結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年02月19日(日曜日)

ジジとジサ[日曜版2012vol8]

ジジです。
20120219122137.jpg

ユウキヨシハルのおとうさん、
木曜日の夜、かえってきました。
20120219122127.jpg
でも、まだ、まだ、
とても、ねむそう。

ボクもつられて、
ねむくなります。
20120219124034.jpg

「時差(ジサ)」というんだそうです。
20120219124249.jpg

ジェット機にのれば8時間で、
サンフランシスコにつきます。
20120210190539.jpg
帰りは、10時間ちょっと。

問題のジサは、17時間。

日本の朝7時が、
むこうの午後2時。
20120219124912.jpg
いま、日本の午後3時は、
サンフランシスコの昨日の午後10時。

だから、10時間かけてかえってくると、
起きている時間が反対になる。
20120219124934.jpg

かえってくるまえの晩。
さよならパーティ。
20120215175012.jpg
フィッシャーマンズ・ワーフのカニ・レストラン。

おとうさんが最後の激励あいさつ。
20120215174926.jpg

それからおそくまでゲンコーとブログ。
ホテルのベッドは、ものおき場。
20120219124952.jpg

ねむかったでしょう?
20120219125002.jpg

朝、みんながそろって、
バスで空港へ。
20120219162848.jpg

そしてセント・フランシスコの空のみなと。
20120219162858.jpg

お別れのフォト。
20120215170706.jpg
ヒコーキのなかでも、
つかれで、ねむった。

でも今回はジサぼけ、
つよいみたいです。

ボクには、それはありません。
20120219125022.jpg
つまり、
ジジには、
ジサがない。

でもいつも、ねむくて、
しかたがありません。

おとうさんは、
きょうも、rikkyo。
20120219154310.jpg
おつかれさまです。

ウ~ン。
20120219125011.jpg
のびをして、
おとうさんのかえりを、
まちます。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2012年02月18日(土曜日)

棋士羽生善治「技術至上対極境地」とマック原田泳幸CEO「中食狙い」

朝日新聞将棋欄。
名人戦への挑戦権を争うA級順位戦を連載している。

その8回戦は羽生善治と谷川浩司。
羽生は第十九世永世名人。
谷川は第十七世永世名人。
どちらも中学生プロ棋士となった「超」のつく天才。

この二人の対戦記を書くのは剣記者。
「谷川の世代までは、
盤上には個々人の生き方が反映し、
技術や実力を発揮できるかは
人間力で決まるという考え方が支配的であった」

それを羽生が覆す。
「が、初期の羽生は盤上理論の解明に重きを置き、
将棋と人生は無関係という態度を貫いた」
このあたり、すこぶる面白い。

羽生も、1970年9月27日生まれの41歳。
「現在の羽生は、
技術至上の地平とは
対極の境地に立つ」

理論や技術を極めたから、
やっとその対極の境地に至ったのだと思う。

理論や技術を無視して、
人間力をのみ強調するのは、
それこそ大間違いだ。

年齢や経験に応じて、
理論や技術の習得が必須となる。
故渥美俊一先生がこの論者だったし、
私も同感だ。
私は三つに整理している。
理論武装、技術武装、
そ
して理念武装。
そのすべてが揃って、人間力経営となる。

理論や技術を軽視する人間力経営は、
精神論と蔑視されても仕方ない。

さて、読売新聞夕刊の『よみうり寸評』。
トマト大人気の話題を取り上げた。

「ナマはもちろんのこと、
近所のコンビニではジュースが売り切れていた」

「トマトに脂肪燃焼効果があるらしい」
京都大学が発表した健康効果の研究成果。

「実験結果から考えると、人の場合、
毎食時に200mlのジュースを飲まないと効果がない」

しかしトマトもトマト・ジュースも売れる。

「米国民1人当たりの年間トマト消費量は45㎏」で、
「日本の5倍」。
アメリカのトマト売場はすごい。
20120218173556.jpg
バークレー・ボウルのトマトとアボカド売り場。

そしてこちらはオーガニック・スーパーマーケットのホールフーズ。
20120219115353.jpg
トマトとアボカドの組み合わせが多い。

読売新聞のコラムにのったりすると、
またバカ売れする。

日経新聞朝刊の『人こと』に、
日本マクドナルドHD会長兼社長・原田泳幸さん登場。

「コーヒー販売のライバルは喫茶店ではなく
コンビニエンスストアなどの中食だ」

各紙が報じたが、昨日の17日、
主力商品「プレミアムローストコーヒー」の全面刷新の記者会見。

しかしこの発言、
スターバックスやドトールを、
無視したようなニュアンスがあって、
刺激的。

記事では、この発言の狙いを分析する。
「自宅で出来合いの弁当類を食べていた
単身者などの来店を促すことにある」。

しかし私には、本当の狙いは、
やはりスターバックスだと思われて仕方ない。

やり手の経営者のマスコミ発言には、
別の目的が潜んでいる。

「中食需要を取り込めば、まだまだ成長できる」
この発言も本意ではあろうが。

原田泳幸、1948年12月3日生まれの63歳。
経営には「個々人の生き方が反映し、
技術や実力を発揮できるかは
人間力で決まるという考え方」の真っただ中にある。

それにしても、中堅幹部の人材も揃った日本マクドナルド。
2011年12期売上高は前期比6.6%減の3023億円ながら、
連結営業利益は上場以来最高を更新。
2012年12月期も過去最高更新の予想。

「外食・内食の融合」は、
今年最大のトレンドだが、
それを正確にとらえている。

<結城義晴>

[追伸]
今週も結城義晴の毎日更新宣言、
ご愛読を感謝します。
みなさん、良い週末を。

2012年02月17日(金曜日)

