結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年05月31日(日曜日)

世界的な「合成の誤謬」とドンキの「ホワイトブランド」の素早さ

5月最後の日。
日曜日。

外は暑い。

日経新聞「大機小機」
「壮大なる合成の誤謬」

「合成の誤謬(ごびゅう)」は、
「個人や企業などミクロのレベルでは合理的な行動が、
マクロの社会全体でみれば逆効果となる現象」

コラムニスト。
「現在、世界では、
壮大な合成の誤謬が起きている」

東西冷戦終結後の1990年代から
経済の「グローバル化」が急速に進んだ。
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ヒト、モノ、カネが国境を越えて自由に動き、
企業は最適な場所から部品や原料を調達し、
最適な場所で生産する。

世界経済の結びつきは強まり、
国同士の相互依存も深まった。

その象徴が、冷戦の覇者の米国と、
グローバル化の申し子の中国という
2つの大国だった。

しかし21世紀、
とりわけ2020年代に入り、
逆転し始めた。

新型コロナウイルスの感染拡大、
ロシアのウクライナ侵略、
トランプ政権の米国第一主義、
中東での紛争激化――。

こうした動きは世界の分断を招き、
経済相互依存の姿を変えつつある。

ナフサ不足もその現象化の一つだ。

進んでいるのが、
いわゆる「経済の武器化」
あるいは「相互依存の武器化」だ。

中国によるレアアース輸出規制はその典型。
中国産原料に依存していた企業は、
供給途絶のリスクに直面した。

米国は「ドルの武器化」を進めた。
基軸通貨ドルの決済ネットワークから、
イランやロシアを排除した。

逆にイランは、
「ホルムズ海峡の武器化」を展開する。

そこで注目されるのが、
「経済安全保障」だ。

日本政府も2022年から、
経済安全保障担当大臣を置く。
初代は小林鷹之、二代目は高市早苗、
三代目が城内実、そしていまは小野田紀美。
何をしているかわからないが。

敵対国への依存を極力減らし、
サプライチェーンは同志国で再編する。

「経済の武器化への対抗手段として、
国や企業の対応は合理的に映る。
だが、世界経済全体でみれば
必ずしもそうはならない」

これが合成の誤謬。

「もっとも効率的な調達や生産が妨げられれば、
それだけコストは上がる」

「国や企業にとって安全保障上の負担であっても、
経済全体の効率は下がる」

さらに、経済の武器化が進み、
困窮する国が増えるほど、
不満や対立は積み重なり、
戦争のリスクが生じる。

経済安全保障の名の下に、
「経済の武器化」が、
世界で広がる現状は危うい。

同感だ。

コラムニストの提案。
「その連鎖を断つ『経済軍縮』が、
必要になるのではないか」

一方、日経新聞。
「ドンキが白黒包装の低価格PB」

PPIH。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。

6月に売り出すのがホワイトブランド。
素早い。

ネーミングは、
「Everyday Real Price」
EDRP。

もちろん「Everyday Low Price」のモジリ。

白黒包装でコストを抑えた、
低価格プライベートブランド。

生活必需品に特化する。

500mlのペットボトルの水。
値段は40円。
ボックスティッシュ(5箱)、196円。
スパゲティ1kg、214円。

26品目。

ナフサ不足が進んでいると言われる中、
カルビーが白黒パッケージの製品を出す。

それにかぶせるように、
プライベートブランドをつくる。

すでに5月にPPIHは、
モノクロ印刷のラガービールを発表している。
原産国はベトナム。
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白黒包装にすることで印刷コストを減らす。
ついでに物流の見直しをする。
量産効果も見込む。

ドンキの「情熱価格」など従来のPBと比べて、
最大で約7%の原価低減を実現。
PPIHで最も安い。

パッケージのデザインには、
「¥」の記号がつけられる。

もちろんドン・キホーテ、
MEGAドン・キホーテ、
ロビン・フッドのほか、
ユニー傘下のアピタ、ピアゴなど、
全国約670店舗で売る。

PPIHが全社共通のPBを投入するのは、
なんと初めてのことだとか。

年商は2026年6月期の見込みで、
売上高2兆3270億円、営業利益1700億円。

総力を挙げて、
EDRPを売り込む。

チェーンストア各社でも新しい取り組みはある。

イトーヨーカ堂は5月下旬から、
肉や刺し身のプラスチック製の蓋を、
ラップに変更している。

ファミリーマートは今夏から、
サンドイッチなどの包装で、
ブランドロゴを白黒にする。

イオンもトップバリュで、
プラ使用量を抑えた包装資材へ切り替える。
「かに風味かまぼこフレーク」は、
プラ使用量を約43%減らして、
容量を変えずに販売価格を192円に据え置いた。

