結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2011年04月26日(火曜日)

「小売業態別3月売上高」百貨店、総合スーパー、コンビニ、スーパーマーケット、フードサービス「際だつ明と暗」

今日は3月売上動向。
自動車メーカー8社の国内生産台数は、
38万7567台。
これは前年同月比マイナス57.5%で、
過去最大の落ち込み幅。

これまでの最大減少幅は、
金融危機後の2009年2月のマイナス55.9%。

生産台数も2009年2月を下回り、過去最低だった。

トヨタ自動車は前年同月比62.7%減の12万9491台。
単月の生産台数、過去最低。
日産自動車もマイナス52.4%。

同じ8社の輸出台数もマイナス26.3%減、
台数にして29万3413台。

さらに、4月以降の予測も、
この落ち込み幅が拡大する。

一方、日用雑貨品は「震災特需」。
3月の異常消費。

震災後の消費マインドと計画停電を反映して、
3月度の小売業の売上は、明暗がくっきりと出た。

「総合スーパーの販売統計」。
日本チェーンストア協会が4月25日発表。

62社8045店舗の総売上高は、
1兆105億4645万円。
前年同月比0.3ポイント上回り、
2カ月連続で増加。

食料品が6536億6000万で、前年同月比プラス3.5ポイント、
衣料品は906億3800万、マイナス16.0ポイント、
住関連は2003億5400万、マイナス0.3ポイント。

そんな中でも日用雑貨品は、
プラス5.1ポイント。

これらの数値も、
前月に比べれば4%~13%増となっている。

衣料品、耐久財、外食は低調だったものの、
食料品、日用雑貨、防災品、
それに自転車、スポーツウェアなどが良く売れた。

一方、「コンビニエンスストア統計調査月報」。
日本フランチャイズチェーン協会発表。
被災地の店舗を除いた、
既存店の売上高は、6465億9700万円。
前年同月比7.7ポイントと6カ月連続増加。

来店客数は10億5295万人で
5カ月ぶりにマイナス0.6ポイントながら、
平均客単価は614.1円と、
8.3ポイントの大幅プラス。

とりわけ、非食品が23.8ポイントのプラス。
乾電池、ティッシュペーパー、トイレットペーパーなどなど、
水やカップ麺と同様、防災グッズの売上げが貢献した。

さらに、「全国百貨店売上高概況」。
日本百貨店協会発表。

89社259店の売上高は4624億7000万円、
前年同月比マイナス14.7ポイント、
大幅マイナス。

衣料品マイナス19.2、身の回り品マイナス19.8、
雑貨マイナス13.6、家庭用品マイナス10.0、
食料品ですらマイナス8.2。

被災店舗の復旧作業による臨時休業、売場閉鎖、
計画停電による営業時間短縮、
全国的な自粛ムードと、
百貨店業界は震災の影響をまともに受けた。

影響を受けたのは外食も同じ。
日本フードサービス協会の「外食産業データ」。
200社30860店の概況は、
対前年同月比で売上は89.7%、
客数91.0%と過去最大の落ち込み。

ファストフードは売上げ・客数ともにマイナス8.3ポイント、
ファミリーレストランは売上げ9.4、客数マイナス8.9、
パブ・居酒屋は売上げマイナス19.8、客数マイナス18.2、
ディナーレストラン、マイナス19.5、客数マイナス18.3、
喫茶が売上げマイナス10.7、客数マイナス9.7。

95年1月の阪神大震災でも、
前年比100.5%と外食の前年割れはなかった。
今回の大震災による被害の影響は、
それほど甚大だった。

特に、交通網マヒによる食材配送の停滞や計画停電、
外国人従業員の国外退避などによる
営業日数、営業時間の大幅減が大きく影響した。

最後に、食のライフラインを支える業態、
「スーパーマーケット販売統計」
本日午後、スーパーマーケット協会3団体の記者会見。

社団法人新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)、
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、
日本スーパーマーケット協会(JSA)の3団体、
262社7120店舗の概要。

3月の実績と4月の景況感調査について、
AJS専務理事の松本光雄さんが説明。
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3月の売上高は、7513億5133万円で、
昨年同月比プラス3.6%。

食品合計が6373億2726万円で、プラス5.0%。
そのうち、生鮮3部門が2322億3712万円で、プラス2.6%。
青果は937億7591万円、プラス4.2%と好調。
畜産も727億9432万円、プラス4.3%を記録。

ただし水産だけは福島原発の影響があってか、
656億6688万円で、マイナス1.4%と後退。

惣菜は、616億4594万円でプラス1.8%。

一般食品・その他は、3434億4420万円でプラス7.4%。
これはもちろん、「買占め」の結果。

そして最後に、非食品の合計は1140億2408万円で、
マイナス0.3%だった。
このマイナスは、寒さで春物衣料関連が伸びなかったため。

スーパーマーケットにも、
震災特需による集中購買が起こった。

それがプラスの要因。

4月の景況感調査では、
これまでにない特異的な動向がみられるという。

3カ月前との比較では、
売上判断・収益率判断・客単価、
いずれも上昇した。

逆に、今後2~3カ月の見通しでは、
「すべての項目、すべてのエリアで暗い」という答え。

3月の異常な欠品状態は、
少しずつ改善してきている。
企業によって、調達能力に格差があったが、
納豆や牛乳、発酵乳製品は復活してきている。

ただし、夏に向けてとなると、話は別。
電力不足などさまざまな要因で、
再び欠品となる可能性は大きい。
生産能力そのものが落ちている今、
メーカーは主力商品にしぼって生産する必要があると、
松本専務理事は指摘する。

今月のゲストスピーカーは、
オール日本スーパーマーケット協会の井上保副会長。
㈱関西スーパーマーケットの代表取締役社長。

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関西スーパーでは、
顧客が東日本方面へ物資を送るための需要が大きかった。

