結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2026年06月04日(木曜日)

日本ボランタリーチェーン協会60周年の「ポスト・モダン」

家電チェーンの統合が、
また一歩進んだ。

商人舎流通スーパーニュース。
ヤマダnews|
エディオンとの経営統合を検討、年商2.5兆円へ

ヤマダホールディングスは、
家電チェーン最大手。
2026年3月期年商は1兆6918億円。
エディオンは第5位で7937億円。
経営統合に向けた協議に入った。

統合すれば売上高は約2兆5000億円となる。

経済産業省の商業動態統計によれば、
2025年度の国内家電小売市場6.9兆円。
「大型専門店の家電チェーン」は、
その中で4.9兆円を占める。

ヤマダとエディオンが統合すれば、
大型家電チェーンの半分を占める。

「クリティカルマス」は、
経済の臨界量を示す。

マーケティングの世界では、一般に、
そのカテゴリーの中でシェア17%を超えると、
特別のご利益が与えられるとされる。

かつてコジマが、初めて5000億円を超えた。
しかし5000億円ではクリティカルマスに及ばず、
コジマはその後、失速した。

ヤマダは2009年度連結決算で、
年商が2兆0161億円となって、
一度はクリティカルマスを超えた。

その後、マネジメントの問題もあって、
クリティカルマスのご利益は得られなくなった。

しかしエディオンとの経営統合で、
今度は本物のクリティカルマスとなる。

月刊商人舎6月号の責了の日。
急遽、記事に加筆をした。

責了の1日遅れが、
このニュースを間に合わせた。

不幸中の幸い。
人間万事塞翁が馬。

さて、商人舎6月号の最後の原稿を書いてから、
東京湾へ。

新橋からゆりかもめに乗った。BCO.99ffed8b-254d-4363-a1a2-4c2523b85424

レインボーブリッジを渡る。
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グランドニッコー東京台場。vc-daiba

日本ボランタリーチェーン協会。
この一般社団法人の60周年記念大会。

協会として還暦を迎えた。

三部構成になっている。
第一部会場は地下1階のシャトレ。vc-b1

冒頭では協会60年の歩みを、
スライドで紹介。vc-hall

記念冊子が出来上がっている。
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井原實現会長のあいさつ。
井原さんは協同組合セルコチェーン理事長も務める。vc-ihara1

続いて功労者表彰。

3名が対象者。
それぞれの監督官庁から表彰状の授与。

全日本食品㈱の平野実社長は、
中小企業長官表彰。vc-hirano

続いて協会推薦の会長表彰は6名。

玉生弘昌さん(左端)も表彰された。
一般社団法人流通問題研究会会長。vc-award1

さらにVC本部推薦。
全日食チェーンの各地の協同組合理事長、
ジュエラーズジャパンの要職経験者を含む、
18名の皆さんが登壇。vc-award2

第二部は記念講演会。
講師は竹林正樹青森大学客員教授。vc-seminar

「行動経済学が変える中小小売りの未来」
頭でわかっていても行動しない要因を、
「認知バイアス」と呼ぶ。
行動したくなる環境づくりが「人を動かす」。
身近なケースを挙げて解説してくれた。

第三部は懇親会。
会場は29階の銀河。vc-party

会の冒頭で再び井原会長のあいさつ。vc-ihara-party

続いて来賓祝辞。

自由民主党元幹事長の甘利明さん。
政治家としてもっとも流通に詳しい。
今は講演家として引っ張りだこ。
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小泉進次郎防衛大臣が予定されていたが、
公務のため欠席。

代わりに祝電が寄せられた。

乾杯の音頭は、
中小企業基盤整備機構理事長の宮川正さん。vc-toast

続いて懇親。

井原實さん。
春の叙勲で旭日双光章受賞。
長男は井原ゆたか衆議院議員。
今年の選挙で初当選した。
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平野実さん。
協会副会長も務める。vc-z-hirano

玉生弘昌さんはいつもお元気だ。
㈱True Data取締役で、
毎月、オンライン会議でご一緒する。 vc-tamaniu

泉田幸雄さん。
2019年から2023年まで協会会長を務めた。
現在はVC協会名誉会長。vc-izumida

そして管野利雄さん。
長らく協会の専務理事を務めた。
91歳でも矍鑠(かくしゃく)としているvc-kanno
歴代の協会会長とは、
深いお付き合いをさせてもらった。