しかしPPIHはそれをブランド化する。

前にも書いたが1980年ごろに、
「ホワイトブランド」が世界的に広まった。

アメリカでもノーブランドだらけだった。

私にとってはそのデジャヴ。

イオンもイトーヨーカ堂も、
他のチェーンストアも、
ホワイトブランド化は遠慮なくやっていい。

たとえばイオンのコンペティティブブランドは、
「ベストプライス」で、
これは黄色と黒のパッケージデザインだ。

これなどホワイトブランドにしても、
何ら問題はない。

お薦めするわけではないが、
指をくわえてみていることはないと思う。

カルビーは早かった。
ドンキも早かった。

ここでは合成の誤謬も、
無視していい。

〈結城義晴〉

2026年05月30日(土曜日)

ゲーテ「人は意味も無く他人を不愉快にする権利はない」

6月から値上げラッシュ。
食料品と飲食。

ホルムズ海峡封鎖の影響は、
食品値上げの22.7%に及ぶと試算されている。

日経新聞電子版。
「ガソリンとナフサ、
値動き『ワニの口』」

経済産業省発表の「4月の石油統計速報」

ガソリンとナフサのスポット価格は、
2月27日の価格を100とすると、
5月28日時点でガソリンは109.8、
ナフサは128.3。

生産量でみるとガソリンは10.9%減、
ナフサは22.8%減。

政府の窓口に届いたナフサなどの不足を訴える声は、
5月28日時点で約3200件にのぼる。

それが食品の値上げに影響を与えている。

政府からは相変わらず、
「節約」の呼びかけはない。

「積極財政」と「踏み込んだ節約」が、
一致しないかららしい。

メンツを気にしている時ではないと思うのだが。

さらに文春砲。
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このブログでは触れたくはないが、
正常な選挙が行われていなかったとしたら、
民主主義の根底が揺らぐ。

改正公職選挙法第152条第1項では、
「候補者及び後援団体による挨拶を目的とする有料
インターネット広告を禁止」している。

誹謗中傷の動画は禁止されていないのか。

朝日新聞「天声人語」

「不思議で、仕方がない。
なぜ高市首相は正面から
向き合おうとしないのだろうか」

「選挙戦で自らの陣営が
他候補を中傷する動画を
SNSに投稿したとする疑惑に対し、
はぐらかすかのような姿勢が目立つ」

「衆院選で多くが驚いたように、
候補者の動画がスマホに一方的に
流れてくる時代である」

「SNSの言説に投票が大きく左右される」

規制は必須だろう。

天声人語。
「もっと丁寧に、誠実に、
首相が説明してもいい話ではないのか」

これに対して、
朝日新聞の電子版上の「コメントプラス」
コラムのすぐ後に出ている。

本田由紀東京大学大学院教育学研究科教授が、
はっきりと言い切った。
「不思議だとかなぜだろうとか、
ぬるいことを書いていないで、
真っ向から批判してはどうか」

拍手、拍手。
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「新聞がここまで及び腰であるうちに、
選挙は壊れ、資源は途絶し、
情報統制は進み、
国はダッチロール状態にある」

全国紙も地方紙もひどく歯切れが悪い。
それこそが民主主義を後退させている。

さて読売新聞「時代の証言者」
鈴木幸一さんが1週間、
エッセイを書いている。

インターネットの草分け。
㈱インターネットイニシアティブ会長。

タイトルは「ネット開国に挑む」
その第4回。

「近年、大病をして人生を振り返って思うのは、
今の私の中核を形作ったのは、
小、中学生までの記憶や体験ということです」

「逆に言えば、それ以降はその殻にとどまり、
成長していないのかもしれません」

ん~、そういうことか。
自分を振り返ってみる。

「中学の時、冬休みになると、
家でNHKラジオの第2放送にかじりつき、
その年にドイツのバイロイト音楽祭で演奏された
ワーグナーのオペラに夢中になりました」

なんというか、大人びている。

「今では毎年のようにバイロイト音楽祭に出かけ、
ワーグナーの子孫の方々との交流も
生まれています」

「幼い頃から早寝早起きでしたが、
中学生になると、一転して
夜明けまで眠らず、
ひたすら本を読む習慣がついてしまいました」

「書店に行っては、
年齢不相応な本を買ってきたものです」

「ロシアの文豪ドストエフスキーやツルゲーネフ、
ドイツ文学にも親しみました」

「ゲーテ全集の中に小説『親和力』がありました」
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そのなかの一節。
「人は意味も無く
他人を不愉快にする
権利はない」

