結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2020年12月08日(火曜日)

40年前の今日、ジョンが死んだ。ぼくらは生きている。

40年前の今日、
ジョン・レノンが凶弾に倒れた。
40歳だった。

ニューヨーク・マンハッタン。
セントラルパークの横に、
ダコタハウスというアパルトマンがある。 DSCN8178-6

1980年の夜の10時50分。
ジョンとヨーコは、
ザ・ヒットファクトリーから帰宅した。
レコーディングスタジオ。

その玄関に、
マーク・チャップマンが立っていた。
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ジョン・レノンは、
チャップマンの5発の銃弾に撃たれた。

ジョンは「I’ve shot!」と二度、叫んだ。
アパルトマンの入り口に数歩、
歩いてから倒れ込んだ。

ルーズベルト病院に運ばれたが、
11時、出血多量で亡くなった。

ジョンは生前にいつも言っていた。
「死ぬとしたらヨーコより先に死にたい」
その通りになってしまった。

この事件の1カ月前の11月17日。
ジョンとヨーコはレコードをリリースしていた。
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「ダブル・ファンタジー」

ジャケットの写真撮影は篠山紀信だった。

ぼくは㈱商業界に入社して、
3年目を迎えていた。
「販売革新」編集記者の名刺を持っていた。

すでにこのレコードを手に入れていたが、
この事件以来、一度も、
針を落とすことはなかった。

広大なセントラルパーク。
そのダコタハウスに近いところに、
「IMAGINE」と記されたマンホールがある。
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生きていたら80歳。
いったいどんなジョン・レノンに、
なっているのだろう。

ダブル・ファンタジーに入ってはいないが、
ジョンは、呼びかけた。
“Imagine”と歌って。

Imagine there’s no Heaven
想像してごらん、天国なんてない。
It’s easy if you try
簡単だろう?
No Hell below us
地獄なんてものもない。
Above us only sky
ぼくらのうえには空があるだけさ。
Imagine all the people
想像してごらん、みんなが
Living for today
今を生きている。

Imagine there’s no countries
想像してごらん、国なんてものもない。
It isn’t hard to do
難しくはないだろう。
Nothing to kill or die for
殺すことも死ぬこともない。
And no religion too
宗教さえもない。
Imagine all the people
想像してごらん、みんなが
Living life in peace
平和に人生を送っている。

You may say I’m a dreamer
ぼくは夢想家だと言われるかもしれない。
But I’m not the only one
でも、ぼく一人じゃない。
I hope someday you’ll join us
いつかきっとみんな加わって、
And the world will be as one
世界はひとつになる。

生きていたらいったい、
どんなジョン・レノンの歌を、
どんな声で歌っているのだろう。

40年も経ってしまったけれど、
今日はご冥福を祈りたい。

ぼくは大学に入って、
すぐにバンドをつくった。
「Himagine」

仲間は阿部恵昭と高橋幸三。
ジョン・レノンが、
ポール・マッカートニーに勧めたように、
ぼくは阿部から勧められてベースを買った。
そしてベーシストになった。

やめておけばいいのに最初の曲は、
ジョージ・ハリスン作の「Something」。
アルバム「アビーロード」の中の名曲。
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Something in the way she moves
彼女のしぐさのなにかが
Attracts me like no other lover
ほかの誰よりもぼくを惹きつける
Something in the way she woos me
彼女の甘えるしぐさのなにか
I don’t want to leave her now
彼女から離れたくない
You know I believe and how
どれくらいぼくが本気かわかるだろう

ベースのコピーはひどく難しかった。
ボーカルの阿部も苦労していた。
幸三のリードギターだけが、
自己主張していた。

この曲をモノにできないまま、
Himagineはバラバラになった。

ビートルズは、
とんでもなく凄い。

そしてジョンは40歳で死んだ。

Himagineのぼくらは、
そのころ暇を持て余していたが、
阿部は石巻で、ぼくは横浜で、
まだ、生きている。

幸三はその後、行方がわからない。

ぼくらはあいかわらず、
へたくそなミュージシャンだ。

天国も地獄も、
想像してもわからない。

それでも見あげると空がある。
みんな、今を生きている。

世界のどこかで殺し合いは続いている。
コロナウイルスで死ぬ人もいる。

しかし、ほとんどみんな、
平和に人生を送る。

ジョンは夢想家ではなかった。

だからいつかきっと、
世界はひとつになる。

ぼくもそれは信じている。

合掌。

〈結城義晴〉

2020年12月07日(月曜日)

