結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年08月04日(火曜日)

日米両政府の円買い協調介入の「シェー」の正体

40年ぶりの円安水準。
日米両政府が円買いの協調介入をした。

それで1ドル150円台となった。

片山さつき財務相が「日米協調介入」を表明し、
スコット・ベセント米財務長官も認めた。

日本政府と日本銀行は7月30日、31日と、
総額11兆~12兆円規模の為替介入を行ったようだ。

日本の為替介入の財源は、
「外貨準備」である。

財務省が保有する ドル建て資産のストックを、
「外貨準備」という。

第1は米国国債(US Treasuries)。
これが最大の構成要素。
安全性が高く、流動性も高い。

第2は外貨預金。
海外の銀行に置いているドル資金。

第3がその他の外貨建て証券。
欧州債など。

現時点の日本の外貨準備は、
総額1兆3059億ドル。約150兆円規模。

このストックを使って、
ドルを売り、円を買った。

まず政府保有の米国債などを売却する。
売却して得たドルを市場で売る。
ドル売りで得た円を買い戻す。
すると円高方向に圧力がかかる。

つまり、外貨準備を現金化して、
円を買った。

極めて異例の「連日の巨額介入」

さしずめ、
「シェー」だ。
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懐かしい。

故赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』。
1962年に始まった。

六つ子の松野兄弟が主役のドタバタコメディ。
おそ松、一松、カラ松、チョロ松、トド松、十四松。

しかし主人公よりも脇役が人気となった。
それがイヤミ。

名前の通り、嫌味な男。
痩せ型で3枚の出っ歯と口髭、
顎まで伸ばした長髪。

一人称は「ミー」、二人称は「チミ」「ユー」。
語尾に「なになにザンス」をつけて話す。

そして、とても驚いた時に、
「シェー」と叫んでポーズをとる。

このギャグは、
1960年代の日本を席捲した。

主人公たちよりも、
脇役のイヤミの「シェー」が、
超のつく人気を博した。

10兆円を超える巨額投資は、
まさしく「シェー」だ。
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日経新聞巻頭コラム「春秋」

通貨政策はとりわけ難しい。
ひとたび間違えるとたちまち、
大きな被害が発生し、
失策ぶりが明らかになってしまう。

福沢諭吉は明治のはじめに「通貨論」で指摘した。

「福沢の念頭にあったのは主に
紙幣発行量の調節の難しさだが、
通貨の価値を守る当局の緊張感は、
昔も今も相通ずるように思われる」
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日本政府。
「さらなる協調介入も躊躇(ちゅうちょ)しない」

コラム。
「協調介入は単独より格段に
メッセージ性が強い。
数少ない過去の例も東日本大震災など
歴史的タイミングばかりだ」

アメリカ側にも過度な円安は不都合なのだ。

しかし、
「助け舟をタダで出してくれるような、
大統領ではなかろう」

「これで借りができたとすれば、
先方の言い分をさらに聞かされることにならないか
心配にもなる」

「そもそも財源の曖昧な消費減税も積極財政も
市場の疑念を招きやすい」

そう、日本政府に市場が「No」を突きつけるか。

「それと同時に円安を止められるのか」

円はすぐに150円台の後半へと逆戻りした。

「市場が突いてくるのは
政策の矛盾の隙であろう」

その通り。

福沢諭吉の弁。
「ことが国民の幸不幸にかかわる以上、
できる限り力を尽くし考えたい」

「介入で稼いだ時間をどう使うか。
政府には間違えられぬかじ取りが続く」

「シェー」の巨額介入。
それは「シェー」なりの効果があった。

164円に迫ったレートが、
8円超の急伸。

しかし時間稼ぎに過ぎないのか。

過去の協調介入は、
1985年のプラザ合意のとき、
1995年の阪神淡路大震災のあと、
1998年、アジア通貨危機のとき、
2000年、EU誕生後のユーロ防衛のとき、
そして2011年の東日本大震災のあと。

今回のシェーは、
熊本地震のためか?

