結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年05月28日(木曜日)

築47年「イオンスタイル鴨居」開業と環境の「動脈・静脈産業」

イオンスタイル鴨居。
本日オープン。
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ダイエー鴨居店からの転換。

1978年に忠実屋鴨居店として開業した物件。

1994年3月1日、4社合併で、
ダイエーがユニードダイエー、ダイナハと共に、
忠実屋を吸収した。

そこでこの年、ダイエー鴨居店に転換。

さらに2015年1月1日に、
ダイエーはイオンの完全子会社となる。

5年後の2020年、この店は、
イオンフードスタイルにバナーを変更。

そして今年2月にいったん閉業して、
本日、オープン。

今年の3月1日、イオンは、
スーパーマーケット事業の再編を行った。
その結果、首都圏のダイエー店舗は、
新会社㈱イオンフードスタイルに統合された。

一部のダイエーの大型店舗は、
イオンリテール㈱が運営することになった。
イオンスタイル鴨居はそのうちの1店。

ダイエー時代から繁盛店だった。

3カ月の休業期間中、
地域から再開の要望書が寄せられた。

そこで開店の挨拶にたった、
藤川慎一郎店長の第一声。
「お待たせして申し訳ございませんでした」aeon-fujikawa-ceremo

建物は3フロアだが、
1階、2階にイオンスタイルが入る。
売場面積は839坪。

1階に生鮮・惣菜、グロサリー。
2階に冷凍食品、菓子、酒類、
それにヘルス&ビューティケア。
エスカレーターで回遊させる。

オープン前には500人の行列。aeon-kamoi-line

この日は最大で1000人並んだ。

オープンを5分早めた。

築47年の建物。
急ピッチの改装だったため、
内装は凝った変更はしていない。
しかしイオンリテールの最新のMDを投入した。

精肉部門では、5等級の和牛は、
インストア加工で付加価値をつくる。aeon-kamoi-meat

鮮魚は対面コーナーを新たに設けた。
担当者を配置して売り込む。aeon-kamoi-fish

惣菜部門では壁面にばら売りの焼き鳥売場を設けた。aeon-kamoi-deli

2階の先頭は「FROZEN」の売場。aeon-kamoi-frozen

HBCゾーンにはイオン薬局が入る。aeon-kamoi-pharma

3階の空きスペースで、
プレス向けのブリーフィング。aeon-kamoi-press

藤田一夫さんが、
南関東カンパニー東神奈川事業部事業部長。
aeon-fujita
鴨居店で担当店舗は17店舗となる。
改装にあたって、自らレイアウトをひく。
「商人舎を参考にしています」
ありがとうございます。

藤川慎一郎店長が店づくりの考え方を語ってくれた。
aeon-fujikawa
「午前中と日中、夕方では、
お客さまの層が一変する店です」

期待が伝わってくる。

保有し運営する会社は変わっても、
店は地域に貢献し続ける。

凄いことです。

私は商人舎オフィス。
10時にお二人がやってきた。

鈴木國朗さんと西村知子さん。
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鈴木さんはご存知、商人舎の執筆者で、
スーパーマーケットのコンサルタント。

西村さんは環境カウンセラー。
このカウンセラーは環境省が運営する登録制度だ。
環境保全に関する豊富な知識と経験を持つ個人が、
地域や企業の環境活動を支援する、
専門家として登録される仕組み。

その西村さんからカーボンニュートラルをはじめ、
環境問題への取り組みの話を聞いた。
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動脈産業とは、自然から採取した資源を、
加工し、製品を生産・流通・販売する産業。

一方、静脈産業は製造過程、消費過程で、
不要になった製品や資材を回収し、
リユースやリサイクルを通じて再利用する産業。

静脈産業が重要なのだ。

チェーンストアではイオンやセブン&アイ、
ヤオコーや良品計画が、
積極的な取り組みをしている。

もちろんファーストリテイリングも。

その具体的な話を聞いた。
ありがとうございました。

いろいろなコラボレーションができるに違いない。

その後、すぐに東京お茶の水へ。
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駅の隣りに聖橋がある。IMG_E3356