COVID-19感染リスクの中の「Cool head, but Warm heart.」

Everybody! Good Monday!
[2020vol㊾]

2020年の第50週。
12月も第2週に入って、
今年も残りは4週。

今日は二十四節気の「大雪」。
「雪が激しく降り始めるころ」とされるが、
今年は暖冬だ。

しかし2週間後はもう「冬至」。

二十四節気は1年を24の節目に分ける。
だから一つひとつの節気は、
だいたい15日くらいの間隔となる。

2007年から2021年までの年末曜日周り。
㈱紀文食品年末商戦戦略委員会提供。
202011_kibun11
今年末は2015年と同じ、
その前は2009年だった。

両年と同様に年末年始の休暇は、
9日連続あるいは6日連続の混在型だ。

それにしても新型コロナウイルス感染。
商人舎流通スーパーニュースに、
新カテゴリーを加えた。
[新型コロナ]

今日、商人舎が把握しただけでも、
29件発生している。

店頭現場は、
第3波の感染リスクの中で、
運営されている。

それを忘れてはならない。

医療現場は崩壊リスクを目前にしている。

感染リスクは、
人々が生活する場面すべてに、
存在する。

アメリカではCOVID-19感染者が、
5日間で104万人の急増。
死者数も連日、2000人を超える。

案の定、10日前の感謝祭とその週以降、
感染者の数が激増した。

そこでたとえばロサンゼルスでは、
クリスマス後までの3週間、
終日、不要不急の外出自粛を要請している。
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ウォルマートをはじめ小売業の店舗では、
収容可能な人数の20%まで客数を制限する。
フードサービスはテイクアウトや宅配だけになる。

ワクチンに関しては、
アレックス・アザー厚生長官が、
「FDAが数日中に許可するだろう」と発言。
FDAはアメリカ食品医薬品局。

いよいよ国民レベルで、
ワクチンの投与が行われそうだ。

大統領選挙から感謝祭、
そしてクリスマスまで。

人間が生活し、歓喜するその瞬間が、
コロナにとって勢力拡大のチャンスなのだ。

何ということだ。

商人舎流通スーパーニュース。
ウルマートnews|
7億ドルの特別ボーナス追加支給/年間総額28億ドル

現場アソシエーツに対して、
総額約7億700万ドルのボーナスを追加支給する。

フルタイマーには300ドル、
パートタイマーには150ドル。
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ウォルマートは今年3月以降、
総額28億ドルのボーナスを支給して、
現場を励まし続ける。

1ドル100円換算で2800億円に上る。

さらにウォルマートは、
「COVID-19緊急休暇ポリシー」でも、
追加策を発表した。

最大2週間の有給休暇を、
全アソシエーツに提供するという制度だ。
この休暇ポリシーは来年7月5日まで、
延長される。

つまりウォルマートは、
ワクチンが活用されようが、
来年夏まではコロナ禍が続くと踏んで、
リスクマネジメントを推進している。

日本の小売業も、
このウォルマートの考え方は、
検証しておくべきだろう。

12月の商人舎標語。
月刊商人舎12月号の、
[Message of December]

Cool head, but Warm heart.
(アルフレッド・マーシャルの言葉)

