結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年03月27日(金曜日)

「2割減らせば2割生産力が上がる」と西武渋谷店のDNA

1日中、横浜商人舎オフィス。

みんなで原稿執筆に勤しんだ。

成果は全体で1本の原稿だったが、
それぞれが自分の仕事を前に進めた。

来週、それが一気に爆発する。

夜はみんなでいきなりステーキ。
なかなかいいもんだ。

いろいろなアイデアが出た。

帰宅途中の、いつもの桜。
満開までもう少し。
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雨粒が花弁に乗っている。IMG_1531 (002)
今年の桜、楽しもう。

人声にほつとしたやら夕桜
〈小林一茶〉

久しぶりに「ほぼ日」の糸井重里。

「ぼくは年々、
忙しく働くようになっている」

なんとなく同感だ。

私も年々、忙しくなっている気がする。

「30代の頃だろうか、
いかにも『売れっ子』みたいに
見えていたろうなという時代があった」

凄いコピーライターだった。

「その時代には、たしかに
忙しいなぁと思っていたし、
そういう時期にやっていた仕事の量も
それなりにあった」

私も30代後半に編集長になって、
孤軍奮闘、ひどく忙しい思いをした。

「しかし、いまにして思えば、
あのくらいの仕事なら、
その後のじぶんだったら、
もっと軽々とこなせると思う」

わかる!

「自慢ではない、
じぶんのことだからわかるのだが、
そのときには『考えているつもり』ばかりの
『実はなんにもしてない時間』が、
ものすごくたくさんあったのです、
ほんとは」

「たくさんの時間を、
仕事のための助走ということにして、
遊んだり、他のたのしいことをして
過ごしていた」

「それはもう、寝る間も惜しんで、
仕事は少しして」

これもわかる。

「ただ、いまになってあらためてわかるのだが、
いまのじぶんという人間の基礎的な力は、
そんな時代に、そういう、
ムダな時間のなかでできたものだ」

「なにかを発想するときのクセとか、
やり方とかは、
あの、ほんとは仕事してなかった時代に
身につけたと思う」

「でもその後、特に『ほぼ日』以後は、
たくさんの時間が、
なにか役に立つことの方に、
振り分けられていった」

「ほんとに、あらゆる時間が
なにかの仕事の助走になり、
仕事をうまくいかせるための
勉強になっていった」

「いつも、
『もっとやれることがあるんじゃないか』
と、じぶん自身が監督になって、
じぶんを忙しくさせていった」

2008年に㈱商人舎をつくってから、
私も同じだった。

㈱商業界時代は、
会社を何とかしなければと働いた。

商人舎では「もっとやれる」と、
自分を忙しくさせていった。

ここで、糸井の「思考実験」

「たとえば、
『じぶんの仕事(だと思ってること)を、
2割減らしたら、
2割生産力が
上がるんじゃないかなぁ?」

「『仕事を減らすと生産力が上がる』
って、逆説が過ぎるか?」

「だけど、いまの時代に、
これ、本気で考えてみたいことだ」

私も、そう思う。

仕事量や仕事時間を2割減らす。
それでも仕事の成果は変わらないとしたら、
2割生産性はあがる。

糸井さんは最近、
AIのことがかり考えている。

「労働時間が稼ぎをつくる??
AI以降は、ちがってくるよね」

商人舎流通SuperNews。
そごう・西武news|
西武渋谷店9/30営業終了、60年の営業に終止符

他のメディアでも話題にしている。

西武渋谷店の営業は、
2026年9月30日で終了する。

土地建物権利者から、
賃貸借契約の終了を通知され、
明渡しを求められた。

西武渋谷店は1968年4月の開店。

以来、渋谷の中心地で、
約60年間、営業を続けてきた。

ただし百貨店としては狭い。
A館・B館・パーキング館。
3万1888㎡、1万坪弱。

田口広人(ひろと)そごう・西武社長。
1961年5月27日生まれの64歳。
85年4月に西武百貨店入社。

糸井重里考案の「おいしい生活」は1982年。
糸井、34歳の仕事。
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田口さんはその3年後の入社だ。