商業界の倉本長治主幹がまず、
この協会設立にかかわった。

第五代会長の故林信太郎さんは、
旧通産省の役人からこの協会の会長となった。
ジャスコの副社長もやっていた。

第六代の村内道昌さんは、
私の「元気を出そう」をとても評価して、
何度も講演をさせていただいた。

第七代の宮下正房さんは学者で、
東京経済大学名誉教授。

第八代の小川修司さんは、
経産省の官僚出身で、
私は月刊商人舎で対談した。

そして第十代が故齋藤充弘さん。
全日本食品㈱社長・会長を歴任して、
現場を重視した協会会長だった。

この60周年に齋藤さんがいないのは、
本当に寂しい。

そして第11代が泉田さん。
ドラッグストアの代表。

2013年12月の月刊商人舎特集は、
「ポスト・モダニズム・ボランタリーチェーン」
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「近代化」の次の「現代化」が、
ボランタリーチェーンにも求められる。

60周年記念の会でも、
それを強く感じた。

おめでとうございます。

〈結城義晴〉

2026年06月03日(水曜日)

台風一過/「経済は民間にあり」と「士農工商はまだある」

台風6号「チャンミー」

5月26日、フィリピン東のカロリン諸島付近で、
熱帯低気圧が発生。

翌27日午前9時、気象庁は、
台風6号になったと発表。

米軍JTWCも発達可能性を「High」と評価。

5月28日から30日、
北上しながら勢力を強め、
沖縄へ接近。

6月1日から2日、
沖縄・奄美を暴風域に巻き込む。

「沿岸型台風」の進路をとりながら、
本州太平洋側へ向けてスピードを上げた。

そして2日から3日にかけて、
西日本から東日本を駆け抜けた。
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静岡県では激しい雨が降り、
線状降水帯が発生した。

関東地方には今日昼前後に最接近した。

わが商人舎は自宅での仕事を指示した。
オフィスに近い者は出社した。

私も自宅で原稿を執筆し、
商人舎6月号の「特集のまえがき」を書き終えて、
午後、出社した。

それから夜まで、
もう1本の署名原稿を書いた。

夜9時には台風6号は、
関東の東で温帯低気圧に変わった。

台風に翻弄された責了の日だった。
そのためもあって、
1日分、雑誌の進行が遅れた。

さて、日経新聞「大機小機」
「経済は民間にあり」

コラムニストは硬派の一直さん。

私、大いに共感する。

「高市早苗政権は昨年11月、
17の重点分野を柱とした
成長戦略を閣議決定した」

「この中には、労働時間規制の緩和のほか、
特定分野の研究力を強化するための
大学改革なども含まれる」

「今後、日本成長戦略会議での議論を踏まえて
『骨太の方針』に盛り込み、
予算編成を経て実行段階に移る」

ちなみにこの会議の議長は高市首相。

コラムニストの表現。
「中国が製造強国を目指して打ち出した
『中国製造2025』を彷彿とさせる、
このような官主導の成長戦略で、
日本産業の競争力が強化され
日本経済の生産性が上昇するのだろうか」

中国の政策と似通っていると、
一直さんはオカンムリ気味。

ここで福澤諭吉「学問のすゝめ」を持ち出す。
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「明治維新以降の日本の経済発展の
社会的精神的基盤を築いた福沢諭吉は、
富を築き社会を豊かにするのは、
政府ではなく民間の自由な活動だと言い続けた」

その通り。

福澤はさらに、
経済の入門書『民間経済録』を著した。
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そしてこの中で、
自由な経済活動の重要性を繰り返し説いている。

この本は数万部も売れた。

しかし「明治14年の政変」以降、
文部省の学校教本検定で採用されなくなった。
この政変によって薩長閥は主導権を強化した。

「薩長閥を中核にした明治政府は1890年、
天皇を頂点に掲げた帝国憲法を施行し、
帝国議会を開設した」

「これによって戦前の官主導の経済体制が確立した」

コラムニスト。
「このような官主導の考え方は、
現在まで受け継がれてきているのではないか」

流通業に身を置いていると、
なおさらのようにそのことを感じる。

政府の経済計画としては、
1992〜96年度の宮沢喜一政権の、
「生活大国5か年計画」がある。

一直さん。
「今回、久しぶりに復活した」

そして強調する。
「福沢が言い続けたように、
『経済は民間にあり』ということだ」

賛成。

「企業の自由な競争こそが
成長の源泉なのだ」

1980年代初めには、
現在と同じように石油危機に見舞われた。
世界経済は同時不況に陥った。

「さまざまな省エネ技術革新で不況を乗り越え、
工業製品の多くの分野で世界をリードしたのは、
激しい競争で鍛えられた民間企業だった」

その通りだった。

このころエズラ・ヴォーゲルが、
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』を書いた。
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「今回の成長戦略で
政府としての長期展望を示すのはよいが、
それぞれの重点分野で
関連企業が協力し合うということでは、
異次元の技術革新は生まれない」

