結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年06月02日(火曜日)

ジェプラ40回通常総会記念講演の「人生のポジショニング戦略」

台風6号が近づいている。
「チャンミー」と名がついている。

6月の台風上陸は珍しい。
数十年に一度のことだとか。

これも地球温暖化の影響か。

午後、港区芝の東京プリンスホテルへ。
IMG_7284

東京ではまだ雨も降っていない。
なんとかもちこたえている。

今日は、協同組合ジェプラの第40回通常総会。
昨年に引き続き、その記念講演を担当。

はじめに、
ジェプラの川和利行理事長がごあいさつ。
㈱川和社長。
IMG_7254

会場には100名ほどのみなさんが参集してくれた。
IMG_7257

私の講演テーマは、
「ポジショニング戦略のすすめ」
IMG_7259

Prologueのメッセージは、
「Tide of Time」
時流を捉えよ。
IMG_7258
カルビーの白黒パッケージ、
PPIHの「Everyday Real Price」

素早く動け。

それから本格的にポジショニング戦略を語った。

講演の冒頭に自己紹介をしながら、
立教大学のビジネスデザイン研究科では、
フード&ビバレッジマーケティングと、
サービスマーケティングの、
特任教授だったことを明かした。

そしてその講義を再現すると宣言した。

それもよかったのか、
みんな、まじめに真剣に聴講してくれた。

マネジメント体系のなかの、
マーケティングの位置づけ。

フィリップ・コトラーの来歴。
マーケティングの定義。

さらにマーケティングコンセプトの発展段階。IMG_7262

そしてマーケティングプロセス。
マーケティングリサーチと、
STPマーケティング、
さらに4Cと4P。

そしてポジショニングとは何か。
IMG_7263

スーパーマーケットのフォーマット戦略と、
バナーの方程式。

そこでポジショニングが登場する。

ヤオコーやライフは、
セグメンテーションとターゲティングを実施し、
そのうえでポジショニングを展開する。IMG_7264

最後はシングルフォーマット戦略と、
マルチフォーマット戦略。

欧米の事例をスライドで見てもらいながら、
理解を深めてもらった。IMG_7265

最後の最後は、
「ポジショニングの10の決め手」

ポジショニングとは、
自分の立ち位置をはっきりさせて
個性を出すことである。

小売業とフードサービス業が、
ポジショニング競争の中にあるから、
メーカーも卸売業もベンダーも、
ポジショニング競争の中にある。

ジェプラのみなさんも、
ポジショニングを自分のこととして、
理解してくれたようだ。

90分間の講演会。
いつも以上に丁寧に、
わかりやすく語った。

ご清聴、感謝。
IMG_7266

協同組合ジェプラは、
「日本パッケージ研究協会」がその前身。
昭和56年6月に設立された。

ジェプラ(JPRA)は、
「Japan Package Research Association」の、
頭文字をとって名付けられた。
jepra

17時からは会場を2階に移して懇親。
マグノリアホール。

取引先のメーカーの皆さんも加わった。IMG_7271

開会のご挨拶は渡邉琢也さん。
㈱ジェプラ社長。
IMG_7269

乾杯のご発声は
日向野(ひがの)正徳さん。
デンカポリマー㈱社長。IMG_7273

乾杯!
IMG_7275

東京プリンスホテルのフランス料理はうまい。
フルコースをいただきながら懇親。

山梨の㈱オオキのお二人。
大木勝志会長と大木賢太郎社長(右)。
商業界の時代から長らくお世話になっている。IMG_7279

川和理事長(右)と渡邉社長。
IMG_7282
川和さんとは隣の席で食事しながら、
いろいろなことを話した。

川和さんは子どもたちを海外に留学させた。
エクアドルとペルーだとか。

そこで商人舎5月号の記事を話題にした。
ウォルマートのヒューゴ店長。
37歳のエクアドル人で、
ウォルマート最大の繁盛店をマネジメントする。
202605_walmart-hugo-1

そして今日のポジショニングの講演は、
人の生き方にも当てはまると連想してくれた。

そう、「人生のポジショニング戦略」は、
どんな人にも必要なのです。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2026年06月01日(月曜日)

商人舎6月1日付人事発表!! 山本恭広・工藤澄人「二人編集長」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㉒]