セブン&アイ・ホールディングスでは、
グループDX推進本部副本部長、
そごう・西武の取締役常務執行役員を経て、
2023年8月から現職。

「無念だ」

しかし、
「“シブセイ”のDNAは引き継ぐ」

本社員96人、契約社員134人は、
雇用を継続し、社内で配置転換を行う。

「2割を減らしたら、
2割生産力が上がる」

シブセイもこれだと割り切ったら、
未来が見えてくる。

DNAが残りさえすれば。

〈結城義晴〉

2026年03月26日(木曜日)

「民主主義」を守る三つの盾と日米の「選挙民主主義」

一月、往ぬる。
二月、逃げる。
三月、去る。

弥生が去っていく。

1月と2月はニューヨークに行った。
だから時間は早く過ぎた。

3月は国内にいたが、
時は同じように早く去った。

講演や講義が多かった。
ゴルフもやった。

今日は雨が降る。

桜を惜しむ。
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開花。
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花弁に雨水が溜まる。IMG_1514 (002)

満開まであと、ひといき。
頑張れ。
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セイヨウフキ。
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雨の日は草花が輝く。

鈴木順子の詩を思い出して、
口ずさんだ。

曲は結城義晴。

雨の日は
お部屋にひとり
鶴折りながら
泣いてます

雨の日は
赤い傘
くるくるさせて
歩きます

 ああ雨の日は
 ちいさな草が
 可哀そう
 血を流す

雨の日は
お部屋にひとり
鶴折りながら
泣いてます

1日中、横浜商人舎オフィス。

ランチのあとで寄ったのが、
㈱フレッシュロースター珈琲問屋。
その珈琲問屋横浜西店。IMG_1519 (002)

「珈琲問屋」の店名で、
国内18店舗・海外2店舗を展開。
資本金3000万円、
売上高30億9300万円。

店内に入るといい香りがいっぱい。IMG_1520 (002)

この売り方こそ珈琲店の本道だ。IMG_1521 (002)

今日は「3月の特価豆」を買いました。
キリマンジャロを1kg。
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商人舎オフィスのコーヒーは、
断然、おいしい。

是非、お越しください。
ご馳走します。

ここで頭に浮かんだのは、
西田佐知子の「コーヒー・ルンバ」
西田は関口宏の奥様。
1961年に大ヒットした。

作曲はベネズエラ人のホセ・マンソ・ペローニ。
日本語作詞は中沢清二。

昔アラブの偉いお坊さんが
恋を忘れた あわれな男に
しびれるような
香りいっぱいの
こはく色した
飲みものを教えてあげました
やがて心うきうき
とっても不思議このムード
たちまち男は
若い娘に恋をした
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さて商人舎流通SuperNews。

ユニクロnews|
ドジャースと歴史的スポーツパートナーシップ締結

㈱ユニクロの話。
ロサンゼルスドジャースと、
スポーツパートナーシップを締結。

ドジャースタジアム内に掲出されるのが、
「UNIQLO Field at Dodger Stadium」

意外な気もするが、
初の米国でのスポーツパートナーシップ。

球場内複数カ所にユニクロの名称が示される。
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日本企業では伊藤園、DAISO、
JTB、ANA、Yakult、いなば食品など。

ドジャースのスタン・カステン社長兼CEO。
「誇りとなる歴史的パートナーシップ」

柳井正ファーストリテイリング会長兼社長。
「世界有数の名門チームとの提携は光栄」

シーズン序盤には球場で、
LifeWearプレゼントイベントを展開。

私は今年も9月にドジャースタジアムに行く。
このイベントは続いているのだろうか。

それにしても、
ドジャースは稼ぎまくり。

おめでたい。

さて日経新聞「グローバルオピニオン」
タイトルは、
「民主主義守る3つの盾」
スタファン・リンドバーグV-Dem研究所創設者。

リンドバーグ氏は、
スウェーデンのルンド大学で政治学博士号。
2013年からイエーテボリ大学教授。
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「世界の民主主義の状況は深刻だ」