神田川にかかるアーチ形の橋。IMG_E3355

駅前の新お茶の水ビルディング。
18階・19階・20階に井上眼科クリニックがある。IMG_E3353

20階に上がって受付をして、
視力検査と視野検査。

眼下に東京の街が見える。IMG_E3349

手前に湯島天神がある。
その先に神田明神。IMG_E3350

眼圧の検査のあとで、
真打登場。
富田剛司先生の診察。
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日本の緑内障の権威。
私の執刀医。

右眼の眼圧は少し高かった。
視野はずいぶん狭くなった。

それでもまあまあの結果だ。
いつもの4種類の点眼薬を処方してもらった。

ありがとうございました。

次は4か月後の診察です。
よろしくお願いします。

地下1階に丸亀うどんの店。
うどんも弁当も直売している。IMG_E3352
実にうまい。

急いで横浜のオフィスに戻ると、
もう5時を過ぎていた。

そして月刊商人舎6月号の入稿。
遅くまで原稿整理。

忙しい1日だったが歩数は7476歩。

お疲れ様。

〈結城義晴〉

2026年05月27日(水曜日)

住友達也「とくし丸」創業者は今「ぐ〜す〜月刊とくし丸編集長」

住友達也さん。

商人舎オフィスに来てくれた。

とくし丸の創業者。
現在はファウンダーで、
ぐ〜す〜月刊とくし丸編集長。IMG_7243 (002)
とくし丸は現在、
全国に約1200台が走っている。

協力スーパーマーケットは、
北海道のダイイチから、
沖縄のりうぼうまで、
47都道府県に及ぶ。

おばあちゃん、おじいちゃんにとって、
なくてはならない買物媒体となった。
顧客数18万人だとか。

とくし丸は「究極のセレクトショップです」

「おばあちゃんのコンセルジュを目指します」

「御用聞きでもあるのです」

「全てのお客さんに対面販売します」

「売りすぎません、捨てさせません。」

「街の毛細血管となります。」

「販売パートナーが主役です」

住友さんは次々にキラーフレーズをつくり出した。

そして今、パートナーさんたちに向けた、
アプリを開発して、
とくし丸の販売車がどこを走っているかが、
わかるようになっている。
凄い「移動スーパー」の事業体となってきた。

月刊商人舎ではこれまで2回、
特集して住友さんに登場願った。

2015年4月号特集。
ネットスーパー! 移動スーパー!!
2015年4月移動スーパーネットスーパー

「住友達也の独白」を載せた。
住友達也

2019年7月号特集は、
アスクル&とくし丸
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このときには対談した。
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「とくし丸の前進」のルポ記事も載せた。
tokusimarunozennsinn

今、㈱とくし丸は、
オイシックス・ラ・大地㈱の傘下にある。
だから代表取締役会長は、
高島宏平オイシックス・ラ・大地社長、
代表取締役社長は新宮歩同執行役員。

住友さんは取締役として、
実質的に会社を動かしている。

「10円ルール」という独特の制度を、
「20円ルール」に変えた。
それによって販売パートナー、
協力スーパーマーケット、
とくし丸本部が、
三位一体で収益性を確保する体制が生まれた。

インフレが進む現在、
さまざまなコストが急上昇する今、
私はこれは妥当な決断だと賛同している。

顧客の皆さんも、
歓迎してくれている。

住友さんご自身は、
隔月刊誌「ぐ~す~月刊とくし丸」編集長として、
企画作りから執筆者交渉まで、
東奔西走。

もともとタウン情報誌『あわわ』を創刊し、
㈱あわわを設立している。

根っからの編集者だ。
「ぐ~す~とくし丸」も、
その住友さんの熱意と才気が、
ほとばしるような媒体だ。

私も愛読しているが、
1冊定価280円は、安すぎるくらいだ。

とくし丸を動かしているスーパーマーケットは、
店頭で積極的に拡販してほしいものだ。

さらに今、住友さんは、
「移動スーパーマーケット協会」の設立を考えている。

その話を聞いて、
私は実にいいことだと賛成した。

微力ながら私と商人舎にできることは、
協力しますよ。

私は2015年の特集号で、
[Message of April]を書いた。
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世間良し、天も良し。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

近江商人の商売哲学にして、
世界商業の現代化原理。
「三方良し」。

リアル店舗のスーパーマーケットも、
ネットスーパーも、
移動スーパーの「とくし丸」も。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