2026年第23週。
6月第1週。

株式会社商人舎の6月1日付新人事、
発表します。

山本恭広さんは、
月刊商人舎編集長の任を解き、
商人舎流通スーパーニュース編集長兼R&D担当。
R&Dは「Research & Development」です。

工藤澄人さんは、
月刊商人舎編集長に就任します。

つまり二人編集長体制です。

山本さんは元食品商業編集長、
工藤さんは元商業界編集長。

1990年4月に山本さんが㈱商業界に入社、
すぐに食品商業編集部に配属された。
上司は結城義晴だった。

ベテランの女性編集者が、
経理部に異動して、
そのかわりに編集部にやってきた。

そのあとの夏、
工藤澄人さんがやはり商業界に入社して、
食品商業に配属された。

今度は町田成一さんが退社して、
その補充のような形だった。

町田さんはその後、
プレジデント社に入社して、
月刊「danchu」の創刊にかかわった。
1990年12月に創刊された食の雑誌。

その後、ずっと時間が過ぎて、
町田さんはdanchuの編集長となり、
その上の編集部長となった。

「焼酎」に関しては今、
日本の権威の一人だ。

町田さんの代わりに入ってきた工藤さんは、
ちょっと変わり者の東北人だったが、
面白い物の見方をして、筆力があった。

当時の食品商業編集部は、
ベテランの男性編集者と編集長の私。
それから矢作勉、山本恭広、工藤澄人。
この三人はみんな入社したての新人だった。

しかしそれから月刊商人舎の快進撃が始まった。

そして㈱商業界誌上最高部数を獲得した。

その後、食品商業から、
月刊「コンビニ」が創刊された。

私が取締役編集担当になり、
販売革新編集長へと変わると、
しばらくして山本さんが、
食品商業編集長となった。

その後、山本さんは、
㈱商業界の取締役となった。

工藤澄人さんは、
「本誌」と呼ばれた商業界編集長に就任。

その後、教育事業部長となり、
数々のセミナーを企画・担当した。

商業界ゼミナール(2月ゼミ)の企画部長として、
その才能を発揮させた。

工藤さんはもともと物書きを志していて、
日経新聞小説大賞に応募。
優秀作品5作に選ばれて、
最終的には惜しくも「次点」となったけれど、
小説家の一面ももっている。
まだまだ作品を書いているらしい。

山本、工藤両君とは、
彼らの駆け出しのころから、
ずっと一緒だった。

それから四半世紀が経過して、
私たちはまた、
一緒に仕事することになった。
IMG_E3392

そして「二人編集長」となった。

キャリアは十分。

商人舎の仕事のやり方は、
「寄(よ)って集(たか)ってやる組織」

よろしくお願いします。

亀谷しづえゼネラルマネジャー、
松井康彦エグゼクティブプロデューサー。
そして、結城義晴代表取締役社長。
こちらは変わらない。

考えてみると、
みんな商業界出身。

商業界精神を受け継ぎつつ、
月刊商業界と、
月刊販売革新と、
月刊食品商業を、
全部まとめたような月刊誌を、
進化させていきます。

同時に紙の雑誌だけでなく、
網のメディアも充実させます。

月刊商人舎のweb版と、
商人舎流通スーパーニュース。

その編集長に山本さんが就任します。

さらに商人舎として新しい領域を開発します。
コンサルティング活動は、
もっともっとポジティブに行います。

商人舎の執筆の先生方にも、
ご協力をいただきます。

その接点となって、
仕事を調査し開発するのが、
山本編集長のもう一つの仕事です。

工藤編集長は、
セミナー事業を推進します。

6月の「バイヤー研修会」は、
工藤編集長が担当します。

変わらぬご支援をお願いします。

さてニュースひとつ。
日経新聞。
「ファミマ、セブン銀行のATM設置開始」

ああ、とうとう始まったか。

6月1日、都内のファミリーマートの店舗に、
セブン銀行のATMが設置された。
famimaATM01

「ファミマATM」として順次、設置店舗が広がる。
2030年までに国内のファミマ全約1万6000台が、
セブン銀行仕様のATMに入れ替わる。

現金の出入金はもちろん、
キャッシュレス決済への現金チャージが可能になる。
セブン銀行はATMを通じて、
「+Connect(プラスコネクト)」サービスを提供する。
これによって本人確認を含む、
各種手続きや認証にも対応できる。