水道水の放射能問題で、例にもれず、
異常なまでに棚がすっからかんになった。
ただ、これは、
関東にいる家族に送るという理由での購買が大半。

16年前の阪神淡路大震災を経験した関西エリアの人たちは、
今回の震災を身近に感じているようだ。

「義援金の箱はまだなの?」
「今だけじゃなくて、これからも義援金集めを続けて!」
といった声が寄せられている。

そして実際に
以前の数十倍の義援金が集まっている。
避難している人を受け入れてもいいという人も多い。

東日本と西日本では温度差があるのは確かだが、
なんとかしたい、協力したいと思っている人は、
阪神淡路大震災の被災者には特に多い。
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営業状況としては、関西では落ち着いてきた。
普段通りの商いに戻っている。
予定されていた小麦粉の値上げもあり、
需給バランスが崩れているので、
今後の商品価格は、
必然的に上がると予想される。

値上げにならなかったとしても、
特売はできなくなるだろう。
また、国内でまかなえない分は、
海外での調達もあり得る。

福島原発の問題を収めてくれたら、
この状況は落ち着くだろうけれど、
「今後はまったく読めない」。
風評被害や商品に対するクレームもある。

「正確な情報を発信し、
お客に安心してもらえる商売をしなければならない」
井上さん、いいことを言う。

そのために、現地生産者に店頭で説明してもらうなど、
関西スーパーではさまざまな対策を検討している。

小売業の業態別に、明暗くっきり。
コモディティ需要が見直された。

しかしコモディティからもういちど。
これは原点に戻ること。

かつてのコモディティからもう一度と違うのは、
「最良のベーシック」を基調としていることだ。

5月12日(木曜日)、リーガロイヤル大阪で、
「チャリティセミナー・商人支援プロジェクト」が開催される。

私はそのトップバッターで講演する。

ご参集をお願いしたい。

<結城義晴>

2011年04月25日(月曜日)

「抱きしめたい平凡」と「ゴールデンウィークの仕事」

Everyday! Good Monday!
[vol17]

2011年第17週、4月最後の週にして、週末から5月。
つまり今週末からゴールデンウィークに入る。

今年のゴールデンウィークは、
人々の生活が、例年とは変わる。

動き方が変わり、暮らし方が変わり、
食べ方や住まい方、着方、使い方が変わる。

しかも、
その動き方、
暮らし方、
食べ方、
住まい方、
着方、
使い方の変化は、
一人ひとり、異なる。

その公約数をいかに見つけ、
いかに対応するか。

ただし、東北関東大津波大震災のあとの黄金週間。
日本人のマインドは一致し、一貫している。
郷土愛に近い「ナショナリズム」のようなものが、
強まり、あるいは芽生えた。

被災地や関東圏など、
震災に深くかかわった地域も、
西日本などそれ以外の地域も、
多少の温度差はあれ、
この「ナショナリズム」は一致している。

さらに震災後、コモディティ商品の重要性が、
とりわけて見直された。
これまでずっと、
「脱コモディティ」や「ノンコモディティ」の戦略が論議されてきて、
それももちろん大切なものであることに変わりないが、
「コモディティ」が「生きること」に果たす役割が、
人々の心の中で再認識された。

ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんが、
「国民服にしたい」と言っていた意味が、
良く実感できる。

今日の朝日新聞『天声人語』。
帝国ホテルの元総料理長・村上信夫さんの言葉を紹介。
「おうちに持ち帰って食べてごらんなさい。
味は四割落ちます」
帝国ホテルのフランス料理といえども、
帝国ホテルのレストランでいただくから、おいしい。
天声人語は、
東日本大震災で被災した人々の食事に言及した後、
最後の言葉、
「どんな状況であれ、食は元気の源だろう」

「いつものおかずを盛ったいつもの皿を、
いつもの顔ぶれで囲む夕。
いまや抱きしめたい平凡である」

「抱きしめたい平凡」
いい言葉です。

平凡とは、
「これといって優れた特色もなく、ごくあたりまえなこと」

あたりまえなことが、
あたりまえでなくなったから、
「抱きしめたい」ほどに大切なものであることに、
気づかされた。

このマインドがゴールデンウィークでも、
大きなトレンドとなって、
日本の消費マーケットを牽引する。

一方、日経新聞『経営の視点』。
客員コラムニスト西岡幸一さんが、
「日本の起床ラッパを吹け」とタイトルして、執筆。

フランスの抵抗派詩人アラゴンの詩集「フランスの起床ラッパ」から引用。
「神を信じた者も信じなかった者も、
麦があられに打たれている時に気難しいのは愚かなこと……」
「教えることは希望を語ること、
学ぶことは誠実を胸に刻むこと」

アラゴンにならって、震災後の日本の経営を叱咤激励。
これがいい。
「日本的経営を信じた者も市場至上主義を信じた者も
企業の本質を忘れるのは愚かなこと」
「経営することは希望を語ること、
働くことは誠実を胸に刻むこと」

ピーター・ドラッカー先生は、
知識社会の知識労働者を説き、
そのなかで「テクノロジスト」の重要性を強調した。
「これまで知識労働者は、
知識労働にのみ携わるかのように述べてきた。
しかし実際には、きわめて多くの知識労働者が、
知識労働と肉体労働の両方を行う。
そのような人たちを特にテクノロジスト(高度技術者)と呼ぶ」
<『明日を支配するもの』>