コロナに明け、
ウイルスに暮れた年。
2020年は人類に深い傷跡を残し、
長く人々の記憶にとどめられるに違いない。

世の価値観がひっくり返った。
パラダイムがシフトした。

これまで良かったことが、
悪いことになった。
好ましかったことが、
好ましからざることになった。

握手しよう、スクラムを組もう。
いやいや接触してはいけません。
繁盛を目指せ、集客力を上げよ。
密はいけません、入場制限しましょう。

マスクは笑顔を遮るから禁止だ。
いやいや必ずマスクしてください。
飲みニケーションだ、無礼講だ。
いいえ、静かなマスク会食(?)です。

世の価値観がひっくり返った。
パラダイムがシフトした。

しかし、それらは、
新型コロナウイルスによるものなのか。
そうとばかりは言えない。
すでにそれは起こっていた。

大きいことはいいことだ。
いやスモール・イズ・ビューティフルです。
チェーンストアは店舗数だ。
いや、ノンストアリテイリングの時代です。

店は広いほど、
売上げが上がる。
いやいや、環境的視点からは、
店舗はダウンサイジングすべきです。

効率と生産性だ。
いや効果と満足度なのです。
画一化だ、標準化だ。
いやいや全員参加の個店経営です。

世界は曲がり角に来ていた。
それをCOVID-19パンデミックが、
露にしただけの話なのだ。
コロナはきっかけをつくったのである。

Cool head, but Warm heart.
頭は冷やせ、心は燃やせ。

いつもいつも、
対立の立場から考える。
そして両方のサイドからモノを見る。
それがパラダイムシフトの瞬間のセオリーだ。

Cool head, but Warm heart.
頭は冷やせ、心は燃やせ。
〈結城義晴〉
Continuous one line drawing. Happy family mother and father dancing with children. Vector illustration. Concept for logo, card, banner, poster, flyer

“Cool head, but Warm heart.”は、
アルフレッド・マーシャルの言葉。
イギリスの新古典派経済学者。
あのジョン・メイナード・ケインズの師匠。

同じ意味だが私のモットーは、
「頭は冷やせ、心は燃やせ。」

2021年もずっと、
頭は冷やし続けねばならない。
リスクマネジメントである。

しかし心は燃やしていたい。
イノベーションへの挑戦だ。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

〈結城義晴〉

2020年12月06日(日曜日)

「重要な仕事」と「わからないことに慣れる勉強」

12月6日の日曜日。
穏やかで暖かな師走。

しかしこのところずっと、
心の中でくすぶり続けている、
ざわざわとしたものは消えない。

なんというか、日本も世界も、
あまりいい方向には行っていない。
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COVID-19パンデミックは、
人類に対してひどく、
衝撃的な影響を与えた。

しかしそれによって露わになったものが、
人間の、あまりよくない側面である。

コロナは時間を早める。
N

私自身がそう言い始めた。
だがそれによって、
心の中のざわざわは広がった。

それでも、
そんなざわざわを救ってくれるのは、
「仕事」である。

自分が一生をかけた仕事。

今日も横浜商人舎オフィスにやって来て、
原稿執筆に勤しんだ。

ちなみにブログ書きは私にとって、
「仕事」ではない。

朝日新聞「折々のことば」
尊敬する鷲田清一さんが編著者。
毎日、短いことばを掲載してくれる。
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それにしても哲学書はもちろん、
絵本からちょっとした冊子まで、
よくぞ目を通しているものだと、
いつもいつも感心させられる。

一昨日の第2013回。
重要な仕事とは、
人々が直面している状況に
どんな問題を見いだすのか、
そしてそれに
どんな解答を出すのか
ということである。
〈成実弘至(なるみひろし)〉

その著『20世紀ファッションの文化史』から。
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成美さんは京都女子大学教授。
大阪大学大学院、ロンドン大学大学院修了。
専門は文化社会学。
ファッションやモードを研究している。

「ファッションデザインは
多くの人を巻き込む」

「素材を作る人、縫う人、
売る人、着る人らの
思いが行き交う中で生まれる」

商売でも、
作る人、運ぶ人、
売る人、買う人の、
思いが行き交う。

「それは性やふるまいの固定観念を
無意識になぞりもすれば
強く撥(は)ねつけもする」

「そうした中でデザイナーの役割は
状況をつくりだすところにある」

人々が直面している状況。
そこから問題を見つけ出し、
解答を導き出す。

それが重要な仕事だ。

ファッションも商売も、
真摯な姿勢を貫きさえすれば、
だからとても「重要な仕事」である。

それがなければ、
単なる金儲けだ。

もう一つ「折々のことば」
一昨昨日の第2012回。

勉強っていうのは、
わからないということに
慣れる練習をしているんだ
〈玄田有史(げんだゆうじ)〉

玄田の著『希望のつくり方』から。
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「勉強して将来何か
役に立つことってあるのか」

