結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年04月19日(木曜日)

「商人の本籍地と現住所」そして「不安とワクワク」の一瞬の積み重ね

新緑の季節になってきた。
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商人舎オフィスの窓から見える桜の枝にも、
みずみずしい緑の葉が茂る。

その遊歩道のモミジの葉も、
新緑に変わる。
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そして路端には、タンポポ。
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桜色一色の様から、
黄緑、黄色の季節へ。

5月の最終週、29日、30日・31日。2泊3日完全合宿制。
「商人舎ミドルマネジメント研修会」
受講申し込み、受付中。
締め切りの4月末日2週間後に迫る。

東京都立中央図書館のこのシーズンの企画展。
「新ビジネスマン、本を読もう!」
小売業やサービス業の店舗だけでなく、
図書館も様々な季節に様々な企画を打つ。
まあ、図書館もサービス業のひとつですが。

この企画の一環として、
著者メッセージの依頼が来た。

「今回の企画展は、この春、
就職や転職等で新たなスタートを切った社会人を対象に、
ビジネストレンドや仕事のための下調べ、
ビジネスシーンでの話題作りに役立つ情報源としての書籍、
中でも全国紙や経済誌に書評が掲載された話題の本を
一堂に集めて展示するものです」

私の「小売業界大研究」なども、
展示される。

そこで私が贈った短いメッセージ。

イオンに入ってから、
実家を継いだ柳井正さん。
ユニクロのファーストリテイリング会長兼社長。

総合商社に入社してから、
小売業に出向した新浪剛史さん。
ローソン社長。

銀行に就職してから、
小売業とITを結びつけて起業した三木谷浩史さん。
楽天社長。

いずれもまず、
小売業の面白さを語る。
小売業の夢を広げる。
小売業の社会貢献を知る。

一生をかけるに値する仕事です。
自分なりのスキルを磨くことのできる職業です。
生きがいと遣り甲斐をくれる産業です。

一昨日のこのブログに投稿あり。
「アークス&ジョイス統合」 の件。

JOIS PERSON より

「結城先生 こんばんわ

一夜明けて、
私たちは
時代の大きなうねりの中にいるんだ
なと
改めて思いました。

その中で今できることは
私たちは地域のお客様に
より喜んで頂けるために
今まで以上に精進すること。
今まで以上に自分たちの責任を
果たすこと
、でしょうか。

そう思うと
不安もありつつ、
ワクワクもしてきます」

素晴らしい。
自分で問題解決しているプロセスが、
描かれている。

これこそ脱グライダー知識商人の姿。

「商人の本籍地と現住所」を貫くものは、
「地域のお客様に喜んでいただく」こと。
そのために「今まで以上に精進すること」。
「今まで以上に自分たちの責任を果たすこと」。

まさにそれです。

「不安もありつつ、
ワクワクもしてくる」

時代のうねりの中で、
生きている実感。

それが人生でしょう。

昨日も書いたけれど、
故倉本長治商業界主幹の言葉。
この一瞬の積み重ねこそ
君という商人の全生涯

ふたたび、
Good Luck! Jois People!

さて、4月2日から、
結城義晴のフェイスブック、
グランドオープン。

facebookで友達になろう。
知識商人の輪を広げよう。
キャンペーンは続いている。

そのフェイスブックにいい話。

相模女子大学専任講師の小泉京美さん、
かつて私の立教ビジネスデザイン研究科の講義を履修してくれて、
現在、女子大講師の才媛。

小泉さん、昨日、
お茶のお稽古に行った。
そこで聞いた宗匠のお言葉。

お弟子さんが、
床の間に生けた花を見て言った。
「主役は二人いらない」

花入には、
2種類のメインとなる花が
生けられていた。

「この言葉、ビジネスの場面でも、
家庭内でも、色々な場面で言えますよね。。。

さすが、修行をしたヒトは違うな~」
小泉さんのつぶやき。

例えば、ひとつのコーナーでアソートメントする。
カテゴリーごとに、
「主役は二人いらない」

例えば、チラシで売り出し商品を企画する。
部門ごとに、
「主役は二人いらない」

フィリップ・コトラー。
マーケット・リーダーとマーケット・チャレンジャー。
「主役は二人いらない」

ちょっと古すぎるが現役時代の「王と長嶋」。
「主役は二人いらない」
ならば、どっちが主役?