商人はまさしくこのテクノロジストである。
私は「知識商人」と名づけた。

だから知識商人は「誠実を胸に刻む」と同時に、
「希望を語る」必要があると思う。

ファーストリテイリングの柳井さんが、
「わがドラッカー流経営論」の中で語っているように、
「社員全員が個人商店主であるという意識」

だから「希望を語り、誠実を胸に刻む」のが、
この大震災後の私たち全員の姿勢であると思う。

それにしても東北関東大津波大震災は、
被災地の問題解決もままならないうちに、
「フクシマ」に焦点がスライドしてきた。

「ヒロシマからフクシマへ」

私たち日本人が背負ったもの。

ゴールデンウィークは、
そんなことを私たちに、
深く考えさせる日々となりそうだ。

しかしこれもまた、とても重要なこと。

もちろん商業人は、
この黄金週間の間も、
誠実を胸に刻み、希望を語りつつ、働く。

しかし、働くことの素晴らしさを、
ゴールデンウィークにこそ、
実感したい。

被災した人々を最後に救うのは、
食足りたあとの「職」である。
自分の役目、仕事である。

自分には役目がある。
だから生きがいを感じることができる。
自分には仕事がある。
だからやりがいを持つことができる。

1週間後に、被災地に飛んだ佐藤洋治さん。
ダイナム・ホールディングス社長。
「被災して何もしないでいると、
みんな放心状態になってしまう」
「だから何か行動目標をもつ必要がある」
いちばんいいのは、「店を開けること」

しかし「店が開かなければ、
ボランティアに行きなさいと指示してきた」

ヨークベニマル中浦店のベーカリー・マネジャー。
津波で旦那さんを亡くした。
しかし「毎日、仕事している方がいい」と言って、
元気に働く。

「仕事」が私たちを救う。
その仕事の素晴らしさを、
ゴールデンウィークにこそ、
確認したい。

今週金曜日の「昭和の日」から、
ゴールデンウィーク。

「仕事」の尊さを知り、
ものを考える日々にしたい。

Everyday! Good Monday!

<結城義晴>

[追伸]
月曜日の定番「常盤勝美の2週間天気予報」
大好評です。


2011年04月24日(日曜日)

ジジと結城ゼミ[2011日曜版vol17]

ジジです。
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仮住まいにやってきてから、
2カ月くらい、たちます。

あと1週間で、
おうちにもどる。
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ユウキヨシハルのおとうさん、
今日も、でかけるみたいです。
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どこかといえば、
ここ。
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イチョウの新緑が、
みずみずしい。
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そう、リッキョー大学。
まだサクラの花も、
すこしのこっています。
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ねえ、ねえ、おとうさん。
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やっぱり、いくんですか。
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のみすぎないでね。
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それから。
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はやく、かえってきてください。
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でも、たのしんでね。
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ボク、まってます。
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リッキョー大学では、
大学院ビジネスデザイン研究科の、
結城ゼミのキックオフミーティング。
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朝10時から、夕方の5時まで。

これはこの春、卒業した結城ゼミ第2期生の論文集。
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2期生が自分の研究の内容や、
その進め方のレクチャーをします。
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そして3期生が、
今年の自分の研究のことを、
発表します。

ボクは、おうちで、
ねています。
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むつかしいことは、
わからない。
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夕方からは、懇親会。
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途中で、おとうさんにプレゼント。
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ペナントと寄せ書き。

おとうさんも、
2期生のひとりひとりに、
色紙に言葉を書いた。
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ボクは、熟睡。
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ねむっていました。
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懇親会のおわりに、
みんなで写真。
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結城ゼミは、
まだまだつづきます。
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それからおとうさんは、
かえってきました。

おかえりなさい。
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よかったですね。

元気、でたでしょう。
ボクにも、すこし、
わけてください。
<『ジジの気分』(未刊)より>

2011年04月23日(土曜日)

楽天とコンビニに「集権と分権」の融合を感じる

日経新聞『人こと』欄に、
楽天社長の三木谷浩史さん登場。

「震災対応、中小にたくましさ」のタイトル。

三木谷さんは言う。
「震災後、4万店の順応がすさまじく速かった」。
インターネットモールへの出展者は中小店ばかりだが、
その出店者はたくましかったし、素早かった。

お客の消費を先回りし、
必要とされる商品をいち早く品揃えした。
放射能汚染物質が肌に付着するのを防ぐ雨がっぱ、
軽くて歩きやすい紳士靴、
放射能計測器。

「どこから仕入れたのだろうか」。
楽天市場の売上げは震災前より「ややプラス」

楽天の強みは中小店を束ねた 「分散型モデル」。
この分散こそが災害対策の「カギ」になると、
三木谷さんは主張する。

分散型と言えば、フランチャイズのコンビニチェーン。
被災地の加盟店オーナーを支援する動きが始まった。

ファミリーマートは、
生活費支援や転居費用、見舞金として
最大41億円を投じる。

サークルKサンクスは、
店舗を失ったオーナーに対して、
近隣店での短期雇用を検討する。

セブン-イレブン・ジャパンは、
これまた店舗を失ったオーナーたちに、
本部負担で移動店舗を提供。

各社ともに契約内容にはない手厚い施策。
復旧、復興への動きが加速し始めた。

しかし分散型モデルは、
分散した個店だけで成り立つものではない。

強力な本部や中核となるモールシステムがなければ、
分散型はただの中小店である。

私の最初の著書『メッセージ』から、
「集権か、分権か。」

中央集権か、地方分権か。
本部集中か、個店対応か。

集めると効率が上がり、
分けると能率が下がる、のか。
いや、ムリに集めるとムダ、ムリが生じ、
分けると、キメ細やかな対応ができる、のか。

機能の集中と役割の分散。
責任の集中と無責任の分散。

雪印の一連の行為も、
続々摘発される他の不正事件も。
ダイエーの水際の再建も、
あのKマートの連邦破産法適用も。

集権と分権の論理破綻の中で起こり、
集中と分散の範囲再整備の中で蘇る。

マキュアベッリの「君主論」によれば、
最も理想的な政治とは最良の独裁者によるもの、となる。
もっとも唾棄すべきは、
衆愚政治と衆愚組織。

権力と機能の集中と分散を
時と状況に応じてスピーディに使い分ける。

そんな絶対的なカリスマの存在こそが、
社会と大衆の求めるものなのかもしれない。
最良の独裁者が、集めて、分ける。
理想のカリスマが、分けて、集める。

社長よ、部長よ、店長よ。
衆愚にまみれた長と名のつく者たちよ。
最良の独裁者たれ。
理想のカリスマたれ。

それがとりもなおさず、
集権と分権との全体最適のあり方を体現することになる。
<『戦略編』より>

東日本大震災を経て、
「集権と分権」との新の融合が求められ始めた。
国家も、企業も、チェーンストアも。

それが崩れたならば、
メガバンクのみずほ銀行ですら、
頭取の辞任が避けられない。
障害発生や被害拡大を防げなかったみずほ銀行の西堀利(さとる)頭取は、
6月に退任の方向。