「大事なのは、
財政が引っ張るのではなく、
自由競争の足かせとなる規制や慣習を
排除することだ」

「士農工商はまだある」
岡田卓也さんは言い切る。
イオン相談役名誉会長。

しかしだからこそ商業は、
自由な競争を主張し続け、
それを成長の源泉としてきた。

私も言い続けている。
「競争はあなたの仕事です」

今の政権、浅はかで、
僭越すぎる。

「経済は民間にあり」
福澤先生の言う通りだ。

〈結城義晴〉

2026年06月02日(火曜日)

ジェプラ40回通常総会記念講演の「人生のポジショニング戦略」

台風6号が近づいている。
「チャンミー」と名がついている。

6月の台風上陸は珍しい。
数十年に一度のことだとか。

これも地球温暖化の影響か。

午後、港区芝の東京プリンスホテルへ。
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東京ではまだ雨も降っていない。
なんとかもちこたえている。

今日は、協同組合ジェプラの第40回通常総会。
昨年に引き続き、その記念講演を担当。

はじめに、
ジェプラの川和利行理事長がごあいさつ。
㈱川和社長。
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会場には100名ほどのみなさんが参集してくれた。
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私の講演テーマは、
「ポジショニング戦略のすすめ」
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Prologueのメッセージは、
「Tide of Time」
時流を捉えよ。
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カルビーの白黒パッケージ、
PPIHの「Everyday Real Price」

素早く動け。

それから本格的にポジショニング戦略を語った。

講演の冒頭に自己紹介をしながら、
立教大学のビジネスデザイン研究科では、
フード&ビバレッジマーケティングと、
サービスマーケティングの、
特任教授だったことを明かした。

そしてその講義を再現すると宣言した。

それもよかったのか、
みんな、まじめに真剣に聴講してくれた。

マネジメント体系のなかの、
マーケティングの位置づけ。

フィリップ・コトラーの来歴。
マーケティングの定義。

さらにマーケティングコンセプトの発展段階。IMG_7262

そしてマーケティングプロセス。
マーケティングリサーチと、
STPマーケティング、
さらに4Cと4P。

そしてポジショニングとは何か。
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スーパーマーケットのフォーマット戦略と、
バナーの方程式。

そこでポジショニングが登場する。

ヤオコーやライフは、
セグメンテーションとターゲティングを実施し、
そのうえでポジショニングを展開する。IMG_7264

最後はシングルフォーマット戦略と、
マルチフォーマット戦略。

欧米の事例をスライドで見てもらいながら、
理解を深めてもらった。IMG_7265

最後の最後は、
「ポジショニングの10の決め手」

ポジショニングとは、
自分の立ち位置をはっきりさせて
個性を出すことである。

小売業とフードサービス業が、
ポジショニング競争の中にあるから、
メーカーも卸売業もベンダーも、
ポジショニング競争の中にある。

ジェプラのみなさんも、
ポジショニングを自分のこととして、
理解してくれたようだ。

90分間の講演会。
いつも以上に丁寧に、
わかりやすく語った。

ご清聴、感謝。
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協同組合ジェプラは、
「日本パッケージ研究協会」がその前身。
昭和56年6月に設立された。

ジェプラ(JPRA)は、
「Japan Package Research Association」の、
頭文字をとって名付けられた。
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17時からは会場を2階に移して懇親。
マグノリアホール。

取引先のメーカーの皆さんも加わった。IMG_7271

開会のご挨拶は渡邉琢也さん。
㈱ジェプラ社長で、
㈱静岡産業社社長。
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乾杯のご発声は
日向野(ひがの)正徳さん。
デンカポリマー㈱社長。IMG_7273

乾杯!
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東京プリンスホテルのフランス料理はうまい。
フルコースをいただきながら懇親。

