結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年08月02日(日曜日)

浜田宏一教授の「不確実な時代の現在の延長線」と「あすへの希望」

8月最初の日曜日。

外に出ると息が苦しくなるくらい暑い。
空気全体が体に絡みついてくるみたいだ。

それでも花は咲いている。IMG_4261 (002)

植物はほんとうに強い。

芙蓉の花。
IMG_4262 (002)

同じアオイ科フヨウ属の槿(むくげ)。
IMG_4264 (002)

今日は一日、外出もせず休養。
商人舎8月号の原稿を少し書いた。

日経新聞電子版に目が止まった。
「日本円沈没の危機」

日経編集委員の永井洋一さんが、
浜田宏一エール大学名誉教授の発言を引用。
浜田教授はアベノミクスの師と呼ばれた。
このブログには何度もご登場いただいている。
81gncPS2LnL._SL1500_
以前にも紹介したエピソード。

2013年11月15日、
浜田教授は中央大学で講演した。
「アベノミクスの三本の矢を、
大学の通知表にならって採点すると、
金融緩和はAプラス、財政政策はB、
成長戦略の第三の矢はEだ」

三本の矢の成績は「ABE」。

アベノミクスも皮肉っているが、
女安倍晋三を自称する高市早苗には、
ひどく手厳しい。

「不確実な時代に、
現在の延長線で
政策立案するのは
危険だ」

続ける。
「政策当局は、
経済学の正常な論理を理解しないで
財政や金融政策を進めている」

「2.5%以上ある日米の政策金利差を、
放置したままでは
円安に歯止めがかからない」

浜田教授の提案。
「日銀はいったん4%まで利上げ(現在は1.0%)し、
為替レートの動向などをみながら、
段階的に金利を引き下げればいいのではないか」

財政政策についても苦言を呈する。
「機動的に使うのはいいが、
現在のようなインフレ懸念がある時に
赤字を膨らませるべきではない」

国際政治経済は混沌としている。
「トランプ関税ショック」の2025年4月以降、
円の対ドル相場を動かす要因が、
米国の長期金利から日本の長期金利に代わった。

その構図は、
日本の長期金利が上がり、
国債が売られると、
円相場が下落する。

円相場は歴史的な安値に埋没し、
日本経済の地盤が揺らいでいる。

就業構造基本調査などをみると、
国民の約7割は現水準より、
円高が望ましいと考えている。
私もこの7割に入っている。

休養の日に、
こんな記事に目が止まるなんて、
幸せなことではない。

しかし、いつもの合言葉。

ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
あすへの希望。
??????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????

明日からまた、
自分の立場で頑張ります。

〈結城義晴〉

2026年08月01日(土曜日)