昨日は夕方、商人舎に、
㈱イースト・プレス書籍5部の中西庸(なかにし・よう)さん。20110422181618.jpg
このところずっと取り組んできた本の最終ゲラ校正を渡した。
『店長のためのやさしい《ドラッカー講座》』。
5月下旬発刊予定。

震災後の多忙の中で、
ちょっと遅れた。

お詫びします。

その後、渋谷「浜ちゃん」へ。
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大衆飲み屋で、安くてうまい。
夜の9時になると満席となって、
エネルギーが満ち溢れる。

この店で、㈱コメリ執行役員の丸山一郎さんと懇談。
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永らく店舗開発を担当して、
1000店体制となったコメリの出店戦略の中核を担った。
現在は、グリーンエネルギープロジェクトリーダー。
そして省エネ委員会リーダーを兼務。

店舗とエコロジーの最新問題を議論し、
少しだけ明るい未来の中に身を置いた気がした。

今週も、このブログに来てくださって、
心から感謝。

よい週末を。

<結城義晴>

2011年04月22日(金曜日)

「最悪を覚悟して最善を尽くす」と「年を経ることによる集中力の心地よさ」

意外な訃報が三つ。

まず、一般には、
キャンディーズのスーちゃん。
田中好子さんが21日に逝った。
乳がんのために55歳の若い命を散らせた。
アイドルから「普通の女の子」にもどって、
それから見事、女優に転身。

私も出版社の社長から、
一度、素浪人となり、
それから㈱商人舎社長、
コーネル大学RMPジャパン副学長、
そして立教のビジネスデザイン研究科教授と転身した。

ジャーナリスト、経営者から、
ジャーナリスト、教員になった。
だからスーちゃんの活躍は、
わがことのようにうれしかった。

平成元年の映画「黒い雨」では、
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた。
最近では母親役を好演していた。
19年間、がんと戦っていたという。

合掌。

次に、ほんとうにびっくりしたが、
亀ヶ谷 邦博さんが4月14日、急逝。
享年66。

「フィットケアデポ」のバナーで、
横浜に強力なドミナント展開する㈱カメガヤの会長。
日本チェーンドラッグストア協会常任理事兼事業化推進委員長など、
ドラッグストアの産業化に尽力。
私の住む横浜市港北区の妙蓮寺が発祥の地。
だから親しくさせていただいた。

ユニークな経営思想を持っていて、
もしかしたらドラッグストア業界で、
一番、原則的なチェーンストアを志向していたかもしれない。

訃報を知ったときには、信じられなかった。
ドラッグストア業界全体にとっても、
本当に大きな痛手だと思う。

心から哀悼の意を表しつつ、合掌。

㈱アレフ社長の庄司昭夫さんも逝去。
本当に残念なことに先月23日、亡くなった。
享年68。

1968年に盛岡で飲食店を創業し、
1981年にハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を始めた。
極めてユニークな経営思想で、
300店を超える全国チェーンに育て上げた。
庄司さんとは、商業界社長時代もずっと、同志だった。

「理念武装、理論武装、技術武装」は庄司さんの表現。
私が「心の力、頭の力、技の力」と考えていたことと、
それは一致した。

亀ヶ谷さんも庄司さんも、
そしてスーちゃんも、まだまだ若かった。
無念でならない。

庄司さんの「お別れの会」は
5月17日(火)札幌パークホテルで催される。
私は、その日、大阪で講演があるため、
駆けつけることができない。
これも残念でならない。
改めて、お別れをしたいと思う。

そして、2011年の早春、
東北関東大津波大震災で多くの方が亡くなった。
子供も、若者も、大人も、高齢者も。

そしていま、東北では満開の桜が、
関東以西では新緑が、
幾多の魂を弔っている。
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3月11日の地震、そして津波。
さらにフクシマの原発事故と放射能。

いままた、余震の南下。
昨日は千葉県を震源とする震度5弱の地震。

どんなことが起こるか、予想もつかない。

私は、何と言うか、腹が決まった。
「いつでも来い!」という覚悟。

「最悪を覚悟して、最善を尽くす」
そのうえで今を、充実して生きる。

決して投げやりにはならないし、
厭世的な気分ではないけれど、
覚悟はある。

最近、少しだけ年を重ね、
どんどん、できないことが増えてきた。
何でもできるものではないと観念した。

例えば、大好きなスポーツ。
球技も好きだし、体を動かすことは得意だった。

しかし50年ほど前に白内障を病み、
5年前に網膜剥離を患い、
3年前に緑内障となった。
そして右目の視力が低下した。

だから大好きな球技はほとんどできなくなった。
野球、サッカー、テニス、卓球、バドミントン。
そこで止まっている球を打つ球技しかできない。

しかしそういった閉塞された世界に、
何というか、心地よさを感じるようになった。

限定されているからこそ、
集中できるし、
心底楽しむこともできる。

少しずつ年をとっていくメリットは、
この集中にあるのだと気がついた。

これはほんとうに、
すっきりした気分を、
私にもたらした。

地震、津波、放射能、余震の南下。
そのなかで、いま「できること」に集中する。
それも心地よい。

そんな心境になった。
これは、58歳の結城義晴にとって、
新しい発見となった。

さて、昨日の午後は来客多し。

イオン㈱SM事業戦略チームの石川大元(ひろゆき)さん。
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イオンビジネススクール(ABS)講義の打合せ。