こうでなくてはいけない。
商売の神様も仏様も、
解脱の手助けはしてくれない。

それが小売業の近代化の次に、
商業の現代化を果たすときにも、
貫徹すべき大原則である。

規模のメリットを追求し、
生産性の向上を追いかけ、
結果、行き詰まってしまった近代小売業。

ここまでは工業化すべきであり、
ここから先は工業化してはならない。
二つの性格を持った産業。

それが私たちの小売業、
私たちのチェーンストア、
私たちの消費産業。

リアル店舗小売業も、
ノンストアリテイリングも、
ネットスーパー、移動スーパーも。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

〈結城義晴〉

2026年05月26日(火曜日)

日経・朝日の鈴木敏文追悼記事と結城義晴の「鈴木語録」

2026年5月26日の日経新聞は、
鈴木敏文さんの記事だらけ。
そんな印象すら受ける。
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一面記事。
鈴木敏文氏死去 93歳、
セブン&アイ元会長」

社説。
「コンビニで社会変えた鈴木氏」

ビジネス2欄。
「常に変革、コンビニの祖」と題して、
ほぼ全面を割いた。
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[評伝]は客員編集委員の田中陽さんが書いた。
(この記事は電子版に前日から掲載されていた。
私はそれを読んでブログに引用させてもらった)

「記者が今月7日、鈴木氏の執務室に入ると
パソコンで前日の営業成績を見て、
ため息をついているようだった」

「現場主義のカリスマ」
これは略歴の紹介記事。

「鈴木氏の発言」
⑴「大型店と中小小売店は共存できる」

⑵「米国のコンビニのまねは嫌いだ」

⑶「サンダル履きでいける『手軽さ』が
付加価値を生んだ」

⑷「限界はない。満足するのはありえない」

現在のセブン-イレブン経営陣に対するエール。

そして「産業界から悼む声」
柳井正ファーストリテイリング会長兼社長。
「顧客起点の発想で流通業の常識を変革し、
新たな価値を生み出し続けてきた
稀有(けう)な経営者だった。
同じ流通・小売に携わる者として、
多くの示唆をいただいた」

伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO。
「偉大な人だった」

「セブンプレミアム」に関して、
「人口減社会でも良い商品を作って
1人当たりの単価を伸ばせば売り上げは増えると
まずは良い商品を開発することを
重視していた姿勢が印象に残っている」

キヤノンの御手洗冨士夫会長CEO。
「中央大学の同窓として、
政治・経済をはじめ多方面にわたり
意見を交わす機会があった」

「業種の違いを超え、
経営に対する基本的な考え方に
多くの共通点を見いだすことができたことは、
私にとってかけがえのない学びだった」

ローソン・竹増貞信社長。
「厳しくも優しくもあり、
業界のことをしっかり考えている方だった」

さらに電子版には編集委員の中村直文さん。
「セブン&アイ『カリスマ経営』光と影」
この記事は「カリスマ後の経営の難しさ」を指摘した。

朝日新聞も一面の逝去の記事と、
経済・総合面の[評伝]
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やはり日経が朝日を圧倒した。

「私の履歴書」を読んで、
私も印象的な言葉をメモした。

「社外取締役がボードの過半を占めるのが
米国型企業統治。(中略)
私は米国でセブン-イレブンの再建にかかわって
メリットとデメリットを肌で実感した。
必ずしも日本の実情に合ったものではないように思う」

社外取締役の問題を指摘していた。
私も同じことを感じる。

「社会環境や組織風土、国民性の違いを無視して
米国の手法を形だけ、一部分だけまねすると、
かえって経営をゆがめる危険性がある。
うのみ、ものまねの経営を
トップはすべきではない」

同感だ。

学ぶのはいい。
しかし鵜呑み、物真似の経営は、
よろしくない。

持株会社のセブン&アイをつくって、
そのあとでそごう・西武を買収した。
「気の短いトップを持つとスタッフは大変だが、
経営は決断したらすぐ実行することだ」

鈴木さんはとにかく気が短い。
それは柳井正さんにも通じる。

いや中内功さんも岡田卓也さんも、
実は伊藤雅俊さんも。
清水信次さんも横山清さんも、
北野祐次さんも荒井伸也さんも、
倉本長治も渥美俊一も、
例外なく気が短かった。