2025年の「自由民主主義指数」は、
1978年の水準に逆戻りした。

第二次世界大戦の前の1930年代よりも、
さらに悪い状況だ。

ドナルド・トランプの2期目は、
きわめて急速に権威主義化が進んだ。

立法府から権限を奪い取った。
トランプ政権は現在、
600件以上の訴訟が係争中。

メディアへの弾圧もひどい。

教授が主催するV-Dem研究所は2026年、
米国の政治体制を「自由民主主義」から、
「選挙民主主義」に格下げした。

リンドバーグ氏。
「米国はもはや民主主義国家ではなく
権威主義国家になるだろう」

ヨーロッパでも権威主義化は進む。
イタリアではすでに政権を握っている。
英国ではリフォームUK(改革党)が、
政権の座につくかもしれない。

さらにギリシャ、スロバキア、スロベニア。

逆に権威主義化から民主化への「Uターン」もある。
韓国で何度か起きた。
ブラジル、ポーランド、
アフリカのザンビアやボツワナ。

その時に必要な三つのこと。

非常に重要な要素の第一は、
司法が屈服しないこと。

第二は選挙の公正さを守る制度が、
機能すること。

第三は、強力な社会運動。
多くの人々が街頭に繰り出し、
市民社会が分断を乗り越えて団結し、
民主主義を守ろうとした。

米国でも抗議活動はあるが、
まだ十分ではない。

ブラジルやポーランドでは、
左派から右派まで様々な政党が宣言した。
「意見の相違は多いが、今こそ、
民主主義を守るため団結する」

一般には民主化へのUターンは、
権威主義化が始まってから3~5年以内に起こる。

米国にとって残された時間はそれほど多くない。
「もしその時期を過ぎてしまうと、
事態の好転は極めて困難になる」

民主主義を守る盾。
司法、選挙制度、社会運動。

ジャーナリズムは、
そこに加わることができるのだろうか。

日本も自由民主主義から、
選挙民主主義に移行し始めている。

〈結城義晴〉

2026年03月25日(水曜日)

「泣いてる人もあろうに」とベイシアタウン新狭山店

今年、東京でソメイヨシノが開花したのは、
先週木曜日の3月19日。

平年よりも5日早かった。
1930年代の開花は3月31日ごろだったらしい。

東京新聞の一面コラム「筆洗」

「90年間に1週間ほど早くなっているのか」

世界気象機関(WMO)の報告。
2023年から昨年までの3年間は観測史上、
最も暑い3年間だった。

わかる。

地球はどんどん温まっている。
「サクラが駆け足になるのも無理はない」

山村暮鳥の「櫻(さくら)」

さくらだといふ 
春だといふ 
一寸、お待ち 
どこかに 
泣いてる人もあらうに

コラムニストは中東の戦火を思う。
「『泣いてる人』のために、
停戦という花が一刻も早く咲かぬものか」

同感だ。

日本の3月は、
新店の開業ラッシュ。

今日は埼玉県狭山市。
西武池袋線・新狭山駅から徒歩15分。

㈱ベイシアが開発した新しいショッピングセンター。
その1号店。
「ベイシアタウン新狭山店」facad
メディア向けの説明会が行われて、
山本恭広編集長が取材に行った。

ベイシアは2月26日に、
新フォーマットを開設した。
「オトナリマート伊勢崎下道寺店」
開発に精力的だ。

ベイシアタウンは、
フーズパークを核店舗とした2層の商業施設。
ネイバーフッドショッピングセンターだ。
スギ薬局、セリアなど14のテナントが出店する。beisia-seria