いや、この円安は、
「政策の矛盾」の所為なのだろう。

消費減税をすれば、
需要が増えて、
それがインフレ圧力となる。

1年以内の短期で見れば、
ほぼ確実にインフレとなる。

ただし2年以上の中期で見れば、
財政が悪化し、その結果消費性向が低下して、
デフレ基調に戻る可能性もある。

協調介入の「シェー」は、
その印象だけ残して、
瞬間芸のギャグとしてしか残らない。

〈結城義晴〉

2026年08月03日(月曜日)

桑木志帆(23歳)全英女子オープン優勝の「自らのマネジメント」

Everybody! Good Monday!!
[2026vol㉛]

2026年第32週。
8月第1週。

熊本の地震。
内閣府が今日までの状況を発表した。
「令和8年熊本地震に係る被害状況等について」

震源地は熊本県熊本地方、
震源の深さは暫定値で16km、
地震の規模は7.1。

死者は38人。
行方不明の人はなくなった。

重傷者は13人。

避難者は8700人で、
避難所は206カ所。

心からお見舞い申し上げたい。

さて私は1日中、横浜商人舎オフィス。

月刊商人舎8月号責了の日。
いつものように、
特集の扉のまえがきを書く。
まだまだ編集主筆の役目を果たしている。

さらに表紙のタイトルと文言ををつくる。
徐々に編集長に譲っていきたいと思っているが、
まだ私が考えて、
二人の編集長やゼネラルマネジャー、
編集スタッフに相談する。
するとGMの亀谷しづえさんと、
編集スタッフの鈴木綾子さんが、
イラストや写真を選んでくれる。

それをデザイナーに送って、
表紙が出来上がる。

今月号はインパクトを優先してチョイスした。

最後に[Message of August]を書いた。
山本恭広web編集長が、
緊急提案の記事を書いた。

そうして責了した。

お疲れ様。

さてイギリス中部のリザムセントアンズ。
ロイヤルリザム&セントアンズGC。
全英女子オープン。

テレビのCSチャンネルで、
予選から少しずつ見ていた。

渋野日向子はこの大会では、
いまだレジェンド。
2019年に優勝を果たしたからで、
現地でも人気は抜群。
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渋野と同郷・岡山県出身の桑木志帆が、
優勝してしまった。23歳。
おめでとう。
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世界ランキング46位。
優勝賞金は150万ドル(約2億3700万円)。

最終日は首位と3打差の2位タイからスタート。
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全英オープンは男子も女子も、
難しいコースで行われる。

アメリカのゴルフコースが人工的なのに対して、
イギリスのコースは自然をそのまま取り入れる。
海岸線のコースは自然を生かして設計され、何
「リンクス」と呼ばれる。

桑木は3バーディー、2ボギー、
パー71のリザム&セントアンズGCを、
70打で回った。

通算5アンダーの279。
クラブハウスリーダーで待っていたら、
最終組のエスター・ヘンゼライトが、
18番ホールでバーディを奪って、
桑木と並んだ。

ドイツ人のヘンゼライトは、
2024年のパリ五輪で銀メダルを獲得。
27歳の実力者だ。
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プレーオフは1ホール目に桑木がピンチを迎えた。
ティーショットを右の深いラフに打ち込む。
しかし3打目をピンに絡めて、
パーを死守した。

直後の2ホール目は、
ヘンゼライトのティーショットが、
右のブッシュへ。

ヘンゼライトのボギーが確定したあと、
短いウイニングパットを沈めた。
桑木志帆全英女子オープン優勝

初のメジャー制覇。
昨年の山下美夢有に続いて、
2年連続で日本選手が全英を制した。
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桑木は2021年に、
日本ツアーのプロテストに合格。

今期は体重を落として、
グンとスリムになった。
揚げ物と菓子を断ち、
カフェオレをブラックコーヒーに替えた。
食生活を見直して1年で15kgの減量。

これがスイングのキレを生み、
終盤のスタミナを向上させた。
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絶好調のゴルフで日本で今年これまで2勝。

