結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年05月06日(水曜日)

「良く噛んで食べる」マニュアルは歯磨きの時にも使える

憲法記念日の振り替え休日。

変な考え方だが、
1973年の祝日法改正の際に、
「振替休日」制度が導入された。

それ以前は祝日が日曜日と重なると、
祝日としての休みは消滅していた。

私は大学生だったから、
それほど関心を持った記憶はない。
大学生は春休みが長いし、
夏休みも冬休みも長い。
しかも土日祭日感覚は、
1週間単位の講義のカリキュラムだけ。

2007年の祝日法改正で、
「翌月曜固定」から「最も近い平日」へ変更された。

それ以前は日曜と重なった祝日は、
「翌月曜が振替休日」と決まっていた。
ハッピーマンデー制度などと言われた。

それが今のように一番近い平日となった。

小売業やサービス業にとっては、
自分の顧客が職場や学校よりも、
家庭にいる時間が増えて、
それが来店につながるから、
とてもいいことだろう。

さて拙著『メッセージ』から。
「良く噛んで食べる」

人間ドックに入って出てきたら、
金属疲労のごとく、
いっせいにチェックが入れられた。
全身疲労の四十九歳。

要は、
体重を減らせ、
痩せろ、
節制せよ。

そこで、考えた。
「良く噛んで食べる」
これに徹しよう。
そうすればすべて上手くいく。

まず消化がよくなる。
胃腸の負担が軽くなる。
歯が丈夫になる。
顎も発達する。

食べ物の味が分かるようになる。
食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。
量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。
その分、美味しいものを食べようと努力する。

うん、
すべてよくなる。
健康になるはずだ。
しかし困った。

「良く噛んで食べる」とは、
いったいどうすることなのか。
そこで再び、考えた。
「心の中で数えながら噛む」

最低40回、あるいは48回。
この習慣をつける。

「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………

このくらいで、たいていのものは、
心地よく口の中から消えていく。
きちんと噛むために、適当なかたまりを、
順序よく口の中に入れるようになる。

食物の堅さにも、
関心を払うようになる。
すべてよくなる。ときどき、
舌や唇を噛んでしまうこともあるが。

しかしみたび、考えた。
この私の「食べるマニュアル」は、
果たして、
食事時だけのものなのか。

実は、これが何にでも使える。
事実も、問題も、「良く噛んで食べる」
苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」
目がさめている限り、何でも。

「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………
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49歳の販売革新編集長のときの巻頭言、
「Editor’s Voice」より。

あれから確実に、
良く噛んで食べるようになったと思う。

商業界の取締役編集担当の時代に、
全国同友会のある人から言われた。
「結城さんはよく嚙んで食べるって書いてるけど、
48回も噛んでないですね」

その人、私が食べるところを見ながら、
数えていたのだ。

これには参った。

でも有難かった。
そんなに丁寧に、
私の書いたものを読んでいてくれるんだ。

ずっと言っているが、
大切なものは、
歯と足。

人間はこの二つを大事にしなければ、
元気に生きてはいけない。

すごくいい絵本。
「絵本ひろば」から。
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最近やっていることは、
私なりの歯磨き。

ずっと私は歯ブラシを2本使っている。
硬い歯ブラシと柔らかい歯ブラシ。

まず硬い歯ブラシで、
歯の間を丁寧に磨く。
歳をとってくると歯茎の間が空いてくる。
だからそこに食べ物が溜まりやすい。
それを丁寧にとる。

次に柔らかいブラシで、
主に歯茎をマッサージする。
歯の上、下、裏側も上、下。
ゆっくりとまんべんなく、
ブラッシングする。

最後に歯磨き粉を、
少しだけ硬いブラシに塗って、
歯の表面を磨く。

自然な白さをつくる。

口を大きく開けて、
笑ったり喋ったりするから、
奥歯まで自然な白さにする。

この歯磨きでもいつの間にか、
頭の中で数を数えている。

「いち・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「に・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「さん・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」
「し・に・さん・し・ご・ろく・しち・はち」………

私の「食べるマニュアル」は、
食べるときだけでなく、
歯磨きのときにも使える。

歯磨きは他人から見られることはないから、
安心してやっている。

〈結城義晴〉

2026年05月05日(火曜日)