記憶に残る主役は長嶋茂雄。
記録に残る主役は王貞治。

コンテスト型競争の時代が始まっていたのでした。

さて、昨日の午後は、日本スーパーマーケット協会。
商業経営問題研究会の4月例会。
通称RMLC(Retail Management Learning Circle)。
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この日の第1部は、
協会事務局長の江口法生さんが特別ゲスト講師。
「流通を取り巻く法律・制度改正の諸問題」について、
レクチャーしてもらった。
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江口さんはライフコーポレーションで、
清水信次会長の秘書をしていた。

流通に関連する法律・制度問題の、
いわばスペシャリスト。
こういった人財、
団体・協会には欠かせない。
江口さんが整理、解説してくれたのは、
「6つの視点からの法改正の動き」

第1は、社会保障と税の一体改革、
復興財源としての臨時増税問題。

短時間労働者への厚生年金、健康保険等適用拡大と、
今国会最大のテーマになっている消費税率の引き上げ。
そして、復興財源のための所得税、個人住民税、法人税のアップ。

週20時~30時間勤務する短時間労働者への
年金、保険等の適用拡大は、大きな問題だ。

従業員数501人以上の企業が、
1年以上雇用する従業員を週20時間以上働かせる場合に、
対象となる。

厚労省調べでは、370万人がその対象で、
企業負担は5400億円に上る。
パートタイマー依存が高いチェーンストア企業の負担は重い。

第2は、エネルギー政策の転換と、
それに伴う買い取りコストの問題。

東電の原発事故で原発が順次停止する中、
再生エネルギーの拡大による買い取り制度の導入など、
企業活動への影響は必須になってきている。

第3は、環境関連法案。
容器包装リサイクル法、食品リサイクル法、
省エネ法、フロン類等の対策など、
食品スーパーマーケットに直接かかわる法規の動向。

フロンの回収・破壊法に関しては、
フロンを冷媒とする冷蔵ケースなどを製造するメーカーではなく、
使用する側、つまり小売業の責任が議論されている。

第4は、食品の表示を取り巻く環境。
加工食品の原料原産地表示、トレーサビリティ、栄養成分表示、
トランス脂肪酸の含有量表示などなど、
これも、食品産業にとっては、
注視しなくてはならない動き。

第5が、人事・労務分野における課題。
店舗における管理監督者問題、最低賃金の引き上げ問題、
障害者雇用対策法の改正対応、有期労働契約、
高年齢者雇用安定法改正案、
パートタイム労働対策などの法改正の動向。

最後に6番目は、食品の放射能汚染問題。
4月1日施行の放射性セシウムの新基準に関する考え方。

90分にわたってのレクチャーにみな、
真剣に耳を傾けた。
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その後、Q&Aとディスカッション。
左から山口紀生さん、高木和成代表世話人、
杉田幸夫さん、古川芳之さん。
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杉田さんは、中小企業には、
法改正の情報が入らないのではないかと指摘。
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江口さんの見解。
「個店対応では難しいでしょう。
とりわけ表示問題は、
共同仕入れ機構で指導を受けるなどの対策が必要。
また、短時間労働者の問題を機に、
短期雇用形態を再検討し、
外部化を図ることも対策のひとつです」
江口さんは、丁寧に、答えてくれた。
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6つの法律・制度の改変は、
大きな意味では「規制強化」である。
いま、規制が強化されているのだ。

だとすると3つの姿勢が求められる。
第1は、その規制の中身を知ること。
第2は、それを順守する体制をつくること。
そして第3に、政治・行政に働きかけ、業界の意志を伝え、
同時にその意志を消費者や関連業界に広報・伝達すること。