この言葉に中学生鈴木幸一は感動する。
「私の行動規範となりました」

「私が社会人になり、
相手の年齢や性別、職業に関係なく
付き合って酒を飲み、
新しい知識を吸収してこられたのは、
この言葉との出合いのおかげかもしれません」

意味もなく、
他人を不愉快にする、
権利はない。

「私は経験上、全ての知力の基礎は読書で、
本さえ読んでいれば、何とか、
頭は鍛えられると思います」

同感だ。

「考えてみれば、今の私の知識のほとんどは、
中学時代の読書によって培われたものです」

私はそれが高校や大学まで続いた。
鈴木さんのような「早熟」ではなく、
「晩熟」だったのだと思う。

それでも知識は読書から得た。

「今、幼少期から
スマートフォンなどの端末を使い、
オンラインゲームやSNSなどに
多くの時間を費やしてしまうことが
大きな社会問題になっています」

「IT業界に身を置く者として
発言しにくい部分はありますが、
小さい頃からスマホ漬けになるのは
危ない話だし、心配しています」

「コミュニケーションの道具として
効率的な使用を心がけるべきです」

「そうでないと、
本当なら知識や思い出として
脳に記憶するべきものが全て
電子機器に預けられてしまいます」

「人間が成長していく上で記憶は
本当に大切なものだと痛感します」

「薄っぺらい人間に成長しないか、
気掛かりです」

これについては同感だが最近、
あまり本を読まないのに、
優れた判断力をもつ天才を知った。

本を読むと言っても、
どんな本を読んだか、
どの程度、どんなことを理解したか、
記憶にとどめたか。

それによって人間の考え方が出来上がる。

「人は意味も無く
他人を不愉快にする
権利はない」

商売や仕事の基本であり、
人間の生き方の基本である。

〈結城義晴〉

2026年05月29日(金曜日)

Message「異常値を疑え。」と2025日本の人口減と世帯増

1日中、横浜の商人舎オフィス。
月刊商人舎の原稿を書き、
入稿した。

そういえば先月号のMessage、
このブログで紹介していなかった。
ラスベガスに滞在していて、
ブログに書くことが多かったせいでもある。
[Message of May]
異常値を疑え。

「異常値販売」が大流行したことがあった。
あっちもこっちも「異常値、異常値」。
辟易(へきえき)するほどだった。

異常な数値が現れる。
それは問題の発生を意味する。
対応のオペレーションが必要になる。

さらに異常値を放置すると需要予測が狂う。
異常値を見逃すと在庫管理をミスする。
過剰在庫か、在庫不足かがわからなくなる。

さまざまな分析に齟齬が生じる。
店舗評価、商品評価を間違う。
場合によっては人の評価も誤る。

しかしブームを起こした「異常値販売」は、
通常はあり得ない状態を意図的につくれと促した。
経営資源を集中させて業績を跳ね上げよと命じた。

伸びているところを伸ばす。
これは業績を向上させるための王道だ。
それは自然な政策だ。

けれど意図的に「異常値」をつくろうと、
普通の会社がやらない施策を実行する。
極端な一点突破を試みる。

奇異な販促で異常値を出す。
特別の安売りで異常値を出す。
あの手この手で異常値販売を目指す。

それは平均的な店には効くかもしれない。
前年対比ばかり気にする会社には、
効果があるかもしれない。

だがウォルマートのEDLPは、
売上げの波動の波を減らすのが目的だ。
異常値づくりではなく高次安定が狙いだ。

そのための仕組みをつくる。
システムを構築する。
人財を育てる。

そんなマネジメント水準ができ上がると、
異常値を疑ってかかるようになる。
そして異常値には迅速に対応する。

年商50億円超のスーパーマーケット、
60億円に達する超繁盛店。
それらは異常値の集積の結果ではない。

誰も無理をすることなく、
普段通りに仕事をすれば、
驚くほどの成果が出る。

ドラッカーは言う。
「いい工場は静かである」
これは異常値販売の喧騒とは違う。

異常値を疑え。
異常値を問題視せよ。
その域に到達せよ。〈結城義晴〉
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前年対比でしか考えない組織には、
「異常値をつくれ」と発破をかける効果もあろう。