ある中学生から質問された玄田さん。
こう答えた。

勉強していると、
わからないことばかりだとわかる。

わからないかわかるか
わからない
わからないかわかる
かわかるかい
わからないかわかるか
わからないから
やっぱりなんにも
わからない♫

大学のころつくった戯れ歌。
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「作戦や戦略を考えてうまくいくのは
社会の筋道がよく整備されている場合だけ。
実際の社会はもっともつれ、
つかみどころがない」

「スポーツや演奏と同じで、
“まだよくわからない”ともがきつつも、
そのわからなさを面白がる中に
道は開けてくる」

現在の戦略論は実は、
もつれてつかみどころがないところも、
細かに分析して組み立てられている。

しかしそれとても、
「わからなさを面白がる」という中から、
道を開いたものだ。

玄田さんは東京大学社会科学研究所教授。
1964年島根県生まれの労働経済学者。
「ニート」という言葉をつくった。

玄田流ニート論には、
賛否両論がある。

それでも、
「わからないということ」に慣れよ、
というのは正しい。

わからないことに慣れて、
仕事に関する勉強に継ぐ勉強をして、
一生の仕事に巡り合う。

そうすると心のざわざわも、
何とか解消できる。

仕事はありがたい。

〈結城義晴〉

2020年12月05日(土曜日)

「効率を狙ってばかりいると効果を上げられなくなる」

今日も1日、横浜商人舎オフィス。
月刊商人舎12月号。
もう一歩です。

それにしても何年やっても、
原稿執筆という仕事は、
サクサクとは進まない。

㈱ヤオコー会長の川野幸夫さんが、
ゆっくりと語ってくださった。
ヤオコー所沢北原店改装オープンのとき。
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「効率を狙ってばかりで、
効果が上がらない」