相木孝仁社長のあいさつ。beisia-aiki

「2020年代前半は改装に力を入れてきました」
既存店改装に集中し、
プライベートブランドを強化した。

「3年間で700億円の売上増となりました。
新フォーマットを形にして、
出店を加速していきます」

続いて藁谷(わらや)健太店長があいさつ。beisia-mgr
「すばらしい店をつくってもらいました。
私たちでしっかり店を動かして、
地域の人を笑顔にしたい」

フーズパークの売場面積は595坪。beisia-fp

鮮魚売場は㈱三和の海宝丸がテナント運営する。beisia-fish

惣菜売場はコロッケなどのベーシック商品に力を入れる。beisia-deli

冷凍食品売場は既存店の5割増のスペースとなった。beisia-frozen

“買うだけでなく過ごせる場”として、
レジ外に「ひだまりコート」を設置。beisia-court

24日(火)にプレオープンしたが、
グランドオープン当日も、
店外には顧客の列ができた。 beisia-line

後方の休憩スペースで記者向け説明会が開かれた。beisia-press

安田恵一役員待遇営業企画本部本部長。beisia-yasuda
フォーマットと出店の考え方について語った。
多層階、居抜き出店も視野に入れる。

神戸達也執行役員商品本部本部長。beisia-kanbe
商品構成の考え方を語った。
生鮮構成比は既存店の40%から45%に引き上げる。

「スーパーセンター」が代名詞のベイシアが、
生鮮強化型のスーパーマーケットをつくる。
そして新しいショッピングセンターに挑戦する。

さて日経新聞「大機小機」
「幕を開ける第4次産業革命」

アメリカ経済は予想外に堅調である。

「デジタル、AI、ロボティクスなどの
最先端技術の融合が進み、
社会、経済の構造が変革する」

これを「第4次産業革命」と呼ぶ。

米国の生産性は急上昇している。
2024年の国際労働機関(ILO)の調査。
米国の1人当たり労働生産性は、
主要7カ国でダントツの1位。

日本は最下位。

「米国は高い生産性が経済成長を支え、
日本は低い生産性で経済低迷から抜け出せない」

「第4次革命は世界に広まり、
世界経済は安定した成長が期待されるが、
不安材料も多い」

今年2月下旬のロイター通信の世論調査。
「米国人の61%がトランプは、
加齢とともに不安定になったと懸念している」

トランプは26年6月に80歳になる。
イランの前最高指導者、故ハメネイ師は86歳、
イスラエル首相のネタニヤフは76歳。

中国の習近平72歳、ロシアのプーチン73歳。

つまりは老害。

コラムニスト。
「一握りの高齢の指導者が支配する世界は、
分断と対立を招き、世界経済の安定成長を
阻害する要因となりうる」

なぜ高齢の指導者たちは、
「泣いてる人」のために、と、
思えないのか。

私はこの老害指導者たちが去ったあとに、
必ず新しいパラダイムがやってくると思う。

ピーター・ドラッカーは、
1970年から2030年までを、
「長いながい峠」と言った。

このあとに、きっと、かならず、
「泣いてる人」を思いやる時代がやってくる。

〈結城義晴〉

2026年03月24日(火曜日)

寺岡精工・創業者三代の「技術の進化」とInnovation

午前中は整骨院に行った。
治療を始めて2カ月ほどになるが、
腰や股関節はずいぶん回復した。

膝も毎朝、自分でマッサージしている。

右肩が重く感じられる。
その治療もしてもらう。

体のケアをして、
それが効果を発揮してくると、
気分までよくなる。

身体の健全化は、
精神の健全化につながる。

横浜商人舎オフィスに出ると、
セルコレポートのゲラが出ていた。

それを丁寧に校正した。

午後はオンライン会議。
商人舎主催の米国研修の打ち合わせ。
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ラスベガスのベーシックコースは、
5月10日から16日。

すでにほとんどの席が埋まっていて、
あと2、3席。

ありがとうございます。

JTBの皆さんと詳細なルートを話し合った。

その次は秋のスペシャルコース。
flyer02.jpg22今年はサクラメントとサンフランシスコ。

11月10日~15日。

ご参加を考えている人は、
予定に入れてください。

こちらも楽しみです。

私はこの後、
4月にニューヨーク、
5月がラスベガス。

9月がロサンゼルス。
そして11月がサンフランシスコ。

イラン戦争はいつ終結するのだろう。

JTBとの打ち合わせが終わると、
東京・久が原へ。

寺岡精工本社。
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カフェで待っている間も、
スマホでニュースを確認する。
最近は何が起こるかわからない。
原油価格や為替、株価も大きく変わる。
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川越純一さん、鈴木佐知子さん、
そして鶴井篤さんと打ち合わせ。

寺岡精工は2025年11月に創業100周年を迎えた。

その記念事業に商人舎が協力して、
すでに2冊の本が出来上がっている。

3冊目の本の打ち合わせ。

編集者の二宮護さんが、
途中で体調を崩したので、
亀谷しづえさんが仕上げた。

今回も亀谷マターとなった。

創業者の寺岡豊治さんの胸像。
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1925年に「寺岡式敏感自動バネ秤」を開発。
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精力的でアイデアにあふれた創業者だ。

右が二代目の寺岡武治さん。
現在の寺岡和治会長の父上。
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1951年、日本初の機械式料金秤を発売。
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伝説上の経営者、お二人。

その伝説がよみがえる。
実に意義のある仕事です。

最後に川越さんとツーショット。
川越さんとは同年で、
もう40年を超える付き合いとなる。
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ありがとうございます。