こどもの日の「プランBをもつ経営だけが危機に耐えられる」

こどもの日。

次の日曜日は5月10日。
5月の第2日曜日。
母の日。

こどもの日から母の日までは、
母子の週間。

商売はこれ一辺倒でいいだろう。
毎年、そのことをお薦めしている。

さて私の熱は36.6℃に下がった。

医者には行かなかったが、
多分、風邪ではなかった。

だから1日で回復した。

しかし何だったのだろう。
4月14日から22日まで、
ニューヨークで研修に打ち込んだ。

帰国してからはすぐに、
月刊商人舎5月号の編集に邁進した。

責了した5月1日は、
ひどく疲れていた。
そのことをよく覚えている。

それが原因で5月3日に頭痛がして、
4日に発熱したのだと結論づけた。

ウォルマートのサム・ウォルトンが、
「Sun down Rule」を残している。。

問題が発生したときには、
陽(Sun)が沈む(down)までに、
つまり今日のうちに、
その問題を解決せよ。

問題解決まで至らなくても、
今日できることをせよ。

だからなぜ熱が出たかをよく考えて、
ある程度、決着させておかねばならない。

疲労したら、
休養する。

素早く、徹底的に。

それをやった。

さて日経新聞「Deep Insight」
田中角栄の「ノー」に学ぼう

奥村茂三郎さんが書く。
日本経済新聞社コメンテーター。

1973年11月15日。
第1次石油危機のきっかけとなった、
第4次中東戦争が勃発して1カ月余り。

ヘンリー・キッシンジャー米国務長官が来日した。
田中角栄首相が首相官邸で向き合った。
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イスラエルを支持したリチャード・ニクソン政権は、
石油確保のためにアラブ寄りの外交に傾斜する。
田中政権に懸念を深めていた。

キッシンジャー。
「日米同盟を忘れてはなりません」

田中。
「忘れるどころか日米同盟が基本です。
アメリカが今すぐ石油を供給してくれるというなら、
資源のない日本としては、
あなたの意向に従いますよ」
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キッシンジャーは返答に窮した。

田中。
「そうでしょう。
こと石油資源に関しては中東との関係を
日本は維持せざるを得ないのです。
そこはわかってください」

キッシンジャーは緊張した面持ちで、
官邸を後にした――。

田中の秘書官だった小長啓一元通産次官。
もう95歳。
「田中さんは日本の主張をまずぶつけて、
米国に難しさを認めさせた」

10日後、田中は内閣改造に打って出る。

組閣時の記念写真には最前列に、
三木武夫、田中角栄、大平正芳、福田赳夫、
そして中曽根康弘が並ぶ。
「三角大福中」勢揃いで、
挙国一致を演出した。
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特に福田大蔵大臣の人事。
「角福戦争」と呼ばれた政敵を蔵相に起用。

このとき福田は二つの条件を出した。
一つは「列島改造論の旗を降ろすこと」
もう一つは「経済を全部、自分に任せること」
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田中。
「わかった。
自分は経済に口を出さないから頼む」

田中の考え。
「全体の情勢が変わったので
危機時に従来の政策をそのまま
続けるわけにはいかない。
福田さんの総需要抑制でオーケーだ」

福田蔵相の政策転換はめざましかった。

年末の74年度予算編成では、
公共投資の伸び率をゼロに抑えた。
列島改造の目玉だった、
本州四国架橋の建設費は半分以下、
東北・上越新幹線の建設も大幅な延期となった。