「一憂」を消去すると「一喜」もえぐりとられてしまう。

8月に入った。

目の前の仕事余(あま)して葉月かな
〈稲畑汀子〉

汀子の祖父は高濱虚子、父は高濱年尾。
小さいころから二人に俳句を教わった。
父年尾は「汀子の句は『景七情三』」と評した。

目の前の仕事は残っている。
そして8月に入った。

わかる。

6月、7月と講演や講義が多かった。
この歳になっても講演の依頼があり、
研修会に参加者が集まってくれるのは、
本当にありがたい。

いつまでできるか。

私は85歳まで現役であることを宣言しているが、
それもあと12年。

まだ5時間くらいの講義はできるが、
その時間も減っていく。

今のうちに私の講演、講義を聴いてほしい。
トップマネジメントのみなさんに向けても、
1年に一度か二度は、
そんな講演会をやりたいものだ。

8月は講演、講義がない。
海外研修も国内研修もない。
これは心理的にはちょっと助かる。

そのかわりに単行本の執筆をする。
ある、秘策を用意している。

さて商人舎流通スーパーニュース。
山本恭広web編集長が張り切っている。

土曜日には書き下ろしの原稿が載る。
Weekly Review|
令和8年熊本地震/コンビニ各社の支援進む

「令和8年熊本地震」
コンビニチェーンの迅速な被災地支援。

支援物資としては、
飲料、カップラーメン、
ゼリーなど栄養調整食品、
制汗シート、デンタルケア関連、
そして肌着。

㈱セブン-イレブン・ジャパンは、
地震発生翌日の7月29日(水)から、
店頭募金や支援物資の供給をスタートした。

制汗シート:4800個
カップラーメン:1200個
ゼリー飲料:2700個
ソフトドリンク:5800本

㈱ローソンは7月30日(木)から開始。

制汗シート:約1万個

栄養調整食品:600個
即席食品:900個
麦茶600ml:2400本
歯ブラシ:240個
歯磨き粉:240個
紳士用シャツ:200枚
紳士用パンツ:250枚
婦人用シャツ:70枚

㈱ファミリーマートも、
熊本県からの要請に対応して、
供給を開始。

また、コンビニ店舗を拠点にして、
被災地の移動手段の支援サービス、
通信手段の確保サービスも展開された。

セブン-イレブンは、
熊本県内の菊陽原水店、菊陽新山1丁目店に、
「急速充電スポット」を設置している。
7月30日(木)から無償で開放している。

ファミリーマートは、
Teslaの電気自動車用急速充電設備を、
熊本県の熊本小峯4丁目店、天草有明店で、
無料開放している。
seven_260716-01
イオンモールのような大型施設と、
コンビニのような小型で多数の施設。

小売業の有店舗は、
こんな時こそ社会に貢献することができる。
社会や行政との接点を高めて、
「活用してもらう」機会を増やしたい。

eコマースにはない機能である。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第3688回。

「一憂」を消去すると、
巻き添えで「一喜」も
結構えぐりとられてしまう
〈小川哲〉

「嫌なことがあっても、その時、
そういう体験をしておいてよかった、
と思うことでやり過ごしてきた」

私もそう思ってやり過ごしたことが、
ないわけではない。

「でもそうやって感情を圧(お)し殺し、
物事を割り切り続けるうち、
柔らかく傷つきやすい感受性が
鉄板のようになって、死んでいった」

やり過ごし、乗り越えるのはいい。
けれど忘れ去ってしまってはいけない。

どんなことも人生には役に立つ。

随想「過去改変を繰り返した男の末路」より。
藤岡みなみ編『超個人的時間旅行』所収。
71C0+h5X-eL._SL1335_

小川哲(さとし)は39歳の小説家。
2023年、『地図と拳』で直木賞受賞。
81pqIr1wpcL._SL1500_

著者の鷲田清一さん。
「どんな道を選んでも迷いは失せない」

「一喜一憂」は、
物事の状況が変化するたびに、
喜んだり憂いたりする様子。
良いニュースに喜びを感じたり、
悪いニュースに心配を感じたりする。

悪いニュースを心の中で消去してしまうと、
良いニュースもえぐり取られてしまう。

「一憂」を消去すると、
巻き添えで「一喜」も
結構えぐりとられてしまう。

熊本地震も阪神淡路や東日本の地震も、
頭の中から消去してはいけない。

〈結城義晴〉

2026年07月31日(金曜日)