ABCの冒頭講座で、結城義晴のチェーンストア理論、
商業の現代化論と商業哲学を話す。

石川さんの熱心さに感謝し、著書にサインしてプレゼント。
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その後、ファイブ・ア・デイ協会理事長の池田健太郎さん(私の隣)と、
フレッシュMDホールディングス㈱社長の堀内達生さん、
フレッシュリミックス㈱取締役FMD事業本部長の福家裕香里さんが来社。
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堀内さんは㈱ドール社長を経た後、独立し、
青果物のコールドチェーン・システム会社を立ち上げた。
だから、青果物流通の日米の相違がよくわかっている。
90分にわたるディスカッションは、とても面白かった。

アメリカの青果流通や食肉流通、
それぞれのマーチャンダイジングの体系を学ぶ機会を、
つくらねばと改めて感じた。

今週は、結城義晴のブログ[毎日更新宣言]を始めて以来、
1週間で最高のアクセス数記録をつくった。
読者のみなさんに、心から感謝したい。

良い週末を。

被災地のみなさんが、
安心して眠ることができるよう。
そして彼らにどんなものでもいい、体を動かす仕事が与えられるよう。
祈りたい。

<結城義晴>

2011年04月21日(木曜日)

「震災特需」と「商人の品格」

商人舎ホーム―ページの巻頭に、
桜の絵柄の「東北関東大津波大震災へのメッセージ」と並べて、
日の丸富士の「東日本大震災チャリティセミナー」のお知らせを載せました。