ファミマの決済アプリ「ファミペイ」と、
連携した金融サービスも実施される。

ファミマが現在店舗に設置しているのが、
イーネットとゆうちょ銀行のATMだが、
これらは廃止される。

セブン銀行がファミリーマートと協業する。
鈴木敏文さんはどう思っているだろうか。

鈴木さんなら日本のすべてのコンビニに、
セブン銀行が入ることくらい、
指示していたかもしれない。

商業界の山本、工藤、
松井、亀谷、結城が、
商人舎となって未来に進む。

こちらの方が、
「自然、必然、当然」である。

では、皆さん、今週も、
「二人編集長」、よろしく。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2026年05月31日(日曜日)

世界的な「合成の誤謬」とドンキの「ホワイトブランド」の素早さ

5月最後の日。
日曜日。

外は暑い。

日経新聞「大機小機」
「壮大なる合成の誤謬」

「合成の誤謬(ごびゅう)」は、
「個人や企業などミクロのレベルでは合理的な行動が、
マクロの社会全体でみれば逆効果となる現象」

コラムニスト。
「現在、世界では、
壮大な合成の誤謬が起きている」

東西冷戦終結後の1990年代から
経済の「グローバル化」が急速に進んだ。
A1Z12ATPyUL._SL1500_

ヒト、モノ、カネが国境を越えて自由に動き、
企業は最適な場所から部品や原料を調達し、
最適な場所で生産する。

世界経済の結びつきは強まり、
国同士の相互依存も深まった。

その象徴が、冷戦の覇者の米国と、
グローバル化の申し子の中国という
2つの大国だった。

しかし21世紀、
とりわけ2020年代に入り、
逆転し始めた。

新型コロナウイルスの感染拡大、
ロシアのウクライナ侵略、
トランプ政権の米国第一主義、
中東での紛争激化――。

こうした動きは世界の分断を招き、
経済相互依存の姿を変えつつある。

ナフサ不足もその現象化の一つだ。

進んでいるのが、
いわゆる「経済の武器化」
あるいは「相互依存の武器化」だ。

中国によるレアアース輸出規制はその典型。
中国産原料に依存していた企業は、
供給途絶のリスクに直面した。

米国は「ドルの武器化」を進めた。
基軸通貨ドルの決済ネットワークから、
イランやロシアを排除した。

逆にイランは、
「ホルムズ海峡の武器化」を展開する。

そこで注目されるのが、
「経済安全保障」だ。

日本政府も2022年から、
経済安全保障担当大臣を置く。
初代は小林鷹之、二代目は高市早苗、
三代目が城内実、そしていまは小野田紀美。
何をしているかわからないが。