首相の「消費減税表明」を新聞の社説こぞって批判

暑い。
20260720_tokiwa

商人舎流通スーパーニュース。

令和8年熊本地震news|
チェーンストアの地震被災店舗の営業状況一覧

多くの企業が一時、店舗を休業し、
営業を再開している。

頭が下がる。

ありがとうございます。

酷暑は続く。

救助、救済は継続される。

72時間が一つの目安とされる。
3日を経過すると生存率は急激に下がって、
約10%以下にまで減少する。

人間が水を飲まずに生き延びられる限界が、
72時間だからだ。

救助活動に従事する人々に敬意を表したい。

わが日本国は地震列島の上にある。

世界で地震の多い国。
インドネシア、フィリピン、中国の西部・南西部、
ニュージーランド、イラン、トルコ、
米国西部、メキシコ、チリ。

イランとトルコを除けば、
太平洋沿岸の環太平洋造山帯だ。
地球上の大きな地震の約81%が、
この造山帯に集中する。

それは私たちの宿命だから、
受け入れ、受け止めるしかない。

人災だけは減らしていきたい。
それでも地震による被害はなくなりはしない。

企業活動という観点で見れば、
イオンのビジネス・コンティニュイティは、
極めて高い意味を持つ。

そのイオンモールで爆発が起こった。
3000人の顧客の命が守られたことは、
高く評価されるだろう。
くまもと自身

残念ながらモールの従業員から死者が出た。
心からご冥福を祈りながら、
これからさらに徹底したい。

さて高市早苗首相が、
現在8%の食料品の消費税率を、
1%に下げる意向を表明した。
時期は来年4月から2年間。

批判が殺到している。
全国紙も地方紙も正面から社説で、
非難し、批判し、再考や撤回を求める。
〈この本、すぐに買って読んでしまった〉
813Mah3J9FL._SL1500_

小売業にとっても、
消費産業にとっても、
大きくかかわってくる問題だ。

一番痛烈な批判をしたのは、
日本経済新聞社説だ。
「首相の消費減税表明
社会保障の安定損なう無責任」

「減税は広く支持を得やすくても、
本来の目的を達成する手段として適切ではない。
より多く消費する高所得者ほど、減税額は大きい」

「誰かにより恩恵がある予算を削減する、
誰かにより多くの負担を求める、
といった具体策があって初めて、
減税と比べた効果を見定められる」

「無責任に流れる政治に
歯止めをかける作業が必要だ」

「今回の首相判断は食料品の消費税減税を
『私自身の悲願』とした言葉にこだわった結果、
格差の是正や中低所得者の支援という
本来の目的から、大きく離れてしまった」

「自身のメンツを守るのを優先し、
減税をめぐる数々の課題や金融市場の警鐘を軽んじる。
税や社会保障の長期的なテーマで
与野党で丁寧に合意形成する枠組みを、
首相独断でなし崩しにする」

このところ日経新聞は、
高市首相に直接的な批判を向けている。

それは結局、高市政策が、
経済的合理性をもたないからだ。

読売新聞まで、
「懸念は払拭されないままだ」

「かねて指摘されている多くの問題点は、
払拭されないままで、禍根を残しかねない」

「再考を求める」

自民党政府寄りの産経新聞も。
「減税判断の妥当性どこに」

「首相の判断には頷(うなず)けない」

「消費税にこだわるなら、その妥当性を示し、
財源を含む課題への対応策を具体化する必要がある。
この点が不十分な現状では納得することは難しい」

朝日新聞社説。
「財源棚上げする無責任」

「財源を巡り、首相は、
『特例公債(赤字国債)に頼らず確保する』と
述べたが、確保策が具体化しているとは言い難い」

「明確な方針を示さぬまま、
減税に踏み切ることは
無責任と言わざるを得ず、
将来に禍根を残すことになる」

毎日新聞社説。
「将来に禍根を残す浅慮だ」

「多くの難題に直面する日本の進路を巡って
議論を尽くした末の判断とは思えない。
将来に禍根を残す浅慮である」

ただし毎日新聞はこう書いた。
「減税を機にメーカーや小売店が
値上げを行う可能性がある。
過去に消費税率を下げた欧州で見られた現象だ」

これには消費産業として、
「便乗値上げ」を廃絶することを確約したい。

毎日社説。
「懸念されるのは、首相が唱える
『2年限定』で減税が終わらない事態だ」

それに2年後に高市政権が続く保証はない。

私は初めから消費減税には反対している。
「生活苦」にあえぐ国民には、
直接的な公共の補助をすべきだ。

1988年12月の竹下登内閣の3%から始まり、
1997年4月、橋本龍太郎内閣で税率を5%に、
2014年4月、安倍晋三内閣で8%に引き上げた。

さらに2019年10月、安倍内閣が、
10%に引き上げた。
ただしこのとき軽減税率を導入し、
外食・酒類を除く食品と、
宅配の新聞の定期購読料は、
8%の税率を維持した。