コンビニ複数店ジー増加策とユニーのサークルKサンクス完全子会社化

日経新聞『文化往来』で、
角田光代さんの「曽根崎心中」を評論。

近松門左衛門が人形浄瑠璃向けに書いたものを、
翻案した同タイトルの小説。

書き終えた角田さんの述懐。
「恋を発展させた形が愛と思っていたが、
恋と愛は別物だと分かった」

英語で表せば、
恋も愛も、
どちらもlove。

「恋をまっとうさせると心中になる」
と、角田さん。

つまり、心中から逆に考察すると、
恋に至るのであって、
心中は愛からは起こらない。

シェークスピアのロミオとジュリエットは恋だった。
曽根崎心中の徳兵衛とお初も恋だった。

しかし十字架で磔されたイエス・キリストは、
愛だった。

心中を、自殺を、キリストは禁じた。

両者は全く正反対の概念だ。

44歳の直木賞作家角田光代が今、
そのことに気がついたということの方が驚きだが。

今日は午後、池袋の立教大学キャンパス。
20120217191755.jpg
入試も終わって、合格発表の時期。

蔦の絡まる1号館ボードに、
合格者の番号が掲示されていた。
20120217191735.jpg

さて、昨日の日経新聞の記事。
「コンビニ大手、複数店オーナー拡大」

複数の店舗を経営し、運営する加盟店オーナーの比率。
大手チェーン5社合計で、
2007年度末12%強が、
2011年度末20%強になる。

「総店舗数に対する複数店オーナーの店舗の比率は、
07年度末の約26%から11年度末は40%強まで伸びる」。

つまり複数店といっても、
一人で3店、4店、5店、10店と、
支店経営するオーナーがいるということ。
それを増やそうという動きがあるということ。

その複数店オーナー、
セブン-イレブンは少ない。
ファミリーマートは55%、
ローソンは50%。

我が商人舎の発起人の一人泉澤豊さんは、
その究極の達人。

セブン-イレブン加盟店から始めて、
複数店に挑戦。
同チェーンが複数店を歓迎していなかったので、
サンクスに乗り換えて、
経営する㈱CVSベイエリアは、
上場企業となった
。

このたびサークルKサンクスを離れて、
ローソンのエリアフランチャイザーに転身。

泉澤さんが先鞭をつけたようなものだが、
大手チェーン各社は、
「複数店オーナーに優遇策を導入」。
ローソンは積極的で、
2010年春から新しい制度を設けた。
名づけて「マネジメントオーナー」制。

4店舗以上を持つジーをこう呼ぶ。
現在、64人。

「ほとんどが法人経営で、
本部は人材育成や税務を指南する」。
新浪剛史さん、このあたり上手ですね。

さらに2店目以降の加盟金を減額する。

ファミリーマート。
「5店、10店と増えるごとに、
本部が利益に応じて支払う奨励金の率を引き上げる」。

あまり歓迎していなかったセブン-イレブンも、
一昨年の2010年に、とうとう、
「ロイヤルティ率の軽減幅を3ポイント引き上げた」。

コンビニのフランチャイズ・システム自体にも、
イノベーションが図られている。

しかしこれによって、
コンビニの店舗拡大はさらに加速される。
大手5チェーンの来期出店計画は、
約3400店で、過去最高。

「飽和状態が迫っている」

こう評されることを嫌うこの業界だが、
算数で考えても、それは否定できない。

複数店経営オーナーが増え、
エリア・フランチャイザーやマルチ・フランチャイザーが増加してくると、
次の戦略目標を定めねばならない。

考えられるのは、二つしかない。
第1は業態やフォーマットの新開発と転換、
第2は海外進出。
もう一つあるとすれば、
今日の日経新聞の記事。
「ユニー、サークルKサンクスを完全子会社化」
そう、コンビニチェーンとしての成長拡大はそこそこであっても、
グループの収益構造に大いに貢献してくれればいい。
この考え方。

ユニーは小売業界第5位、
チェーンストア第3位。

2011年2月3月期決算で、
第1位セブン&アイ・ホールディングス、
第2位イオン
第3位ヤマダ電機
第4位三越伊勢丹ホールディングス。

この4社に次ぐ第5位。

しかし、中部地方に本拠を置くこともあって、
マスコミへの露出度も低く、
実力に比べて評価は高くない。

私は、それが「ユニーの強み」だと思っているが、
そのユニーがコンビニ子会社のサークルKサンクスを、
株式公開買い付けで完全子会社化する。
目途は7月中旬で、サークルKサンクスは上場廃止。
サークルKサンクスの昨2011年12月末時点の店舗数は、
6248店。
堂々たる4ケタチェーンだ。

しかし先ほどのCVSベイエリアの離脱など、
事件も起こっている。

そこでグループ・シナジーの最大化を図る。
この戦略は正しい。
業界内からは「遅い」という声も聞こえているが。

私はいつも言う。
「正しいことをする場合、
いつだって、まだまだ遅くはない」

持株会社の名称は「ユニーグループ・ホールディングス」。
ユニーの前村哲路社長が会長兼最高経営責任者(CEO)、
サークルKサンクスの中村元彦社長が社長兼最高執行責任者(COO)。
これも今のところ、妥当な人事で、
これしかない。

当面はサークルKサンクスがユニー・グループを、
収益面で支えるに違いない。

セブン&アイ・ホールディングスにおけるセブン-イレブンのように。

サークルKサンクスは、
グループの相乗効果を活かしつつ、
飽和の中の二つの戦略を志向する。
記事にもあるように、
「早ければ来年中にもサンクスの海外1号店を出す計画」。