しかしそれは特徴のない店、
ポジショニングの欠落した企業の話だ。

ドラッカーに言わせれば、
「異常値」が発現したとしたら、
それはInnovationの苗床である。
だから無理やり「異常値」をつくろうとしたら、
Innovationの芽を摘んでしまうことにもなる。

さて、日本の人口が減り続けている。
2025年国勢調査速報値。
昨25年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口。
1億2304万9524人。
約1億2300万人。

2020年の前回調査から、
309万6575人の減少、
2.5%減。

5年間で310万人減。

日本の歴史で最も人口が多かったのが、
2010年の1億2805万7352人。
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それと比べても500万人が減った。

15年から20年にかけての減少率は0.7%で、
人口減の勢いは加速した。

総務省の分析。
「少子化と高齢化が進み、
自然減が拡大しているため」

国連の推計では、
日本の人口は世界で12位。

日本の総人口のうち、
男性は5977万8826人、
女性は6327万698人。

女性100人に対して男性は94.5人。

都道府県別にみると、
東京都と沖縄県だけが増加した。
東京都は19万8621人増の1424万6219人、
増加率も全都道府県で最も高い1.4%。
日本全体に占める割合は11.6%。

東京への人口集中は続いている。

沖縄県は0.1%増の146万8220人。

人口減少数がもっとも大きかったのは北海道。
23万9195人減。

これは意外な気がする。

人口が100万人以上の都市は12市。
東京都特別区部、横浜市、大阪市、名古屋市、
札幌市、福岡市、川崎市、神戸市、
京都市、さいたま市、広島市、
最後は一つの市はどこか。

クイズです。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・仙台市。

一方、世帯数は過去最多だった。
全国の世帯数は、
5712万4507世帯。
5712万世帯。
前回と比較して2.3%増加。

1世帯あたりの人数は2.15人。
比較可能な1970年以降で過去最少。

つまり世帯数は増えたが、
世帯人数は減った。

単身世帯の増加傾向も進む。

世帯数の増加率最大は沖縄県。
5年前から6.1%増。

1世帯あたり人数最多は山形県の2.49人、
最少は東京都の1.88人。

人口と世帯。

ここには、
商売とビジネスのヒントが詰まっている。
人口減少は周知の「異常値」でしょう。

人口が減っていても、
世帯が増えていたら、
そこにはInnovationの苗床がある。

〈結城義晴〉

2026年05月28日(木曜日)

築47年「イオンスタイル鴨居」開業と環境の「動脈・静脈産業」

イオンスタイル鴨居。
本日オープン。
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ダイエー鴨居店からの転換。

1978年に忠実屋鴨居店として開業した物件。

1994年3月1日、4社合併で、
ダイエーがユニードダイエー、ダイナハと共に、
忠実屋を吸収した。

そこでこの年、ダイエー鴨居店に転換。

さらに2015年1月1日に、
ダイエーはイオンの完全子会社となる。

5年後の2020年、この店は、
イオンフードスタイルにバナーを変更。

そして今年2月にいったん閉業して、
本日、オープン。

今年の3月1日、イオンは、
スーパーマーケット事業の再編を行った。
その結果、首都圏のダイエー店舗は、
新会社㈱イオンフードスタイルに統合された。

一部のダイエーの大型店舗は、
イオンリテール㈱が運営することになった。
イオンスタイル鴨居はそのうちの1店。

ダイエー時代から繁盛店だった。

3カ月の休業期間中、
地域から再開の要望書が寄せられた。

そこで開店の挨拶にたった、
藤川慎一郎店長の第一声。
「お待たせして申し訳ございませんでした」aeon-fujikawa-ceremo

建物は3フロアだが、
1階、2階にイオンスタイルが入る。
売場面積は839坪。

1階に生鮮・惣菜、グロサリー。
2階に冷凍食品、菓子、酒類、
それにヘルス&ビューティケア。
エスカレーターで回遊させる。

オープン前には500人の行列。aeon-kamoi-line

この日は最大で1000人並んだ。

オープンを5分早めた。

築47年の建物。
急ピッチの改装だったため、
内装は凝った変更はしていない。
しかしイオンリテールの最新のMDを投入した。

精肉部門では、5等級の和牛は、
インストア加工で付加価値をつくる。aeon-kamoi-meat

鮮魚は対面コーナーを新たに設けた。
担当者を配置して売り込む。aeon-kamoi-fish

惣菜部門では壁面にばら売りの焼き鳥売場を設けた。aeon-kamoi-deli

2階の先頭は「FROZEN」の売場。aeon-kamoi-frozen

HBCゾーンにはイオン薬局が入る。aeon-kamoi-pharma

3階の空きスペースで、
プレス向けのブリーフィング。aeon-kamoi-press

藤田一夫さんが、
南関東カンパニー東神奈川事業部事業部長。
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鴨居店で担当店舗は17店舗となる。
改装にあたって、自らレイアウトをひく。
「商人舎を参考にしています」
ありがとうございます。