竹下・橋本内閣は、
消費税導入と増税で倒れた。

塩野七生さんの『ローマ人の物語』
発刊されるたびにリアルタイムで、
むさぼり読んだ。
91UJhNY2q+L._SL1500_

その中にローマの税制の話が出てくる。
これがよくできていた。

ローマの税制は、
国家財政のために国民が負担する税ではなく、
生活インフラ・安全保障・地域経済のために、
みんなで負担する税だった。

日本の消費税に関しては、
使途を法律で限定する。
つまり社会保障の税で、
基礎年金や医療、介護、
あるいは生活インフラのベースとする。

そして一般財源への流用を禁止する。
さらに長期の安定性を公約する。
つまり標準税率は長期固定化し、
たとえば今後10年、あるいは20年間、
消費税率は引き上げないと明記する。

人気取りのための税制改正は必ず、
政権にしっぺ返しを食らわせる。

〈結城義晴〉

2026年07月30日(木曜日)

熊本地震/「生活苦」世帯過半の現実と「元気を売ろう」

熊本の地震。
熊本県の災害対策本部会議が発表した。
人的被害が120人になった。

亡くなった方は34人。
そのうち市町村が確認した死者は25人。
日本製紙八代工場で8人、
イオンモール熊本で7人。

心からご冥福を祈りたい。

406カ所の避難所に、
9450人の人たちが避難している。
ご無事を祈りたい。

断水は八代市と氷川町で約2万8500戸、
宇城市で約1万7800戸、
10市町合計7万9700戸。

停電は1万8910戸で続いている。
〈熊本日日新聞より〉
kumamotojisin

営業を中止していた商店が、
復旧開店したというニュースが届いた。

これは嬉しい。

「元気を出そう」

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

お客さまに笑顔が戻る。
街に活気が蘇える。
あなたの商品のおかげです。
あなたのサービスのたまものです。

たとえ売場が、
空になろうとも。
たとえ補給が、
途絶えようとも。

あなたは店を開けようよ。
あなたは売場に立ち続けようよ。
店で元気を出そう。
売場で元気を売ろう。

元気があなたの付加価値です。
元気があなたの利潤です。

苦しい時にも、
元気が買える。
どんな時でも、
元気が貰える。

たとえ地震に
襲われようとも。
たとえ台風に
見舞われようとも。

店を開けよう。
売場に立とう。
元気を出そう。
元気を売ろう。

それがあなたの仕事です。
それがあなたの役目です。

店を開けよう。
売場に立とう。
元気を出そう。
元気を売ろう。〈結城義晴〉51swq5I1liL._SX312_BO1,204,203,200_

日経新聞経済コラム「大機小機」

「生活苦」世帯が過半という現実
コラムニストは万年青(おもと)さん。

厚生労働省が公表したのが、
「2025年の国民生活基礎調査」
kokuminseikakuku

万年青さん。
「そこに示されたのは、
国会論戦とは対照的ともいえる
国民生活の厳しい現実である」

その国会では会期末に、
国旗損壊罪法案や皇室典範改正案が、
なんというか強行突破された。

厚労省調査によると、
「生活が苦しい」と答えた世帯は55.4%。
2世帯に1世帯以上が生活の重圧を感じている。

その生活苦世帯の内訳は、
母子世帯で82.1%、
児童のいる世帯で61.5%、
高齢者世帯で52.1%。

子育て世代だけでなく、
高齢者を含め幅広い層で、
生活不安が広がっている。

貧困の状況も深刻。
相対的貧困率は15.0%、
子どもの貧困率は11.0%、
ひとり親世帯では44.7%。

約7人に1人が「相対的貧困」の状態にある。
ひとり親世帯では2人に1人近くが、
「貧困線」を下回る。

貧困線とは統計上、
生活に必要な物を購入できる、
最低限の収入を表す指標だ。
それ以下の収入では、
一家の生活が支えられないことを意味する。
英国のシーボーム・ラウントリーが考案した。