通算では5勝を挙げている。
日本勢の全英女子オープン優勝は、
1984年に岡本綾子が成し遂げている。
しかしこのときは4大メジャーではなかった。

2001年からメジャーに昇格し、
2019年に渋野日向子が劇的な優勝。
「シンデレラスマイル」と称された。

その後、日本の女子プロゴルファーは、
堰を切ったようにメジャーを制覇し始めた。

日本女子の5大メジャー制覇の歴史。

1977年、樋口久子の全米女子プロ選手権
2019年、渋野日向子の全英女子オープン
2021年、笹生優花の全米女子オープン
2024年、笹生優花の全米女子オープン
2024年、古江彩佳のエビアン選手権
2025年、西郷真央のシェブロン選手権
2025年、山下美夢有の全英女子オープン

桑木志帆はこれに並んだ。

桑木の世界ランキングは46位だったが、
この勝利でランクを駆け上がって16位。

2019年の渋野は、
日本ツアー実質1年目だった。
当時20歳。
怖いものなしで攻めに攻めた。

その渋野を慕う桑木の持ち味は、
致命的なリスクを避けるコースマネジメント。
距離を稼げるドライバーショット、
精度の高いアイアンショット、
絶妙のパッティング。

弱点なしのラウンドで、
文句なしの優勝だった。

4日間を通してダブルボギーなし。

スポット参戦の今期の海外メジャーは、
これまでの4戦すべてで決勝に進出している。

そして、
Women’s British Open制覇
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素直に感動した。

日本の女子アスリート、
世界に対して怖気づくことがない。

桑木志帆は今期に臨むにあたって、
自分自身の節制と努力で減量を果たした。
その自信が勝利につながったのだと思う。

ピーター・ドラッカーが、
『経営者の条件』の中で書いている。
「自らをマネジメントすることは、
常に可能である」

では、みなさん、今週も、
なにごとも恐れずに。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2026年08月02日(日曜日)

浜田宏一教授の「不確実な時代の現在の延長線」と「あすへの希望」

8月最初の日曜日。

外に出ると息が苦しくなるくらい暑い。
空気全体が体に絡みついてくるみたいだ。

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植物はほんとうに強い。

芙蓉の花。
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同じアオイ科フヨウ属の槿(むくげ)。
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今日は一日、外出もせず休養。
商人舎8月号の原稿を少し書いた。

日経新聞電子版に目が止まった。
「日本円沈没の危機」

日経編集委員の永井洋一さんが、
浜田宏一エール大学名誉教授の発言を引用。
浜田教授はアベノミクスの師と呼ばれた。
このブログには何度もご登場いただいている。
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以前にも紹介したエピソード。

2013年11月15日、
浜田教授は中央大学で講演した。
「アベノミクスの三本の矢を、
大学の通知表にならって採点すると、
金融緩和はAプラス、財政政策はB、
成長戦略の第三の矢はEだ」

三本の矢の成績は「ABE」。

アベノミクスも皮肉っているが、
女安倍晋三を自称する高市早苗には、
ひどく手厳しい。

「不確実な時代に、
現在の延長線で
政策立案するのは
危険だ」

続ける。
「政策当局は、
経済学の正常な論理を理解しないで
財政や金融政策を進めている」

「2.5%以上ある日米の政策金利差を、
放置したままでは
円安に歯止めがかからない」

浜田教授の提案。
「日銀はいったん4%まで利上げ(現在は1.0%)し、
為替レートの動向などをみながら、
段階的に金利を引き下げればいいのではないか」

財政政策についても苦言を呈する。
「機動的に使うのはいいが、
現在のようなインフレ懸念がある時に
赤字を膨らませるべきではない」

国際政治経済は混沌としている。
「トランプ関税ショック」の2025年4月以降、
円の対ドル相場を動かす要因が、
米国の長期金利から日本の長期金利に代わった。

その構図は、
日本の長期金利が上がり、
国債が売られると、
円相場が下落する。

円相場は歴史的な安値に埋没し、
日本経済の地盤が揺らいでいる。

就業構造基本調査などをみると、
国民の約7割は現水準より、
円高が望ましいと考えている。
私もこの7割に入っている。

休養の日に、
こんな記事に目が止まるなんて、
幸せなことではない。

しかし、いつもの合言葉。

ちいさな喜び、
ささやかな幸せ、
あすへの希望。
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明日からまた、
自分の立場で頑張ります。