山梨の㈱オオキのお二人。
大木勝志会長と大木賢太郎社長(右)。
商業界の時代から長らくお世話になっている。IMG_7279

川和理事長(右)と渡邉社長。
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川和さんとは隣の席で食事しながら、
いろいろなことを話した。

川和さんは子どもたちを海外に留学させた。
エクアドルとペルーだとか。

そこで商人舎5月号の記事を話題にした。
ウォルマートのヒューゴ店長。
37歳のエクアドル人で、
ウォルマート最大の繁盛店をマネジメントする。
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そして今日のポジショニングの講演は、
人の生き方にも当てはまると連想してくれた。

そう、「人生のポジショニング戦略」は、
どんな人にも必要なのです。

ありがとう。

〈結城義晴〉

2026年06月01日(月曜日)

商人舎6月1日付人事発表!! 山本恭広・工藤澄人「二人編集長」

Everybody! Good Monday!!
[2025vol㉒]

2026年第23週。
6月第1週。

株式会社商人舎の6月1日付新人事、
発表します。

山本恭広さんは、
月刊商人舎編集長の任を解き、
商人舎流通スーパーニュース編集長兼R&D担当。
R&Dは「Research & Development」です。

工藤澄人さんは、
月刊商人舎編集長に就任します。

つまり二人編集長体制です。

山本さんは元食品商業編集長、
工藤さんは元商業界編集長。

1990年4月に山本さんが㈱商業界に入社、
すぐに食品商業編集部に配属された。
上司は結城義晴だった。

ベテランの女性編集者が、
経理部に異動して、
そのかわりに編集部にやってきた。

そのあとの夏、
工藤澄人さんがやはり商業界に入社して、
食品商業に配属された。

今度は町田成一さんが退社して、
その補充のような形だった。

町田さんはその後、
プレジデント社に入社して、
月刊「danchu」の創刊にかかわった。
1990年12月に創刊された食の雑誌。

その後、ずっと時間が過ぎて、
町田さんはdanchuの編集長となり、
その上の編集部長となった。

「焼酎」に関しては今、
日本の権威の一人だ。

町田さんの代わりに入ってきた工藤さんは、
ちょっと変わり者の東北人だったが、
面白い物の見方をして、筆力があった。

当時の食品商業編集部は、
ベテランの男性編集者と編集長の私。
それから矢作勉、山本恭広、工藤澄人。
この三人はみんな入社したての新人だった。

しかしそれから月刊商人舎の快進撃が始まった。

そして㈱商業界誌上最高部数を獲得した。

その後、食品商業から、
月刊「コンビニ」が創刊された。

私が取締役編集担当になり、
販売革新編集長へと変わると、
しばらくして山本さんが、
食品商業編集長となった。

その後、山本さんは、
㈱商業界の取締役となった。

工藤澄人さんは、
「本誌」と呼ばれた商業界編集長に就任。

その後、教育事業部長となり、
数々のセミナーを企画・担当した。

商業界ゼミナール(2月ゼミ)の企画部長として、
その才能を発揮させた。

工藤さんはもともと物書きを志していて、
日経新聞小説大賞に応募。
優秀作品5作に選ばれて、
最終的には惜しくも「次点」となったけれど、
小説家の一面ももっている。
まだまだ作品を書いているらしい。

山本、工藤両君とは、
彼らの駆け出しのころから、
ずっと一緒だった。

それから四半世紀が経過して、
私たちはまた、
一緒に仕事することになった。
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そして「二人編集長」となった。

キャリアは十分。

商人舎の仕事のやり方は、
「寄(よ)って集(たか)ってやる組織」

よろしくお願いします。

亀谷しづえゼネラルマネジャー、
松井康彦エグゼクティブプロデューサー。
そして、結城義晴代表取締役社長。
こちらは変わらない。

考えてみると、
みんな商業界出身。

商業界精神を受け継ぎつつ、
月刊商業界と、
月刊販売革新と、
月刊食品商業を、
全部まとめたような月刊誌を、
進化させていきます。

同時に紙の雑誌だけでなく、
網のメディアも充実させます。

月刊商人舎のweb版と、
商人舎流通スーパーニュース。

その編集長に山本さんが就任します。

さらに商人舎として新しい領域を開発します。
コンサルティング活動は、
もっともっとポジティブに行います。

商人舎の執筆の先生方にも、
ご協力をいただきます。

その接点となって、
仕事を調査し開発するのが、
山本編集長のもう一つの仕事です。

工藤編集長は、
セミナー事業を推進します。

6月の「バイヤー研修会」は、
工藤編集長が担当します。

変わらぬご支援をお願いします。

さてニュースひとつ。
日経新聞。
「ファミマ、セブン銀行のATM設置開始」

ああ、とうとう始まったか。

6月1日、都内のファミリーマートの店舗に、
セブン銀行のATMが設置された。
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「ファミマATM」として順次、設置店舗が広がる。
2030年までに国内のファミマ全約1万6000台が、
セブン銀行仕様のATMに入れ替わる。