今、日本の一人親世帯では、
半分の人たちが最低限の収入で、
生活を支えることができない。

経済規模では世界有数の日本。
高市早苗首相は2040年度に、
「GDP1100兆円」をぶち上げる。

コラムニスト。
「物価高は苦境に拍車をかける」

総務省の家計調査。
2025年のエンゲル係数は28.6%。
44年ぶりの高水準。

生活必需品への支出が増えれば、
教育や文化、将来への備えに充てる余力は失われる。

賃上げは進むものの、
長く続く物価上昇に追いつかない。

国会では物価高対策や社会保障も議論され、
生活関連法も成立した。

「しかし生活苦やひとり親世帯の現実に照らせば、
その対応が十分と評価するのは難しい」

「制度を整えることは重要である。
しかし、政策の成果は法案の成立件数ではなく、
国民の暮らしがどれだけ改善したかによって
測られるべきだ」

同感だ。

食品の消費減税は、
来年の4月から始まるらしい。

参議院選挙に合わせたタイミング。

しかしこの生活苦への対応を、
政治家の選挙と絡めることは許されない。

コラムニスト。
「政治には安全保障や憲法、皇室制度など、
国家の根幹に関わる課題に向き合う責務がある」

「しかし同時に、
日々の生活に不安を抱える国民の声に
応えることもまた、
政治の最も基本的な使命である」

そしてこちらの方が急を要する。

万年青さん。
「今回の調査結果は、いま政治が、
最優先で取り組むべき課題は何かを、
改めて問いかけている」

「国会で交わされる議論の優先順位は、
国民の暮らしの実感と重なっているのか」

「その問いに、政治は
真摯に答えなければならない」

同じことは小売業にも問われている。
生活苦にあえぐ人たちに、
手を差し伸べることも、
地域商業の大切な役目だ。

必需品の低価格販売は、
そういった生活者を支える。

意義のある仕事だ。

私たちは、
たとえ売場が、
空になろうとも。
たとえ補給が、
途絶えようとも、
元気を出そう。
元気を売ろう。

〈結城義晴〉

2026年07月29日(水曜日)

令和8年熊本地震の救助・救済と「避難後、施設内に戻らない」

熊本地震、お見舞い申し上げます。

熊本には友人も多い。
この暑さの中、
大変なことと思います。

お亡くなりになった方々の、
ご冥福を祈りたい。

地震や震災のあとの過酷な避難生活は、
被災者を苛(さいな)む。

地震と炎暑。
物的にも精神的にも、
日本全体で支えたい。

くまモンは27日にXに投稿した。
「よか明日になりますように」

この「よか」という言葉は、
九州弁で「よい」と言う意味。
よい明日になりますように。

その通りだ。

しかしそのくまモンも、
「活動の一時中止」に入った。

故堺屋太一さんが説いている。
非常時対策の5段階。

①救助
②救済
③復旧
④復興
⑤振興

その原則。
「軽いものから先に」
第1に、最も急ぐ軽いものは「情報」。

そのために現代社会では電気が重要だ。

第2が「生活物資」。

⑴水、飲料と薬。
⑵緊急の食料。
⑶燃料と衣料。

第3が「安全な生活空間」。

この第3の要件までが「①救助」
10日間が救助活動の段階だ。

堺屋さんは指摘している。
「大事なのは速度

全速力で救助したい。

今回の地震では、
「イオンモール熊本」で爆発事故が起きた。
イオンの吉田昭夫社長は記者会見した。
kumamotoyosida

「尊い命が失われた事態を招き、
大変重く受け止めています。
慚愧(ざんき)の念に堪えません。
お亡くなりになられた方々に
ご冥福を申し上げるとともに
ご遺族の皆さまに深く深く
おわび申し上げます」