敵対国への依存を極力減らし、
サプライチェーンは同志国で再編する。

「経済の武器化への対抗手段として、
国や企業の対応は合理的に映る。
だが、世界経済全体でみれば
必ずしもそうはならない」

これが合成の誤謬。

「もっとも効率的な調達や生産が妨げられれば、
それだけコストは上がる」

「国や企業にとって安全保障上の負担であっても、
経済全体の効率は下がる」

さらに、経済の武器化が進み、
困窮する国が増えるほど、
不満や対立は積み重なり、
戦争のリスクが生じる。

経済安全保障の名の下に、
「経済の武器化」が、
世界で広がる現状は危うい。

同感だ。

コラムニストの提案。
「その連鎖を断つ『経済軍縮』が、
必要になるのではないか」

一方、日経新聞。
「ドンキが白黒包装の低価格PB」

PPIH。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。

6月に売り出すのがホワイトブランド。
素早い。

ネーミングは、
「Everyday Real Price」
EDRP。

もちろん「Everyday Low Price」のモジリ。

白黒包装でコストを抑えた、
低価格プライベートブランド。

生活必需品に特化する。

500mlのペットボトルの水。
値段は40円。
ボックスティッシュ(5箱)、196円。
スパゲティ1kg、214円。

26品目。

ナフサ不足が進んでいると言われる中、
カルビーが白黒パッケージの製品を出す。

それにかぶせるように、
プライベートブランドをつくる。

すでに5月にPPIHは、
モノクロ印刷のラガービールを発表している。
原産国はベトナム。
jk1749619825-1-main

白黒包装にすることで印刷コストを減らす。
ついでに物流の見直しをする。
量産効果も見込む。

ドンキの「情熱価格」など従来のPBと比べて、
最大で約7%の原価低減を実現。
PPIHで最も安い。

パッケージのデザインには、
「¥」の記号がつけられる。

もちろんドン・キホーテ、
MEGAドン・キホーテ、
ロビン・フッドのほか、
ユニー傘下のアピタ、ピアゴなど、
全国約670店舗で売る。

PPIHが全社共通のPBを投入するのは、
なんと初めてのことだとか。

年商は2026年6月期の見込みで、
売上高2兆3270億円、営業利益1700億円。

総力を挙げて、
EDRPを売り込む。

チェーンストア各社でも新しい取り組みはある。

イトーヨーカ堂は5月下旬から、
肉や刺し身のプラスチック製の蓋を、
ラップに変更している。

ファミリーマートは今夏から、
サンドイッチなどの包装で、
ブランドロゴを白黒にする。

イオンもトップバリュで、
プラ使用量を抑えた包装資材へ切り替える。
「かに風味かまぼこフレーク」は、
プラ使用量を約43%減らして、
容量を変えずに販売価格を192円に据え置いた。

しかしPPIHはそれをブランド化する。

前にも書いたが1980年ごろに、
「ホワイトブランド」が世界的に広まった。

アメリカでもノーブランドだらけだった。

私にとってはそのデジャヴ。

イオンもイトーヨーカ堂も、
他のチェーンストアも、
ホワイトブランド化は遠慮なくやっていい。

たとえばイオンのコンペティティブブランドは、
「ベストプライス」で、
これは黄色と黒のパッケージデザインだ。

これなどホワイトブランドにしても、
何ら問題はない。

お薦めするわけではないが、
指をくわえてみていることはないと思う。

カルビーは早かった。
ドンキも早かった。

ここでは合成の誤謬も、
無視していい。

〈結城義晴〉

2026年05月30日(土曜日)