さらに福田の意志によって、
日銀は異例の2%利上げに踏み切った。

田中の資源外交も実る。
アラブの産油国は日本を「友好国」と認め、
石油の供給量を中東戦争開戦前の水準まで戻した。

奥村コメンテーター。
「半世紀後の日本も再び、
『石油危機』に向き合っている」

今はもうオイルショックだ。

「同盟か資源か、景気か物価か」
課題は共通する。

しかし低成長・高債務・人口減に直面する、
現在の日本に当時と同じ処方箋は使えない。

それでも田中、福田という傑出した政治家から、
学ぶべき教訓は多い。

高市早苗首相は、
ガソリンや電気・ガス料金の上昇に対して、
補助金で需要を下支えする姿勢が明白だ。

供給制約の局面で価格シグナルまで弱めれば、
需要が調整されず危機は長引く。

列島改造を撤回して総需要抑制に転換し、
金利を引き上げた田中内閣とは異なる。

当時は企業と家計に対して、
「不要不急のエネルギー消費の自粛」も求めた。

第1次石油危機の当時、
大蔵省国際機構課長だった行天豊雄元財務官。
行天さんも95歳。
「価格に介入せず市場原理を生かした方が
危機からの立ち直りは早い」

国家戦略において、
代替なき依存ほど危ういものはない。
半世紀前の教訓は明快だ。

プランBを持つ国だけが、
危機に耐えられる。

これは小売業の経営にもぴたり当てはまる。
私の言う「トレードオン」である。

プランBをもつ経営だけが、
危機に耐えられる。

〈結城義晴〉

2026年05月04日(月曜日)

みどりの日に童謡「みどりのそよ風」を批評する

Everybody! Good Monday!!
[2025vol⑱]

2026年第19週。
5月第1週の黄金週間。
みどりの日。

熱が出た。
38度7分。

すぐに薬を服用して、
とにかく大量の水を飲んだ。

そして眠り続けた。

朦朧とした中で口づさんだのが、
「緑のそよ風」♫

作詞は清水かつら、作曲は草川信。
1948年(昭和23年)1月に、
NHKラジオで発表された。
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その歌詞。

みどりのそよ風 いい日だね
蝶蝶(ちょうちょ)もひらひら 豆のはな
七色畑に妹の
つまみ菜摘む手がかわいいな

みどりのそよ風 いい日だね
ぶらんこゆりましょ 歌いましょ
巣箱の丸窓 ねんねどり
ときどきおつむが のぞいてる

みどりのそよ風 いい日だね
ボールがぽんぽんストライク
打たせりゃ二塁のすべり込み
セーフだおでこの汗をふく

みどりのそよ風 いい日だね
小川のふなつり うきが浮く
静かなさざなみはねあげて
きらきら金ぶな 嬉しいな

みどりのそよ風 いい日だね
遊びにいこうよ 丘越えて
あの子のおうちの花ばたけ
もうじき苺も摘めるとさ

ん~。

メロディーは凄くいいが、
詞は駄作。

「いい日だね」なんて、
詩的ではない。

「かわいいな」も「嬉しいな」も、
私は作詩には絶対に使わない。

ほかの言葉や表現で、
かわいさを出すのがいい。

俳人の夏井いつき先生なら、
赤線を引いて削除するにちがいない。

私は早稲田大学童謡研究会の、
元幹事長だ。

作詞にも作曲にも、
結構、打ち込んだ。

会の初代顧問は西條八十。
1892年生まれ。

会は大正時代の赤い鳥運動の中で始まった。
清水かつらは1898年、
西條の6歳下だった。

だから互いに知っていただろう。
西條八十は清水をどう見ていたのだろうか。

清水作詞の『靴が鳴る』
作曲は弘田龍太郎。

お手つないで野道を行けば
みんな可愛いい小鳥になって
唄をうたえば靴が鳴る
晴れたみ空に靴が鳴る

花をつんではお頭(つむ)にさせば
みんな可愛いいうさぎになって
はねて踊れば靴が鳴る
晴れたみ空に靴が鳴る

ここでも「可愛いい」を連発している。
何度も言うけれどほかの言葉を使って、
「可愛い」を表さねばならない。

小鳥、花、うさぎ。
子どもに迎合している。
子どもの本質がわかっていない。

たとえば西條八十作詞の「かなりや」。

歌を忘れたはカナリヤは
うしろの山にすてましょか
いえいえそれはなりませぬ        

歌を忘れたカナリヤは
背戸(せど)のこやぶにうめましょか
いえいえそれもなりませぬ 

歌を忘れたカナリヤは
柳のむちでぶちましょか
いえいえそれはかわいそう

歌を忘れたカナリヤは
月夜の海に浮かべれば
ぞうげの舟に銀の櫂(かい)
忘れた歌を思い出す
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童謡誌『赤い鳥』に、
初めて曲のついた歌として掲載された。
主催者の鈴木三重吉が絶賛した。