朝日新聞「折々のことば」
今日は第3602回。

私たちは、技術を
前提とするのではなく、

技術の意味を
問わなければならない。
〈美学者の難波優輝〉

「技術は進歩するし、
進歩させ続けなければならない」
この発想に美学者・難波は異を唱える。

「原子力発電のような技術は
(わざわい)にもなりうる」

「技術の発展が、
幸福をもたらすということに
根拠があるのか」

「そこに立ち戻って問うべきだ」

朝日新聞連載「にじいろの議」(3月11日夕刊から)
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寺岡豊治、武治、和治による技術の発展は、
技術の意味を問い続けた結果である。

編著者の鷲田進一さん。
「AI論議でもそれに何ができないか、
守勢の問いを立てている場合でない」

同感だ。

生成AIにもAIエージェントにも、
守勢の問いを立てている暇はない。

最後に商人舎流通SuperNews先取り。
2月スーパーマーケット統計|
売上高1兆0243億円2.6%増/既存店1.4%増

270社8431店舗の集計。

部門別に見ると、
惣菜がよかった。
既存店で前年比104.3%。
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青果と非食品が前年比100%を割った。

2025年2月は既存店の青果が106.8%だった。
その反動もある。

地域別に比較すると、
東高西低。

既存店では関東が102.2%、
近畿が100.2%。
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お天気産業の特徴が出たか。
一般んみ西日本は気温の影響を受けやすい。
季節商材の売上げも伸びにくい。

そんな現場に、
イノベーションは生まれたのか。

難波は言った。
「技術の発展が、
幸福をもたらすということに
根拠があるのか」

ドラッカーも言った。
「イノベーションとは、
顧客にとっての価値の創造である。
それは顧客への貢献によって評価される」

〈結城義晴〉

2026年03月23日(月曜日)

イオンの「総合を捨てない」と日米首脳会談の「日本国憲法9条」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol12]

2026年第13週。
3月第4週。

桜も開花し始めた。
横浜の満開は3月28日。
今週の土曜日と予測される。
週末は楽しめそうだ。
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今日は横浜商人舎オフィス。
商人舎4月号の入稿が始まる。

最終の編集会議をして、
それぞれの原稿の構成とページを決めた。

そのあと、最初の原稿の手直し。

さらに「セルコレポート」の原稿を執筆した。

山本恭広編集長と工藤澄人さんは、
千葉県幕張のイオンタワーアネックスに、
二人揃って取材に出かけた。
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小田嶋淳子さんのインタビュー。
イオンリテール㈱執行役員衣料本部長。aeon-odashima

1984年、東北のカクダイジャスコ㈱入社。
2000年5月、マックスバリュ東北となり、
小田嶋さんは2004年、
幕張のイオン本社に異動。
以来、衣料品一筋。

キッズ、服飾商品、インナー、
そしてレディスの各商品部長を歴任。

2023年3月に現職に就いた。
2025年3月までは、
トップバリュコレクション㈱社長を兼務。

イオンリテールは、
「総合を捨てない」と言い続ける。

だから衣料品改革は一丁目一番地。

衣料品のトップバリュは2023年度から、
イオンリテールが開発と販売を担う。

小田嶋さんは強調する。
「300店舗あれば300通りの売場になる」
専門店チェーンとは違って、
店によってゾーニングが異なる。
総合スーパーの衣料品売場の難しさだ。

総合の強味を最大化しながら、勝ち筋を探る。
今春はリカバリーウェアなどの高機能商品、
インナー、ビジネスシャツの価格訴求商品を投入。
トレンドを捉えた商品がヒットした。

小田嶋さんは、
イオンリテール米国視察研修のメンバーだった。
私がコーディネートした。
カメラの向こうの私に手を振ってくれた。aeon-odasima2
ありがとう。