原稿書きの仕事も、
まったく同じだ。

3000字、5000字、1万字と、
効率的に書いていっても、
良いものが書けなければ意味がない。

つまり効果のことを考えつつ、
呻吟(しんぎん)する。

すると効率は、当然ながら落ちる。
その効果と効率との格闘こそ、
原稿を書く仕事だ。

私はいつも、ずっと、
効果を狙う。

原稿を書くことに関しては、
一度も自分の掟を破ったことはない。

今日も呻吟の連続。
「呻吟」とは苦しんで呻(うめ)くこと

何という因果な仕事を選んでしまったのか。
今となってはもう遅い。
しかし後悔もしてはいない。

さて、北海道新聞の一面コラム。
「卓上四季」

北海道の新聞らしく硬派。

発行部数は全国紙を入れて第7位。

1位 読売新聞
2位 朝日新聞
この後は調査によって異なるが、
毎日新聞、日本経済新聞、中日新聞。
6位 産経新聞
北海道新聞はそのあとの7位だ。

大したもんだが、
巻頭コラムの「卓上四季」も、
なかなかいい。

今日のタイトルは、
「”沈黙”の値崩れ」

英国の歴史家カーライルの言葉を引用。
「沈黙は偉大なる物事ができ上がる土壌」

古来からの「美徳の相場観」は、
「雄弁は銀、沈黙は金」

「そうした沈黙の価値を、
この人は崩していまいか」

コラムニストが言いたいのは、
菅義偉首相のこと。

今日閉幕した臨時国会で、
「お答えを差し控える」を連発。

日本学術会議の会員任命拒否の件、
安倍晋三首相の「桜を見る会」疑惑の件。
「疑われているのは前首相の虚偽答弁だ」

コラムニストの菅評。
「壮大な構想は見えず、
保身ばかり目立つ」

「内閣は国会に対し連帯して責任を負う。
説明責任からは逃れられない」

古代ローマの喜劇作家プブリリウス・シルス。
「愚か者にとって、
沈黙は知恵となる」

これも「沈黙は金」と同じ趣旨だ。

ところが桜井啓太立命館大学准教授。
歴代総理の答弁回避を調査した。
菅首相の「差し控える」は、
安倍前首相以上に多い。

菅総理は「誠実に答えてきた」と反論する。
しかし桜井淳教授は調査をもとに全否定する。
「”誠実”という言葉を破壊している」

「謙虚に見せて、国会軽視がのぞく」

「答弁能力のなさを隠そうとしている
という野党の主張が真実味を増す」

これらの指摘のタイトルが、
「”沈黙”の値崩れ」

座布団一枚!!

さて新聞発行部数ランキング2位の朝日新聞。
その一面コラム「折々のことば」
今日の第2014回。

飛ぶのは
簡単だけど、
歩くのは
なかなかむずかしい。
(中川素子著『宙(そら)からきた子どもたち』から)
9784434268441

「羽を外して歩く練習をくり返す
小さな天使たちが降り立ったのは、
戦争の絶えない”悲しい星”、地球だった」

編著者の鷲田清一さん。
「そこで彼らは……と物語は続くのだが、
私はこの言葉を勝手に深読みした」

「社会を高みから俯瞰(ふかん)するより、
出来事の藪(やぶ)の中を
歩み抜くほうが難しいと」
author1409

同感だ。

昨年2019年の月刊商人舎9月号。
巻頭の[Message of September]で書いた。

地べたを這いつつ、
宇宙を見よう。

地べたを這いつつ、
宇宙を見る――。
「虫瞰図の眼」。
虫の視線ではるか宇宙まで見通す。
作家で運動家だった小田実のスタンス。

虫の眼、鳥の眼、魚の眼。
そして心の眼。
商人の眼。消費者の眼。
つくり手の眼、卸し手の眼、売り手の眼。
三方良しの眼――。(以下略)
P
本来、菅義偉首相こそ、
「虫瞰図の眼」を持っていたはずだが、
日本学術会議の件の答弁では、
「総合的、俯瞰的」を繰り返した。

「沈黙の値崩れ」とともに、
自己矛盾の粗(あら)が見えてきた。
残念なことだが。

効率を狙ってばかりいると、
効果を上げられなくなる。

恐ろしい。

〈結城義晴〉

2020年12月04日(金曜日)

バナナとポッキーの「持つところ」と「店と売場と人間と政治家」

12月に入ったというのに、
暖かかったり寒かったり。

それでも全体に不気味な温暖さがある。

商人舎流通スーパーニュース。
ユニクロnews|
11月既存店100.5%/気温高く冬物コア商品苦戦

㈱ユニクロの11月実績。
既存店が前年比100.5%、全店で100.8%。
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11月上旬は大幅増収で好調だった。
「ユニクロ誕生感謝祭」が11月19日(木)開始。
しかしこの期間の気温が高かったため、
冬物コア商品が苦戦した。

不気味な暖かさが原因だ。

今日も1日中、横浜商人舎オフィス。
原稿を書いては入稿するという仕事。

あっという間に外は暗くなる。
そうするとやはり寒い。

マフラーを首に巻いて、
ダウンジャケットを羽織る。IMG_06400

そして久しぶりに、
やってみようか。
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Go! Go! ポーズ。
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Go Toではない。

商人舎編集スタッフの鈴木綾子。
アメリカ育ちの帰国子女。
とはいっても二人の息子たちは、
高校生と中学生。

その綾子さんが言う。
「Go To EatやGo To Travel、
違和感いっぱいで気持ち悪い」

ネイティブにとっては語感が悪い。

まあ、いいけど。

糸井重里のほぼ日。
その巻頭エッセイは「今日のダーリン」
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「バナナは、天然のままで、
“持つところ”のついている食品である。
その意味でも、バナナには
大きな取り柄があると言える」