しかしこの面でも、出遅れ感は否めない。
それでも「正しいことをする場合、
いつだって、まだまだ遅くはない」

頑張ろう、前村さん。
ユニーの強みを活かして。

では、みなさん、より週末を。

<結城義晴>

2012年02月16日(木曜日)

RMLCの2012年テーマと「プロフェッショナル・ボランティア」

東京・横浜に雪。
昨日、サンフランシスコは16度。

この落差が、いい。

今回は若干、時差ぼけがあるが、
それも雪で吹き飛ぶ。

帰国しても忙しい。

今日は日本橋の日本スーパーマーケット協会で、
商業経営問題研究会の2月例会。
Retail management learning circle、略称RMLC。
今年最初の例会。

そこで、出席者全員で記念撮影。
(今日欠席の皆さん、悪しからず)
20120216205915.jpg

前列左から、前田章三さん、山口紀生さん、
私の右横は、高木和成さん、品川明さん、
その後ろが、井口征昭さん、杉田幸夫さん、
臼井旬さん、和田光さん、村上篤三郎さん。

今日は2012年の課題テーマについての話し合い。
今年のテーマの話し合い自体が、
現在の小売流通業の核心をついているから面白い。

RMLC世話人会からのテーマ・プレゼンは、
「小売業の『next stage』を年間テーマに設定」し、
研究し、まとめていこうというもの。

代表世話人の髙木和成さん(右から二人め)の進行のもと、
午後1時半から5時まで、濃密なディスカッション。
20120216205937.jpg

メンバーがそれぞれの問題意識を提示し、
それについて賛同したり、反論したりで、
3時間あまりが、あっという間に過ぎた。
20120216205927.jpg
最後に座長の私から、
ピーター・ドラッカーのポスト・モダンの7つの作法。
「見る、聞く」の徹底。
だからRMLCでは自分たちで見る場面を多く設けたい。
そしてゲスト・スピーカーを招いて、聞く機会を増やしたい。

ここからすべてが始まる。
そのうえで、議論し、考察する。
ほぼ年間方針が決まってから、
フリーディスカッション。

シニアマーケットの消費動向、
まいばすけっとをはじめとする小型店問題、
IT技術がいかに、次世代の小売業に影響を及ぼすかなど、
話題は尽きなかった。
20120216205948.jpg

今年一年の議論を通し、
次世代のスーパーマーケット構築の方向性が
見えてくる。

RMLCは、議論のための議論で終わらない。
今年もよろしく。

そして参加したい人がいたら、
ぜひ、申し出てください。

オープン・マインドがRMLCのモットー。
小売業のプロフェッショナルが集まったRMLC。
調査し、研究し、議論し、考察し、
提言する。

さて、日経新聞「大機小機」。
コラムニスト一礫氏が、
「答えの見つからない時代に」と題して、
明治維新後の時代時代の「答え」を書く。

第1に、「坂の上の雲」の時代。
「西欧に習うべし」。
明快な目標があった。

第2に、敗戦後。
「日本経済再建のための答えは、
国家と製造業にあった」。

そして第3が高度成長期。
「答えは大衆や消費者であり、
生活文化産業や流通業であった」。

私はこの部分に関心を持った。

流通業・生活文化産業が「答え」の時代があったし、
現在もその延長上にあるということ。

意外に、この産業自身が自覚していない。

ただしコラムニストは今、
「答えが見つからない時代」という。

その中であえて、
「いま、答えがはっきりしている所もある」。

「東日本大震災の直後、被災地には、
スコップ一丁を持って
被災者の支援に汗をかくグループの姿があった」。

コラムニストが示すのは「ボランティアの時代」。

「困った人がいたら助ける、
悲しんでいる人がいたら寄り添う。
答えは、探すまでもなく自明である」

しかし私は、ちょっと反論。
もうすこし、考察を深めてほしい。
ボランティアも尊い。
精神は。

だが、仕事を通じて、
ライフラインを守ることも貴い。
そしてそれが、
小売流通業・サービス業の本来の役割。

高度成長期の流通業とは異なる商業。
東日本大震災のあと、
私たちはそれを自覚し、確信した。

しかしもっともっとそれを、
高めねばならない。
どう高めるか。

ドラッカー教授はNPOと造語した。
「ボランティアの大勢が、善意のアマチュアから
スペシャリストとしての
無給のスタッフに移行した
ことは、
NPO自体にとって大きな変化であるだけでなく、
企業にとって大きな意味をもつ」
『チェンジ・リーダーの条件』にある。

例えば、茨城県の㈱カスミ。
店長が「5 a day」活動の一環として、
小学校で子供たちにレクチャーする。

すると店長が街を歩いているときに、
「せんせー」と呼びながら、
子供たちが群がり寄ってくる。

アメリカの先進的NPOのボランティアは、
自らの成果について、事前の目標に照らした評価を求める。

ドラッカーはこれを、
「ボランティアから無給のスタッフへの変化」と表現する。

アマチュアのボランティアよりも、
スペシャリスト、プロフェッショナルのNPO。

東日本大震災の後の今年、
小売流通業・サービス業から、
こんな「答え」を持った知識商人が、
排出されるに違いない。

負けるな、日本。
頑張れ、知識商人。

急に、思っていたことを、
言いたくなった。

<結城義晴>

2012年02月15日(水曜日)

サンフランシスコ空港までの総括講義in limousine「自ら変われ!」

帰国しました。
毎回のことですが、
大きな成果を上げて。

サンフランシスコ国際空港。
20120215170706.jpg
クォリティ&サービス進化型を求めての旅。
その第2回。
だからみんなで、
指で「Ⅱ」をつくっています。

同時に、「V」サイン。

気力が充実していることが、
この写真からも伝わってくるでしょう。
みなさん、「お元気様」です。

実はこれ、
今回九州から参加した㈱ハローデイのあいさつの言葉。

「お疲れ様」とあいさつすると、
疲れを助長してしまう。

だから「お疲れ様」という場面で、
「お元気様」を使う。

これも企業文化をつくっていくために、
ハローデイが徹していること。

いいですね。

みなさんの企業でも、
いかがですか?