ゲーテ「人は意味も無く他人を不愉快にする権利はない」

6月から値上げラッシュ。
食料品と飲食。

ホルムズ海峡封鎖の影響は、
食品値上げの22.7%に及ぶと試算されている。

日経新聞電子版。
「ガソリンとナフサ、
値動き『ワニの口』」

経済産業省発表の「4月の石油統計速報」

ガソリンとナフサのスポット価格は、
2月27日の価格を100とすると、
5月28日時点でガソリンは109.8、
ナフサは128.3。

生産量でみるとガソリンは10.9%減、
ナフサは22.8%減。

政府の窓口に届いたナフサなどの不足を訴える声は、
5月28日時点で約3200件にのぼる。

それが食品の値上げに影響を与えている。

政府からは相変わらず、
「節約」の呼びかけはない。

「積極財政」と「踏み込んだ節約」が、
一致しないかららしい。

メンツを気にしている時ではないと思うのだが。

さらに文春砲。
2790059_o

このブログでは触れたくはないが、
正常な選挙が行われていなかったとしたら、
民主主義の根底が揺らぐ。

改正公職選挙法第152条第1項では、
「候補者及び後援団体による挨拶を目的とする有料
インターネット広告を禁止」している。

誹謗中傷の動画は禁止されていないのか。

朝日新聞「天声人語」

「不思議で、仕方がない。
なぜ高市首相は正面から
向き合おうとしないのだろうか」

「選挙戦で自らの陣営が
他候補を中傷する動画を
SNSに投稿したとする疑惑に対し、
はぐらかすかのような姿勢が目立つ」

「衆院選で多くが驚いたように、
候補者の動画がスマホに一方的に
流れてくる時代である」

「SNSの言説に投票が大きく左右される」

規制は必須だろう。

天声人語。
「もっと丁寧に、誠実に、
首相が説明してもいい話ではないのか」

これに対して、
朝日新聞の電子版上の「コメントプラス」
コラムのすぐ後に出ている。

本田由紀東京大学大学院教育学研究科教授が、
はっきりと言い切った。
「不思議だとかなぜだろうとか、
ぬるいことを書いていないで、
真っ向から批判してはどうか」

拍手、拍手。
400233419

「新聞がここまで及び腰であるうちに、
選挙は壊れ、資源は途絶し、
情報統制は進み、
国はダッチロール状態にある」

全国紙も地方紙もひどく歯切れが悪い。
それこそが民主主義を後退させている。

さて読売新聞「時代の証言者」
鈴木幸一さんが1週間、
エッセイを書いている。

インターネットの草分け。
㈱インターネットイニシアティブ会長。

タイトルは「ネット開国に挑む」
その第4回。

「近年、大病をして人生を振り返って思うのは、
今の私の中核を形作ったのは、
小、中学生までの記憶や体験ということです」

「逆に言えば、それ以降はその殻にとどまり、
成長していないのかもしれません」

ん~、そういうことか。
自分を振り返ってみる。

「中学の時、冬休みになると、
家でNHKラジオの第2放送にかじりつき、
その年にドイツのバイロイト音楽祭で演奏された
ワーグナーのオペラに夢中になりました」

なんというか、大人びている。

「今では毎年のようにバイロイト音楽祭に出かけ、
ワーグナーの子孫の方々との交流も
生まれています」

「幼い頃から早寝早起きでしたが、
中学生になると、一転して
夜明けまで眠らず、
ひたすら本を読む習慣がついてしまいました」

「書店に行っては、
年齢不相応な本を買ってきたものです」

「ロシアの文豪ドストエフスキーやツルゲーネフ、
ドイツ文学にも親しみました」

「ゲーテ全集の中に小説『親和力』がありました」
81UZdg1fwkL._SL1500_

そのなかの一節。
「人は意味も無く
他人を不愉快にする
権利はない」

この言葉に中学生鈴木幸一は感動する。
「私の行動規範となりました」

「私が社会人になり、
相手の年齢や性別、職業に関係なく
付き合って酒を飲み、
新しい知識を吸収してこられたのは、
この言葉との出合いのおかげかもしれません」

意味もなく、
他人を不愉快にする、
権利はない。

「私は経験上、全ての知力の基礎は読書で、
本さえ読んでいれば、何とか、
頭は鍛えられると思います」

同感だ。

「考えてみれば、今の私の知識のほとんどは、
中学時代の読書によって培われたものです」

私はそれが高校や大学まで続いた。
鈴木さんのような「早熟」ではなく、
「晩熟」だったのだと思う。

それでも知識は読書から得た。

「今、幼少期から
スマートフォンなどの端末を使い、
オンラインゲームやSNSなどに
多くの時間を費やしてしまうことが
大きな社会問題になっています」

「IT業界に身を置く者として
発言しにくい部分はありますが、
小さい頃からスマホ漬けになるのは
危ない話だし、心配しています」

「コミュニケーションの道具として
効率的な使用を心がけるべきです」

「そうでないと、
本当なら知識や思い出として
脳に記憶するべきものが全て
電子機器に預けられてしまいます」

「人間が成長していく上で記憶は
本当に大切なものだと痛感します」

「薄っぺらい人間に成長しないか、
気掛かりです」

これについては同感だが最近、
あまり本を読まないのに、
優れた判断力をもつ天才を知った。

本を読むと言っても、
どんな本を読んだか、
どの程度、どんなことを理解したか、
記憶にとどめたか。

それによって人間の考え方が出来上がる。

「人は意味も無く
他人を不愉快にする
権利はない」

商売や仕事の基本であり、
人間の生き方の基本である。

〈結城義晴〉

2026年05月29日(金曜日)

Message「異常値を疑え。」と2025日本の人口減と世帯増

1日中、横浜の商人舎オフィス。
月刊商人舎の原稿を書き、
入稿した。

そういえば先月号のMessage、
このブログで紹介していなかった。
ラスベガスに滞在していて、
ブログに書くことが多かったせいでもある。
[Message of May]
異常値を疑え。