ご協力、ご参集を、要請します。

私は、5月12日(木)の12:30から、
この企画のトップバッターで、
メッセージを発信します。

夕方の17:00に終わる最終講座まで、
私もともに会場で、被災地の商人を支援し、応援します。
その会場は、大阪・中之島のリーガロイヤルホテル大阪。

さて、この商人舎ホームページの巻頭テロップ。
「流通ニュース」。

商人舎と同志のように提携していて、
あくまで客観的に、第三者的に、冷静に、
小売流通・サービス業のニュースを提供し続ける。

その流通ニュースの画面上段にボタンが並ぶ。
左から、HOME 経営戦略 店舗 月次売上
決算 商品 トピックス IT 海外

この左から4番目の「月次売上」をクリックする。

そうすると、「ニュース一覧(月次売上)」の下に、
記事ごとの見出しが、ずらっと出てくる。

その見出しに表わされているのは、
協会、企業ごとの3月の売上高前年同月比。

4月20日段階の記事タイトルだけだが、
全部、抜き出してみよう。

* コンビニエンスストア/3月の全店売上9.2%増、既存店7.7%増 (2011年04月20日)
* セブン-イレブン/3月の売上12.2%増、既存店9.5%増 (2011年04月20日)
* マツモトキヨシHD/3月の全店売上高15.2%増、既存店7.3%増 (2011年04月20日)
* AOKI/3月の売上2.0%減、既存店2.8%減 (2011年04月20日)
* モスバーガー/3月の売上3.7%減、既存店2.7%減 (2011年04月20日)
* ゲンキー/3月の売上33.4%増、既存店は24.0%増 (2011年04月20日)
* カスミ/3月の売上高1.5%増の177億円 (2011年04月19日)
* ヤオコー/3月の全店売上高20.4%増、既存店9.6%増 (2011年04月19日)
* アークス/3月の売上5.6%増、既存店3.9%増 (2011年04月19日)
* 吉野家/3月の売上3.1%減、既存店0.8%増 (2011年04月19日)
* CCC/3月の売上0.1%増、既存店2.1%減 (2011年04月19日)
* J.フロントリテイリング/3月の百貨店10.9%減、SM3.2%増 (2011年04月18日)
* 高島屋グループ/震災で、3月の百貨店総売上16.8%減 (2011年04月18日)
* H2O/3月の百貨店9.7%増、SM4.3%増 (2011年04月18日)
* グローウェルHD/3月の売上22.7%増、既存店16.9%増 (2011年04月18日)
* コスモス薬品/3月の売上22.2%増、既存店10.7%増 (2011年04月18日)
* 青山商事/3月の青山商事の売上2.0%減、既存店3.0%減 (2011年04月18日)
* キタムラ/3月の売上16.7%減の83億3600万円 (2011年04月18日)
* 日本KFC/3月の売上、KFC0.4%増、ピザハット10.4%減 (2011年04月18日)
* 神戸物産/3月の売上高18.3%増の135億円 (2011年04月18日)
* マックスバリュ西日本/3月の売上11.3%増、既存店0.7%増 (2011年04月15日)
* マルエツ/3月の売上12.8%増、既存店8.2%増 (2011年04月15日)
* マックスバリュ東海/3月の売上13.9%増、既存店6.9%増 (2011年04月15日)
* マックスバリュ東北/3月の売上6.1%増、既存店6.7%増 (2011年04月15日)
* 大黒天物産/3月の売上14.4%増 (2011年04月15日)
* カネ美食品/3月の売上0.8%増の67億円 (2011年04月15日)
* ユニー/3月の売上0.9%減、既存店0.9%増 (2011年04月14日)
* コーナン商事/3月の売上11.0%増、既存店は9.3%増 (2011年04月14日)
* ゲオ/3月の直営店売上6.9%増、既存店1.9%増 (2011年04月14日)
* 日本通信販売協会/2月の売上2.5%増の1210億円 (2011年04月14日)
* アルペン/3月の全店売上11.4%減、既存店13.5%減 (2011年04月14日)
* マックスバリュ北海道/3月の売上8.9%増、既存店6.8%増 (2011年04月14日)
* コロワイド/3月の売上21.0%減、既存店13.8%減 (2011年04月14日)
* コナカ/3月の売上22.6%減、既存店17.1%減 (2011年04月14日)
* セブンネットショッピング/3月はジャニーズ関連商品が好調 (2011年04月14日)
* 三城ホールディングス/3月の売上2.2%減、既存店は0.7%増 (2011年04月14日)
* スーパーバリュー/3月の売上高12.8%増 (2011年04月14日)
* スギHD/3月の売上16.5%増、既存店11.7%増 (2011年04月13日)
* カワチ薬品/3月の売上6.4%増、既存店は4.4%増 (2011年04月13日)
* ココカラファイン/3月の全店78.6%増、既存店10.2%増 (2011年04月13日)
* サイゼリヤ/3月の売上7.4%減、既存店は11.2%減 (2011年04月13日)
* かっぱ寿司/3月の売上19.5%減の59億円 (2011年04月13日)
* カカクコム/3月の総ページビュー5.1%減の12億2827万 (2011年04月13日)
* ジョイフル/3月の売上1.8%減、既存店1.7%減 (2011年04月13日)
* ローソン/3月の全店売上10.0%増、既存店7.2%増 (2011年04月12日)
* ヤマダ電機/3月の売上高15.7%減、店舗数は2726店へ (2011年04月12日)
* ビール類市場/3月は震災で初めて新ジャンルが前年割れ (2011年04月12日)
* サークルKサンクス/3月の既存店日販5.5%増48万6000円 (2011年04月12日)
* 良品計画/3月の売上10.7%減、直営既存店18.2%減 (2011年04月12日)
* ココス/3月の売上13.1%減、既存店は7.2%減 (2011年04月12日)
* スリーエフ/3月の既存店平均日販13.7%増の48万4000円 (2011年04月12日)
* ファミリーマート/3月の売上12.6%増、既存店日販5.2%増 (2011年04月11日)
* コメリ/3月の売上17.7%増、既存店12.8%増 (2011年04月11日)
* ビックカメラ/3月の売上高12.1%減 (2011年04月11日)
* ミニストップ/3月既存店平均日販9.6%増の48万5000円 (2011年04月11日)
* PLANT/3月の売上9.2%増、スーパーセンター9.6%増 (2011年04月11日)
* 王将フードサービス/3月の既存店売上6.7%減 (2011年04月11日)
* 大塚家具/3月の全店売上高15.0%減 (2011年04月11日)
* ポプラ/3月の既存店日商4.2%増の37万6000円 (2011年04月11日)
* ハニーズ/3月の売上28.1%減、既存店27.7%減 (2011年04月11日)
* マクドナルド/休業店舗の影響で、3月の売上12.8%減、既存店7.3%減 (2011年04月08日)
* ケーズHD/3月の売上27.5%減、既存店は31.3%減 (2011年04月08日)
* バロー/3月のSM事業売上20.2%増、既存店7.3%増 (2011年04月08日)
* ゼビオ/3月のゼビオ全店売上10.2%減、既存店15.5%減 (2011年04月08日)
* スターバックス/3月の売上6.8%減、既存店10.1%減 (2011年04月08日)
* ワタミ/3月の売上17.9%減の58.8億円 (2011年04月08日)
* 原信ナルスHD/3月のSM売上11.0%増、既存店8.5%増 (2011年04月08日)
* 大庄/3月の売上23.0%減、既存店21.1%減 (2011年04月08日)
* マックスバリュ東海/3月の売上13.9%増、既存店6.9%増 (2011年04月07日)
* サンエー・インターナショナル/3月の売上19.6%減、既存店21.7%減 (2011年04月07日)
* スタートトゥデイ/3月の商品取扱高5.4%増の41億7300万円 (2011年04月06日)
* すき家/3月の売上14.6%増、既存店は7.0%増 (2011年04月05日)
* パルコ/3月の仙台店売上げ64.8%減 (2011年04月04日)
* チヨダ/2月の売上18.7%減、既存店17.5%減 (2011年04月04日)
* オークワ/3月の売上6.0%増、既存店2.9%増 (2011年04月04日)
* ABCマート/3月の売上10.8%減、既存店は11.0%減 (2011年04月04日)
* ユナイテッドアローズ/3月の売上18.9%減、既存店は17.0%減 (2011年04月04日)
* ポイント/3月の売上8.8%減、既存店は21.4%減 (2011年04月04日)
* カッパ・クリエイト/3月は売上高24.7%減 (2011年04月04日)
* アークランドサカモト/3月度の既存店売上8.8%増 (2011年04月04日)
* ジーフット/3月の売上6.6%減、既存店13.7%減 (2011年04月04日)
* ブックオフ/3月の売上7.0%減、既存店10.9%減 (2011年04月04日)
* 三越伊勢丹HD/3月の売上は三越銀座店11.6%増、伊勢丹新宿店24.7%減 (2011年04月01日)
* ユニクロ/震災の影響で3月の既存店売上10.5%減 (2011年04月01日)
* 大丸松坂屋百貨店/3月の売上高9.6%減 (2011年04月01日)
* 高島屋/3月の関東地区店頭売上25.9%減も月末は回復傾向 (2011年04月01日)
* 阪急阪神百貨店/3月の阪急本店3.3%減、阪神本店4.1%減 (2011年04月01日)
* ニトリ/3月の全店売上高8.5%減、既存店17.2%減 (2011年04月01日)
* JR名古屋タカシマヤ/3月の売上2.1%減の90億3600万円 (2011年04月01日)
* 松屋/3月の銀座本店31.6%減 (2011年04月01日)
* 松屋フーズ/3月の売上12.5%増、既存店7.5%増 (2011年04月01日)

凄いニュース量だが、
業態別にまとめると、
食品スーパーマーケットの3月の成績は、
二桁の伸び。

被災したカスミは、売上高1.5%増の177億円 。
同じくマックスバリュ東北は、売上6.1%増、既存店6.7%増。

しかし、それ以外の企業。

ヤオコー/全店売上高20.4%増、既存店9.6%増
バロー/SM事業売上20.2%増、既存店7.3%増

神戸物産/売上高18.3%増の135億円
大黒天物産/売上14.4%増
マルエツ/売上12.8%増、既存店8.2%増
マックスバリュ東海/売上13.9%増、既存店6.9%増
マックスバリュ西日本/売上11.3%増、既存店0.7%増
原信ナルスHD/SM売上11.0%増、既存店8.5%増