〈結城義晴〉

2026年08月01日(土曜日)

「一憂」を消去すると「一喜」もえぐりとられてしまう。

8月に入った。

目の前の仕事余(あま)して葉月かな
〈稲畑汀子〉

汀子の祖父は高濱虚子、父は高濱年尾。
小さいころから二人に俳句を教わった。
父年尾は「汀子の句は『景七情三』」と評した。

目の前の仕事は残っている。
そして8月に入った。

わかる。

6月、7月と講演や講義が多かった。
この歳になっても講演の依頼があり、
研修会に参加者が集まってくれるのは、
本当にありがたい。

いつまでできるか。

私は85歳まで現役であることを宣言しているが、
それもあと12年。

まだ5時間くらいの講義はできるが、
その時間も減っていく。

今のうちに私の講演、講義を聴いてほしい。
トップマネジメントのみなさんに向けても、
1年に一度か二度は、
そんな講演会をやりたいものだ。

8月は講演、講義がない。
海外研修も国内研修もない。
これは心理的にはちょっと助かる。

そのかわりに単行本の執筆をする。
ある、秘策を用意している。

さて商人舎流通スーパーニュース。
山本恭広web編集長が張り切っている。

土曜日には書き下ろしの原稿が載る。
Weekly Review|
令和8年熊本地震/コンビニ各社の支援進む

「令和8年熊本地震」
コンビニチェーンの迅速な被災地支援。

支援物資としては、
飲料、カップラーメン、
ゼリーなど栄養調整食品、
制汗シート、デンタルケア関連、
そして肌着。

㈱セブン-イレブン・ジャパンは、
地震発生翌日の7月29日(水)から、
店頭募金や支援物資の供給をスタートした。

制汗シート:4800個
カップラーメン:1200個
ゼリー飲料:2700個
ソフトドリンク:5800本

㈱ローソンは7月30日(木)から開始。

制汗シート:約1万個

栄養調整食品:600個
即席食品:900個
麦茶600ml:2400本
歯ブラシ:240個
歯磨き粉:240個
紳士用シャツ:200枚
紳士用パンツ:250枚
婦人用シャツ:70枚

㈱ファミリーマートも、
熊本県からの要請に対応して、
供給を開始。

また、コンビニ店舗を拠点にして、
被災地の移動手段の支援サービス、
通信手段の確保サービスも展開された。

セブン-イレブンは、
熊本県内の菊陽原水店、菊陽新山1丁目店に、
「急速充電スポット」を設置している。
7月30日(木)から無償で開放している。

ファミリーマートは、
Teslaの電気自動車用急速充電設備を、
熊本県の熊本小峯4丁目店、天草有明店で、
無料開放している。
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イオンモールのような大型施設と、
コンビニのような小型で多数の施設。

小売業の有店舗は、
こんな時こそ社会に貢献することができる。
社会や行政との接点を高めて、
「活用してもらう」機会を増やしたい。

eコマースにはない機能である。

最後に朝日新聞「折々のことば」
第3688回。

「一憂」を消去すると、
巻き添えで「一喜」も
結構えぐりとられてしまう
〈小川哲〉

「嫌なことがあっても、その時、
そういう体験をしておいてよかった、
と思うことでやり過ごしてきた」

私もそう思ってやり過ごしたことが、
ないわけではない。

「でもそうやって感情を圧(お)し殺し、
物事を割り切り続けるうち、
柔らかく傷つきやすい感受性が
鉄板のようになって、死んでいった」

やり過ごし、乗り越えるのはいい。
けれど忘れ去ってしまってはいけない。

どんなことも人生には役に立つ。

随想「過去改変を繰り返した男の末路」より。
藤岡みなみ編『超個人的時間旅行』所収。
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小川哲(さとし)は39歳の小説家。
2023年、『地図と拳』で直木賞受賞。
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著者の鷲田清一さん。
「どんな道を選んでも迷いは失せない」