現地時間午前7時半に、
サンフランシスコ・ヒルトンホテルを出発。
これもいつものことですが、
名残惜しい。

せめて、あと1日でも、
ここに、いたい。
この空気を吸っていたい。

そんな後ろ髪をひかれつつ、
帰国の旅立ち。

サンフランシスコ湾の朝日が美しい。
20120215170600.jpg

バスのなかで、最後の総括講義。
20120215170542.jpg
40分くらいがあっという間に過ぎる。

今回の総括講義は五つの構成になっている。

第1に、
クォリティ&サービス進化型のポジショニング。

これは今回全体を通した経営戦略視点。
テキスト全体をカバー。
ずいぶん難しいことをやるもんだとお思いでしょうが、
それがわからないと知識商人にはなれない。
ホールフーズのアソシエーツや、
トレーダー・ジョーのクルーに、
太刀打ちできない。

それに、
理解してしまえば、
そんなに難しくはない。

微分も積分も、相対性理論も不確定性原理も、
漠然とでもいい、一度理解するというプロセスを経たならば、
自分のものとなって、それについていくことができる。

初めから理解しようと思わないから、
安易で安っぽい概念に惑わされてしまう。
そしてそれが人を組織を、会社を、
井の中の蛙、ゆでガエルにしてしまう。

ニュートンの万有引力の法則は、
地球上の物理的現象は説明できるけれども、
宇宙の現象、時間の現象は、
アインシュタインの相対性理論にとって代わられた。
今ではそれが常識。

商売にたとえると、
お客様はニュートンでいい。
しかし商売する側は、
アインシュタインも知らねばいけない。
参加したみなさんは、
フォーマットとポジショニングのこと、
その時代性、
思い出してほしい。

「ああ、あんな考え方なんだ」と、
漠然と分かるだけでもいい。

セーフウェイのコンベンショナル型とニューライフスタイル型。
10年前のウォルマートと現在のウォルマート、
「フォーマットの違いとは、あれなんだ」と、
分かればよろしい。
そして今、そのポジショニングの競争が展開されているんだと、
知るだけでいい。

そこからスタートが切れるから。

「あれなんだ」が頭の中に浮かべば、
それは難しいことを理解したことになる。

私はずっと、それを、
いろいろな人に伝えてきた。
それが私の役目だと信じて。

総括講義の第2は、
ネイバーフッド・マーケティング。

このレジュメは、アルバートソンのアニュアルリポートから抜き出したもの。
全盛期の1990年代後半に、同社が一番輝いていた時の基本理念。
故磯見精祐先生が『食品商業』誌上に書いてくださった。

「ネイバーフッド・マーケティングとは、
お客様の喜びに参加して、
その一部をわけていただくことです」

「60年前、ジョー・アルバートソンは
ネイバーフッド(近隣)を走りまわって、
干してある三角巾のおしめを探しました。

これがわれわれのネイバーフッド・マーケティングの始まりです」
1930年代にスタートしたスーパーマーケットは、
「おしめを干す」ファミリーをターゲティングすることから、
自らのポジショニングをつくっていきました。

「今日の方法は(ジョーよりもちょっとだけ洗練されていて)、
科学的な技術と人間関係の芸術とを兼ね備えています」
お客様からスタートし、
お客様を知り、
お客様に奉仕するための、
テクノロジーとアートです。
「技術と芸術の両面からマーケットを見ると、
それはお客様が欲する商品とサービスを、
それぞれの近隣ごとに
用意しなければならないことを示しています」

トレーダー・ジョーの店は367店舗がそれぞれに、
自分のネイバーフッドのために、
店づくりし、品揃えしている。

まさにポジショニングの5つの方法を実践している。
それでいて、一つひとつの店は、
すべてがトレーダー・ジョーそのものだ。

「われわれはネイバーフッド・マーケティングを、
それぞれの店をあたかもただ一つの店として

運営するために活用しています」
一つひとつの店が、
あたかも「たった一つの店」のごとく、
運営されなければならない。

世界で1万店を超えたウォルマートでも、
この合言葉を言い続けている。
「我々は最大の企業をつくろうとは考えていない。
地域の1店1店を
その地域で最良の店にしようとだけ念じている」

アルバートソンのネイバーフッ・ドマーケティング。
「統計や数値は、
わが社がお客様の望む商品とサービスを提供する上で、
大きな手助けとなっています」
計数管理や部門別管理、POSデータや顧客情報データは、
大きな武器だ。

「しかし、われわれはもうひとつ別の方法を持っています。
それは地域社会とアルバートソンの店舗とのあいだの人間関係であって、
これは統計から発見される方法より
はるかに貴重なものを与えてくれます」
店と地域コミュニティとの人間関係こそ、最も貴重なもの。
これをカスタマー・リレーションシップ・マネジメントという。
略して、CRM。
ほんとうによく使われる概念。

「ジョーは常々、言っていました。
『会社が従業員に気を使えば、
従業員はお客様に気を使うものだ』と」

アルバートソンのネイバーフッド・マーケティング。
いま、この考え方に最も忠実な企業が、
トレーダー・ジョーとホールフーズである。

総括講義の第3は、
ロイヤルカスタマー。

日本語で言う「お客様」は二つに分かれる。
ひとつは消費者(Consumer コンシューマー)。
ひとつは顧客(Customer カスタマー)。

前者は一見客、後者は常連客。
カスタマーの中で店と強い絆で結ばれた顧客を、
「ロイヤルカスタマー」という。
「その店、その企業の商品やサービスに満足し、
繰り返し利用してくれる顧客」。