北海道は少しだけ、ちがった。
アークス/売上5.6%増、既存店3.9%増
マックスバリュ北海道/売上8.9%増、既存店6.8%増

コンビニも各チェーンとも好調。
セブン-イレブン/売上12.2%増、既存店9.5%増
ローソン/全店売上10.0%増、既存店7.2%増
ファミリーマート/売上12.6%増、既存店日販5.2%増
サークルKサンクス/既存店日販5.5%増48万6000円
ミニストップ/既存店平均日販9.6%増の48万5000円
スリーエフ/既存店平均日販13.7%増の48万4000円
ポプラ/既存店日商4.2%増の37万6000円

ドラッグストアはいずれも、超絶好調。
ココカラファイン/全店78.6%増、既存店10.2%増
ゲンキー/売上33.4%増、既存店は24.0%増
グローウェルHD/売上22.7%増、既存店16.9%増
コスモス薬品/売上22.2%増、既存店10.7%増
スギHD/売上16.5%増、既存店11.7%増
マツモトキヨシHD/全店売上高15.2%増、既存店7.3%増
カワチ薬品/売上6.4%増、既存店は4.4%増

ホームセンターも、絶好調。
コメリ/売上17.7%増、既存店12.8%増
コーナン商事/売上11.0%増、既存店は9.3%増
アークランドサカモト/既存店売上8.8%増

対して、百貨店、総合スーパーの大型店業態、
ファッションチェーン、専門店チェーン、
さらに外食チェーン、みな悪い。
こちらはずっと続くトレンド。

何しろユニクロまでが、
前年対比マイナス10.5%。

「震災特需」
それがあった業態と地域。
それがなかった業態と地域。

鮮明に浮かび上がった。

そこで、「特需」を受けた企業群は、
どう行動するか。

もちろんこれは、
「未来の自分の売上げの先食い」
という側面もある。

ただし3月にはすべての企業が、
特売を控えた。

すなわち定価で販売し、
これだけの売上げ増だった。
粗利益は上がっただろうし、
営業利益も出たはず。

今日は、はっきりと言っておこう。

被災した企業や地域は、
壮絶だ。

「震災特需」の利益。
いかに使うかが、
商人の品格である。

本当の志が、わかる。

さて昨日は、
商業経営問題研究会(通称RMLC) の4月例会。
この日の会場は、港区虎ノ門。
日本チェーンストア協会会議室。

会議室には歴代の協会長の顔写真が並ぶ。20110421185629.jpg

初代会長の㈱ダイエー創業者の中内功さん、
二代目のイオン㈱名誉会長の岡田卓也さん、
三代目の㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅俊さん。
皆さん、お若い。
20110421185753.jpg
しかし、凄い写真が並びます。
みな、志と品格を備えた知識商人ばかり。

その歴代協会長の皆さんに見つめられて始まったRMLC。
今回は高木和成代表世話人の紹介で、
㈱やまと社長の小林久さんが、
ゲストスピーカーを務めてくれた。
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やまとは、山梨県内のローカル・スーパーマーケット。
本部がある韮崎市を中心に、
12店舗を展開し、年商62億円。

10年前に、先代から引き継いだ時には、赤字会社だった。
それからの「破たんスーパーマーケットの再生物語」を、
2時間ほど話してもらった。
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「高齢化が進む地域で、やまとは60から70代がターゲット」
「居抜き物件、競売物件でローコスト経営に徹する」
「人が嫌がること、まねのできないことをやる」
「店はお客を選べないが、お客は店を選べる」
「だから、一流の地域三番手になろう!」

やまとは、500グラム298円の弁当をつくり、売る。
500グラム一律だから、
おかずが少なければご飯の量が多く、
トンカツ弁当のように重量がかさむと、ご飯が少ない。
これがお小遣いの限られたお年寄りや若者に大人気。

震災後は300円に値上げし、
4円分を義援金にしている。
1年にすれば500万の寄付になる。
これを「10年間は続ける」という。

さらには、家庭の生ゴミを店頭で回収。
堆肥化して、契約農家に無料で提供。
できた野菜はやまとで販売するというエコの取り組み。

生ごみを持ち込んだ会員のカードには、
5円分のポイントを付ける。
生ごみを処理してもらって、ポイントがふえる。
お客には二重のメリットだが、小林さんは、
「わざわざ持参したお客への感謝だから」。

やまとは計画停電のときにも、営業を続けた。
お客が車のライトをつけて、その間、
店内を照らしてくれたという。

まさに、地域密着。
糸井重里さんいうところの「親しい商売」。

4月例会の後半は、
結城義晴の東北関東大津波大地震現地レポート。

写真を見ていただきながら、
被災地の小売業の活躍を報告し、
私なりのまとめを話した。
20110421185710.jpg
隣は「飯能の流通仙人」こと、杉山昭次郎先生。
久しぶりに飯能から参加いただいた。

さらにこの日は、
㈱ライフコーポレーション常務の並木利昭さんも参加。
並木さんも被災した石巻市に支援物資を持って訪問した。
改めてライフラインを守るスーパーマーケットの役割を実感したと語った。
20110421185727.jpg

講演後に小林さん、 高木和成さんと写真。
20110421185733.jpg

元気いっぱいの小林さんの経営。
「一流の地域三番手」とは、
多分、フィリップ・コトラーのいう「ニッチャー」のことを、
意味するんだと思う。

一番手のマーケット・リーダー、
二番手のマーケット・チャレンジャーに対して、
三番手以下のフォロワーではなく、

ポジショニングを確立したニッチャーになろうということだ。

それを「一流の」という形容詞をつけて表現した。

規模も有効だし、
それがなければできないことがたくさんある。
しかし規模があってもできないことが、
これも山ほどある。

どんな役割を選ぶか、
それに徹することができるか。

これが「親しい商売」の鍵を握ることだ。

そしてそれが商人の品格となる。

<結城義晴>

2011年04月20日(水曜日)