「一喜一憂」は、
物事の状況が変化するたびに、
喜んだり憂いたりする様子。
良いニュースに喜びを感じたり、
悪いニュースに心配を感じたりする。

悪いニュースを心の中で消去してしまうと、
良いニュースもえぐり取られてしまう。

「一憂」を消去すると、
巻き添えで「一喜」も
結構えぐりとられてしまう。

熊本地震も阪神淡路や東日本の地震も、
頭の中から消去してはいけない。

〈結城義晴〉

2026年07月31日(金曜日)

首相の「消費減税表明」を新聞の社説こぞって批判

暑い。
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商人舎流通スーパーニュース。

令和8年熊本地震news|
チェーンストアの地震被災店舗の営業状況一覧

多くの企業が一時、店舗を休業し、
営業を再開している。

頭が下がる。

ありがとうございます。

酷暑は続く。

救助、救済は継続される。

72時間が一つの目安とされる。
3日を経過すると生存率は急激に下がって、
約10%以下にまで減少する。

人間が水を飲まずに生き延びられる限界が、
72時間だからだ。

救助活動に従事する人々に敬意を表したい。

わが日本国は地震列島の上にある。

世界で地震の多い国。
インドネシア、フィリピン、中国の西部・南西部、
ニュージーランド、イラン、トルコ、
米国西部、メキシコ、チリ。

イランとトルコを除けば、
太平洋沿岸の環太平洋造山帯だ。
地球上の大きな地震の約81%が、
この造山帯に集中する。

それは私たちの宿命だから、
受け入れ、受け止めるしかない。

人災だけは減らしていきたい。
それでも地震による被害はなくなりはしない。

企業活動という観点で見れば、
イオンのビジネス・コンティニュイティは、
極めて高い意味を持つ。

そのイオンモールで爆発が起こった。
3000人の顧客の命が守られたことは、
高く評価されるだろう。
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残念ながらモールの従業員から死者が出た。
心からご冥福を祈りながら、
これからさらに徹底したい。

さて高市早苗首相が、
現在8%の食料品の消費税率を、
1%に下げる意向を表明した。
時期は来年4月から2年間。

批判が殺到している。
全国紙も地方紙も正面から社説で、
非難し、批判し、再考や撤回を求める。
〈この本、すぐに買って読んでしまった〉
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小売業にとっても、
消費産業にとっても、
大きくかかわってくる問題だ。

一番痛烈な批判をしたのは、
日本経済新聞社説だ。
「首相の消費減税表明
社会保障の安定損なう無責任」

「減税は広く支持を得やすくても、
本来の目的を達成する手段として適切ではない。
より多く消費する高所得者ほど、減税額は大きい」

「誰かにより恩恵がある予算を削減する、
誰かにより多くの負担を求める、
といった具体策があって初めて、
減税と比べた効果を見定められる」

「無責任に流れる政治に
歯止めをかける作業が必要だ」

「今回の首相判断は食料品の消費税減税を
『私自身の悲願』とした言葉にこだわった結果、
格差の是正や中低所得者の支援という
本来の目的から、大きく離れてしまった」

「自身のメンツを守るのを優先し、
減税をめぐる数々の課題や金融市場の警鐘を軽んじる。
税や社会保障の長期的なテーマで
与野党で丁寧に合意形成する枠組みを、
首相独断でなし崩しにする」