現地の熊本市内へ飛んで、
すぐに(今日29日の午後4時半)、
遺族や社会に向けてお詫びし、説明した。
それはとても良かった。

話しぶりも丁寧で、冷静で、
気持ちがこもっていた。

吉田さんはイオンモール㈱の社長から、
イオンの社長となった。

だからモールのことは、
ごくごく細かいことまで知っていた。

それも好感をもてた。

地震が起こったときには、
イオンモールには3000人の顧客が入館していた。
テナントを含めた全従業員数は2700人だった。

地震発生から30分後には、
従業員はマニュアル通りに顧客を誘導して、
一時避難が完了した。

訓練も1年に二度、きちんと行っていた。
だからここまでは安全確保もできた。

しかし予期できないことが起こった。
午後5時50分ごろ、施設2階で爆発が起こった。

避難のマニュアルには、
定められている。
「避難後、施設内に戻らない」

しかし少数の人たちが残っていたのか、
それとも避難したあとに戻ったのか。
吉田社長は「確認できていない」と話した。

「戻らない」は、
今後、さらにさらに徹底したい。

爆発が起きた場所は、
モール2階のアパレル専門店街のところ。

施設の外の駐車場の横に、
LPガスのタンクが設置されている。
このタンクから2階のフードコートエリアへ、
パイプラインでガスを送る。
その供給経路の途中で爆発したようだ。

だから「ガス漏れの可能性が高い」

これまでイオンモールでもほかの店舗でも、
ガス漏れが起こったことはなかった。

吉田社長は語った。
「人命救助を最優先した上で、
消防と情報共有し、
原因究明に最善の努力をしたい」

まだまだ地震はおさまらない。
予断は許されない。
①救助から②救済、③復旧まで、
長い道のりが待っている。

見守り続け、応援したい。

LPガス使用に関しても、
研究や検証が必要になるだろう。

さて私は朝から、日本橋。

高島屋も開店はしていない。
IMG_4220 (002)

2日にわたる研修会。

会場はビジョンセンター東京八重洲。
その入り口に舟越保武さんの座像の彫刻。IMG_4221 (002)

裏側には立像。IMG_4225 (002)

私は朝のテスト回答の解説と、
夕方の講評。

その間に発表があり、
討論とさらに発表。

それをずっと聞いていた。

最後の講評では、
私としては珍しく真剣に叱った。
そして檄を飛ばした。

受け止めてもらえたのだろうか。
IMG_4226 (002)

昨日のブログでも引用したピーター・ドラッカー。
「未来を築くために
初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを
決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを
決めることである」

熊本ではまだまだ余震が続く。
今日なすべきことをなす。
それが明日につながっている。

〈結城義晴〉

2026年07月28日(火曜日)

「令和8年熊本地震」とイオンBCMの「明日のための今日」

熊本県で最大震度7の地震。
28日午後4時27分ごろ、
熊本県宇城市と氷川町で最大震度7を観測。

気象庁は今回の地震を、
「令和8年熊本地震」と命名した。
震源地は熊本県熊本地方。
震源の深さは約16キロ。
地震の規模はマグニチュード7.1。

嘉島町の「イオンモール熊本」で、
爆発が発生した。
くまもと自身

地震で来店客らを避難させたあとで、
爆発が起き、2階部分が崩落した。
多くの人が閉じ込められた。

建物内に従業員らが取り残されているようだ。

ガス漏れが原因の可能性があると見られている。
イオンは原因や被害の詳細を確認中。

日本製紙八代工場では2人が心肺停止。
19名の人が安否不明となった。

国内で震度7が観測されたのは、
2024年の能登半島地震以来のことだ。

「平成28年熊本地震」を思い起こす。
2016年4月14日21時26分に発生した地震。

震度7の大きな地震が二度発生した。
4月14日夜および4月16日未明。

その後も、震度6強の地震が2回、
6弱の地震が3回。

今回も予断を許さない。

心からお見舞いしたい。

ただしイオンは日本の小売業として、
一番進んだBCMをもっている。
Business Continuity Management。

商人舎2020年1月号。
特集「極端気象」
202001_cover (1)