八十の「かなりや」には物語がある。
こどもたちにも、
こういったファンタジーを伝えたい。

一方、作曲家の草川信は。
しっかりした歌をつくっている。

その代表的な作品。
「ゆりかごの唄」(北原白秋作詞)
「夕焼小焼」(中村雨紅作詞)
「春のうた」(野口雨情作詞)
「どこかで春が」(百田宗治作詞)

名作ばかりだ。

熱が出るとどうも攻撃的になる。
清水さんばかり非難して、
申し訳ない。

それでも「みどりの日」に、
口をついて出てきたのは、
「みどりのそよかぜ いいひだな♫」

いい歌であることは確かなのだ。
歌はメロディーが大事だ。
しかし詩がジワッと心をつかんで、
長く歌い継がれる。

無理やり商売に結び付けると、
曲という販促で顧客を引き付けても、
詞という店や商品の本質によって、
顧客の心をジワッとつかまねば、
長い繫盛は得られない。

こんなことを書いていたら、
熱が下がってきた。

ありがたい。

では、皆さん、今週も、
よろしく。

〈結城義晴〉

2026年05月03日(日曜日)

憲法記念日の「基本的人権」と「個人の尊重」と「戦争の放棄」

憲法記念日。

ゴールデンウィークに入ったのに、
体調を崩して頭痛がする。

昨年の今日は商人舎オフィスに出て、
単行本の仕事をした。

そして白井明大さんの詩をブログにした。
『日本の憲法 最初の話』
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白井さんは憲法を詩に訳している。
何度読んでも、とてもいい。

第十一条。
基本的人権

私が私であるために
生まれつき全部持っている人権

私が、
あなたが、
いきていくために
絶対に欠かせない
基本的人権というものがある。
それは
私が私であることを
まるごと包み込む海のような、
あなたがあなたとして生きることを
ずっと支えつづける陸地のような、
かけがえのない自由と権利、

私も、
あなたも、
この国の誰もが、
生きるためにひとつも欠かせない
基本的人権を全部
生まれつき持っている。
誰にもじゃまできない。

この憲法の役割は、
基本的人権の見張り番、
総理大臣だろうと、国会議員だろうと、
憲法改正案だろうと、
どんな公権力にも
基本的人権は手出しをさせない。

この自由と権利を与えるのは、
憲法でも、ましてや国でも国会でも政府でもない。

それは
犯すことのできない永久の権利として
私が、
あなたが、
いま、そして将来の
この国の一人一人の人間が
命を授かったとき、
一緒に授かるものなんだ。
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第十三条。

幸せになるために
こじんとして尊重される

私は、
個人として尊重される。
あなたは、
個人として尊重される。
この国の誰もが一人ひとり、
個人として尊重される。

政府の言うことには黙って従えとか、
お国のために、自由も、財産も、
命すら投げ出せとか、
個々の人間を踏みにじってきた過去の
過ちを繰り返さないために。

生命に対する私の権利と、あなたの権利と、
一人ひとりの権利と、
自由に対する私の権利と、あなたの権利と、
一人ひとりの権利と、
幸せに対する私の権利と、あなたの権利と、
一人ひとりの権利は、
法律を作るときも、
それ以外の国の取り決めでも、
最大限に尊重することが必要だよ。
但し、「公共の福祉」に反しないかぎり……。
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日本国憲法は「個人」を極めて大切にする。
一方、自由民主党の改正草案では、
なぜか「個人」を「人」に置き換えている。

そして今年も、
日本国憲法第九条。

戦争はしないよ


戦争はしないよ。
永久にしないよ。

だって私は
正義と秩序の土台の上にある
世界の平和を
ちゃんと
心から希(ねが)っているから。

たとえ
国と国との間のもめごとでも
戦争だとか
武力による威嚇だとか
武力の行使だとか
そんな解決法なんて
永久にごめんだな。
そんなのポイッと放棄するよ。

1の誓いを守るために
陸軍も海軍も空軍もその他の戦力も
なんにももたないことに決めた。

生活、大事。家族、大事。
財産、大事。将来、大事。
人間の命が、何より大事。
でも戦争なんかじゃ、守れないから。
平和を守るのは、平和なの。

攻められたらどうする、なんて立場を煽らないで。
「せーの」でミサイル撃ち合えば
どっちの国も、ただじゃ済まないだけ。
平和を守るのは、対話なの。

私の国に、他の国と交戦する権利があるだなんて、
とんでもないこと、もうまっぴら。
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自民党草案にはこう書かれている。
「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」