このところ日経新聞は、
高市首相に直接的な批判を向けている。

それは結局、高市政策が、
経済的合理性をもたないからだ。

読売新聞まで、
「懸念は払拭されないままだ」

「かねて指摘されている多くの問題点は、
払拭されないままで、禍根を残しかねない」

「再考を求める」

自民党政府寄りの産経新聞も。
「減税判断の妥当性どこに」

「首相の判断には頷(うなず)けない」

「消費税にこだわるなら、その妥当性を示し、
財源を含む課題への対応策を具体化する必要がある。
この点が不十分な現状では納得することは難しい」

朝日新聞社説。
「財源棚上げする無責任」

「財源を巡り、首相は、
『特例公債(赤字国債)に頼らず確保する』と
述べたが、確保策が具体化しているとは言い難い」

「明確な方針を示さぬまま、
減税に踏み切ることは
無責任と言わざるを得ず、
将来に禍根を残すことになる」

毎日新聞社説。
「将来に禍根を残す浅慮だ」

「多くの難題に直面する日本の進路を巡って
議論を尽くした末の判断とは思えない。
将来に禍根を残す浅慮である」

ただし毎日新聞はこう書いた。
「減税を機にメーカーや小売店が
値上げを行う可能性がある。
過去に消費税率を下げた欧州で見られた現象だ」

これには消費産業として、
「便乗値上げ」を廃絶することを確約したい。

毎日社説。
「懸念されるのは、首相が唱える
『2年限定』で減税が終わらない事態だ」

それに2年後に高市政権が続く保証はない。

私は初めから消費減税には反対している。
「生活苦」にあえぐ国民には、
直接的な公共の補助をすべきだ。

1988年12月の竹下登内閣の3%から始まり、
1997年4月、橋本龍太郎内閣で税率を5%に、
2014年4月、安倍晋三内閣で8%に引き上げた。

さらに2019年10月、安倍内閣が、
10%に引き上げた。
ただしこのとき軽減税率を導入し、
外食・酒類を除く食品と、
宅配の新聞の定期購読料は、
8%の税率を維持した。

竹下・橋本内閣は、
消費税導入と増税で倒れた。

塩野七生さんの『ローマ人の物語』
発刊されるたびにリアルタイムで、
むさぼり読んだ。
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その中にローマの税制の話が出てくる。
これがよくできていた。

ローマの税制は、
国家財政のために国民が負担する税ではなく、
生活インフラ・安全保障・地域経済のために、
みんなで負担する税だった。

日本の消費税に関しては、
使途を法律で限定する。
つまり社会保障の税で、
基礎年金や医療、介護、
あるいは生活インフラのベースとする。

そして一般財源への流用を禁止する。
さらに長期の安定性を公約する。
つまり標準税率は長期固定化し、
たとえば今後10年、あるいは20年間、
消費税率は引き上げないと明記する。

人気取りのための税制改正は必ず、
政権にしっぺ返しを食らわせる。

〈結城義晴〉

2026年07月30日(木曜日)

熊本地震/「生活苦」世帯過半の現実と「元気を売ろう」

熊本の地震。
熊本県の災害対策本部会議が発表した。
人的被害が120人になった。

亡くなった方は34人。
そのうち市町村が確認した死者は25人。
日本製紙八代工場で8人、
イオンモール熊本で7人。

心からご冥福を祈りたい。

406カ所の避難所に、
9450人の人たちが避難している。
ご無事を祈りたい。

断水は八代市と氷川町で約2万8500戸、
宇城市で約1万7800戸、
10市町合計7万9700戸。

停電は1万8910戸で続いている。
〈熊本日日新聞より〉
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営業を中止していた商店が、
復旧開店したというニュースが届いた。

これは嬉しい。

「元気を出そう」

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を売ろうよ。
それがあなたの役目です。

お客さまに笑顔が戻る。
街に活気が蘇える。
あなたの商品のおかげです。
あなたのサービスのたまものです。

たとえ売場が、
空になろうとも。
たとえ補給が、
途絶えようとも。

あなたは店を開けようよ。
あなたは売場に立ち続けようよ。
店で元気を出そう。
売場で元気を売ろう。

元気があなたの付加価値です。
元気があなたの利潤です。

苦しい時にも、
元気が買える。
どんな時でも、
元気が貰える。

たとえ地震に
襲われようとも。
たとえ台風に
見舞われようとも。

店を開けよう。
売場に立とう。
元気を出そう。
元気を売ろう。

それがあなたの仕事です。
それがあなたの役目です。

店を開けよう。
売場に立とう。
元気を出そう。
元気を売ろう。〈結城義晴〉51swq5I1liL._SX312_BO1,204,203,200_

日経新聞経済コラム「大機小機」

「生活苦」世帯が過半という現実
コラムニストは万年青(おもと)さん。

厚生労働省が公表したのが、
「2025年の国民生活基礎調査」
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万年青さん。
「そこに示されたのは、
国会論戦とは対照的ともいえる
国民生活の厳しい現実である」