いきなり、バナナ。
その「持つところ」の話。

「大事なことだから、もう一度言おう。
バナナには”持つところ”があって、
すばらしい」

「バナナの近くに棲んでいる
サルや類人猿のみなさんも、
バナナの”持つところ”には
とても重宝しているらしい」

なるほど。

「グリコの”ポッキー”は、
人工的に”持つところ”をつけたお菓子である」
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「細いクッキーに、
チョコレートをコーティングしてある。
もし、”ポッキー”がサービスのつもりで、
“両端までたっぷりチョコレートをかけたよ!”
なんてことをしたら、
たいへんなことになるだろう」

「そのまちがったサービスのせいで、
“持つところ”が
なくなってしまうからである」

目のつけどころが糸井流。

「世の中に昔からある
“いいもの””べんりなもの”には、
だいたい”持つところ”がついている」

「リュックサックなんかのことを
考えてみたまえ。
あれは、肩にかけて背中に背負うものだ」

「しかし、よく見たらわかると思うけれど、
ふくろ(ザック)の上部には、
“持つところ”がある」

「ポットややかんなどは、もう、
“持つところ”こそが
本体ではないかというくらいに、
“持つところ”を重要視してつくられている」

ゴルフクラブでは、
「グリップ」と呼ばれて、
持つところはとても大切だ。

「自転車でも、自動車でも、
“持つところ”がある。
一般にハンドルと呼ばれているが、
あれは、操縦をするためのものでもあり
“持つところ”でもある」

「この先、自動車は
“自動運転”になっていくらしいが、
そのとき”持つところ”のことを
なおざりにした企業は、
おそらく手持ち無沙汰になるであろう」

「持つところ」の話で「手持ち無沙汰」。
糸井のダジャレ。

「人体は、実に、
“持つところ”の集合体である。
人間が好かれるのは、
“持つところ”が多いせいだ」

手は持つところであり、
持たれるところでもある。

手と手が合えば、握手。

耳も鼻も、
持つところでもある。

足首も膝もふくらはぎだって、
持つところだ。

腹も出てくれば、持つところになる。

人柄も持つところである。

「聞いた話だけれど、ビルにも
“持つところ”があって、
“定礎”の文字のある石を外すと、
すぐ見つかるそうだ」

そしてこれが言いたかった。
「文章にも”持つところ”は必要で、
それがないとモテない」

これもダジャレだが、
文章の「持つところ」は、
読者が好ましいと思ってくれる、
とっかかりのところ。

私も今日の1日、
文章の「持つところ」に四苦八苦した。

そして小売業の店や売場を見ると、
糸井が言う「持つところ」だらけだ。

ショッピングカートの持つところ、
ショッピングバッグの持つところ。
商品の持つところ。

店舗外装の持つところ、
売場装飾の持つところ。
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店長やチーフの持つところ、
チェッカーさんの持つところ。

好ましい、
心に引っかかるところがない店は、
「持つところ」がない。
一言で言えば「魅力がない」。

政治家にもそれは言える。
小泉純一郎は持つところだらけだった。
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トランプもある意味では持つところだらけ。
下手なところを持ったら気持ち悪いが。
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それに引き換え、菅義偉は、
持つところがなくて、
なんか、不思議な政治家だ。

〈結城義晴〉

2020年12月03日(木曜日)

吉村洋文大阪府知事の「赤信号」とカールソンの「真実の瞬間」

今日も横浜商人舎オフィス。

昨日は大阪で講演の予定があったが、
新型コロナウイルス感染第三波のため、
急遽、中止となった。

主催者のみなさん、
いい判断でした。

大阪府は今日、
新型コロナウイルス対策本部会議を開催。
独自基準の「大阪モデル」で、
「赤信号」を点灯させた。
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吉村洋文大阪府知事は、
「医療非常事態宣言」を出し、
ツイッターでメッセージを発した。
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大阪府の重症患者は136人になって、
1カ月前の4倍に急増。