藤川慎一郎店長が店づくりの考え方を語ってくれた。
aeon-fujikawa
「午前中と日中、夕方では、
お客さまの層が一変する店です」

期待が伝わってくる。

保有し運営する会社は変わっても、
店は地域に貢献し続ける。

凄いことです。

私は商人舎オフィス。
10時にお二人がやってきた。

鈴木國朗さんと西村知子さん。
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鈴木さんはご存知、商人舎の執筆者で、
スーパーマーケットのコンサルタント。

西村さんは環境カウンセラー。
このカウンセラーは環境省が運営する登録制度だ。
環境保全に関する豊富な知識と経験を持つ個人が、
地域や企業の環境活動を支援する、
専門家として登録される仕組み。

その西村さんからカーボンニュートラルをはじめ、
環境問題への取り組みの話を聞いた。
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動脈産業とは、自然から採取した資源を、
加工し、製品を生産・流通・販売する産業。

一方、静脈産業は製造過程、消費過程で、
不要になった製品や資材を回収し、
リユースやリサイクルを通じて再利用する産業。

静脈産業が重要なのだ。

チェーンストアではイオンやセブン&アイ、
ヤオコーや良品計画が、
積極的な取り組みをしている。

もちろんファーストリテイリングも。

その具体的な話を聞いた。
ありがとうございました。

いろいろなコラボレーションができるに違いない。

その後、すぐに東京お茶の水へ。
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駅の隣りに聖橋がある。IMG_E3356

神田川にかかるアーチ形の橋。IMG_E3355

駅前の新お茶の水ビルディング。
18階・19階・20階に井上眼科クリニックがある。IMG_E3353

20階に上がって受付をして、
視力検査と視野検査。

眼下に東京の街が見える。IMG_E3349

手前に湯島天神がある。
その先に神田明神。IMG_E3350

眼圧の検査のあとで、
真打登場。
富田剛司先生の診察。
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日本の緑内障の権威。
私の執刀医。

右眼の眼圧は少し高かった。
視野はずいぶん狭くなった。

それでもまあまあの結果だ。
いつもの4種類の点眼薬を処方してもらった。

ありがとうございました。

次は4か月後の診察です。
よろしくお願いします。

地下1階に丸亀うどんの店。
うどんも弁当も直売している。IMG_E3352
実にうまい。

急いで横浜のオフィスに戻ると、
もう5時を過ぎていた。

そして月刊商人舎6月号の入稿。
遅くまで原稿整理。

忙しい1日だったが歩数は7476歩。

お疲れ様。

〈結城義晴〉

2026年05月27日(水曜日)

住友達也「とくし丸」創業者は今「ぐ〜す〜月刊とくし丸編集長」

住友達也さん。

商人舎オフィスに来てくれた。

とくし丸の創業者。
現在はファウンダーで、
ぐ〜す〜月刊とくし丸編集長。IMG_7243 (002)
とくし丸は現在、
全国に約1200台が走っている。

協力スーパーマーケットは、
北海道のダイイチから、
沖縄のりうぼうまで、
47都道府県に及ぶ。

おばあちゃん、おじいちゃんにとって、
なくてはならない買物媒体となった。
顧客数18万人だとか。

とくし丸は「究極のセレクトショップです」

「おばあちゃんのコンセルジュを目指します」

「御用聞きでもあるのです」

「全てのお客さんに対面販売します」

「売りすぎません、捨てさせません。」

「街の毛細血管となります。」

「販売パートナーが主役です」

住友さんは次々にキラーフレーズをつくり出した。

そして今、パートナーさんたちに向けた、
アプリを開発して、
とくし丸の販売車がどこを走っているかが、
わかるようになっている。
凄い「移動スーパー」の事業体となってきた。