「ゴルフは気の合う仲間とよく出かける。
目的は運動不足解消でただただ速く回る」

「行きつけのゴルフ場は
小金井カントリー倶楽部。
そのキャディーさんから驚かれた。
『こんなに速く回るのは田中角栄さん以来だ』」

小金井は私も柳井さんとラウンドした。
柳井さんに対して私も思った。
「こんなに速く回る人」を知らない。

鈴木さんの言葉のなかで、
これは実行したい。
「成功する保証はなくても
7割方可能性が見えたら
挑戦してみることだ」

「運もある。私の場合、
組織にしがみつかなかったことが
逆に運に結びついたのかもしれない」

組織に縛られてはいけない。
組織にしがみついてもいけない。

最後の言葉。
「毎日が瀬戸際と思い、
1日1日を精一杯生きる」

「当たり前のことを当たり前に、
ただし徹底してやり通す。
これが私の生き方だと思っている」

ありがとうございました。
安らかにお眠りください。

合掌。

〈結城義晴〉

2026年05月25日(月曜日)

鈴木敏文さんのご逝去と「歴史的な和解」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㉑]

2026年第22週。
5月最終週。

訃報です。

鈴木敏文さん。
93歳。
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セブン-イレブンの実質的な創業者。
そしてそのコンビニエンスストアを、
日本最高のチェーンストアに育て上げた経営者。
だから「日本コンビニの父」である。

商人舎流通SuperNewsでも取り上げた。
訃報|
セブン&アイ鈴木敏文名誉顧問逝去、93歳/「日本コンビニの父」

5月18日(月)、心不全により逝去。

日経新聞の田中陽さんによると、
今週も小金井カントリークラブで、
ゴルフをする約束をしていたというから、
突然の逝去だったのだろう。

いわゆる「ピンピンコロリ」で、
その面では大往生。

最後の肩書は、
㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問。

すぐに日経新聞の「私の履歴書」を読み返した。
2007年までの自伝だが、
これが一番、よくわかる。

かなり正直に自分のことを語っている。

しかし何かが足りない。

鈴木敏文の本質を真摯に表現した書物は、
いつか必要になるだろう。

書いてみたい気がする。

鈴木さんは長野県生まれ、
その長野県人気質が一生を貫いていた。

真面目で几帳面な堅物。
それも群を抜いた堅物。

子どものころから、
シャイで人との接触が苦手な性格だった。

しかしそれを打ち破ろうと、
高校では生徒会長になった。

中央大学経済学部に進んだが、
ここでも学生運動に引き込まれて、
書記長を務める。

1963年、出版物の問屋「取次」のトーハンに入社。
ここでは広報誌の編集に携わり、
労働組合では書記長。

モノよりもヒトに関心が強く、
そのヒトを動かすことに長けた人間だった。

それから㈱イトーヨーカ堂に転職。
労働集約型の産業への異動である。

初めは販促を担当していた。
やがて人事や管理を受け持った。

小売り現場で仕事をしたことがない。

自分でも言っている。
「私は販売も仕入れも直接携わった経験がない。
だから顧客の立場で考えるしかなく、
自身の顧客心理から、
『おいしいものほど飽きる』などと、
一見、理解しがたいことを言い続ける」