詳細は商人舎4月号に掲載する。

さて、日米首脳会談。

大統領ドナルド・トランプは、
ホルムズ海峡への艦船派遣を要求していた。

高市早苗首相は、
「憲法9条」の制約があると伝えたとされる。

日本国憲法の改憲を唱える首相が、
「憲法9条」を盾に派遣を断ったとしたら、
この一件は「憲法」の価値を示したことになる。

しかし昨日の段階の米国では、
マイク・ウォルツ国連大使が、
CBSニュースの番組で重大な発言をして、
注目を集めた。

日本の首相が海上自衛隊による支援を、
「約束した」と。

このビデオは私も見た。

FOXニュースではトランプが発言している。
「(自衛隊の)艦船派遣には憲法上の制約がある」

日本国憲法のことはトランプも認識できるようだ。

しかし「もし我々が必要とすれば、
日本は味方してくれると思う」とも話した。

トランプとウォルツのコメントは、
一致している。

いったいどうなっているのかはわからない。

日本側は木原稔官房長官が否定しているが。

日本のテレビや新聞が伝えていることとは、
別の約束をしてしまった可能性もある。

しかしそうなると、
われわれの憲法はあまりにも、
軽くなっている。

真実を知りたい。

これこそ説明責任を果たしてほしい。

わが日本国憲法には、
「第2章 戦争の放棄」が謳われている。

その「第9条」。

「日本国民は、
正義と秩序を基調とする
国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、
武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、
永久にこれを放棄する」 

「前項の目的を達成するため、
陸海空軍その他の戦力
これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない」

国際政治学者の篠田英朗さんは、
『はじめての憲法』のなかで、
この第九条に以下の文面を加えて、
その部分の改憲をすればいい、と主張する。B081V56QT3.01._SCLZZZZZZZ_SX500_
「前二項の規定は、
本条の目的にそった
軍隊を含む組織の活動を
禁止しない」

このように改正すれば、
わざわざ「自衛隊」を表記せずとも、
その存在を憲法の中に位置づけることができる。

しかも「戦争」を「永久に放棄」することができる。
私も篠田さんに大いに賛成するものだ。

ただし改正前の憲法は今、
厳守されねばならない。

憲法とは、
国家の基本法であり、
国民の権利や自由を守るために
制定された法律だからである。

防衛費をGDP対比2%に引き上げると、
日本の軍事費(約840億ドル)は、
インド(約800億ドル~900億ドル)と肩を並べ、
アメリカ(8000億ドル超)、
中国(約2900億ドル)、
ロシア(約1000億ドル)に次ぐ、
4番手くらいになる。

その予算は高市内閣の手で、
ほぼ決まってしまいそうだ。

そのまえに正しくて、力強い外交力が必要だ。
その盾となるのが「憲法」である。

しかし自ら憲法を軽視しているとしたら、
「したたかな外交」など論外だろう。

「憲法」と「外交」は、
日本の行く末に、
決定的な影響をもつ。

だから何よりも、
真実が知りたい。
隠し事は許されない。

では、みなさん、今週も、
私たちは仕事の真実を求めよう。

Good Monday!  

〈結城義晴〉

2026年03月22日(日曜日)

村木厚子と結城義晴の「コバンザメ作戦」

三連休の最終日。
店長たちはいったい、
どんなマネジメントをするのか。

さて、商人舎流通SuperNews。

週末に「店舗情報Weekly Review」が出ている。

山本恭広編集長が新たな試みをしている。

3月20日のWeekly Review|
3/16~19の新店・改装/コメリの集中出店とSCの改装
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週末を楽しみにしてください。
もっともっと記事の改良を進めます。

さて日経新聞最終面「私の履歴書」
今月は村木厚子さん。
冤罪事件に遭った元厚生労働次官。
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1955年、高知県に生まれる。
1974年3月、名門私立土佐高等学校卒業。
1978年3月、国立高知大学文理学部経済学科卒業。
そして1978年4月、労働省入省。
地方の国立大学卒で国家公務員は珍しい。