月刊商人舎ではこれまで2回、
特集して住友さんに登場願った。

2015年4月号特集。
ネットスーパー! 移動スーパー!!
2015年4月移動スーパーネットスーパー

「住友達也の独白」を載せた。
住友達也

2019年7月号特集は、
アスクル&とくし丸
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このときには対談した。
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「とくし丸の前進」のルポ記事も載せた。
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今、㈱とくし丸は、
オイシックス・ラ・大地㈱の傘下にある。
だから代表取締役会長は、
高島宏平オイシックス・ラ・大地社長、
代表取締役社長は新宮歩同執行役員。

住友さんは取締役として、
実質的に会社を動かしている。

「10円ルール」という独特の制度を、
「20円ルール」に変えた。
それによって販売パートナー、
協力スーパーマーケット、
とくし丸本部が、
三位一体で収益性を確保する体制が生まれた。

インフレが進む現在、
さまざまなコストが急上昇する今、
私はこれは妥当な決断だと賛同している。

顧客の皆さんも、
歓迎してくれている。

住友さんご自身は、
隔月刊誌「ぐ~す~月刊とくし丸」編集長として、
企画作りから執筆者交渉まで、
東奔西走。

もともとタウン情報誌『あわわ』を創刊し、
㈱あわわを設立している。

根っからの編集者だ。
「ぐ~す~とくし丸」も、
その住友さんの熱意と才気が、
ほとばしるような媒体だ。

私も愛読しているが、
1冊定価280円は、安すぎるくらいだ。

とくし丸を動かしているスーパーマーケットは、
店頭で積極的に拡販してほしいものだ。

さらに今、住友さんは、
「移動スーパーマーケット協会」の設立を考えている。

その話を聞いて、
私は実にいいことだと賛成した。

微力ながら私と商人舎にできることは、
協力しますよ。

私は2015年の特集号で、
[Message of April]を書いた。
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世間良し、天も良し。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

近江商人の商売哲学にして、
世界商業の現代化原理。
「三方良し」。

リアル店舗のスーパーマーケットも、
ネットスーパーも、
移動スーパーの「とくし丸」も。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

こうでなくてはいけない。
商売の神様も仏様も、
解脱の手助けはしてくれない。

それが小売業の近代化の次に、
商業の現代化を果たすときにも、
貫徹すべき大原則である。

規模のメリットを追求し、
生産性の向上を追いかけ、
結果、行き詰まってしまった近代小売業。

ここまでは工業化すべきであり、
ここから先は工業化してはならない。
二つの性格を持った産業。

それが私たちの小売業、
私たちのチェーンストア、
私たちの消費産業。

リアル店舗小売業も、
ノンストアリテイリングも、
ネットスーパー、移動スーパーも。

買い手良し、
売り手良し、
世間良し。

あなた良し、
わたし良し、
天も良し。

〈結城義晴〉

2026年05月26日(火曜日)

日経・朝日の鈴木敏文追悼記事と結城義晴の「鈴木語録」

2026年5月26日の日経新聞は、
鈴木敏文さんの記事だらけ。
そんな印象すら受ける。
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一面記事。
鈴木敏文氏死去 93歳、
セブン&アイ元会長」

社説。
「コンビニで社会変えた鈴木氏」

ビジネス2欄。
「常に変革、コンビニの祖」と題して、
ほぼ全面を割いた。
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[評伝]は客員編集委員の田中陽さんが書いた。
(この記事は電子版に前日から掲載されていた。
私はそれを読んでブログに引用させてもらった)

「記者が今月7日、鈴木氏の執務室に入ると
パソコンで前日の営業成績を見て、
ため息をついているようだった」

「現場主義のカリスマ」
これは略歴の紹介記事。

「鈴木氏の発言」
⑴「大型店と中小小売店は共存できる」

⑵「米国のコンビニのまねは嫌いだ」

⑶「サンダル履きでいける『手軽さ』が
付加価値を生んだ」

⑷「限界はない。満足するのはありえない」

現在のセブン-イレブン経営陣に対するエール。

そして「産業界から悼む声」
柳井正ファーストリテイリング会長兼社長。
「顧客起点の発想で流通業の常識を変革し、
新たな価値を生み出し続けてきた
稀有(けう)な経営者だった。
同じ流通・小売に携わる者として、
多くの示唆をいただいた」

伊藤忠商事の岡藤正広会長CEO。
「偉大な人だった」

「セブンプレミアム」に関して、
「人口減社会でも良い商品を作って
1人当たりの単価を伸ばせば売り上げは増えると
まずは良い商品を開発することを
重視していた姿勢が印象に残っている」