この案には賛同できない。

ずっと書いているが、
篠田英朗著『はじめての憲法』B081V56QT3.01._SCLZZZZZZZ_SX500_

篠田英朗さんは国際政治学者、平和学者。
東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。

その「第九条」。

一項。
「日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する」 

二項。

「前項の目的を達成するため、
陸海空軍その他の戦力
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」

篠田さんは
第九条に以下の文面を加えて、
その部分の改憲をすればいい、
と主張する。

三項。

「前二項の規定は、
本条の目的にそった
軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」

憲法九条の本当の意味は、
「国際法遵守」である。
九条はそれを宣言している。

二項の「戦力」は英語では「war potential」となる。
一項の「戦争(war)」と「放棄」のために、
戦力を保持しないと謳われている。

「戦争のための戦力」の放棄である。

日本の「自衛隊」はその名の通り、
自衛する組織である。
だからwar potentialではない。

ここで「戦争の放棄」は「目的」である。

だから三項を加える。
「軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」

これで「戦争の戦力」ではない「自衛隊」という組織が、
きちんと位置づけられる。
「国防軍」という言葉を使う必要はないし、
「自衛隊」という言葉も使わない。

考えていると、
また頭が痛くなってきた。

おやすみなさい。

〈結城義晴〉

2026年05月02日(土曜日)

日経新聞「大機小機」と商売の「客数」の「匿名性」と「忖度」

日経新聞の投資欄のコラム、
「大機小機」

いわゆる知識人が匿名でズバズバと書く。
「匿名性」にはいいところが多い。

とくに最近のマスメディアは、
説明しようのない首相の人気に対して、
「忖度」の気配を見せているから、
大機小機の匿名性は光を放つ。

その「大機小機」を1カ月くらい遡って、
チェックした。

4月15日の「正面から議論を」
コラムニストは与次郎さん。
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「高い支持率を維持する高市早苗内閣は
一体何を目指しているのか。
見えてこない」

内閣の看板「責任ある積極財政」、
そして26年度予算。

「年度内成立が、
単なる力の誇示であったとしたら
危険な兆候である」

ホルムズ海峡封鎖による石油危機。
政府の基本方針は「補助金」。

3月19日、ホワイトハウスでの発言。
「世界に平和と繁栄をもたらせるのは、
ドナルドだけ」

世界の国々の首脳でただ一人、忖度首相。

「内政も同じだ」

2月26日に開かれた社会保障国民会議。
初会合はわずか15分。
「高市首相の社会保障への問題意識を、
疑わせる内容だった」

「食料品の消費税率2年間ゼロ」の公約。
年間5兆円の消費税減税は、
社会保障制度の将来を危うくする。

高市首相が尊敬する安倍晋三元首相は
消費税率を5%から10%に上げた。
それは社会保障財政の安定のためだった。

4月17日のコラム。
「高市政権は規制緩和を進めよ」

英国のエコノミスト誌の指摘。
「日本の課題は気が遠くなるほど山積している」

「外交戦略と並んで、
喫緊の課題は成長戦略である」

同感だ。

そのなかで「規制緩和による構造改革」。

「財政支出を伴わずに、
民間や海外からの投資を呼び込み、
経済成長を促すことができる」

「高市首相が手本とするアベノミクスも
一定の成果は上げたが、
構造改革は踏み込み不足といわれている」

前にもこのブログで書いた。
「アベノミクスの師と呼ばれた浜田宏一氏が
高市早苗首相の経済政策を批判して、
日銀に利上げを求めた」

浜田宏一氏は東京大学名誉教授、
エール大学名誉教授。
第2次安倍晋三内閣官房参与。
90歳。
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浜田教授は2013年の講演で語った。
第二次安倍内閣の最中のことだ。

「アベノミクスの三本の矢を、
大学の通知表にならって採点すると、
金融緩和はAプラス、財政政策はB、
成長戦略の第三の矢はEだ」

あわせると「ABE」となる。

座布団三枚!

