ゴールデンウィークに入って、
昭和の日。
昭和天皇の天皇誕生日の祝日から、
「みどりの日」を経て、
2007年に現在の名称となった。
「昭和の日」は、
太平洋戦争の敗戦とそこからの復興、
さらに高度成長を経験した時代を振り返り、
未来の日本の姿を考える祝日だ。
昭和生まれはまだ、
国民の7割を占める。
1989年1月1日に、
私の食品商業編集長の辞令が下った。
つまり昭和の最後に編集長となった。
36歳だった。
あれから37年が過ぎた。
今、振り返るとあの時はちょうど、
私のこれまでの人生の折り返し点だった。
降る雪や 明治は遠くなりにけり
俳人の中村草田男が、
昭和6年(1931年)に詠んだ句。
明治時代は1912年に終わっているから、
約20年が過ぎたころに詠んだ。
明治が終わり大正があっという間に過ぎ、
昭和初期を迎えた。
都市化と近代化が進んで、
明治の価値観が過去のものになり始めた。
そんなときの句だ。
では今、「昭和は遠くなりにけり」となるか。
そんなに遠くはない気がする。
昭和生まれが7割もいるし。
東京新聞の一面コラム「筆洗」
米国のNBCテレビの調査。
現在、過去、未来。
「願いがかなうなら、
いずれの時代に生きたいか」
18歳から29歳の米国の若者たちの回答。
①47%が「過去」を選んだ。
②「現在」は38%。
③「未来」は15%。
アメリカは病んでいる。
そして保守的になっている。
コラム。
「現在や未来への不安があると
人は過去にあこがれるものらしい。
過去は既になにが起きたか分かっているから
心配しないで済む」
日本の若者に調査したらどんな回答になるか。
コラムニストは言う。
「令和の『明日』の怪しさを思えば
あの調査を日本でやっても、
『過去』を選ぶ若者はかなりいるはずだ」
そして昭和人のコラムニスト。
「言っておくが昭和に行けば2日で音を上げる」
彼も昭和を礼賛はしない。
コラムの結語。
「明日を信じて今を生きるしかないか」
ちょっとあきらめ気味。
一方、朝日新聞の「天声人語」
「昭和史をふり返る時に
大事なことは何か」
作家の半藤一利さん。
「戦争へと至った道のりを知り、
無念の死をとげた人々を忘れないことだ」
「それはふたたび同じことを
くり返さないことに通じるからです」

これこそ大事なことだ。
朝日の「折々のことば」
第3627回。
「われらの時代」を感じるには、
歴史を知っているだけでなく、
「未来への思い」も必要である。
〈日高敏隆『生きものの流儀』から〉

日高さんは昭和5年に生まれて、
平成21年に没した。
昆虫少年で、動物行動学者となった。
日本昆虫学会会長、日本動物行動学会会長。
「イリュージョンは単なる『幻』ではない。
それは存在しないものの幻像というより、
それを介してしか現実は見えないのだ」
ここで言う「illusion」は幻影とか幻想の意味。
「未(いま)だないものを構想するのもその一つで、
自分が何をなすべきかもそこから見えてくる」
「それが人びとに共有される時、
『われらの時代』という意識が生まれる」
歴史を知る。
そしてイリュージョンを通して、
「未来への思い」を描く。
そこから「われらの時代」の意識が醸成される。
私は商業やチェーンストアの世界に、
「われらの時代」を提示して、
それを共有したいと思っている。
私たちの領域において、
「未来」はそんなに悪いものではない。
〈結城義晴〉























































