結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年04月07日(土曜日)

「百貨店業界5年後イオン1社に及ばず」と医薬品提供有識者会議報告

東京・横浜では、
今日・明日が花見日和。
しかし「厳しい花冷え」。
私は、桜咲く立教大学池袋キャンパスへ。
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新入生を狙ったサークルやクラブの勧誘がうるさいほど。

「少しは桜を楽しめ!」
言いたくなる。

私は静かなマキムホールへ。
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今日は2012年度第1回結城ゼミ。
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とは言っても、もう既に、
キックオフ・ミーティングを2回もやっていて、
みんな方向性が少しずつ見えてきている。

日経新聞に、
「花見商戦パッと咲く」の見出しが躍る。

昨年は、東日本大震災直後の自粛で、
おおっぴらな花見も花見商戦も鳴りを潜めた。

しかし今年は、開花自体は遅れたが、
花見商戦は爆発しそうだ。

東京は、
上野恩賜公園はこの土日は45万人の人出予想。
新宿御苑は一昨日までに10万2000人、
大阪では、
有名な造幣局の「桜の通り抜け」が約60万人の見込み。

花見だけなら、金はかからない。
一方、花見商戦の方は、
西武池袋本店が、
「花見向けの弁当や総菜類を100種類」、
昨年の2倍のアイテム数。
1800円前後高価格弁当が売れ筋。

高島屋東京店でも花見関連商品は、
「一昨年比5%増」。

コンビニのセブン-イレブンでも、
800~1500円の予約弁当が前年の1.5倍。

花見スポット近くの店舗では、
ビールやレジャーシートなどが1.5~2倍の売れ行き。

オリジン弁当は、宅配用の洋風惣菜(5~7人分3500円)が、
「例年に比べて4割増える」。

少しくらい高額弁当を買っても、
花見は、割安なレジャーだ。
「酒が飲める、飲めるぞ、酒が飲めるぞ♪」
さらに「弁当食える、食えるぞ、弁当食えるぞ♪」
歌声が聞こえてきそうだ。

さてこれも日経新聞に、
百貨店業界の二人のリーダーの発言。
まず高島屋の鈴木弘治社長。
こちらは厳しい見通し。

百貨店の業界売上げ規模が、
「5年間で1兆円減り、
2016年には5兆2000億円まで縮む」

私も同意見。

そうすると、百貨店業界を総合しても、
イオンの売上高を下回る。
イオンは2014年2月期に6兆円を見定めている。

ただしこのことによって、
百貨店の業態としての価値が下がるものではない。
むしろ良い百貨店の店舗は、
ますます貴重になる。

それが百貨店業態の本質。
まるで「花見日和の厳しい花冷え」のよう。
「通」には堪えられない。
高島屋の今後の戦略は、この見通しに沿って、
国内百貨店の減収分を海外店舗とショッピングセンターの増収分で補填。

高島屋の2012年2月期連結決算は、
売上高マイナス1.3%の8581億円、
経常利益は前期比プラス8%増の243億円、
純利益は21%減の108億円。

一方、この2月就任、
三越伊勢丹ホールディングス大西洋社長。
こちらは業績好調。
理由は主に二つ。
第1は三越銀座店の改装効果。
第2は、衣料や靴などプライベートブランドの成果。

結果として、2012年3月期連結営業利益は、
「前期比2倍の220億円からさらに10億~20億円程度上振れ」。

大西社長の言。
「日本を元気にしようという消費者が多いのではないか。
価格に見合う価値があれば多少高くても買おうという人は大勢いる」
威勢がいい。

「当社のPB商品はデザイン性を重視しており、
一般的なアパレルメーカーの商品より
価格が高くても販売は伸びている」

「基幹3店舗の売上高に占めるPB商品の比率は、
現在7~8%だが、3年間で2割に引き上げる」

さらにプライベートブランドは利益にも貢献する。
「年間20億円程度の営業利益押し上げ効果を見込んでいる」

さて、昨日夕方5時から、
日本チェーンドラッグストア協会の緊急記者会見。
「医薬品の安全で円滑な提供方法を考える有識者会議」からの報告。
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メディアの関心は高く、参加人数が増えたため、
急きょ、グランドパレスホテルのチェリールームに、
会場が変わった。
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会場は定例記者会見以上の参加者。
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小田兵馬協会副会長・㈱小田薬局社長(中央)、
根津孝一常任理事・㈱パパス社長(右)、
宗像守協会事務総長の3名が記者会見に臨んだ。
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有識者会議は、改正薬事法によって、
購入が困難となった消費者救済の視点から議論された。

昨年10月から9名の委員によって、5回行われている。

議論は主に、
「販売方法の必要性」と「それを満たす許容性」について。

その議論の結果、今回報告された内容は以下の通り。
電話による通信販売、ネット販売ともに条件として、
①営業する店舗を有し、
②その店舗に陳列、備蓄する医薬品に限定し、
③初回の販売は対面を原則とし、
④販売数量の上限を決め、
⑤ホームページ上で医薬品の添付文書を閲覧できるようにし、
⑥販売記録や相談カードを指定期間保存し、
⑦購入は消費者の自己責任を伴うことを明らかにし、
⑧しかし苦情相談窓口を設け、
⑨副作用被害救済制度の周知とその対応体制を整備すること。

消費者の安全性を担保しながら、
提供方法を増やし、購入者の利便性を高めるために、
以上の9つの条件が必要になる。

いわば、店頭販売業を補完するものとして、
郵便・ネット等通信販売を行うことをよしとする。
これが「有識者会議」の結論だ。
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宗像事務総長は、
「この報告書から議論をしていただけないかという投げかけ」と発言。
この報告書は、厚労省をはじめ関係団体に配布される。

改正薬事法施行から丸3年。
「良い制度、便利な制度に作り上げるのはこれから」

「業界の内輪の発想から、
真に生活者の求める『安全で円滑な医薬品提供』について、
議論し実現してほしい」

高齢化社会の日本。
セルフメディケーションの実現を目指す日本。
「業界発想から生活者発想へ」
さらに「ソーシャル発想へ」。
有識者会議が関係者に要望する言葉は、
マーケティングのセオリーそのものだ。

4月に入った今週、
「facebookで友達になろう」と呼びかけた。

「友達になろう」は、
今月の商人舎標語「シンプルに。」そのままだ。

来週も、再来週も、
まだまだ、続けよう。

そしてこのブログにも、
わざわざやってきて読んでくださった皆さんに、
心から感謝したい。

良い週末を。
良い花見を。

<結城義晴>

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