「異常値販売」が大流行したことがあった。
あっちもこっちも「異常値、異常値」。
辟易(へきえき)するほどだった。

異常な数値が現れる。
それは問題の発生を意味する。
対応のオペレーションが必要になる。

さらに異常値を放置すると需要予測が狂う。
異常値を見逃すと在庫管理をミスする。
過剰在庫か、在庫不足かがわからなくなる。

さまざまな分析に齟齬が生じる。
店舗評価、商品評価を間違う。
場合によっては人の評価も誤る。

しかしブームを起こした「異常値販売」は、
通常はあり得ない状態を意図的につくれと促した。
経営資源を集中させて業績を跳ね上げよと命じた。

伸びているところを伸ばす。
これは業績を向上させるための王道だ。
それは自然な政策だ。

けれど意図的に「異常値」をつくろうと、
普通の会社がやらない施策を実行する。
極端な一点突破を試みる。

奇異な販促で異常値を出す。
特別の安売りで異常値を出す。
あの手この手で異常値販売を目指す。

それは平均的な店には効くかもしれない。
前年対比ばかり気にする会社には、
効果があるかもしれない。

だがウォルマートのEDLPは、
売上げの波動の波を減らすのが目的だ。
異常値づくりではなく高次安定が狙いだ。

そのための仕組みをつくる。
システムを構築する。
人財を育てる。

そんなマネジメント水準ができ上がると、
異常値を疑ってかかるようになる。
そして異常値には迅速に対応する。

年商50億円超のスーパーマーケット、
60億円に達する超繁盛店。
それらは異常値の集積の結果ではない。

誰も無理をすることなく、
普段通りに仕事をすれば、
驚くほどの成果が出る。

ドラッカーは言う。
「いい工場は静かである」
これは異常値販売の喧騒とは違う。

異常値を疑え。
異常値を問題視せよ。
その域に到達せよ。〈結城義晴〉
202605_message
前年対比でしか考えない組織には、
「異常値をつくれ」と発破をかける効果もあろう。

しかしそれは特徴のない店、
ポジショニングの欠落した企業の話だ。

ドラッカーに言わせれば、
「異常値」が発現したとしたら、
それはInnovationの苗床である。
だから無理やり「異常値」をつくろうとしたら、
Innovationの芽を摘んでしまうことにもなる。

さて、日本の人口が減り続けている。
2025年国勢調査速報値。
昨25年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口。
1億2304万9524人。
約1億2300万人。

2020年の前回調査から、
309万6575人の減少、
2.5%減。

5年間で310万人減。

日本の歴史で最も人口が多かったのが、
2010年の1億2805万7352人。
202501_yuuki

それと比べても500万人が減った。

15年から20年にかけての減少率は0.7%で、
人口減の勢いは加速した。

総務省の分析。
「少子化と高齢化が進み、
自然減が拡大しているため」

国連の推計では、
日本の人口は世界で12位。

日本の総人口のうち、
男性は5977万8826人、
女性は6327万698人。

女性100人に対して男性は94.5人。

都道府県別にみると、
東京都と沖縄県だけが増加した。
東京都は19万8621人増の1424万6219人、
増加率も全都道府県で最も高い1.4%。
日本全体に占める割合は11.6%。

東京への人口集中は続いている。

沖縄県は0.1%増の146万8220人。

人口減少数がもっとも大きかったのは北海道。
23万9195人減。

これは意外な気がする。

人口が100万人以上の都市は12市。
東京都特別区部、横浜市、大阪市、名古屋市、
札幌市、福岡市、川崎市、神戸市、
京都市、さいたま市、広島市、
最後は一つの市はどこか。

クイズです。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・仙台市。

一方、世帯数は過去最多だった。
全国の世帯数は、
5712万4507世帯。
5712万世帯。
前回と比較して2.3%増加。

1世帯あたりの人数は2.15人。
比較可能な1970年以降で過去最少。

つまり世帯数は増えたが、
世帯人数は減った。

単身世帯の増加傾向も進む。

世帯数の増加率最大は沖縄県。
5年前から6.1%増。

1世帯あたり人数最多は山形県の2.49人、
最少は東京都の1.88人。

人口と世帯。

ここには、
商売とビジネスのヒントが詰まっている。
人口減少は周知の「異常値」でしょう。

人口が減っていても、
世帯が増えていたら、
そこにはInnovationの苗床がある。

〈結城義晴〉

2026年05月28日(木曜日)

