒だと見抜いた。
2時間、3時間、あるいは8時間の、
長いフライト中ではない。

そしてそれは1日に、
5万回訪れていると分析した。

その真実の瞬間に、
最高の満足を与えよう。

わかりやすい。

一人の人間の一日には、
かならず一人、
「その日の天使」がついている。

それは一瞬の真実の瞬間だ。
顧客との接点かもしれないし、
科学博の恐竜と目が合った時かもしれない。

今日もオリンピック柔道
女子78キロ超級で素根輝(そねあきら)が、
見事な足技・寝技の連続で金メダルを獲得。
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一瞬のスキをついた技の切れが、
素根に勝利をもたらした。

フェンシングでは、
エペ団体戦で日本チームが優勝。
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これも真実の瞬間をとらえた勝利だ。

フェンシング競技は3つの種目がある。
最もシンプルな胴体を突き合うフルーレ、
全身のどこを突いても勝ちとなるエペ。
チャンバラに似た斬る動作が入るサーブル。

そのエペで史上初の金メダル。

これまでのメダルは、
2008年北京男子フルーレ個人の太田雄貴、
12年ロンドンのフルーレ団体の銀。

フルーレの2つしかなかった。

それを東京五輪ではエペ団体で金。

彼らは確かに、
「真実の瞬間」をつかんだ。

一方、菅義偉首相。
またまた金曜日の夕方、記者会見。

昨日、予告した通りの、
緊急事態宣言の拡大と延長。

それも来週月曜日から、
来月末まで。

ここには「真実の瞬間」の概念がない。
つまりマーケティングが欠落している。

だから国民の心をつかめない。

専門家の分科会の学者たちとも、
意見の共有ができない。

おそらく本当の議論がないのだろう。

さらにマスコミの心さえ握れないから、
辛らつな質問が相次いだ。
「責任」を問う質問だ。

それに対してはまったく答えず、
言葉も口調も内容もこれまで通り、
「感染を抑えることが私の責任です」

それならば、
1日1万人超が続いている今、
責任が果たせているのか。

ああ。

最近は私も、いら立っている。
菅式楽観バイアスに。

菅ファンの方もいるのだろうから、
そんなに悪くは言いたくないが、
言わずにおれない。

ただし言えば、あるいは書けば、
気がまぎれるわけではない。

それでも私たちは、
落ち込んではいられない。

気を取り直して、
一人ひとりが感染症と闘わねばならない。

一人の人間の
一日には、
必ず一人、
「その日の天使」が
ついている。

〈結城義晴〉

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