1973年、㈱ヨークセブンを設立。
米国サウスランド社と契約を結んで、
1974年、日本でのコンビニ展開を開始した。

それからのイノベーションの連続は、
いろいろなところで語られ、書かれている。

それが「セブン-イレブンの奇跡」と称された。

月刊商人舎6月号で「評伝」を書こう。

私自身も大変にお世話になった。

とは言っても鈴木さんに、
何度もインタビューをしたわけではない。
それは商業界の先輩の故緒方知行さんが、
独占的にやり続けた。

鈴木さんは多くの人の前では、
堂々と正論を吐くのを得意とした。

しかし一対一ではどういうわけか、
まったく会話が弾まなかった。
自戒している。

しかし緒方さんはその一対一の達人だった。
だから緒方さんはまるで、
鈴木敏文のスポークスマンのように、
鈴木語録を拡散し続けた。

私がお世話になったというのは、
鈴木さんと懸案の問題を解決したからだ。

私が商業界の食品商業編集長の時だ。

セブン-イレブンは、
加盟店向けの展示会を開催する。
その展示会場では毎回、
最新の品揃えモデルパターンが開示される。

そしてマスコミ各社は、
そのモデルを取材して、
雑誌や新聞で紹介した。

食品商業は1991年2月号で、
総力特集を組んだ。
「絞り込み」のススメIMG_E3340[1].jpg2

この特集は大好評で、
直後からチェーンストア業界の経営課題は、
「絞り込み」一色となった。

鈴木敏文さんは言っていた。
「絞り込みはいいが、
削り込みはダメ」

この特集の中でセブン-イレブンの棚割りが、
1987年と1990年で比較検討された。

その記事も好評だった。

するとセブン-イレブンの広報室から、
クレームが入った。

「棚割りは掲載許可を出していない」

その後の経緯はここでは書けないが、
両者の間で揉めに揉めて、
㈱商業界と㈱イトーヨーカ堂グループは、
結局、絶縁状態となった。

商業界は東京都港区麻布台にあった。
イトーヨーカ堂本社は隣の森ビルに入っていた。

隣り同士なのに交流がなくなった。
取材もインタビューもできなくなった。

しかし商業界の5誌の編集部は、
以前にもましてアンテナを鋭敏にして、
現場取材や外部取材を徹底し、
イトーヨーカ堂やセブン-イレブンの記事を、
必死で書き続けた。

それから13年後の2004年、
私は㈱商業界社長となっていた。

年末の12月30日に、
四谷に移っていたイトーヨーカ堂本社を訪れた。

前年の2003年に、
会長の座についていた鈴木敏文さんと、
二人だけで話をした。

そしてこの問題を解決した。

鈴木さんはやはり、
一対一はやりにくそうだった。
けれど私への思いやりがあった。
私は静かに感動した。

これは両者にとって、
歴史的な和解だった。

翌日の大晦日、
東京には大雪が降った。

その後、セブン&アイと商業界は、
通常の交流ができるようになった。

私が商業界の社長を退任して、
㈱商人舎を起こしたときには、
伊藤雅俊さんが発起人となってくださった。

もちろん鈴木さんとも、
変わらぬ交流を心掛けた。

しかし私は鈴木敏文という経営者に対して、
一呼吸おいて眺める癖が抜けなかった。
13年間の歳月がそうさせたのかもしれない。

伊藤さんに対してはそれがなかった。

鈴木さんが逝去されて、
あらためてその心の中に入っていって、
いろいろ聞きたいと思ったりする。

緒方さんとは全然、違った質問を、
私はするのだろう。

しかしもう鈴木敏文さんはいない。

心からご冥福を祈りたい。

では、みなさん、今週も、
元気を出して、鈴木敏文を見習おう。
大原則を貫こう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2026年05月24日(日曜日)

大相撲夏場所の「ワカ・タカカゲ」二度目の幕内優勝に酔う

大相撲夏場所千秋楽。
優勝決定戦となった。

大関霧島と小結若隆景が12勝3敗で並んだ。

決定戦は、
若隆景が互角の立ち合いのあと、
見事な出足と「おっつけ」で、
霧島を押し出した。
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この若隆景、身長183.0cm、体重135.0kg。
幕内力士としては小柄だ。