キヤノンの御手洗冨士夫会長CEO。
「中央大学の同窓として、
政治・経済をはじめ多方面にわたり
意見を交わす機会があった」

「業種の違いを超え、
経営に対する基本的な考え方に
多くの共通点を見いだすことができたことは、
私にとってかけがえのない学びだった」

ローソン・竹増貞信社長。
「厳しくも優しくもあり、
業界のことをしっかり考えている方だった」

さらに電子版には編集委員の中村直文さん。
「セブン&アイ『カリスマ経営』光と影」
この記事は「カリスマ後の経営の難しさ」を指摘した。

朝日新聞も一面の逝去の記事と、
経済・総合面の[評伝]
IMG_E3344[1]

やはり日経が朝日を圧倒した。

「私の履歴書」を読んで、
私も印象的な言葉をメモした。

「社外取締役がボードの過半を占めるのが
米国型企業統治。(中略)
私は米国でセブン-イレブンの再建にかかわって
メリットとデメリットを肌で実感した。
必ずしも日本の実情に合ったものではないように思う」

社外取締役の問題を指摘していた。
私も同じことを感じる。

「社会環境や組織風土、国民性の違いを無視して
米国の手法を形だけ、一部分だけまねすると、
かえって経営をゆがめる危険性がある。
うのみ、ものまねの経営を
トップはすべきではない」

同感だ。

学ぶのはいい。
しかし鵜呑み、物真似の経営は、
よろしくない。

持株会社のセブン&アイをつくって、
そのあとでそごう・西武を買収した。
「気の短いトップを持つとスタッフは大変だが、
経営は決断したらすぐ実行することだ」

鈴木さんはとにかく気が短い。
それは柳井正さんにも通じる。

いや中内功さんも岡田卓也さんも、
実は伊藤雅俊さんも。
清水信次さんも横山清さんも、
北野祐次さんも荒井伸也さんも、
倉本長治も渥美俊一も、
例外なく気が短かった。

「ゴルフは気の合う仲間とよく出かける。
目的は運動不足解消でただただ速く回る」

「行きつけのゴルフ場は
小金井カントリー倶楽部。
そのキャディーさんから驚かれた。
『こんなに速く回るのは田中角栄さん以来だ』」

小金井は私も柳井さんとラウンドした。
柳井さんに対して私も思った。
「こんなに速く回る人」を知らない。

鈴木さんの言葉のなかで、
これは実行したい。
「成功する保証はなくても
7割方可能性が見えたら
挑戦してみることだ」

「運もある。私の場合、
組織にしがみつかなかったことが
逆に運に結びついたのかもしれない」

組織に縛られてはいけない。
組織にしがみついてもいけない。

最後の言葉。
「毎日が瀬戸際と思い、
1日1日を精一杯生きる」

「当たり前のことを当たり前に、
ただし徹底してやり通す。
これが私の生き方だと思っている」

ありがとうございました。
安らかにお眠りください。

合掌。

〈結城義晴〉

2026年05月25日(月曜日)

鈴木敏文さんのご逝去と「歴史的な和解」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㉑]

2026年第22週。
5月最終週。

訃報です。

鈴木敏文さん。
93歳。
71IGnzeibbL._SL1378_ (1)
セブン-イレブンの実質的な創業者。
そしてそのコンビニエンスストアを、
日本最高のチェーンストアに育て上げた経営者。
だから「日本コンビニの父」である。