築47年「イオンスタイル鴨居」開業と環境の「動脈・静脈産業」

イオンスタイル鴨居。
本日オープン。
BCO.fd6c6929-ca1c-4cce-9bdc-5245b3a46ace

ダイエー鴨居店からの転換。

1978年に忠実屋鴨居店として開業した物件。

1994年3月1日、4社合併で、
ダイエーがユニードダイエー、ダイナハと共に、
忠実屋を吸収した。

そこでこの年、ダイエー鴨居店に転換。

さらに2015年1月1日に、
ダイエーはイオンの完全子会社となる。

5年後の2020年、この店は、
イオンフードスタイルにバナーを変更。

そして今年2月にいったん閉業して、
本日、オープン。

今年の3月1日、イオンは、
スーパーマーケット事業の再編を行った。
その結果、首都圏のダイエー店舗は、
新会社㈱イオンフードスタイルに統合された。

一部のダイエーの大型店舗は、
イオンリテール㈱が運営することになった。
イオンスタイル鴨居はそのうちの1店。

ダイエー時代から繁盛店だった。

3カ月の休業期間中、
地域から再開の要望書が寄せられた。

そこで開店の挨拶にたった、
藤川慎一郎店長の第一声。
「お待たせして申し訳ございませんでした」aeon-fujikawa-ceremo

建物は3フロアだが、
1階、2階にイオンスタイルが入る。
売場面積は839坪。

1階に生鮮・惣菜、グロサリー。
2階に冷凍食品、菓子、酒類、
それにヘルス&ビューティケア。
エスカレーターで回遊させる。

オープン前には500人の行列。aeon-kamoi-line

この日は最大で1000人並んだ。

オープンを5分早めた。

築47年の建物。
急ピッチの改装だったため、
内装は凝った変更はしていない。
しかしイオンリテールの最新のMDを投入した。

精肉部門では、5等級の和牛は、
インストア加工で付加価値をつくる。aeon-kamoi-meat

鮮魚は対面コーナーを新たに設けた。
担当者を配置して売り込む。aeon-kamoi-fish

惣菜部門では壁面にばら売りの焼き鳥売場を設けた。aeon-kamoi-deli

2階の先頭は「FROZEN」の売場。aeon-kamoi-frozen

HBCゾーンにはイオン薬局が入る。aeon-kamoi-pharma

3階の空きスペースで、
プレス向けのブリーフィング。aeon-kamoi-press

藤田一夫さんが、
南関東カンパニー東神奈川事業部事業部長。
aeon-fujita
鴨居店で担当店舗は17店舗となる。
改装にあたって、自らレイアウトをひく。
「商人舎を参考にしています」
ありがとうございます。

藤川慎一郎店長が店づくりの考え方を語ってくれた。
aeon-fujikawa
「午前中と日中、夕方では、
お客さまの層が一変する店です」

期待が伝わってくる。

保有し運営する会社は変わっても、
店は地域に貢献し続ける。

凄いことです。

私は商人舎オフィス。
10時にお二人がやってきた。

鈴木國朗さんと西村知子さん。
IMG_7248 (002).jpg2
鈴木さんはご存知、商人舎の執筆者で、
スーパーマーケットのコンサルタント。

西村さんは環境カウンセラー。
このカウンセラーは環境省が運営する登録制度だ。
環境保全に関する豊富な知識と経験を持つ個人が、
地域や企業の環境活動を支援する、
専門家として登録される仕組み。

その西村さんからカーボンニュートラルをはじめ、
環境問題への取り組みの話を聞いた。
IMG_7245 (002).jpg2

動脈産業とは、自然から採取した資源を、
加工し、製品を生産・流通・販売する産業。

一方、静脈産業は製造過程、消費過程で、
不要になった製品や資材を回収し、
リユースやリサイクルを通じて再利用する産業。

静脈産業が重要なのだ。

チェーンストアではイオンやセブン&アイ、
ヤオコーや良品計画が、
積極的な取り組みをしている。

もちろんファーストリテイリングも。

その具体的な話を聞いた。
ありがとうございました。

いろいろなコラボレーションができるに違いない。

その後、すぐに東京お茶の水へ。
IMG_E3354

駅の隣りに聖橋がある。IMG_E3356

神田川にかかるアーチ形の橋。IMG_E3355

駅前の新お茶の水ビルディング。
18階・19階・20階に井上眼科クリニックがある。IMG_E3353

20階に上がって受付をして、
視力検査と視野検査。

眼下に東京の街が見える。IMG_E3349

手前に湯島天神がある。
その先に神田明神。IMG_E3350

眼圧の検査のあとで、
真打登場。
富田剛司先生の診察。
IMG_E3351
日本の緑内障の権威。
私の執刀医。

右眼の眼圧は少し高かった。
視野はずいぶん狭くなった。

それでもまあまあの結果だ。
いつもの4種類の点眼薬を処方してもらった。

ありがとうございました。

次は4か月後の診察です。
よろしくお願いします。

地下1階に丸亀うどんの店。
うどんも弁当も直売している。IMG_E3352
実にうまい。

急いで横浜のオフィスに戻ると、
もう5時を過ぎていた。

そして月刊商人舎6月号の入稿。
遅くまで原稿整理。

忙しい1日だったが歩数は7476歩。

お疲れ様。

〈結城義晴〉

2026年05月27日(水曜日)