その国会では会期末に、
国旗損壊罪法案や皇室典範改正案が、
なんというか強行突破された。

厚労省調査によると、
「生活が苦しい」と答えた世帯は55.4%。
2世帯に1世帯以上が生活の重圧を感じている。

その生活苦世帯の内訳は、
母子世帯で82.1%、
児童のいる世帯で61.5%、
高齢者世帯で52.1%。

子育て世代だけでなく、
高齢者を含め幅広い層で、
生活不安が広がっている。

貧困の状況も深刻。
相対的貧困率は15.0%、
子どもの貧困率は11.0%、
ひとり親世帯では44.7%。

約7人に1人が「相対的貧困」の状態にある。
ひとり親世帯では2人に1人近くが、
「貧困線」を下回る。

貧困線とは統計上、
生活に必要な物を購入できる、
最低限の収入を表す指標だ。
それ以下の収入では、
一家の生活が支えられないことを意味する。
英国のシーボーム・ラウントリーが考案した。

今、日本の一人親世帯では、
半分の人たちが最低限の収入で、
生活を支えることができない。

経済規模では世界有数の日本。
高市早苗首相は2040年度に、
「GDP1100兆円」をぶち上げる。

コラムニスト。
「物価高は苦境に拍車をかける」

総務省の家計調査。
2025年のエンゲル係数は28.6%。
44年ぶりの高水準。

生活必需品への支出が増えれば、
教育や文化、将来への備えに充てる余力は失われる。

賃上げは進むものの、
長く続く物価上昇に追いつかない。

国会では物価高対策や社会保障も議論され、
生活関連法も成立した。

「しかし生活苦やひとり親世帯の現実に照らせば、
その対応が十分と評価するのは難しい」

「制度を整えることは重要である。
しかし、政策の成果は法案の成立件数ではなく、
国民の暮らしがどれだけ改善したかによって
測られるべきだ」

同感だ。

食品の消費減税は、
来年の4月から始まるらしい。

参議院選挙に合わせたタイミング。

しかしこの生活苦への対応を、
政治家の選挙と絡めることは許されない。

コラムニスト。
「政治には安全保障や憲法、皇室制度など、
国家の根幹に関わる課題に向き合う責務がある」

「しかし同時に、
日々の生活に不安を抱える国民の声に
応えることもまた、
政治の最も基本的な使命である」

そしてこちらの方が急を要する。

万年青さん。
「今回の調査結果は、いま政治が、
最優先で取り組むべき課題は何かを、
改めて問いかけている」

「国会で交わされる議論の優先順位は、
国民の暮らしの実感と重なっているのか」

「その問いに、政治は
真摯に答えなければならない」

同じことは小売業にも問われている。
生活苦にあえぐ人たちに、
手を差し伸べることも、
地域商業の大切な役目だ。

必需品の低価格販売は、
そういった生活者を支える。

意義のある仕事だ。

私たちは、
たとえ売場が、
空になろうとも。
たとえ補給が、
途絶えようとも、
元気を出そう。
元気を売ろう。

〈結城義晴〉

2026年07月29日(水曜日)