しかし生い立ちを見ると、
相撲一家に生まれて、
生粋の相撲取りだ。

母方の祖父は小結若葉山で父は幕下若信夫。
兄は幕下若隆元と幕内若元春。

三人兄弟の三男。

福島市立吉井田小学校1年生のときに、
兄たちと一緒に相撲を始めた。

相撲クラブの指導者だった父親から教えられた。

二人の兄と一緒の学法福島高校に進学。

身体が小さかったから、
東洋大学法学部に進んで相撲を続けた。

兄二人は大相撲入りしていた。

4年次には相撲部副主将。
全国学生相撲選手権大会で団体優勝、
個人で準優勝。

プロとなる「大相撲」では、
兄たちと同じ荒汐部屋に入門、
三段目付出しで初土俵。

四股(しこ)名は戦国武将毛利元就の「三本の矢」に因む。
元就の三人の子は毛利隆元と、
吉川元春、小早川隆景だった。

ここから一番上の兄は「若隆元」、
次の兄は「若元春」となり、
三男は「若隆景」となった。

「若」は祖父の若葉山と父の若信夫からとられた。

その若隆景、
初土俵2場所目に三段目優勝、
翌年1月場所で幕下優勝、
さらに十両優勝を重ねて、
幕内に昇進した。

2021年7月場所で、
新三役の小結に昇進。

小柄ながら技能力士として、
とんとん拍子で出世した。

2022年春場所では、
千秋楽に12勝3敗。

優勝決定戦で髙安を、
上手出し投げで破って、
新関脇で初優勝。

年6場所制定着以降で史上初。

しかし好事魔多し。

2023年春場所に右膝前十字靭帯断裂。
手術をして長期離脱。

番付は幕下まで下がった。

リハビリを経て、6カ月で関取復帰を果たす。

そしてこの5月の夏場所。

優勝決定戦で、前場所優勝の霧島と対戦。
25場所ぶりの幕内最高優勝を飾った。

人間万事塞翁が馬。

感動した。

22年の初優勝のときだったか、
NHKのアナウンサーが、
「ワカタカカゲ」と絶叫したときに、
舌を噛んだ。

「ワカタタカゲ」

よく覚えている。

若隆景の二度目の優勝で、
これから再び、
アナウンサー泣かせの力士となる。

ただし私たちが「ワカタカカゲ」と言うときにも、
実はコツがある。

優勝賜杯を渡す際の表彰状読み上げで、
八角理事長がそれを実践した。
元横綱北勝海(ほくとうみ)。

「ワカ」と言ってから、
一呼吸おいて「タカカゲ」と発音する。

一息に「若隆景」と言おうとすると、
「ワカタタカゲ」と言ったり、
「ワカカタカゲ」となったりする。

「ワカ・タカカゲ」

これでいい。

これで応援し続けよう。

7月の名古山場所では、
「若・隆景」は関脇となって、
大関を目指す。

とんとん拍子の出世のあと、
栄光の優勝を果たし、
その直後の怪我によって、
元の木阿弥「幕下」に落ち、
そこから這い上がって、
優勝決定戦で二度目の幕内制覇。

私たちも失敗やアクシデントに、
負けてはいけない。
小粒・小型のハンデを、
乗り越えねばならない。

「ワカ・タカカゲ」
頑張れ。

〈結城義晴〉

2026年05月23日(土曜日)

「立心の会」のアクアライン大渋滞解消と「節約のパラドックス」

立心の会。
4人のゴルフ仲間の集まり。

今回は上総モナークカントリークラブ。
千葉県君津市のチャンピオンコース。
ジャック・ニクラウスの設計。
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ラスベガスの研修以来、
時差ボケが続いていた。
治すにはゴルフに限る。

目いっぱい楽しんだ。

私のアイアンクラブは、
2016年以降、10年間、
「エポン」だった。
スティールシャフト。

本格的ないいショットも、
たまには打てた。

その前はホンマのマッスルバック。

これはひどく難しいクラブだが、
妙な憧れがあって、
必死の思いで練習した。
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すると肘が痛くなった。

そこでマルトの安島誠さんに薦められて、
エポンに変えた。

エポンは遠藤製作所の自社ブランドである。
この会社は1977 年に新潟県燕三条で創業して、
鉄を叩いて鍛える「鍛造」技法を専門とする。
いわゆるOEMを手掛けるメーカーだったが、
その技術を使って自社の製品を出した。
それが「EPON」だ。
いいクラブだ。

50代はホンマ、
60代はエポン。

しかしそのスティールシャフトが、
今、重く感じられる。

ずいぶん悩んで、
カーボンシャフトのアイアンを入手した。

それでもラウンドするときには、
スティールシャフトを使っていた。

今年に入ってさらに筋力低下を痛感した。
そこで今日はカーボンシャフトにした。

すぐに成果は出ない。
球筋がばらける。
しかし、いいショットも出た。

さて、どうしようか。

今日は9時07分のスタートで、
ランチを食べて、
ラウンド終了は3時に近かった。

この時間になると、
東京湾アクアラインは混む。
神奈川県川崎市から東京湾を横断して、
千葉県木更津市へ至るトンネル高速道路。
9 (1)