現代のコンテスト型競争は、
「ロイヤルカスタマー獲得競争」と
言い換えてもいい。

レース型競争を志向すると、
一番強いチームしか応援しなくなる。
「巨人大鵬卵焼き」の時代がそれだった。

そして「一番強い」や「一番安い」は、
遷(うつ)ろう。

㈱セブン&アイ・フードシステムズ社長の大久保恒夫さん。
㈱成城石井社長時代からの口癖。
「価格で引っ張ったお客様は価格でとられる」
これ、レース型競争の真理。

今も「レース型競争」を続けている会社や店がある。
もちろん「価格志向」も必要だ。
何しろ世界最大企業のウォルマートがそれなのだから。

しかし、「価格志向」は最後には、
「量と規模」がモノを言う。
世界最大のウォルマートがそれだ。

しかし現在、どの店もロイヤルカスタマーに支えられている。

浅田真央がちょっと失敗しても、
ファンはその失敗すら心配し、応援してくれる。

そんな店にならなければいけないし、
そんな店になりたい。

それがロイヤルカスタマーづくり。

総括講義の第4は、サービス。
「もしあなたが
顧客にサービスを提供する仕事に就いていなかったら、
顧客にサービスを提供する人に
サービスを提供するよう行動しなさい」

カール・アルブレヒトの言葉。

不思議なくらいに効果がある。
これを徹底して実践できたならば。

そして第5にイノベーション。
ドラッカーの『イノベーションと企業家精神』(1985年)から。
「イノベーションとは、
人的、物的、社会的資源に対して、
新しい、より大きな富を生む能力を
与える仕事である」

新しくて、より大きな「富」。
「富」とは、「利益」ではない。
英語ではwealthと言うが、
古くは「幸福、福利、繁栄」といった意味をもつ。
つまり「幸せ」のようなもの。

それを「生み出す」、そのための「能力を与える」。
つまりマネジメントする。

この全体の作業がイノベーションということになる。

「イノベーションとは、顧客にとっての価値の創造である。
それは科学的・技術的重要度ではなく、
顧客への貢献によって評価される」

「イノベーションの必要性を最も強調すべきは、
技術変化が劇的でない事業においてである」
小売業やサービス業の現場の仕事、
これこそ「技術変化が劇的でない」分野だ。

そんな現場でこそ、
イノベーションは最も強調して、
繰り返し、重要性を言い続けられねばならない。

そして最後に、人間が持つ4つの特性。
コーネル大学のウィリアム・ドレイク先生の教え。
①Personality [個性・性格]
②Preference [好み・嗜好]
③Behaviors  [行動・態度]
④Perception [認識・知覚]

このなかで、①と②は変えることができない。
人間がそれぞれに、もともと持っているものだから。
変えることができない以上に、
もっともっと大きく伸ばすものだ。

しかし、③と④は変えられる。
④のPerceptionはちょっと難しい。
自分自身の「理解力や直覚力」、
他人から「知覚されたもの、心像(心の像)」など。

そして、③の行動や態度は、変えられる。
だからまず、Behaviorsを変えよう。
コーネル大学では、そう訴える。
私も、行動を変えよう、
態度を変えようを強調する。
それは誰でもできることだから。
いつでも始められることだから。
そうしなければ、人はついてこない。

だから、「自ら、変われ!」
自分が変わらねば、
仲間を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
店を変えることは出来ない。
自分が変わらねば、
会社を変えることは出来ない。

そして自分が変わらねば、
社会を変えることは出来ない。

自ら、変われ!
何を変えるか?

まず、 Behaviors。
そうすればやがて、
Perceptionも変わってくる。

最後の最後はラインホールド・ニーバーの[祈り]
変わるものを、変えられる勇気を、
変わらぬものを、受け入れる心の静けさを、
それらを見分ける英知を
お与えください。

ご清聴、感謝。

バスはちょうど、サンフランシスコ国際空港に到着。
20120215170650.jpg

空港はずいぶんすいていて、
あっという間にチェックインが済んだ。
20120215170634.jpg

そして、チームごとに写真。
teamworkよろしい㈱阪食のメンバー。
20120215170801.jpg
前列左から、愛宕敏光さん、豊中ブロック部長、
白間千恵子さん、顧客サービス部、
岸部昌浩さん、第2商品部農産課チーフバイヤー、
後列左から、岡田昌彦さん、商品統括部日配チーフバイヤー、
守行毅さん、阪急オアシスえるむプラザ店店長、
㈱阪食デリカから池田洋一さん、商品部部長。

㈱エブリイは5人の幹部。
20120215170744.jpg
左から、山本行雄さん、執行役員福山地区統括、
長谷川和彦さん、執行役員デリカ部長、
永谷真次さん、取締役経営企画部部長、
小林史郎専務取締役、
そして岡崎真悟さん、エブリイ外食部門の㈱ホーミイダイニング経営企画室長。

㈱ハローデイの「お元気様」衆。
20120215170722.jpg
左から、拝上強さん、商品部デリカ課バイヤー、
鹿島和久さん、商品部青果課エリアバイヤー、
横山修さん、スーパーバイザー部部長、
岡部繁宏さん、商品部デイリー課バイヤー、
高嶋祐作さん、施設管理部係長。

朝日を浴びる㈱サンシャインチェーン本部の皆さん。
20120216105953.jpg
左から、豊田洋人さん、生鮮商品部惣菜課課長、
下八川護さん、執行役員店舗開発部長、
荒井茂雄さん、青果産直部マネージャー、
遠藤美紀さん、ベルティス店チェッカー主任。

そしてもう一度、全員写真。
20120215170706.jpg
これから、始まる。
ここから、始まる。

私たちの物語。

サービス&クォリティ進化型へのイノベーション。

Thank you, so much!