現金の出入金はもちろん、
キャッシュレス決済への現金チャージが可能になる。
セブン銀行はATMを通じて、
「+Connect(プラスコネクト)」サービスを提供する。
これによって本人確認を含む、
各種手続きや認証にも対応できる。

ファミマの決済アプリ「ファミペイ」と、
連携した金融サービスも実施される。

ファミマが現在店舗に設置しているのが、
イーネットとゆうちょ銀行のATMだが、
これらは廃止される。

セブン銀行がファミリーマートと協業する。
鈴木敏文さんはどう思っているだろうか。

鈴木さんなら日本のすべてのコンビニに、
セブン銀行が入ることくらい、
指示していたかもしれない。

商業界の山本、工藤、
松井、亀谷、結城が、
商人舎となって未来に進む。

こちらの方が、
「自然、必然、当然」である。

では、皆さん、今週も、
「二人編集長」、よろしく。

Good Monday!

〈結城義晴〉

2026年05月31日(日曜日)

世界的な「合成の誤謬」とドンキの「ホワイトブランド」の素早さ

5月最後の日。
日曜日。

外は暑い。

日経新聞「大機小機」
「壮大なる合成の誤謬」

「合成の誤謬(ごびゅう)」は、
「個人や企業などミクロのレベルでは合理的な行動が、
マクロの社会全体でみれば逆効果となる現象」

コラムニスト。
「現在、世界では、
壮大な合成の誤謬が起きている」

東西冷戦終結後の1990年代から
経済の「グローバル化」が急速に進んだ。
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ヒト、モノ、カネが国境を越えて自由に動き、
企業は最適な場所から部品や原料を調達し、
最適な場所で生産する。

世界経済の結びつきは強まり、
国同士の相互依存も深まった。

その象徴が、冷戦の覇者の米国と、
グローバル化の申し子の中国という
2つの大国だった。

しかし21世紀、
とりわけ2020年代に入り、
逆転し始めた。

新型コロナウイルスの感染拡大、
ロシアのウクライナ侵略、
トランプ政権の米国第一主義、
中東での紛争激化――。

こうした動きは世界の分断を招き、
経済相互依存の姿を変えつつある。

ナフサ不足もその現象化の一つだ。

進んでいるのが、
いわゆる「経済の武器化」
あるいは「相互依存の武器化」だ。

中国によるレアアース輸出規制はその典型。
中国産原料に依存していた企業は、
供給途絶のリスクに直面した。

米国は「ドルの武器化」を進めた。
基軸通貨ドルの決済ネットワークから、
イランやロシアを排除した。

逆にイランは、
「ホルムズ海峡の武器化」を展開する。

そこで注目されるのが、
「経済安全保障」だ。

日本政府も2022年から、
経済安全保障担当大臣を置く。
初代は小林鷹之、二代目は高市早苗、
三代目が城内実、そしていまは小野田紀美。
何をしているかわからないが。