その第三の矢に関して、
高市内閣も成績は「E」だ。

規制緩和に関してコラムニストは例を挙げる。

⑴「外で普及しているライドシェア。
「日本では規制緩和が進まず、普及しない」

⑵解雇規制など労働法の規制緩和。

⑶医療分野。
オンライン診療のさらなる推進、
医療データの連携・活用など、
規制緩和による患者体験の向上、
市場拡大が期待される。

⑷農業の岩盤規制。
日本の農業は米国に比べて労働生産性が低い。
土地生産性(面積当たりの収穫量)も2割以上低い。

⑸投資に関する規制緩和。
政府による戦略投資は目利きが難しく、
失敗も多い。
「115兆円といわれる日本企業保有の現預金も、
投資機会を必要としている」

「世襲議員でなく、
しがらみの少ない首相だからこそ、
大胆な規制緩和を期待したい」

ここはコラムニストの忖度だ。

最後に4月28日。
「2つの戦争を核廃絶の契機とせよ」
コラムニストは無垢さん。
正論を吐く。
大機小機

「ウクライナ戦争と中東危機という『2つの戦争』は
世界に核の危機をもたらした」

「人類が突きつけられた最大の危機である」

2つの戦争の教訓を踏まえて、
どう核廃絶に取り組むべきか。

⑴米ロ中という核大国が率先して
核軍縮を起動させること。

今、これは無理かも。

⑵中東を非核地帯にすること。
イランの核開発を食い止めるだけではすまない。
「イランの核開発を防止するなら、
イスラエルも核放棄するのが筋だ」

これも正論だが、難しい。

⑶朝鮮半島の非核地帯化。
「北朝鮮の核保有を認めないだけでなく、
韓国の核の誘惑も断ち切ることだ」

⑷NPT(核拡散防止条約)の枠外にある、
インドとパキスタン、
北大西洋条約機構(NATO)の英仏にも、
核軍縮を求める。
「国連安全保障理事会の改革は、
常任理事国の核軍縮を基本にするべきだ」

そして唯一の戦争被爆国である日本の役割。
これが「決定的に重要だ」とコラムニスト。

「核兵器禁止条約に進んで参加し、
『核兵器なき世界』を先導する責任がある」

核の危機はいまさらに深刻化している。
AIの軍事利用と核が結合する危険である。

第34代米国大統領のドワイト・アイゼンハワー。
軍人出身であったにもかかわらず、
退任にあたって「軍産複合体」を警告した。

「いま軍産AI複合体の危険に直面している」
これこそ最大の人類の危機だ。

残念ながら現在の日本の政府は、
最大の危機にもまったく向き合っていない。

一番怖いのは「人気」自体への忖度だ。

商売において、
顧客からの「人気」は必須だ。
その「人気」は直接の「顧客の声」よりも、
「客数」という顧客の意志が表れた指標が重要だ。

顧客の声には忖度が含まれる。
「客数」の匿名性には忖度がない。

〈結城義晴〉

2026年05月01日(金曜日)