<結城義晴>

2012年02月14日(火曜日)

ネイバーフッド・グロサリーストア「トレーダー・ジョー」熊さんインタビュー

ロサンゼルス・ステイプルズ・センターで、
第54回グラミー賞授賞式開催。

アカデミー賞が映画であるのに対して、
グラミー賞は音楽。
アデルが、6部門で受賞。
イギリス人女性シンガー・ソングライター、23歳。

対照的だったのが、
48歳で急逝したホイットニー・ヒューストン。

グラミー賞授賞式では、追悼の映像が流れ、
映画「ボディガード」の主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー」が、
ジェニファー・ハドソンによって熱唱された。

“and I will always love you.
I will always love you”

よかったですね。
ケビン・コスナーと共演した「ボディガード」は、
私も好きな映画で、
ホイットニー・ヒューストンの歌も素晴らしかった。

月並みな言い方だが、
ほんとうに、もったいない。

自分よりも年下の才能が消えていく。
そんなことが起こり始めた。
不思議な気分だ。

合掌。

今日、日本は、
バレンタインデー。

しかしサンフランシスコは、
月曜日の2月13日。
もう、最後の視察日。

今回の参加メンバーは、4社。
関西の㈱阪食、
中国地方の㈱エブリー、
四国の㈱サンシャインチェーン本部、
そして九州の㈱ハローデイ。

ともに切磋琢磨して、それぞれの、
クォリティ&サービス型スーパーマーケットをつくる。
それも日本最先端のモデル開発。

これが目的。

アメリカのスーパーマーケットの歴史は、
1859年に遡る。
ザ・グレイト・アメリカン・ティ・カンパニーの創業。
この会社がスーパーマーケットの前身グロサリーストアとなる。
同社はやがてA&Pと社名を変え、
1930年には1万5000店の大チェーンストアとなる。

1916年には、セルフサービス・システム
が開発される。
クラレンス・サンダースの「ピグリー・ウィグリー」。

1930年、マイケル・カレンの革命によって、
グロサリーストアはスーパーマーケットへとアップスケールし、
最強の業態となる。

それから第二次世界大戦を経て、50年。
1980年代に入って第二の革命が起こる。
それが業態の多様化であり、
フォーマットの分化である。

この時に誕生したのが、
第1にスーパーストア、
第2にコンビネーションストア(フード&ドラッグ)、
第3にクォリティ&サービス・タイプ、
そして第4にリミテッド・アソートメント・ストア
。

それから30年、
スーパーストアやフード&ドラッグはもう、当たり前となって、
コンベンショナル型(伝統型)と位置付けられるようになってしまった。

現在、好調なのは、後ろのふたつ。
ひとつはクォリティ&サービス進化型である。
ホールフーズマーケットやウェグマンズ、ナゲット・マーケットがこれで、
いまや7万平方フィート(2000坪)にまで店舗拡大している。

そしてもうひとつがリミテッド・アソートメント進化型。
その典型が、トレーダー・ジョーとアルディ、
さらにフレッシュ&イージーがどうやら間に合いそう。
こちらは1万平方フィート(約280坪)の小型店。

私たちは今回、このクォリティ&サービス型の進化型を追求しつつ、
研究と勉強に励んでいる。

さて、サンフランシスコ視察も最終日。
ダウンタウンのトレーダー・ジョー、
セーフウェイとトレーダージョーが核店舗のライフスタイルセンター。
そして最後の最後は商売の原点を確認するために、
バークレーボールへ。

その中から、朝一番で訪れたトレーダー・ジョーを紹介しよう。
マンハッタン店に次いで全米で2番目の売り上げを誇る。

20120214182918.jpg

あいにくの雨。
今シーズンは雨不足で、
久々のお湿りらしいが、
風も強く、体が冷え込むほど。

月曜の9時という時刻にもかかわらず駐車場は満杯。
道路には10台ほどの車が列をなして入店を待っている。
トレーダー・ジョー強し。

20120214182929.jpg

クルー・スタッフのベアさんが、
われわれを迎えてくれた。
名前の通り、優しい熊さんのよう。
20120214182955.jpg

「トレーダー・ジョーは、
ネイバーフッド・グロサリーストア。
日常生活に必要なベスト・フードをベスト・プライスで提供する」

これはエブリデーグッズ、エブリバディ・グッズを、
ポピュラープライスで販売しているということ。

そして、A&Pのグロサリーストアと、
クラレンス・サンダースのセルフサービスと、
マイケル・カレンのスーパーマーケットと、
1980年代のリミテッド・アソートメントを、
正当に受け継ぐフォーマット。
「367店の2番目の売上げを稼ぐ」
一番はニューヨーク・マンハッタンのユニオンスクェア店。

トレーダー・ジョーの年商は、
推定85億ドル(100円換算で8500億円)。

「40フィートのトラックが1日に4~6回、
商品を満載して運んでくる」
20120214183020.jpg

「われわれは生産者、メーカーからキャッシュで直接買い付ける。
だから20~30%安く仕入れて、販売することができる」

トレーダー・ジョーでは通常、
280坪の店を70~80人体制で運営するが、
この店は、300坪強の店舗にもかかわらず、
175名のクルーが働いている。

10人のマネジャー、スーパーバイザーがフルタイマー。
他はパートタイマーだが、週40時間働く人もいる。
20120214183036.jpg

日曜と月曜は多くのお客が押し寄せる。
だからナイトクルーたちは、
夜9時から翌1時まで、開店準備作業を行う。
翌日は、8時開店にもかかわらず
早朝4時には、フルメンバーが準備態勢のためにやってくる。