住友達也「とくし丸」創業者は今「ぐ〜す〜月刊とくし丸編集長」

住友達也さん。

商人舎オフィスに来てくれた。

とくし丸の創業者。
現在はファウンダーで、
ぐ〜す〜月刊とくし丸編集長。IMG_7243 (002)
とくし丸は現在、
全国に約1200台が走っている。

協力スーパーマーケットは、
北海道のダイイチから、
沖縄のりうぼうまで、
47都道府県に及ぶ。

おばあちゃん、おじいちゃんにとって、
なくてはならない買物媒体となった。
顧客数18万人だとか。

とくし丸は「究極のセレクトショップです」

「おばあちゃんのコンセルジュを目指します」

「御用聞きでもあるのです」

「全てのお客さんに対面販売します」

「売りすぎません、捨てさせません。」

「街の毛細血管となります。」

「販売パートナーが主役です」

住友さんは次々にキラーフレーズをつくり出した。

そして今、パートナーさんたちに向けた、
アプリを開発して、
とくし丸の販売車がどこを走っているかが、
わかるようになっている。
凄い「移動スーパー」の事業体となってきた。

月刊商人舎ではこれまで2回、
特集して住友さんに登場願った。

2015年4月号特集。
ネットスーパー! 移動スーパー!!
2015年4月移動スーパーネットスーパー

「住友達也の独白」を載せた。
住友達也

2019年7月号特集は、
アスクル&とくし丸
201907_coverpage-448x635 (1)

このときには対談した。
スクリーンショット 2026-05-28 114110

「とくし丸の前進」のルポ記事も載せた。
tokusimarunozennsinn

今、㈱とくし丸は、
オイシックス・ラ・大地㈱の傘下にある。
だから代表取締役会長は、
高島宏平オイシックス・ラ・大地社長、
代表取締役社長は新宮歩同執行役員。

住友さんは取締役として、
実質的に会社を動かしている。

「10円ルール」という独特の制度を、
「20円ルール」に変えた。
それによって販売パートナー、
協力スーパーマーケット、
とくし丸本部が、
三位一体で収益性を確保する体制が生まれた。

インフレが進む現在、
さまざまなコストが急上昇する今、
私はこれは妥当な決断だと賛同している。

顧客の皆さんも、
歓迎してくれている。

住友さんご自身は、
隔月刊誌「ぐ~す~月刊とくし丸」編集長として、
企画作りから執筆者交渉まで、
東奔西走。

もともとタウン情報誌『あわわ』を創刊し、
㈱あわわを設立している。

根っからの編集者だ。
「ぐ~す~とくし丸」も、
その住友さんの熱意と才気が、
ほとばしるような媒体だ。

私も愛読しているが、
1冊定価280円は、安すぎるくらいだ。

とくし丸を動かしているスーパーマーケットは、
店頭で積極的に拡販してほしいものだ。

さらに今、住友さんは、
「移動スーパーマーケット協会」の設立を考えている。

その話を聞いて、
私は実にいいことだと賛成した。

微力ながら私と商人舎にできることは、
協力しますよ。

私は2015年の特集号で、
[Message of April]を書いた。
Fotolia_68716229_L (1)

世間良し、天も良し。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

近江商人の商売哲学にして、
世界商業の現代化原理。
「三方良し」。

リアル店舗のスーパーマーケットも、
ネットスーパーも、
移動スーパーの「とくし丸」も。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

こうでなくてはいけない。
商売の神様も仏様も、
解脱の手助けはしてくれない。

それが小売業の近代化の次に、
商業の現代化を果たすときにも、
貫徹すべき大原則である。

規模のメリットを追求し、
生産性の向上を追いかけ、
結果、行き詰まってしまった近代小売業。

ここまでは工業化すべきであり、
ここから先は工業化してはならない。
二つの性格を持った産業。

それが私たちの小売業、
私たちのチェーンストア、
私たちの消費産業。

リアル店舗小売業も、
ノンストアリテイリングも、
ネットスーパー、移動スーパーも。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第2回 バイヤー研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年6月
« 5月  
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.