May Dayの商人舎5月号「責了」とOlympicグループ最後の決算

5月に入った。

1日はMay Day。
5月1日に世界各地で、
労働者の祭典が開催される。

日本最大にして世界最大の労働組合は、
日本労働組合総連合会、通称「連合」。
組合員数678万人。

すでに4月29日に、
メイデーを終わらせている。

個人的に言えば私は、
メイデーは5月1日にやってもらいたい。

商人舎を発足させるときに、
当時の連合会長の高木剛さんに、
発起人になっていただいた。

それもあって、
現在の連合傘下のUAゼンセンの、
とくに流通部門の皆さんと親交がある。

私は㈱商業界の社員のころ、
労働運動の経験がある。

イデオロギーは別にして、
「職場づくり」をテーマに掲げて、
活動した。

そのころ労働運動を勉強した。
とても良かったと思っている。

組合員の間は毎年必ず、
メイデーに参加した。
管理職になって組合員でなくなってから、
参加しなくなった。

当時は総評と同盟がナショナルセンターで、
合同ではなかったがどちらも、
5月1日にメイデーのイベントをやって、
穏やかなデモ行進をした。

労働祭五十路の歌は口あけず
〈米沢吾亦紅(われもこう)〉

吾亦紅は長崎生まれの昭和の俳人。

50歳を超えた労働組合員は、
口を大きく開けずに労働歌を歌う。

いい句だ。

さて5月のスケジュール。
ゴールデンウィークが終わると、
5月10日の日曜日からアメリカ。

ラスベガスの商人舎US研修Basicコース。
満員御礼。

一緒に最高の勉強をしましょう。
体調を整えて臨みます。
参加者の皆さん、よろしく。

16日の土曜日に帰国したら、
20日の水曜日に大阪で、
万代知識商人大学第11期の講義。
テーマはフィナンシャルマネジメント。

㈱True Dataの取締役会、
立心会のゴルフ、
OICグループのNY研修報告会など、
イベントが続いて、
もう月刊商人舎6月号の入稿時期に入る。

頑張ります。

あっという間に5月が終わって6月に入ると、
商人舎主催の2つのセミナーが開催される。

6月第2週の9日(火)・10日(水)・11日(木)。
商人舎ミドルマネジメント研修会。
「人をつくり、人を残す」
mms2026-flyer_1

選り抜きの講師陣。
ミドルマネジメント研修会講師
会場は静岡県熱海市のニューウェルシティ湯河原。

6月第3週の17日(水)18日(木)は、
商人舎バイヤー研修会。
バイイングとマーチャンダイジング実務の
「技術と精神」を学び尽くす!
buyer-seminar2026-flyer_1
こちらの会場は東京都中央区の、
L stay&grow晴海。

ご参加をご検討ください。

さて5月最後の日は、
月刊商人舎5月号の責了の日。

最後の原稿を書き上げて、
[Message of May]も捻り出した。

ケーススタディ満載の特集と特別企画。
ご期待ください。

夜中まで責了の作業に勤しんだ。

最後に商人舎流通SuperNews。

上段の[決算]のボタンを押すと、
ずらりと並ぶ。

その5月1日版。

Olympic news|
’25年年商982億円0.5%減・純損失38億円/7月にPPIH傘下

アルビスnews|
年商1009億円2.8%増・経常利益7.2%減/人と店へ投資

最初の決算ニュースの㈱Olympicグループは、
おそらく最後の決算発表となるだろう。

7月1日付けで㈱PPIHの参加となって、
6月29日には上場廃止となるからだ。

PPIHはドン・キホーテの親会社。
パンパシフィック・インターナショナル・ホールディングス。
長い名前、もうPPIHでいいだろう。

Olympicグループの連結営業収益は、
982億円、前期比0.5%減。
営業損失23億7200万円、
経常損失26億2100万円、
当期純損失37億9800万円。

前期と比べても赤字幅が拡大した。
買収は仕方のないことだ。

部門別に見ると食品は622億円で、
構成比68.5%、前年同期比3.3%増。
非食品が286億円で、
構成比31.5%、前年比8.7%減。

食品は堅調、非食品は低調。

この食品の強みをPPIHは活用して、
「ロビン・フッド」や「MEGAドンキ」に変える。

そのあたりは月刊商人舎5月号で、
詳細に解説する。

では皆さん、充実した黄金週間のために、
チャールズ・ディケンズの言葉。

「自分がしてほしいと思うことを
人に施す努力をせよ。
もし相手がそうしてくれなくても、
がっかりする必要はない。
あなたが相手をがっかりさせるよりは
ずっといい」
Charles-Dickens
「他人の苦しみを軽くしてやる時、
人は自分が無能だとは思わない」

〈結城義晴〉

2026年04月30日(木曜日)