府内の医療体制はひっ迫している。

吉村知事のコメント。
「感染の山は
抑えられているかもしれないが
重症者はあとから増えてくる。
重症者が急に減ることはないが、
社会全体での陽性者を減らさないと
重症者も減らない」

その通り。

重症患者は急に減ることはない。
そのために日本全体で、
陽性者を減らす。

何度も何度も書いているが、
尾身茂さんの言葉。
新型コロナ対策分科会会長。
「新型コロナは、
人々の行動が
感染動向を左右する」

「社会全体の感染防止への意識が
低下していないか判断しながら
アクセルとブレーキを踏む必要がある」

何よりも大事なのは、
「社会全体の感染防止意識」

欧米に比べて日本は、
それでも社会全体の意識が高い。

それを政府や自治体は、
自らの成果にしてはいけない。

小売業やサービス業の営業も、
似たところがある。

従業員全体の顧客満足意識が、
低下していないか判断しながら、
経営のアクセルとブレーキを踏む必要がある。

これをヤン・カールソンは、
「真実の瞬間」と表現した。
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カールソンは、
スカンジナビア航空を立て直した経営者。
「私たちは毎日、5万回もの
“真実の瞬間”を持っている」

「真実の瞬間」は、
商品やサービスを提供する側と、
その提供を受ける側との接点のことだ。

「真実の瞬間」への配慮の総和が、
会社や店の業績となり、
地域や国の景気となる。

現時点で言えば、
「ウイルス感染防止」の一瞬の意識が、
真実の瞬間である。

一つひとつの「真実の瞬間」を、
おろそかにしないこと。

その意味で今日の大阪モデルの「赤信号」。
タイミングとして遅くはない。

大阪講演が中止となって、
私は原稿執筆に専念した。

さて、大原孝治さんが、
容疑者となって、
東京地検特捜部に逮捕された。
金融商品取引法違反(取引推奨)の容疑だ。
㈱ドンキホーテホールディングス前社長。
株式の不正推奨疑惑。

今年の4月に会ったばかり。
だからこの話題に、
触れないわけにはいかない。

創業者の安田隆夫さんとは、
㈱商業界の時代に何度かお会いしたが、
大原さんとは初めてだった。

詳しい事情がわからないので、
ノーコメント。

このまま起訴されるにしても、
あるいは容疑が晴れるにしても、
どちらにしても遺憾なことだ。

しかしこういった時にこそ、
人間の真価が問われるものだ。

朝日新聞「折々のことば」
第2010回。
出会った実例が、
はめこもうとしても
定義の枠をあふれるとき、
手応えを感じるのが、
学問をになう態度として
適切だ。
(鶴見俊輔『思い出袋』から)

226022
「権勢を手放したくない者、
面子(めんつ)を護(まも)ろうとする者は、
自らの主張を反証するような事例を
認めようとしない」

「これに対し、学問を志す者は
自らの仮説への反例の出現を歓迎する。
それによって真理に
より近い視点に立てるから」

感銘しつつ、首肯(しゅこう)する。

編著者の鷲田清一さん。
「辻褄(つじつま)合わせに走ったり、
反例を否認したりすることほど
反学問的なことはない」

反学問的どころか、
反政治的であるし、
反経営的であるし、
反実務的である。

鈴木敏文元セブン&アイ会長の「仮説と検証」も、
「出会った実例が、
はめこもうとしても
仮説の枠をあふれるとき、
手応えを感じる」という類の、
仕事のやり方である。

〈結城義晴〉

2020年12月02日(水曜日)

亀ヶ谷純子さんの「手紙」とノーベル平和賞の「人間の罰」

毎月、亀ヶ谷純子さんから、
達筆の手紙が届く。IMG_06310
美しい筆文字の手紙は、
それだけで価値がある。

㈱カメガヤ名誉会長。
神奈川県のドラッグストア。
主力の店舗バナーは「Fit Care DEPOT」

月刊商人舎を読んだ感想が書かれている。
IMG_06300
ありがとうございます。

カメガヤの第1号店は妙蓮寺店。
私が住んでいる街の駅前に、
今でもある。
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現在は90店舗を超えて92店。
シンプルで美しいドラッグストアの面展開で、
しっかりと地域に貢献している。