令和8年熊本地震の救助・救済と「避難後、施設内に戻らない」

熊本地震、お見舞い申し上げます。

熊本には友人も多い。
この暑さの中、
大変なことと思います。

お亡くなりになった方々の、
ご冥福を祈りたい。

地震や震災のあとの過酷な避難生活は、
被災者を苛(さいな)む。

地震と炎暑。
物的にも精神的にも、
日本全体で支えたい。

くまモンは27日にXに投稿した。
「よか明日になりますように」

この「よか」という言葉は、
九州弁で「よい」と言う意味。
よい明日になりますように。

その通りだ。

しかしそのくまモンも、
「活動の一時中止」に入った。

故堺屋太一さんが説いている。
非常時対策の5段階。

①救助
②救済
③復旧
④復興
⑤振興

その原則。
「軽いものから先に」
第1に、最も急ぐ軽いものは「情報」。

そのために現代社会では電気が重要だ。

第2が「生活物資」。

⑴水、飲料と薬。
⑵緊急の食料。
⑶燃料と衣料。

第3が「安全な生活空間」。

この第3の要件までが「①救助」
10日間が救助活動の段階だ。

堺屋さんは指摘している。
「大事なのは速度

全速力で救助したい。

今回の地震では、
「イオンモール熊本」で爆発事故が起きた。
イオンの吉田昭夫社長は記者会見した。
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「尊い命が失われた事態を招き、
大変重く受け止めています。
慚愧(ざんき)の念に堪えません。
お亡くなりになられた方々に
ご冥福を申し上げるとともに
ご遺族の皆さまに深く深く
おわび申し上げます」

現地の熊本市内へ飛んで、
すぐに(今日29日の午後4時半)、
遺族や社会に向けてお詫びし、説明した。
それはとても良かった。

話しぶりも丁寧で、冷静で、
気持ちがこもっていた。

吉田さんはイオンモール㈱の社長から、
イオンの社長となった。

だからモールのことは、
ごくごく細かいことまで知っていた。

それも好感をもてた。

地震が起こったときには、
イオンモールには3000人の顧客が入館していた。
テナントを含めた全従業員数は2700人だった。

地震発生から30分後には、
従業員はマニュアル通りに顧客を誘導して、
一時避難が完了した。

訓練も1年に二度、きちんと行っていた。
だからここまでは安全確保もできた。

しかし予期できないことが起こった。
午後5時50分ごろ、施設2階で爆発が起こった。

避難のマニュアルには、
定められている。
「避難後、施設内に戻らない」

しかし少数の人たちが残っていたのか、
それとも避難したあとに戻ったのか。
吉田社長は「確認できていない」と話した。

「戻らない」は、
今後、さらにさらに徹底したい。

爆発が起きた場所は、
モール2階のアパレル専門店街のところ。

施設の外の駐車場の横に、
LPガスのタンクが設置されている。
このタンクから2階のフードコートエリアへ、
パイプラインでガスを送る。
その供給経路の途中で爆発したようだ。

だから「ガス漏れの可能性が高い」

これまでイオンモールでもほかの店舗でも、
ガス漏れが起こったことはなかった。

吉田社長は語った。
「人命救助を最優先した上で、
消防と情報共有し、
原因究明に最善の努力をしたい」

まだまだ地震はおさまらない。
予断は許されない。
①救助から②救済、③復旧まで、
長い道のりが待っている。

見守り続け、応援したい。

LPガス使用に関しても、
研究や検証が必要になるだろう。

さて私は朝から、日本橋。

高島屋も開店はしていない。
IMG_4220 (002)

2日にわたる研修会。

会場はビジョンセンター東京八重洲。
その入り口に舟越保武さんの座像の彫刻。IMG_4221 (002)

裏側には立像。IMG_4225 (002)

私は朝のテスト回答の解説と、
夕方の講評。

その間に発表があり、
討論とさらに発表。

それをずっと聞いていた。

最後の講評では、
私としては珍しく真剣に叱った。
そして檄を飛ばした。

受け止めてもらえたのだろうか。
IMG_4226 (002)

昨日のブログでも引用したピーター・ドラッカー。
「未来を築くために
初めになすべきことは、
明日何をなすべきかを
決めることではなく、
明日をつくるために今日、
何をなすべきかを
決めることである」

熊本ではまだまだ余震が続く。
今日なすべきことをなす。
それが明日につながっている。

〈結城義晴〉

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