敵対国への依存を極力減らし、
サプライチェーンは同志国で再編する。

「経済の武器化への対抗手段として、
国や企業の対応は合理的に映る。
だが、世界経済全体でみれば
必ずしもそうはならない」

これが合成の誤謬。

「もっとも効率的な調達や生産が妨げられれば、
それだけコストは上がる」

「国や企業にとって安全保障上の負担であっても、
経済全体の効率は下がる」

さらに、経済の武器化が進み、
困窮する国が増えるほど、
不満や対立は積み重なり、
戦争のリスクが生じる。

経済安全保障の名の下に、
「経済の武器化」が、
世界で広がる現状は危うい。

同感だ。

コラムニストの提案。
「その連鎖を断つ『経済軍縮』が、
必要になるのではないか」

一方、日経新聞。
「ドンキが白黒包装の低価格PB」

PPIH。
パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス。

6月に売り出すのがホワイトブランド。
素早い。

ネーミングは、
「Everyday Real Price」
EDRP。

もちろん「Everyday Low Price」のモジリ。

白黒包装でコストを抑えた、
低価格プライベートブランド。

生活必需品に特化する。

500mlのペットボトルの水。
値段は40円。
ボックスティッシュ(5箱)、196円。
スパゲティ1kg、214円。

26品目。

ナフサ不足が進んでいると言われる中、
カルビーが白黒パッケージの製品を出す。

それにかぶせるように、
プライベートブランドをつくる。

すでに5月にPPIHは、
モノクロ印刷のラガービールを発表している。
原産国はベトナム。
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白黒包装にすることで印刷コストを減らす。
ついでに物流の見直しをする。
量産効果も見込む。

ドンキの「情熱価格」など従来のPBと比べて、
最大で約7%の原価低減を実現。
PPIHで最も安い。

パッケージのデザインには、
「¥」の記号がつけられる。

もちろんドン・キホーテ、
MEGAドン・キホーテ、
ロビン・フッドのほか、
ユニー傘下のアピタ、ピアゴなど、
全国約670店舗で売る。

PPIHが全社共通のPBを投入するのは、
なんと初めてのことだとか。

年商は2026年6月期の見込みで、
売上高2兆3270億円、営業利益1700億円。

総力を挙げて、
EDRPを売り込む。

チェーンストア各社でも新しい取り組みはある。

イトーヨーカ堂は5月下旬から、
肉や刺し身のプラスチック製の蓋を、
ラップに変更している。

ファミリーマートは今夏から、
サンドイッチなどの包装で、
ブランドロゴを白黒にする。

イオンもトップバリュで、
プラ使用量を抑えた包装資材へ切り替える。
「かに風味かまぼこフレーク」は、
プラ使用量を約43%減らして、
容量を変えずに販売価格を192円に据え置いた。

しかしPPIHはそれをブランド化する。

前にも書いたが1980年ごろに、
「ホワイトブランド」が世界的に広まった。

アメリカでもノーブランドだらけだった。

私にとってはそのデジャヴ。

イオンもイトーヨーカ堂も、
他のチェーンストアも、
ホワイトブランド化は遠慮なくやっていい。

たとえばイオンのコンペティティブブランドは、
「ベストプライス」で、
これは黄色と黒のパッケージデザインだ。

これなどホワイトブランドにしても、
何ら問題はない。

お薦めするわけではないが、
指をくわえてみていることはないと思う。

カルビーは早かった。
ドンキも早かった。

ここでは合成の誤謬も、
無視していい。

〈結城義晴〉

2026年05月30日(土曜日)

ゲーテ「人は意味も無く他人を不愉快にする権利はない」

6月から値上げラッシュ。
食料品と飲食。

ホルムズ海峡封鎖の影響は、
食品値上げの22.7%に及ぶと試算されている。

日経新聞電子版。
「ガソリンとナフサ、
値動き『ワニの口』」

経済産業省発表の「4月の石油統計速報」

ガソリンとナフサのスポット価格は、
2月27日の価格を100とすると、
5月28日時点でガソリンは109.8、
ナフサは128.3。

生産量でみるとガソリンは10.9%減、
ナフサは22.8%減。

政府の窓口に届いたナフサなどの不足を訴える声は、
5月28日時点で約3200件にのぼる。

それが食品の値上げに影響を与えている。

政府からは相変わらず、
「節約」の呼びかけはない。

「積極財政」と「踏み込んだ節約」が、
一致しないかららしい。

メンツを気にしている時ではないと思うのだが。

さらに文春砲。
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このブログでは触れたくはないが、
正常な選挙が行われていなかったとしたら、
民主主義の根底が揺らぐ。

