噂は流れていた。
私のところにも届いていた。
明らかになった。
ドン・キホーテのPPIHに買収された。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。
日経新聞電子版が早かった。
PPIHは株式交換方式で、
オリンピックを完全子会社化する。
目途は7月。
日経によれば取得額は、
250億円程度とみられる。
近日中に株式交換契約を結ぶ。
オリンピックは上場企業だ。
東証スタンダード市場に株式を公開している。
これも日経によると、
上場廃止になる予定。
オリンピックの創業は1962年。
林周二著『流通革命』が世に出た年だ。
ディスカウントスーパーマーケットだった。
現在は首都圏を中心に約120店舗を運営する。
主に3つのフォーマットを展開する。
第1が「複合店」と分類し、
「ハイパーマーケットOlympic」
27店ある。
第2が「食品専門店」分類の
「スーパーマーケットOlympic」
31店。
そして第3が「ディスカウントストア」、
「Olympicディスカウントストア」
22店。
この3つのフォーマットの命名は、
理にかなっている。
これ以外にも車用品や自転車、
さらにゴルフ用品の専門店も展開している。
ペット関連用品店、動物病院事業も行っている。

全体的に見れば多角化を進めた企業だ。
直近の年間決算は2025年2月期。
商人舎流通SuperNews。
Olympic news|
’24年年商986億円8.5%増も純損失6700万円
営業収益が986億万円、前期比8.5%増、
営業利益5100万円、73.1%減、
経常損失1億6400万円。
純損失は6700万円。
2024年2月期は4億7700万円の純損失で、
2期連続赤字だった。
ピークの2001年2月期は、
営業収益1585億円だったから、
四半世紀で約4割減ったことになる。
多角経営でこの状況ということは、
無駄な事業が多すぎるのだ。
売却を考えても仕方のない状態だった。
買収したPPIHはまず、
それを断行するだろう。
PPIHの構想も日経は予測している。
買収後にオリンピックの約60店舗を、
新フォーマットの「ロビン・フッド」に転換する。

これは実に的確な判断だ。
業態で言えば「ドン・キホーテ」は、
ディスカウントストア。
(本来は米国のディスカウントハウス)
「MEGAドン・キホーテ」は総合スーパー。
国際的に言えばハイパーマーケット。
「ロビン・フッド」はスーパーマーケット。
ディスカウントタイプだから、
これも米国流に言えば、
「スーパーウェアハウスストア」だ。
このPPIHの3フォーマットと、
Olympicの3フォーマットが、
ピタリと重なる。
ディスカウントストアはドンキに、
ハイパーマーケットは、
条件を満たす店をMEGAドンキに、
そしてスーパーマーケットは、
ロビン・フッドにする。
そしてOlympicの生鮮食品や惣菜の力を活かす。
実によくできたマッチングだ。
ロビン・フッドの開発はOlympicの案件と、
同時進行だったと思う。
イオンなども、
Olympicの買収に動いたようだが、
PPIHとの相性が一番いい。
従業員もそのまま雇用されるだろう。
辞める人ももちろんいるだろうが。
PPIHはロビン・フッドを、
2035年6月期までに200〜300店に増やす。
この事業で6000億円の売上高を目指す。
Olympicの買収で俄然、
その勢いがつくだろう。
私は亡くなった金澤良樹さんと、
かつて激論を交わしたことがある。
2001年ごろだったか。
もう25年も前のことだ。
商人舎流通SuperNews。
訃報|
Olympicグループの金澤良樹会長逝去、77歳
金澤良樹取締役会長は、
昨2025年9月5日(金)にご逝去。
享年77歳。
1948年、創業家の次男として生まれ、
1973年にOlympic入社。
1992年1月、社長に就任し、
2018年5月会長CEOに就任。
まだ77歳だった。
ゴルフが大好きで上手かった。
惜しい人だった。
金澤さんと議論したのは、
日本にウォルマートが進出してくる直前。
私は商業界取締役編集担当兼販売革新編集長だった。
金澤さんはオリンピック社長だった。
ウォルマートは日本で成功するか否か。
金澤さんは失敗すると言った。
私は本国が悪くならない限り、
日本に根を張る、と言った。
周りにはメーカーや小売業のトップが、
10数人いたと思う。
みんな激論に驚いていた。
しかし当人たちは、
純粋な議論をしていた。
結果的に見ると、
私の見立ては間違っていた。
その意味で金澤さんのほうが当たっていた。
その見識は現在のOlympicグループの、
フォーマットの分類に表れている。
しかしOlympicグループの多角化は、
私にはどうも評価できなかった。
それでも改めて金澤さんのご冥福を祈りつつ、
Olympicグループの将来を見守りたい。
〈結城義晴〉






















