カリフォルニアの最低時給は8ドルだが、
トレーダージョーは10ドルから始まって、
最高20ドルの時給を支払っている。

しかもこの店は、発注作業も上手に割り振って、
全員のモティベーションを高めている。
パートタイマーがその信頼にこたえて一生懸命働いてくれる。

ベアさんが自ら店内ツアーをしてくれた。
20120214183101.jpg

トレーダー・ジョーでは、すべての店の壁面デコレーションから、
トップ・パネル、サイン、POPが異なる。
20120214205933.jpg
店ごとにアーティストが雇用されていて、
地域の特徴や風景、歴史が描かれる。
顧客に「私の店」と思ってもらうためだ。

バレンタインの花のディスプレー。
20120214205918.jpg

バックヤードも見せてくれた。
20120214183127.jpg
すごい在庫量だが、それが1日1回転する。

屋外で再び、ベアさんのインタビュー。
20120214183157.jpg
トレーダー・ジョーはリミテッドアソートメント・ストア。
1万平方フィートの店舗に3500SKUの商品をそろえる。
その80%ほどがプライベートブランド。

年間150~200アイテムが廃番になり、
250~300ほどのニューアイテムが投入される。
1週間に8アイテム。

1週間置いて売れないものは、
すぐに絞られていく。

この店では毎週、スタッフ全員のための試食日を設け、
25種類ほどの新商品を食べる。
新しい商品の味を確認し、売り方を考えるためだ。
新商品はエンドに積まれ、徹底的に売り込まれる。

3500SKUの限定された枠の中で、
商品は水の流れのように常に入れ替わっている。
それがトレーダー・ジョーの魅力を作っている。

質問にも丁寧に答えてくれた。
20120214183229.jpg

ベアさんのインタビューを似顔絵付きで記録。
サンシャインチェーン本部の遠藤美紀さん作。
実によく似ている。
20120214183256.jpg

最後に握手して、写真。
20120214183310.jpg

クォリティ&サービス・タイプのスーパーマーケットも、
トレーダー・ジョーの要素を採用しなければいけない。
学ばなければならない。
予断だが、日本のスーパーマーケットで、
トレーダー・ジョーに最も近い企業は、
成城石井だと思う。

価格政策を変えたならば、
日本型トレーダー・ジョーが誕生する。
私はずっと、そう考えている。

熊さんのようなベアさんに、
心から感謝。
(つづきます)

<結城義晴>

2012年02月13日(月曜日)

聖バレンタインデー百花繚乱、アメリカ小売業の売場パノラマ紹介

Everybody! Good Monday!
[2012vol7]

とは言っても、私は今、
サンフランシスコのヒルトンホテル。

日本とは17時間の時差で、
夜と昼が逆転しているにも関わらず、
こちらの私自身の生活も、
若干の昼夜逆転現象。

体は疲れ切っているものの、
気力は充実。
動き回っている。

その中で昨日は、
4000字ほどの機関誌連載原稿を書き下ろした。
タイトルは、
「ナゲットマーケットのディレンマ」
面白いですよ。

ブログ公開も、
日本時間のギリギリが連続。

このスリリングさは、自分自身、
全く問題にはならないのだけれど、
書かねばならないテーマや書きたい材料が、
手元に満載しているのに、
それを書けない。

こちらの方が、ストレスは大きい。

「毎日ブログ」仲間の佐藤勝人さんがかつて、
自戒を込めて書いていた。
㈱サトーカメラ専務にして、
超売れっ子コンサルタント。

「毎日ブログがマンネリになってくると、
自己宣伝とコピペが増える」

私にはそれがない。
今の私は、書きたいのにかけないディレンマ。
紹介したいのに、それができないストレス。

時間との闘い。

などと書いている間に、
書けばいいのに。
そんな言葉を自分に投げかける。

月曜日から愚痴ですみません。

一昨日の土曜日2月11日は、
サクラメントからサンフランシスコに移動しつつ、
ウォルマート環境対策店スーパーセンターを訪問。
それからウォルマートのライバルのターゲット。

この2社はフィリップ・コトラーいうところの、
マーケット・リーダーとチャレンジャーの役割を、
見事に果たしている。

それからホールフーズの既存店、
ナゲットマーケットのエルクグローブ店、
レイリーズのエルクグローブ店など視察。
レイリーズではジャッキー副店長にインタビュー。

そしてサンフランシスコに到着。
昨日は、レインボー・グロサリー、
コストコ、ホールフーズ、セーフウェイのコンベンショナル型、
そしてサンタナ・ローのライフスタイルセンター、
さらにダウンタウンに戻ってきて、
小型店の秀逸店舗を二つ。
ホールフーズとフレッシュ&イージー。

小型店にはほぼ決着がつきそうな気配。
これも本当に定点観測してきてよかった。

さて、今週は2012年第7週、
2月第3週。

明日は、セント・バレンタインデー。
こちらでも、バレンタイン売り場百花繚乱。

St.Valentine’s dayの始まりはローマ時代にさかのぼる。
西暦269年、ローマ皇帝はキリスト教を迫害していた。
このとき殉教した聖ウァレンティヌスに由来して、
バレンタインデーが設けられた。

こちらでは、女性から男性へ、というわけではない。
男性からも女性からも。
つまりは「愛の交換」の日。

だから日本よりも盛大な売り場となる。

チョコレートを贈るというだけでもない。
まず花、そしてカード、さらにケーキ。
花とカードが重要となる。

日本でもそちらの方向に誘導してもいい。
というとチョコレートメーカーの皆さんに叱られるかもしれないが。

そのチョコレートは、
イギリスのキャドバリー社の仕掛けで始まった。

小売業は品目を広げていくのがいい。
顧客は贈り物の「差異」を出したい。
だからチョコレートを中心にして、
花やカードから菓子、酒、惣菜、食品全般に拡大していく。

バレンタイン商品を提供する店のユニークさ、
店の広がりが喜ばれる。

どこまで広げるの?