土曜・日曜・祝日には、
3時以降大渋滞するのが常だ。

しかし驚いた。

すいすいと走り抜けることができた。
奇跡的な出来事だ。

調べてみると、
時間帯別料金改定の影響のようだ。

2025年4月1日から、
土日・祝日の特定時間帯に、
ETC時間帯別料金が導入された。

上り線では13時から19時の料金が、
最大1600円に引き上げられた。
20時から翌日4時までは400円に下がった。

これによって渋滞ピークが夜に移動した。

私はガソリン価格の上昇で、
車での外出が減ったのだと思った。

それもあるだろう。

しかし価格インセンティブが、
需要の時間帯を分散させたのだ。

私たちにとっては、
大いに助かった。

さて今日の日経新聞「大機小機」

重鎮のコラムニスト墨田川さんが書く。
「節約について考える」

「石油の輸入価格が上昇している。
輸入価格の上昇は、
交易条件(輸出価格と輸入価格の比率)の悪化を通じて
日本全体の実質所得水準の低下(交易損失)をもたらす」

厚生労働省が「2025年の毎月勤労統計調査」を発表。
物価変動の影響を除いた実質賃金は、
前年の2024年から1.3%減少した。

マイナスは4年連続だった。

産業界では高水準の賃上げが続いている。
名目賃金は2.3%増えた。

しかしコメ価格の高騰など、
物価上昇に賃金アップが追いついていない。

コラムニストの指摘はそれだ。

「ひとたび輸入エネルギー価格が上昇すると、
実質国民所得に負の影響が及ぶのは避けられない」

これが渋滞緩和にも影響していると思う。

「コストの上昇を価格に転嫁していけば、
物価が上がって家計の実質所得が減る」

しかし、
「政府の補助金でエネルギー関連の価格を抑制すると、
財政赤字が膨張して将来世代にツケが回る」

そこで墨田川さん。
「唯一我々にできることは
エネルギー消費を節約することだ」

ところがところが、
「政府は国民に節約を呼びかけることを
ためらっている」

不思議?!

「世界では多くの国が節約に動いているのに、
ホルムズ海峡封鎖の影響を強く受ける日本が
しないのは奇妙である」

なぜなのだろう。
何にこだわっているのだろう。

国民は勝手に節約している。

「ただし筆者は、
節約による負担のあり方が気に入らない」

「節約の負担は、政府の呼びかけに応じた
心がけの良い人々(企業)が負い、
心がけの悪い人々は負担なしに
メリットだけを享受することになるからだ」

なるほど。

環境問題への対応も同じだ。

「節約をもたらす最も効率的な手段は
価格を引き上げることだ」

アクアラインの13時から19時の価格引き上げと同じ。

「価格が上昇すると
『その価格だったら買わない』という需要から
順番に節約されていくので、
公平かつ効率的である」

「政府がガソリン価格や電気・ガス料金を
抑制しようとすることは、
エネルギー消費を奨励していることになり、
節約には全く逆行するものといえる」

その通り。

今の政府の政策は節約への逆行だ。

「価格抑制の対象や期間を可能な限り絞り込み、
政策の大きな方向を節約に転換すべきである」

アクアラインを2倍の料金で走ったあと、
そのことを強く思った。

同時に考えたのが、
価格が「需要の時間軸」を動かす、
レバーとなることだ。

〈結城義晴〉

2026年05月22日(金曜日)

大学生人気ランキングの「イオン・ロピア」とローソン「Lミニマート」

朝9時半からオンライン会議。
㈱True Dataの取締役会。
IMG_3262

True Dataは今、
すごい情報提供をしています。

もう少ししたら、
私自身がわかりやすく説明します。

小売業の原理を貫徹するためのデータを、
お届けします。

コーポレートスローガンは、
「見えない真実を、見に行こう」
td広告

商人舎流通SuperNews。

ロピアnews|
27年大卒就職ランキング百貨店・スーパー・コンビニ部門で2位

「2027年卒 大学生就職企業人気ランキング」
マイナビ×日経の調査。
[百貨店・スーパー・コンビニ部門]
1位 イオングループ
2位 OICグループのロピア
3位 ファミリーマート
4位  ヤオコー
5位  髙島屋
6位  阪急阪神百貨店
7位  イズミ
7位  ローソン
9位  バローホールディングス
10位   ジェイアール東海髙島屋