改正公職選挙法第152条第1項では、
「候補者及び後援団体による挨拶を目的とする有料
インターネット広告を禁止」している。

誹謗中傷の動画は禁止されていないのか。

朝日新聞「天声人語」

「不思議で、仕方がない。
なぜ高市首相は正面から
向き合おうとしないのだろうか」

「選挙戦で自らの陣営が
他候補を中傷する動画を
SNSに投稿したとする疑惑に対し、
はぐらかすかのような姿勢が目立つ」

「衆院選で多くが驚いたように、
候補者の動画がスマホに一方的に
流れてくる時代である」

「SNSの言説に投票が大きく左右される」

規制は必須だろう。

天声人語。
「もっと丁寧に、誠実に、
首相が説明してもいい話ではないのか」

これに対して、
朝日新聞の電子版上の「コメントプラス」
コラムのすぐ後に出ている。

本田由紀東京大学大学院教育学研究科教授が、
はっきりと言い切った。
「不思議だとかなぜだろうとか、
ぬるいことを書いていないで、
真っ向から批判してはどうか」

拍手、拍手。
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「新聞がここまで及び腰であるうちに、
選挙は壊れ、資源は途絶し、
情報統制は進み、
国はダッチロール状態にある」

全国紙も地方紙もひどく歯切れが悪い。
それこそが民主主義を後退させている。

さて読売新聞「時代の証言者」
鈴木幸一さんが1週間、
エッセイを書いている。

インターネットの草分け。
㈱インターネットイニシアティブ会長。

タイトルは「ネット開国に挑む」
その第4回。

「近年、大病をして人生を振り返って思うのは、
今の私の中核を形作ったのは、
小、中学生までの記憶や体験ということです」

「逆に言えば、それ以降はその殻にとどまり、
成長していないのかもしれません」

ん~、そういうことか。
自分を振り返ってみる。

「中学の時、冬休みになると、
家でNHKラジオの第2放送にかじりつき、
その年にドイツのバイロイト音楽祭で演奏された
ワーグナーのオペラに夢中になりました」

なんというか、大人びている。

「今では毎年のようにバイロイト音楽祭に出かけ、
ワーグナーの子孫の方々との交流も
生まれています」

「幼い頃から早寝早起きでしたが、
中学生になると、一転して
夜明けまで眠らず、
ひたすら本を読む習慣がついてしまいました」

「書店に行っては、
年齢不相応な本を買ってきたものです」

「ロシアの文豪ドストエフスキーやツルゲーネフ、
ドイツ文学にも親しみました」

「ゲーテ全集の中に小説『親和力』がありました」
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そのなかの一節。
「人は意味も無く
他人を不愉快にする
権利はない」

この言葉に中学生鈴木幸一は感動する。
「私の行動規範となりました」

「私が社会人になり、
相手の年齢や性別、職業に関係なく
付き合って酒を飲み、
新しい知識を吸収してこられたのは、
この言葉との出合いのおかげかもしれません」

意味もなく、
他人を不愉快にする、
権利はない。

「私は経験上、全ての知力の基礎は読書で、
本さえ読んでいれば、何とか、
頭は鍛えられると思います」

同感だ。

「考えてみれば、今の私の知識のほとんどは、
中学時代の読書によって培われたものです」

私はそれが高校や大学まで続いた。
鈴木さんのような「早熟」ではなく、
「晩熟」だったのだと思う。

それでも知識は読書から得た。

「今、幼少期から
スマートフォンなどの端末を使い、
オンラインゲームやSNSなどに
多くの時間を費やしてしまうことが
大きな社会問題になっています」

「IT業界に身を置く者として
発言しにくい部分はありますが、
小さい頃からスマホ漬けになるのは
危ない話だし、心配しています」

「コミュニケーションの道具として
効率的な使用を心がけるべきです」

「そうでないと、
本当なら知識や思い出として
脳に記憶するべきものが全て
電子機器に預けられてしまいます」

「人間が成長していく上で記憶は
本当に大切なものだと痛感します」

「薄っぺらい人間に成長しないか、
気掛かりです」

これについては同感だが最近、
あまり本を読まないのに、
優れた判断力をもつ天才を知った。

本を読むと言っても、
どんな本を読んだか、
どの程度、どんなことを理解したか、
記憶にとどめたか。

それによって人間の考え方が出来上がる。

「人は意味も無く
他人を不愉快にする
権利はない」

商売や仕事の基本であり、
人間の生き方の基本である。

〈結城義晴〉

2026年05月29日(金曜日)

Message「異常値を疑え。」と2025日本の人口減と世帯増

1日中、横浜の商人舎オフィス。
月刊商人舎の原稿を書き、
入稿した。

そういえば先月号のMessage、
このブログで紹介していなかった。
ラスベガスに滞在していて、
ブログに書くことが多かったせいでもある。
[Message of May]
異常値を疑え。