チャールズ国王の「鍬と剣」とディケンズの「今の幸せ」

4月最後の日。

1日中、横浜商人舎オフィスで、
月刊商人舎5月号の入稿。

自分の特集のあとがきを書き終えて、
山本恭広編集長の長い原稿に手を入れて、
最後に表紙をつくって、
今日は終わり。

残るは特別企画のまとめ原稿とMessage。

最近は「アンカー」の役割になってきた。
アンカーはリレーの最終走者のこと。
つまり最後のまとめ役。

松本清張をはじめとして、
作家やジャーナリストは、
歳を取ってくると現場に行かずに、
レポーターたちの報告を読み込んで、
最後に自分の名前で原稿にした。

私はできるだけ現場に行くけれど、
すべての取材を直接することはできない。

だから雑誌のアンカーになってきた。

工藤澄人さんが商人舎に入社して、
その傾向はさらに高まる。

山本さんは元食品商業編集長、
工藤さんは元商業界本誌の編集長。

彼らがときにはレポーター役となってくれる。
贅沢な編集態勢で、本当にありがたい。

そうして「月刊商人舎」は、
取材記事とその総括記事で構成されるようになる。

総括分析のない雑誌は多い。
それは本質に迫っていないことも多い。

さてイギリス連邦王国国王、
チャールズ三世。
1948年11月14日生まれの77歳。

日本で言えば団塊の世代、
欧米ではベビーブーマー。

アメリカ合衆国を訪れて、
ワシントンD.C.の連邦議会で演説した。
チャールズ国王

約30分間のスピーチ。

英国王が米議会で演説するのは、
1991年のエリザベス女王以来、35年ぶり。

ビデオでその演説を見た。

冒頭で故エリザベス女王の演説に触れた。
「時代は変わった。
しかし、米英の友情は変わらない」

演説の中心は、米英関係の再確認だった。

オスカー・ワイルドの言葉を借りれば、
「今日では我々はアメリカと
ほとんどすべてを共有している。
ただしもちろん、言語を除いては」

民主主義・自由・法の支配。
これらの価値を共有する両国の結束を、
「人類史上もっとも重要な同盟」と位置づけた。

「ディケンズなら、
『二人のジョージの物語』と
呼んだかもしれません。
初代大統領ジョージ・ワシントンと、
私の五代前の祖先ジョージ三世です」

第二次世界大戦、冷戦、テロとの戦い。
世界が揺れるたびに、米英は肩を並べてきた。
その歴史を踏まえて、
「今こそ再び協力が必要だ」と訴えた。

さらに現在の国際情勢に深い懸念を示した。
イラン情勢の緊張、中東の不安定化、
そしてウクライナ侵略の継続。

「これらは、
世界秩序を揺るがす重大な危機だ。
米英が協力しなければ、
世界はより危険になる」

そして、この文脈で国王は静かに語った。
「鍬(くわ)を剣に打ち直さないよう願う」

旧約聖書のイザヤ書にある。
「彼らは剣を打ち直して鍬とする」
平和が到来すると武器が農具に変わる。

チャールズ国王はこれを逆に引用した。

チャールズ国王は環境活動家である。
今回の演説でも、気候危機を、
「世代を超えた課題」と位置づけた。

これらのテーマで米英が協力すれば、
「世界を動かす力がある」

環境問題を「政治」ではなく、
「文明の課題」として語った。

国王はさらに、
未来分野での米英協力を強調した。
AI、サイバーセキュリティ、
防衛産業、クリーンテック。

演説の最後に国王は、
アメリカという国の多様性、創造性、
そして寛容さを称賛した。

チャールズ国王の演説は、
実に淡々としていた。
ドナルド・トランプ大統領とは、
正反対の印象を与えた。

ちなみにトランプはこの議事堂には姿を見せず、
バンス副大統領が国王の後ろで聴いていた。

チャールズ三世の演説は、
米英同盟の歴史と未来を静かに見据える、
本当の「王の言葉」だった。

旧約聖書からの引用。
オスカー・ワイルドや、
チャールズ・ディケンズの引用。

良いものだと思った。

同じ日の日本の昭和100年の記念式典では、
なぜか今上天皇の言葉はなかった。
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首相と衆議院・参議院議長の偏ったスピーチ、
そして最高裁判所長官のコメントだけだった。

日本のスピーチでも、
こういった引用は好ましい。

昭和100年式典には一つもなかったし、
トランプの演説でも、
そういった引用は聞いたことがない。

ディケンズは、
ヴィクトリア朝時代を代表する英国の作家だ。
下層階級を主人公として、
弱者の視点で社会を諷刺した。
Charles-Dickens

私の好きな、その言葉。
「生きている人間に魂がないことは、
死人に魂がないことよりはるかに恐ろしい」

どこかの大統領に当てはまる。

「誰もがたくさんもっている、
今の幸せに目を向けなさい。
誰もが少しは持っている、
過去の不幸は忘れなさい」

今の幸せに目を向けよう。

〈結城義晴〉

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