この特集の中で長編の記事を掲載した。

タイトルは、
「イオンBCMの全貌」
顧客視点をもって極端気象と自然災害に備える
ionBCM

そのためにインタビューをした。
当時のイオン㈱総務部長兼法務部長の津末浩治さん。
BCMグループマネージャーの上田奈穂子さん。

津末さんは2021年3月に、
リスクマネジメント統括部長となり、
2024年2月にリスクマネジメント担当。

兼務から専任となって、
BCMに取り組む。

この熊本地震に関しても、
津末さんが陣頭指揮で対応するはずだ。

イオンは1995年にBCPを策定した。
Business Continuity Plan。

阪神淡路大震災のあとだ。

2016年3月1日にBCPをPDCAで回すために、
「BCM5カ年計画」をつくった。

このとき5つの対象分野を設定した。
第1は情報システム、
第2は施設、
第3が商品・物流、
第4が外部連携。

さらにこの4つの実効性が、
確実に成果をあげているかを、
第5の訓練を通じて確認していく。
aeon01-624x726

これがベースとなって、
現在がある。

地震が続く熊本でも、
地域産業として人々を支えてほしいものだ。

さて私は東京の日本橋で、
1日中、研修会。

そのなかで3時間の講義をした。
間に15分の休憩を取った。
IMG_4211 (002)

少し張り切り過ぎたかもしれないが、
自分でも満足した。

Epilogueはピーター・ドラッカーの言葉。
「マーケティングの理想は、
販売を不要にすることである」

「マーケティングが目指すものは、
顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、
おのずから売れるようにすることである」

「これができたら、
マーケティング担当も、
マーチャダイジング担当も、
商品部もバイヤーも、
本当に気持ちいいじゃないか」

それが私の最後の言葉。

さて、高市早苗首相。
特別国会閉会のあと、
記者会見した。

首相官邸ホームページに全文が掲載されている。
それを読んだ。

「2040年度に250兆円の国内民間設備投資、
1100兆円に迫るGDPを目指します」

驚くべき数字を上げた。

「この250兆円というのは経済界が、
民間投資を強力に後押しする政府の方針に呼応して、
従前の目標200兆円に50兆円を、
積み上げてくださったものです」

「また、GDP成長率は、できる限り早期に、
実質1%超、名目3%超を定着させ、
更に引き上げていきたいと考えております」

ん~。

すぐに思い出したのが、
ピーター・ドラッカーの言葉。
81I0CSSqCEL._SL1500_
イノベーションの「三つのタブー」

第一に、凝りすぎること。
第二に、散漫になること。
第三に、未来のためだけに行われてしまうこと。

積極財政はいずれも、
未来のためのアイデアだ。
イノベーションは、
現在のために行われねばならない。

これもドラッカーの言葉。
「未来を築くために初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを決めることである」

今のために円安・インフレ対策をしなければ、
明日をつくることはできないと思う。

熊本地震も今が大事だ。
マーケティングもマーチャンダイジングも、
明日をつくるために、
今日何をなすべきか、
その見極めが何よりも大事だ。

〈結城義晴〉

2026年07月27日(月曜日)

商人舎バイヤー研修会「S級」発表とSeven Elevenの国際news

Everybody! Good Monday!!
[2026vol㉚]

2026年第31週。
7月最終週。

週末の土曜日から8月。

さて発表。

商人舎研修会のS級獲得者。

第2回商人舎バイヤー研修会は、
6月17日(水)・18日(木)に1泊2日で開催された。
会場は東京のL stay&grow晴海。
IMG_7604

2日目の朝に理解度判定テストを実施した。
IMG_7672 (1)

研修が終了してから、
課題レポートを提出してもらった。

厳正に審査して、
7名がS級を獲得した。
(五十音順に掲載)