そのくらいの自由奔放さはあっていい。
要は「自分が贈る」つも利で仕事に臨むことが大切。

それを売場や商品に表現する。
小売業は楽しいな。

明日に先立って、
アメリカの聖バレンタインデー売場をご紹介しよう。

まずは王者ウォルマート・スーパーセンター。
20120213224304.jpg
ご存知、世界最大の企業にして、
世界最大の小売業。
2011年1月期国内年商4189億ドル。

こちらはいたるところでバレンタインを訴求。
20120213224357.jpg

主通路でのプロモーション。
20120213162459.jpg

グロサリー売り場のゴンドラアイル2列を使った展開。
20120213224422.jpg

衣料品売り場でもバルーンをあげてプロモーション。
20120213224322.jpg

ギフトカードの展開もピンク一色でド派手。
20120213224337.jpg

アクセサリー売り場では、
カップルが指輪を選んでいる。
20120213230528.jpg
ウォルマートは、全開で楽しんでいる。
その総合性をいかんなく発揮している。

バレンタインデーには、
その店、その会社のマネジメントレベルが現れてしまう。

そしてウォルマートの対抗企業ターゲット。
全米小売業第3位で、年商658億ドル、1750店。
20120213162524.jpg

ゴディバのチョコなどを品ぞろえする祭事コーナー。
20120213162647.jpg

ギフトカード・コーナーは上品に仕上げられている。
ド迫力と上品さが、ウォルマートとターゲットの違い。
20120213162723.jpg

メンバーシップ・ホールセールクラブのコストコ。
全米小売業第6位。
国内年商590億ドル、412店。
世界年商では、784億ドルで、
これはウォルマートに次いで第2位。
20120213220642.jpg

こちらは入り口にフラワーギフトの大展開。
20120213220655.jpg

一つ一つがボリューム感のある花束。
20120213220712.jpg

そして 酒とチョコレートの商品訴求。
余計な飾り付けは一切しないが、
迫力がコストコの「差異性」を物語る。
20120213220721.jpg
ここまでが総合品揃えの大型店。

次にスーパーマーケット。
ホールフーズはもう、
アメリカのスーパーマーケットの代表といってよい。
特殊なオーガニック・スーパーマーケットではない。
ホールフーズがメインストリームになってしまった。
何しろ1ドル100円換算で1兆円を超えたのだから。
年商101億ドル、311店舗。

そのホールフーズ3店三様。
第1はサクラメントのホールフーズ。
既存店の1500坪中型店。
地域になじんでいる。
20120213161345.jpg

朝8時過ぎの訪問のため、 ディスプレーの作業中。
チューリップを円形の平台に並べ、
台の下はホールフーズのオリジナルエコバッグで飾り付け。
20120213161431.jpg

第2に、このサンノゼのホールフーズは、
ショッピングセンターの中の大繁盛店。
コストコ、トレーダー・ジョーなどが入ったパワーセンターに隣接。
20120213220750.jpg

これがバレンタイン島陳列の出来上がりの姿。
こちらは鉢のみでデコレート。
20120213223340.jpg

もう一つ、第3に、ダウンタウンにあるホールフーズ1万平方フィート小型店。
入り口にディスプレイ。
20120213222902.jpg

店内に入ると正面に小さくプロモーション。
20120213223400.jpg

全米第2位のスーパーマーケットセーフウェイ。
年商411億ドル、1694店。
20120213220852.jpg

古いタイプの店、すなわちコンベンショナル型だが、
意外に華やかな展開。
20120213220930.jpg
新しい店も古い店も、
バレンタインデーには関係ない。
古女房も新しい恋人も、
関係ないのと同じ。

地元のローカルスーパーマーケットレイリーズ。
サクラメントではシェアナンバー1のローカルチェーンの雄。
132店で年商31億ドル(100円換算で3100億円)。
20120213163240.jpg

この店の展開はすごい。
20120213162849.jpg

天蓋にプレゼンされたピンクの鉢植え。
20120213162825.jpg

青果売り場ではバルーンが上げられ、華やか。
20120213162913.jpg

見てください、この徹底ぶり。
20120213163152.jpg

チョコレートのコーナー。
20120213163335.jpg

車を使ったディスプレイ。目を引く。
20120213163308.jpg
ローカルチェーンでも、ナショナルチェーンでも、
インディペンデントでも、
そんなことは関係ない。

要は自分で楽しむこと、
そして自分の顧客を楽しませること。

ナゲットマーケット・エルグローブ店。
20120213162748.jpg
ナゲットは12店舗で、年商3億0100万ドル。

入ってすぐにバレンタイン・プロモーション。
20120213231615.jpg

左手の花売り場との連動。
意外にシンプルというか、
この店は楽しんでいない感じ。
20120213231416.jpg
ナゲット、全体に元気がない。

最後は、フレッシュ&イージー。
サンフランシスコダウンタウンの店。
イギリスのテスコがアメリカに進出してきた1万平方フィートの小型店。
20120213221220.jpg

この店はフレッシュ&イージーが、
今後、成功を収めるだろうことを予感させる。
入り口にフラワーギフトでバレンタインをアピール。
20120213221233.jpg
こちらは小型店なりのバレンタイン展開。

楽しそうですね。
みんな、自分がパートナーや恋人に贈る気持ちで、
売場をつくっている。

それがいいのです。

みなさんも、同じ。
では、Good Monday!

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
商人舎チラシ研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年9月
日月火水木金土
« 8月  
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.