「異常値販売」が大流行したことがあった。
あっちもこっちも「異常値、異常値」。
辟易(へきえき)するほどだった。

異常な数値が現れる。
それは問題の発生を意味する。
対応のオペレーションが必要になる。

さらに異常値を放置すると需要予測が狂う。
異常値を見逃すと在庫管理をミスする。
過剰在庫か、在庫不足かがわからなくなる。

さまざまな分析に齟齬が生じる。
店舗評価、商品評価を間違う。
場合によっては人の評価も誤る。

しかしブームを起こした「異常値販売」は、
通常はあり得ない状態を意図的につくれと促した。
経営資源を集中させて業績を跳ね上げよと命じた。

伸びているところを伸ばす。
これは業績を向上させるための王道だ。
それは自然な政策だ。

けれど意図的に「異常値」をつくろうと、
普通の会社がやらない施策を実行する。
極端な一点突破を試みる。

奇異な販促で異常値を出す。
特別の安売りで異常値を出す。
あの手この手で異常値販売を目指す。

それは平均的な店には効くかもしれない。
前年対比ばかり気にする会社には、
効果があるかもしれない。

だがウォルマートのEDLPは、
売上げの波動の波を減らすのが目的だ。
異常値づくりではなく高次安定が狙いだ。

そのための仕組みをつくる。
システムを構築する。
人財を育てる。

そんなマネジメント水準ができ上がると、
異常値を疑ってかかるようになる。
そして異常値には迅速に対応する。

年商50億円超のスーパーマーケット、
60億円に達する超繁盛店。
それらは異常値の集積の結果ではない。

誰も無理をすることなく、
普段通りに仕事をすれば、
驚くほどの成果が出る。

ドラッカーは言う。
「いい工場は静かである」
これは異常値販売の喧騒とは違う。

異常値を疑え。
異常値を問題視せよ。
その域に到達せよ。〈結城義晴〉
202605_message
前年対比でしか考えない組織には、
「異常値をつくれ」と発破をかける効果もあろう。

しかしそれは特徴のない店、
ポジショニングの欠落した企業の話だ。

ドラッカーに言わせれば、
「異常値」が発現したとしたら、
それはInnovationの苗床である。
だから無理やり「異常値」をつくろうとしたら、
Innovationの芽を摘んでしまうことにもなる。

さて、日本の人口が減り続けている。
2025年国勢調査速報値。
昨25年10月1日時点の外国人を含む日本の総人口。
1億2304万9524人。
約1億2300万人。

2020年の前回調査から、
309万6575人の減少、
2.5%減。

5年間で310万人減。

日本の歴史で最も人口が多かったのが、
2010年の1億2805万7352人。
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それと比べても500万人が減った。

15年から20年にかけての減少率は0.7%で、
人口減の勢いは加速した。

総務省の分析。
「少子化と高齢化が進み、
自然減が拡大しているため」

国連の推計では、
日本の人口は世界で12位。

日本の総人口のうち、
男性は5977万8826人、
女性は6327万698人。

女性100人に対して男性は94.5人。

都道府県別にみると、
東京都と沖縄県だけが増加した。
東京都は19万8621人増の1424万6219人、
増加率も全都道府県で最も高い1.4%。
日本全体に占める割合は11.6%。

東京への人口集中は続いている。

沖縄県は0.1%増の146万8220人。

人口減少数がもっとも大きかったのは北海道。
23万9195人減。

これは意外な気がする。

人口が100万人以上の都市は12市。
東京都特別区部、横浜市、大阪市、名古屋市、
札幌市、福岡市、川崎市、神戸市、
京都市、さいたま市、広島市、
最後は一つの市はどこか。

クイズです。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・仙台市。

一方、世帯数は過去最多だった。
全国の世帯数は、
5712万4507世帯。
5712万世帯。
前回と比較して2.3%増加。

1世帯あたりの人数は2.15人。
比較可能な1970年以降で過去最少。

つまり世帯数は増えたが、
世帯人数は減った。

単身世帯の増加傾向も進む。

世帯数の増加率最大は沖縄県。
5年前から6.1%増。

1世帯あたり人数最多は山形県の2.49人、
最少は東京都の1.88人。

人口と世帯。

ここには、
商売とビジネスのヒントが詰まっている。
人口減少は周知の「異常値」でしょう。

人口が減っていても、
世帯が増えていたら、
そこにはInnovationの苗床がある。

〈結城義晴〉

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