「知って、守って、働きかける」
知らずして、守らずして、文句だけ言うのでは、
世間は納得しない。

この時、こういった問題の専門家が必要になる。
自分の会社内で、そういったスペシャリストを養成する必要がある。
それができない企業は、団体・協会に頼ることになる。

だから団体・協会の役割はますます重くなるし、
業界の専門マスコミの役目も重要になる。
これが私のまとめ。
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その意味で、
日本スーパーマーケット協会事務局長の江口さんが、
流通を取り巻く法律・制度改正の動向を把握していることは、
頼もしい限り。

江口さんに、心から感謝。

多くの協会、団体、研究会、勉強会、
江口さんを呼んでレクチャーしてもらってください。

第2部は、「シナリオ2020」を受けてのディスカッション。
前回の大塚明協会専務理事の講義をもとに、
RMLCの議論を深める。

高木代表世話人が、マーケットの捉え方として、
外食との競争など食の業際化、国際化を問題提起。

それに対し、㈱たいらや社長の村上篤三郎さんは、明快に返答。
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「外食との競争はほとんどない。
それ以外にスーパーマーケットとして、
本来やるべきことは山ほどある。
ヤオコー、ヨークベニマルともにポイントカードは導入しないと言っていたが、
私は必ず導入すると見越し、準備を進めてきた。
たいらやは6月に、ID-POS付きのポイントカードを導入する。
自分の店をどのように組み立てていくのか。
それが大事だと思う」

話はどんどん展開し、スーパーマーケットの海外戦略に及ぶ。
左から前田章三さん、村上さん、小林清泰さん。
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日本のスーパーマーケット企業がなぜ、
海外出店をしないのか。
いま、その動きがあるが、成功するのか。

これまた、高木さんからの問題提起。
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それに対して、私が海外のスーパーマーケット企業の動向を話す。
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イギリスのテスコ、フランスのカルフール、ドイツのメトロ、
アメリカのウォルマートなどなどの海外展開。
いずれもハイパーマーケットなど総合スーパー業態での進出。

米国スーパーマーケットのクローガーやセーフウェイは、
海外展開をしていない。

さらに中国、台湾、韓国の流通事情まで。

経済が高度成長を果たしている段階の国では、
ハイパーマーケットが、
そしてコンビニが急速拡大しやすい。

食品スーパーマーケットは、
ある程度成熟した段階で機能する業態であるし、
システムを構築するのに時間がかかる業態だ。
その代り、構築された仕組みは、
そう簡単にとってかわられるものではない。

そんな話をした。

㈱セイミヤの加藤勝正さんも、
大いに楽しんで、議論に参加。

加藤さんは、低価格化、低コスト化、そして単純化、
フォーマット時代に特化した店づくりの問題、
さらに販売チャネルの問題など、
重要なテーマ資源を指摘してくれた。
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RMLCは今年、次世代のスーパーマーケットについて、
議論、研究していく。

前田さんの指摘は第三極に及んだ。
イオン、セブン&アイホールディングスに次ぐヤマダ電機、
そしてヨドバシカメラやビックカメラは、
家電だけではなく食品、薬とあらゆるものを扱っている。
食品マーケットにおいても大きな存在になる。
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第2部後半は活発なディスカッションで、面白かった。
活発な議論は、のどが渇く。
そこで、有志による地下の居酒屋での一献。
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㈱ケノスの小林清泰先生と村上さん、高木さん。

村上さんの本籍地は西友、現住所はたいらや社長、
高木さんは本籍地ユニー、現住所コンサルタント、
小林先生は本籍地が一級建築士で、
現住所コーポレート・アイデンティティのデザイナー&社長、
結城義晴の本籍地・商業界、
現住所・商人舎&立教大学。

みんな、「本籍地と現住所」をしっかりと認識している。

そして、「不安とワクワク」を知っている。

年とって、「不安」にも「ワクワク」にも、
若干、新鮮さが薄れてきたけれど。

<結城義晴>

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