ドミナント展開してシェアを高めるには、
マルチフォーマット戦略が必須だ。
カメガヤは4つのフォーマットで、
それを果たしている。

第1のFit Care DEPOTは、
スーパードラッグストア。
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第2のFit Care Expressは、
ドラッグのエクスプレスストア。
expressImg01
第3のFit Care MARTは、
小商圏型バラエティストア。
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そして第4のmusée de peauは、
コスメティックメガストア。
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〈写真は同社ホームページより〉

私の地元のドラッグストア。
よく利用させてもらって感謝しているし、
頑張ってほしいところだ。

さて、今日は、
1月並みの寒さで、しかも雨模様。

しかし昨日はまさに小春日和だった。
IMG_06370
商人舎裏の遊歩道には、
枯葉が積もっている。
IMG_0636

オフィスのそばの新田間川。IMG_06180

サクラの枝の葉も、
茶に変色して、
虫食いの跡が見える。IMG_06190

その新田間川は穏やかだ。IMG_06210

横浜駅西口に向かって、
人が交差する。IMG_06230
新型コロナウイルス感染は、
第三波で最悪の状況にある。

しかし今年は暖かい冬だ。
自然はCOVID-19など、
どこ吹く風といった様子だ。

新型コロナウイルスは、
人間にだけ罰を与えている。

はて、私たちのどこがいけなかったのか。

朝日新聞「天声人語」
このところいいコラムが多い。

今日はノーベル平和賞の話。

あの安倍晋三前首相が、
ドナルド・トランプ大統領を、
推薦したとされた、あの平和賞。

「米国の大統領だったオバマ氏が
ノーベル平和賞に選ばれたとき、
世界各地からの反応を紙面に載せるべく
外電を探したことがある」

オバマ元大統領に対して、
「褒めそやす言葉ばかりのなか、
ポーランドのワレサ氏だけは違った」

1943年生まれのレフ・ヴァウェンサ。
現在、77歳。
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同国の自主管理労組「連帯」指導者で、
のちに第二代大統領に就任した。
その抵抗運動が評価されて、
ノーベル平和賞を受けた。

私はいまでも、
ワレサの「連帯Tシャツ」を持っている。

その人のオバマに対する言葉。
「早すぎる。彼はまだ
何もしていないじゃないか」

すごい。

当時のオバマ大統領の受賞理由は、
「核なき世界を目指す理念と取り組み」だった。

しかし結局は尻すぼみとなって、
ワレサ議長の危惧は的中。

コラム。
「ノーベル各賞のなかで、
平和賞はときに失望がついて回る」

ミャンマーのアウンサンスーチー女史。
「軟禁の身で賞に選ばれ、
民主化の星だった」
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しかしミャンマーの政権に就いてから、
「ロヒンギャ迫害は、
まれに見る人道危機となった」

さらに昨年の平和賞を受賞したのは、
エチオピアのアビー・アハメド首相。

「この国の政府と、
北部の政党ティグレ人民解放戦線との間で
軍事衝突が続いており、
民間人も含めて数千人が犠牲になった」

そのエチオピア政府を率いるのが、
アビー首相だ。

受賞の際の彼の演説。
「戦争を美化しようとする人がいるが、
戦争は関わる人全員にとって地獄の縮図だ」

コラムニスト。
「アビー首相の強硬姿勢が、
この地に地獄の縮図を
もたらしているのではないか」

結語。
「平和を後押ししようとする賞が空回りする。
そんな音が、聞こえるようだ」

やはりCOVID-19は、
人間の性(さが)に対して、
罰を与えているのだ。

私たちは謙虚に生活し、
ひたすら仕事に邁進し、
真の商売に徹したい。

それしかない。

小春日和から氷雨に変わった今日、
そんなことを考えた。

家に帰ったら白地に赤文字のシャツを、
引っ張り出してみよう。
「solidarność」

〈結城義晴〉

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