「東北関東大津波大震災」現地レポート「終章 親しい商売と親しいコミュニケーション」

昨夜20時46分25秒、
岩手県大船渡市の米谷春夫さんから投稿コメント。
そう、㈱マイヤ社長。

「今度こそ、当社の幹部以下社員を、
自慢したい気持ちでイッパイです。
私は素晴らしい社員を持っていると誇りに思います」

「天災は例外なくいつでもどこにでも到来します。
マイヤの対応から、
良い面も悪しき面も教訓にして頂ければ幸いです」

「明日20日は全社のチーフ以上を震災後初めて集め、
51期方針発表会及び50期表彰式を、
大船渡から1時間の遠野市で行います」

「マイヤは二度目の誕生!!」
を声高らかに訴え、
たくましく前進していく機会にしたいと思います。

「乞うご期待!! マイヤ」です。

頑張れ、マイヤ。
負けるな、マイヤ。

私も声をかけたくなる。

するとマイヤが遠野市で方針発表会を開催する今朝、
9時17分22秒、 爾今翁(ジコンオウ)さんからコメント。

「すごい人がいるもんだ。
近くに店舗があれば
顧客になりたい」

「心がすさみ 疲れがどっと出て
ベッドに伏せるこの頃

瓦礫をまたぐ生活
この記事で元気をもらった」

「しかし 爺ちゃんは 人知れず
コメントを呼んで 号泣した」

私は朝から、
爾今翁さんのコメントを読んで、
人知れず、泣いた。

この大きな震災の後、
様々なマーケットが変化していく。
小売市場にも、いくつかの変化が現れる。

第一に、小売業の寡占化が進む。
極めて冷静に見ると、これは確かだ。

日本の小売業は2007年商業統計で、
113万6755店。
10年前の1997年が141万9696店であったから、
28万2941店の減少で、マイナス19.9%。

1年に3万店近くの減少が続いた勘定。

売上高は134兆5717億円で、、
147兆7431億円から8.9%のマイナス。

つまり、黙っていても店数減少の傾向だったものが、
この津波と地震の被災によって、
東北三陸沿岸や北関東で激減する。
マインドとしては全国に、これは広まる。
あの津波にさらわれた街の店店が、
どれだけの意志を持って復興するのだろう。

今朝の日経MJの囲み記事「消費見所・カン所」に、
イオン㈱社長の岡田元也さんがコメント。
この大震災の教訓として、
「小売業の業界再編」が促されると分析。

「本部集中による効率化を進めてきたが、
コンピューターシステムや物流の拠点を分散するなど、
従来のやり方を変えなければいけない」

「店舗の免震構造」など「防災投資」がかさむ。
だから「他社との連携を選ぶ小売業が増える」

ナショナルチェーンは地方分散化を進め、
それでいて投資額は過大化する。

だから「企業の統合が進む」という「見立て」。

これもクールな判断だろうし、
イオンのグループ戦略と同期する。

実際、この震災では、
ナショナルチェーンが活躍した。

イオン、セブン&アイ・ホールディングスの両雄。

それに、CGCジャパンの大奮闘。
さらに全日食チェーン、セルコ・チェーンも。
こちらはボランタリーチェーンのナショナルチェーン。

私は、この傾向は進むと考える。

何しろヨークベニマルのようなリージョナルチェーンですら、
全域で被災してしまった。

ベニマルもセブン&アイのグループであったことで、
さまざまな恩恵をこうむった。

マイヤもマルトも、
ジョイスもベルプラスも、
CGCジャパンに加盟していた。
そしてその本部や仲間の企業の協力、助力が、
企業の存続に貢献した。
岡田さんの言う「連携の選択」である。

この全国チェーン化が進むことが、
第二の変化。

つまりレギュラーチェーンとボランタリーチェーンにおける、
ナショナルチェーンの競争レベルとなる。

どちらがいいとも断言はできない。

もちろん私は日本の小売業界を、
「大きな自然の森」にたとえている。

大木もあれば、雑木もあるし、
雑草もある。

みな、底力のある大木、雑木、雑草。
それが自分の顧客を定めて、
ポジショニングを鮮明にしながら、
一所懸命に生きる。

この時、必ずしも大木が強いとはいえない。
雑木や雑草が、いつも弱いともいえない。

何しろ生命力のある者だけが残っているのだから。

マイヤ、マルトを見ていると、
それが実感できるし、確信できる。

ここでいう生命力とは、
第一に米谷春夫さんのいう「ファイティングスピリッツ」であり、
第二に顧客や地域と店との強い関係性である。
それを米谷さんは「お客様が優しくなった」と感じた。

第三の変化は、この顧客と個店の親密性である。
ますます親密に、ますます親しくなる。

これまた今朝の日経MJの最終面に糸井重里登場。
自身も東京糸井重里事務所という会社を経営し、
社員50人年商20億円強のビジネスを展開する。
「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営しながら、
商品づくりなどの商売をしている。

その糸井さんは、
「親しい商売が楽しいよね」という。

「1万人の潜在顧客で十分成り立つ商品は山ほどある」
これが21世紀の糸井流商法。
ナショナルブランドメーカーから見ると、
完全な異質の「小商圏主義」。

1万人で成り立つ「親しい商売」。
そのための「親しいコミュニケーション」。

寡占化の方向に進みつつ、
ナショナルチェーン化が進行する中で、
それらの条件の上位に来るのが、
「親しい商売」である。
私もまったく同感。
㈱商人舎もこの方針だ。

東北関東大津波大震災のあと。
「親しい商売」ができる店や会社に、
輝く未来が待っている。

私はそれを、確信している。

「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

復旧・復興を成し遂げよ。
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」
「親しい商売」に向けて邁進せよ。

では、これにてひとまず、
「東北関東大津波大震災」現地レポートの「終焉」。
永らくのご愛読、心から感謝。

<結城義晴>

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