商人舎流通SuperNewsでも取り上げた。
訃報|
セブン&アイ鈴木敏文名誉顧問逝去、93歳/「日本コンビニの父」

5月18日(月)、心不全により逝去。

日経新聞の田中陽さんによると、
今週も小金井カントリークラブで、
ゴルフをする約束をしていたというから、
突然の逝去だったのだろう。

いわゆる「ピンピンコロリ」で、
その面では大往生。

最後の肩書は、
㈱セブン&アイ・ホールディングス名誉顧問。

すぐに日経新聞の「私の履歴書」を読み返した。
2007年までの自伝だが、
これが一番、よくわかる。

かなり正直に自分のことを語っている。

しかし何かが足りない。

鈴木敏文の本質を真摯に表現した書物は、
いつか必要になるだろう。

書いてみたい気がする。

鈴木さんは長野県生まれ、
その長野県人気質が一生を貫いていた。

真面目で几帳面な堅物。
それも群を抜いた堅物。

子どものころから、
シャイで人との接触が苦手な性格だった。

しかしそれを打ち破ろうと、
高校では生徒会長になった。

中央大学経済学部に進んだが、
ここでも学生運動に引き込まれて、
書記長を務める。

1963年、出版物の問屋「取次」のトーハンに入社。
ここでは広報誌の編集に携わり、
労働組合では書記長。

モノよりもヒトに関心が強く、
そのヒトを動かすことに長けた人間だった。

それから㈱イトーヨーカ堂に転職。
労働集約型の産業への異動である。

初めは販促を担当していた。
やがて人事や管理を受け持った。

小売り現場で仕事をしたことがない。

自分でも言っている。
「私は販売も仕入れも直接携わった経験がない。
だから顧客の立場で考えるしかなく、
自身の顧客心理から、
『おいしいものほど飽きる』などと、
一見、理解しがたいことを言い続ける」

1973年、㈱ヨークセブンを設立。
米国サウスランド社と契約を結んで、
1974年、日本でのコンビニ展開を開始した。

それからのイノベーションの連続は、
いろいろなところで語られ、書かれている。

それが「セブン-イレブンの奇跡」と称された。

月刊商人舎6月号で「評伝」を書こう。

私自身も大変にお世話になった。

とは言っても鈴木さんに、
何度もインタビューをしたわけではない。
それは商業界の先輩の故緒方知行さんが、
独占的にやり続けた。

鈴木さんは多くの人の前では、
堂々と正論を吐くのを得意とした。

しかし一対一ではどういうわけか、
まったく会話が弾まなかった。
自戒している。

しかし緒方さんはその一対一の達人だった。
だから緒方さんはまるで、
鈴木敏文のスポークスマンのように、
鈴木語録を拡散し続けた。

私がお世話になったというのは、
鈴木さんと懸案の問題を解決したからだ。

私が商業界の食品商業編集長の時だ。

セブン-イレブンは、
加盟店向けの展示会を開催する。
その展示会場では毎回、
最新の品揃えモデルパターンが開示される。

そしてマスコミ各社は、
そのモデルを取材して、
雑誌や新聞で紹介した。

食品商業は1991年2月号で、
総力特集を組んだ。
「絞り込み」のススメIMG_E3340[1].jpg2

この特集は大好評で、
直後からチェーンストア業界の経営課題は、
「絞り込み」一色となった。

鈴木敏文さんは言っていた。
「絞り込みはいいが、
削り込みはダメ」

この特集の中でセブン-イレブンの棚割りが、
1987年と1990年で比較検討された。

その記事も好評だった。

するとセブン-イレブンの広報室から、
クレームが入った。

「棚割りは掲載許可を出していない」

その後の経緯はここでは書けないが、
両者の間で揉めに揉めて、
㈱商業界と㈱イトーヨーカ堂グループは、
結局、絶縁状態となった。

商業界は東京都港区麻布台にあった。
イトーヨーカ堂本社は隣の森ビルに入っていた。

隣り同士なのに交流がなくなった。
取材もインタビューもできなくなった。

しかし商業界の5誌の編集部は、
以前にもましてアンテナを鋭敏にして、
現場取材や外部取材を徹底し、
イトーヨーカ堂やセブン-イレブンの記事を、
必死で書き続けた。

それから13年後の2004年、
私は㈱商業界社長となっていた。

年末の12月30日に、
四谷に移っていたイトーヨーカ堂本社を訪れた。

前年の2003年に、
会長の座についていた鈴木敏文さんと、
二人だけで話をした。

そしてこの問題を解決した。

鈴木さんはやはり、
一対一はやりにくそうだった。
けれど私への思いやりがあった。
私は静かに感動した。

これは両者にとって、
歴史的な和解だった。

翌日の大晦日、
東京には大雪が降った。

その後、セブン&アイと商業界は、
通常の交流ができるようになった。

私が商業界の社長を退任して、
㈱商人舎を起こしたときには、
伊藤雅俊さんが発起人となってくださった。

もちろん鈴木さんとも、
変わらぬ交流を心掛けた。

しかし私は鈴木敏文という経営者に対して、
一呼吸おいて眺める癖が抜けなかった。
13年間の歳月がそうさせたのかもしれない。

伊藤さんに対してはそれがなかった。

鈴木さんが逝去されて、
あらためてその心の中に入っていって、
いろいろ聞きたいと思ったりする。

緒方さんとは全然、違った質問を、
私はするのだろう。

しかしもう鈴木敏文さんはいない。

心からご冥福を祈りたい。

では、みなさん、今週も、
元気を出して、鈴木敏文を見習おう。
大原則を貫こう。

Good Monday!

〈結城義晴〉

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