OICグループがニュースリリースした。

現役の大学生の選択だから、
企業の評価とは直接関係はないが、
イオンのトップは2014年から連続している。
ロピアが2027年で突然2位に入ってきた。

商人舎流通SuperNewsに、
イトーヨーカ堂の「YORK DELI」に関して、
責任者のインタビューが2本。

イトーヨーカ堂news
土居仁執行役が語る「ヨーク デリ」と「新戦略」の全体像

同社土居仁執行役員フード&ドラッグ事業部長。
「もはや惣菜部門は売場の一部門ではありません」
iy-nakatubomge

「それに対して、イトーヨーカ堂は、
選ばれる惣菜売場になってなかった」

正直な発言だが、
その改革の意欲がこもっている。

「2026年に入って、
商品の付加価値・選択肢の拡充を
重点的に行っています」

その結果、2025年度は前年比約5%増、
商品数は43から100アイテムに増えた。
惣菜構成比は13%未満から14%になった。

もうひとつ、
イトーヨーカ堂news|
中坪礼統括マネージャーが語る惣菜戦略の2つの狙い

こちらは中坪礼惣菜・ベーカリー部統括マネージャー。
iy-doi-2

これからの取り組みのポイントは2つ。
⑴食卓出現頻度の高い定番主食の磨き込み
⑵新しい客層の取り込み

今後、流通SuperNewsは、
どんどんこういったインタビューや、
写真を使った店舗紹介を増やしていく。

乞う! ご期待。

さらに、
ローソンnews|
ミニスーパーの実証実験・57坪「Lミニマート小平仲町店」開業

㈱ローソンと㈱ローソンストア100が、
協働で「Lミニマート 小平仲町店」をオープンする。

「Lミニマート」は、
ミニスーパー型の新フォーマット。
「買い回りの最適化」をテーマにした実証実験店舗。

店舗面積249㎡(75坪)、
売場面積189.1㎡(57坪)。

店舗コンセプトは、
「日常生活に必要なものを
いつでも・おトクに、地域に寄り添い
マチをハッピーにするミニスーパー」

立地は住宅街。

品揃えは毎日の必需商品。
日常使いの生鮮・日配・冷凍食品・惣菜など。
とくに即食・簡便調理向けの品目を増やす。

顧客ターゲットは、
共働き世帯や単身者。

定期的なチラシ配布やクーポン施策を行わない。
シンプルな価格設計とする。

1号店の小平仲町店は売場面積57坪。
市場直送の野菜・果物類を実験的に扱う。
玉ネギやニンジンなどの定番野菜は、
EDLPを基本にする。

精肉はコンビニサイズの省スペースだが、
鶏肉、豚肉、牛肉まで揃える。

卵、豆腐、牛乳などの日配品は、
週間・月間の特売販促も定期的に実施。

小平仲町店では、店内調理の惣菜を提供。
から揚げ、コロッケ、春巻など。

全台でセルフレジに対応可能なレジシステムを導入。
一部のセルフレジでは、
酒類・たばこにも対応する。

営業時間は朝7時から夜23時。
つまり「セブン-イレブン」

コアタイムにウェートを置いた、
効率的な店舗運営を行う。

また、商品以外のサービスは、
ATMを設置する一方で、
収納代行など対面対応のサービスはない。

新フォーマットのロゴは以下の写真。
lawson-limin1

ミニスーパーと言えば、
イオンの「まいばすけっと」が先行する。

月刊商人舎4月号特集は、
まいばすけっとVSセブン-イレブン
202604_coverpage

Lミニマートは、
かぎりなく「まいばす」に近い。

しかしまいばすほどに徹底していない。
それで利益を担保できるのか。

ローソンは2014年に、
「ローソンマート」を開発した。

2014年2月、横浜市に1号店を出店し、
39店まで業容を拡大した。

開発の狙いは「コンビニ+小型スーパー」だった。
生鮮食品と惣菜を強化し、
PB「バリューライン」を108円中心で展開。

目標は「3年で500店舗」だったが、
1年余りで全店撤退した。

その轍は踏むまい。

今回は「ローソンストア100」からの転換だろうか。
100円コンビの「ストア100」は、
2012年に1224店だったが、
2025年段階で636店へ半減している。

小型スーパーマーケット、
私の言う「エクスプレスストア」は、
難しい経営を迫られる。

1000店規模のスケールを、
徹底したドミナントエリアで構築するまで、
我慢できるのか。

イギリスのテスコや日本のイオンのように、
マルチフォーマットの中に位置づけてはじめて、
可能性が見えてくる店なのではないか。

〈結城義晴〉

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