有森瑞樹さん
三角商事㈱ルミエール 商品部 バイヤー
misumi-arimori

五十嵐竜太さ
㈱ハセガワ 営業統括部次長hasegawa-igarashi

近藤浩之さん
㈱セブンスター MD部副部長
sevenstar-kondou

神 雄大さん
㈱ユニバース
第一商品部食肉部門セカンダリーバイヤー
universe-jin

真藤賢幸さん
㈱ミスターマックス・ホールディングス
mrmax-shindou

藤枝翼さん
㈱スーパーバリュー 惣菜事業部バイヤー
supervalue-fujieda

松田寛之さん
㈱種清 中部営業部量販営業部課長
tanesei-matsuda
Sの成績をとったみなさん、
おめでとう。

みんないい顔をしている。

Aの人も11人いた。
その中でレポートがSという人が2人いた。
限りなくSに近いAだった。

Bの人が4割ほどだった。
そしてレポートは全体に良かった。

レポートは決意表明でもある。
それぞれの決意の中身を実行し、
実践に移してほしい。

全員の健闘を祈りたい。

今週は火曜日と水曜日に、
東京駅のそばで連続講義。

それ以外の日は、
月刊商人舎8月号の入稿に勤しむ。

暑い日々が続くが、
私は屋内で仕事をする。
有難いことだ。

さて商人舎流通SuperNews。
山本恭広web編集長が張り切っている。

㈱セブン&アイ・ホールディングスのニュース2本。

セブン&アイnews|
米国セブンの新CEOにマウリシオ・レイバ氏

8月1日付で、7-Eleven, Inc.(SEI)のCEOに、
マウリシオ・レイバ氏を就任させる。
北米コンビニエンスストア事業会社。

レイバ氏はコロンビア出身で、
1994年、ロス・アンデス大学BBA卒業、
その直後からアメリカンモービル副社長、
2018年、アンハイザー・ブッシュ・インベブCEO、
2020年からキューリグ・ドクターペッパー社で、
グループ・プレジデント。
seveninc-ceo-1536x1025

昨年12月31日に、
マイケル・デピントCEOが退任。
暫定的に同社プレジデントとCOOが、
共同CEOを務めていた。

レイバ新CEOは、
ブランド経営と多国籍マーケットの専門家。

デピント前CEOは、
2005年から2025年の長期政権を築き、
オペレーション主導の現場最適化型だった。

レイバ新CEOは「North Star」を進める。
「北の星」は新たな変革プログラムで、
デジタルとマーケティングの統合を図り、
ブランド強化の戦略をとる。
経歴から考えると、
それは明らかだ。

トップ交代としては、
いい人材だろうが、
故鈴木敏文元会長の経営からは、
離れていくリスクは伴う。

もう一つのニュースも国際事業。

セブン&アイnews|
ポーランドのコンビニ大手への出資見送る

こちらは、
7-Eleven International LLCの案件。
ポーランドのジャプカ・グループと、
出資に関する協議をしていた。

ジャプカは同国コンビニ最大手。
小売業では第4位。

しかしこの協議が合意に至らなかった。
ニュースはそれだけのことだが、
7-Eleven Intの若林健CEOは、
1994年新卒入社のセブン-イレブンのプロパー。
OFCを経て、海外関連業務を経験、
その後、イトーヨーカ堂で、
財務、業務開発を担当。
スクリーンショット 2026-07-27 191907

会ったことはないが、
DNAは継いでいると思う。

セブン-イレブンは世界最大のコンビニで、
世界戦略の企業である。

伊藤順朗会長と、
スティーブ・デイカス社長が、
セブン&アイを経営するが、
伊藤雅俊さんと鈴木敏文さんの、
楕円の経営からどこまでいくのか。

私はいつもそのことに関心を持っている。

伊藤さんには頑張ってほしいものだ。

では、みなさん、今週も、
「充実した一日を過ごせば、
幸せに眠れる」

Good Monday!

〈結城義晴〉

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
サンフランシスコ&サクラメント視察研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年8月
« 7月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.