昨日のタイトルは、
「両立」。

1988年、婦人局婦人政策課の課長補佐になった。
32歳の時だ。

婦人局での仕事はとても忙しく、
毎日遅くまで仕事をする日が続いた。

「一生働く」と決意したが、
仕事と育児の両立に苦労した。

大変なことも多い。

「一方で、違う2つの世界があるからこそ、
気持ちが切り替えられ、
ストレス解消になる部分もある」

「1本の杭の上に立つより、
2本の杭の上に立った方が
安定するのと同じだ」

これは、実にいいたとえだ。

「綱渡り 下を見なけりゃ 怖くない」
これが村木家の家訓になった。

万代知識商人大学第11期には、
両立を果たしている女性社員が多い。

「1本の杭の上に立つより、
2本の杭の上に立った方が安定する」

そして2本の杭の上に立つ人は、強い。

今日のタイトルは、
「課長」。

1997年、41歳で、初めて課長になった。
「課長は役所の業務の中心にいる、
一番やりがいのあるポストだろう」

チェーンストアの組織で言えば、
「店長」だろうし、
雑誌社で言えば「編集長」

役職は「障害者雇用対策課長」

友人の支えは大きかった。
「役人は1年か2年で担当が変わるから、
スタートダッシュが大事」

日経連の西嶋美那子さんが、
詳しい人を集めた会合を開いてくれた。
「彼女は日本IBM出身で、
女性労働や障害者の問題に知見が深かった」

「企業の障害者雇用の担当者や、
ハローワークの現場の職員……。
いろいろな話が聞けた」

「どうやって早く、
いい情報源にいきつくかは、
どの仕事でも大事なことだと思う」

チェーンストアでは、
とくに経営者がそれだ。
バイヤーやマーチャンダイザーも同じ。

村木さんは、
子どものころからの人見知りだった。

「大人になるにつれ
仕事では話せるようになったが、
自分から積極的に話せるタイプではない」

「そこで『この人』と思った人についていって、
その人のネットワークに入れていただく」

名付けて「コバンザメ作戦」

村木さんは「後輩たちにも勧めている」

私もお勧めしたい。

私の場合、最初は、
編集長のコバンザメになった。

有名な故緒方知行編集長。
15歳年上だった。

中内功さんや伊藤雅俊さん、
岡田卓也さんにも、
多くの偉大な経営者には、
最初は緒方さんのコバンザメで、
お会いすることができた。

慶応義塾大学の村田昭治先生にも、
学習院大学の田島義博先生にも、
とにかく緒方コバンザメだった。

小野貴邦さんにも、
緒方さんの縁で出会った。

次は10歳上の故高橋栄松先輩。
高橋さんはのちに販売革新編集長となった。

関西スーパーの北野祐次さんには、
高橋コバンザメでついていった。

社外の人ではとくに荒井伸也さん。
緒方コバンザメで荒井さんに出会ったあとは、
その荒井さんについていった。
私のほうが緒方さんより親しくなった。

そしてさまざまな経済人に引き合わせてもらった。

故杉山昭次郎先生にも、
私はコバンザメをやった。
杉山昭次郎モノクロ

おかげで上野光平先生の勉強会では、
門前の小僧となった。
上野光平

もちろん渥美俊一先生にも、
コバンザメだった。
ほとんどのチェーンストアトップには、
渥美先生と一緒に会い続けた。
atsumi_1

連合会長の高木剛さんにも、
渥美コバンザメで出会った。

高山邦輔先生にも石原靖曠先生にも、
それから山本浩史先生にも、
コバンザメをやらせてもらった。

コバンザメの重要な心構えは、
誰に対しても「誠実を尽くすこと」。
そして必ず「成長のあと」を見せること。

前者はIntegrityと言い換えてもいいし、
後者はInnovationを見せることである。

IntegrityInnovationが、
「コバンザメ作戦」に成果をもたらすのだ。

〈結城義晴〉

2026年03月21日(土曜日)

ゴルフ「名人会」と「ザ・コンサルタント」の定義

三連休の中日。

ゴルフ名人会。
1989年、私は食品商業編集長となった。
その時に筆者の先生方が集まって、
記念コンペを開いてくださった。

荒井伸也さん、故杉山昭次郎先生、
それから商業界の先生方。

1回で終わらせるのはもったいない。
そこで故小森勝さんが中心となって、
浅香健一さんと鈴木國朗さんが、
定期的にゴルフをして、
互いに腕を上げようと、
会をつくってくれた。

それが「名人会」だ。

小森さんが亡くなり、
浅香さんが引退した。

その間、土井弘さんが加わり、
土井さんも引退。

いま、オリジナルメンバーは、
鈴木國朗さんと結城義晴。

宮本洋一さんと新谷千里さんが、
新たに参加してくれて、
令和名人会となった。

今日は宮本さんと新谷さんが参加できず、
ツーサムでのラウンドとなった。

メンバーが欠席すると、
商人舎の亀谷しづえさんが加わったりする。
その亀谷さんも風邪をひいて参加できなかった。

上総モナークカントリークラブ。
IMG_1481 (002)

二人でラウンドするのは、
名人会では初めてのことだ。
IMG_1479 (002)

朝は北風が吹いて寒かったが、
ハーフを終了すると4月の気温。
IMG_1475 (002)

セーターを脱いで楽しくプレーした。IMG_1478 (002)

互いに意識し合ったのだろうか、
前半のスコアは悪かったが、
私は何とか後半の9ホールで、
従来のペースを取り戻した。

ラウンド中に商人舎2月号が話題となった。

特集「ザ・コンサルタント」202602_coverpage

鈴木さんも熟読してくれていて、
面白い内容だったと評価してくれた。

そして昔、読んだ本を思い出したそうだ。
ある著名なコンサルタントの先生。
もう故人となられた。

指導先のお店の前に競合店が出店してきた。

その時の対策を指導した。

こちらの従業員に
競合店で少しだけ買物をして、
お釣りをもらわせる。
全員に1万円札をもたせて、
レジにつながって並ばせる。

すると勘定に時間がかかって、
競合店のレジ対応が遅くなる、
悪くなる。

これが競合店対策。
それが単行本に書かれていた。

キャッシュオンリーの時代でもあったが、
昔のコンサルタントは、
そんなことを考えたのか。

鈴木さんと二人で、
大笑いした。IMG_1480 (002)

[特集のまえがき]に私は、
ピーター・ドラッカーのことを書いた。

ドラッカーは「経営コンサルタント」を定義した。

「コンサルタントは、
答えを与える存在ではなく、
正しい問いを発見することを助ける、
外部の存在である」

そしてコンサルタントに5つの定義を与えた。
第1は、「助言者」ではあるが、
「意思決定者」ではないこと。

決定するのは 経営者の責任である。

第2に専門知識よりも、
「問いの質」が大事である。

だからコンサルタントの価値は、
「優れた答え」ではなく、
「意味のある問い」にあると主張した。

第3に外部性があること、
アウトサイダーであること。
組織内部の人間は暗黙の前提、タブー、
成功体験に縛られてしまう。
アウトサイダーだからこそ、
社内の感情や社内政治から、
距離を取ることができる。

第4に成果は「短期解」ではなく、
「組織能力の向上」である。

だからドラッカーは、
短期の業績改善だけを狙うコンサルを批判した。

コンサルタントの理想は、
「不要になること」である。

そして第5に教師(teacher)としての自己認識があること。

企業を技術システムではなく、
社会的存在(人の集まり)として理解し、
その理解を経営者に学ばせる役割こそが、
コンサルタントに求められるのである。

ドラッカーはやや自虐的に自称した。
「報酬を得てクライアントを叱る、
インサルタント(侮辱者)」
202411_isaka3_drucker
Peter F. Drucker(写真・Jeff McNeill)

そこで私の[Message of February]
助言せよ。

正しいことを言う。
それは決して、
いい助言にはならない。

相手の行動と意思決定を、
より良い方向に変える。
それがいい助言だ。

正解を教えることではない。
相手が前に進めるような「視点」を与える。
それがいい助言だ。

相手の立場と制約を理解する。
相手の時間と権限、リスクと感情を無視しない。
理想論ではなく、相手が実行できるか否か。

助言は、問題の次元を上げねばならない。
表面的な課題ではなく、問いの本質に迫る。
相手が見ていなかった前提を与える。

そして行動の第一歩を示す。
相手はすぐに何をすればいいかがわかる。
完璧でなくとも、すぐに動ける。

相手の自尊心を壊してはいけない。
正しさよりも信頼が優先される。
否定するのではなく、補助線を引いてやる。

最後に言葉が残る。
その言葉は時間が経っても思い出される。
判断の軸として、原則として使うことができる。

凡庸な助言は情報が多い。
正論であるけれど一般論である。
今だけ役立つことばかりだ。

いい助言は視点が鋭い。
実行可能で何度も使える。
相手にカスタマイズしている。

助言とは答えを示すことではなく、
考え方を示唆することだ。
問題を再定義することだ。

いい助言は相手をポジティブにする。
相手は「自分で決めた」と思いながら、
結果的に正しい方向へ進んでいく。
〈結城義晴〉
202602_message (2)

1万円札を握って、
レジに並ばせる。

ん~。

そんな時代を経て、
商業もチェーンストア、
コンサルタントも変わっていった。

「報酬を得てクライアントを叱る」
それが出来なければいけない。

〈結城義晴〉

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