結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年04月25日(水曜日)

百貨店・総合スーパー・SM・コンビニ3月実績と「価格競争の千日手」

日々、新緑は増していく。
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東京・浜離宮のケヤキ。

ゴールデンウィーク直前の今週、
それを味わわずして、
何を楽しむ。

テキサスでは、
レンジャーズのダルビッシュ有が、
ヤンキースの黒田博樹と投げ合って、
9回1アウトを取ったところで降板。

0点に抑えたうえ、
10奪三振を成し遂げて、
見事、勝利投手。

やっと、日本最高投手の本領を発揮してきた。
ヤンキースの大スター・ジーターからも三振を取った。

ダルビッシュの「玉をコネコネ」する姿がテレビに映る。
昨年で引退し、今年から解説者となった工藤公康が指摘した通り。

今日は一日中会議で、
昼食休憩中にネットでニュースを知って、
ひとまず満足。

これを味わわずして、
何を楽しむ。

さて、日経新聞『大機小機』。
コラムニスト蜻蛉氏が、
「政治の千日手」と題して書く。

「トルーマン米元大統領が在職中、
『ザ・バック・ストップス・ヒア』と書いた置物を
執務室の机の上に据えていた」

“The back stops here”
「責任はここで止まる」

「政治の決断は、
最後はトップが下さなければならない」
そして最後の責任もトップが取る。
経営の決断もまったく同じだ。

しかし、「現下の政治において、
責任は誰の手元にも止まらないようだ」

それをコラムニストは、たとえる。
「将棋の千日手のようなもの」

「このゲームは同じ所を行きつ戻りつし、
しかもプレーヤーは2人ではない」

「自民党政治に怒った国民は民主党政権を選んだ。
次の国政選挙では民主でも自民でもない、
第三勢力が躍進するだろうと噂される」

「ただ、それによって
第三勢力による政権が誕生する可能性は小さく、
予測できるのは、
どの政党も過半数は
とれないだろうということにすぎない」

「将棋の千日手は
時間を限っての指し直しや
攻撃側が手を変えるなどのルールがある。
政治家同士、選挙民と政治家との関係には
それがない」

しかしプロの将棋の千日手は、
互いにベストの手を指していって、
それが行き詰る。
究極の千日手。

日本の政治は、
例えば民主党と自民党は、
互いに凡手やポカを指しつつ、
千日手のように見える。

経営者や実務リーダーは、
“The back stops here”でいきたいものだ。
さてさてこれも日経の記事。
「消費改善、プラス間近」

のっけから、明るそうな言い回し。
「小売りやサービス企業の景況感が改善している」

「日経消費DI」の4月調査の業況判断。

前回の1月の調査と比べて、
5ポイント上昇。

「マイナス11と、水面下ながら
2008年秋のリーマン・ショック後の最高値を更新」

3カ月後の見通しもマイナス4。

こちらも「2008年1月以来最もプラスに近づき、
個人消費の先行きを楽観視する企業が増えている」

3月中旬から4月上旬の212社からの調査。

この指標を決める場合の業況判断は、
「良い」と答えた割合から「悪い」と答えた割合を差し引いて算出。
「最近3カ月の客数」は前回比30ポイント上昇の18。
上昇幅は1995年9月の調査開始以来、最大。
これも明るい兆し。
「最近3カ月の売り上げ」も、
25ポイント上昇して17。

2007年7月調査以来初めてのプラス。

百貨店は現在の業況と3カ月後見通しがそれぞれ9。
プラス。

総合スーパーやコンビニ・ミニスーパーは、
3カ月後見通しがゼロ。
これは「改善基調」。
外食も3カ月後はゼロの見通し。
ただし家電量販店を含む専門店は、マイナス23。
現在の業況判断が10ポイント下落。

「日経消費DI」は以上の結果を示したが、
業態別の3月実績も次々に発表されている。

3月の百貨店、総合スーパー、コンビニ、
スーパーマーケットの結果をご報告しよう。

東日本大震災からちょうど一年経ち、
売り場はどう変わったのか、
昨年の震災特需がどこまで影響したのか。

まず、日本百貨店協会発表。
「全国百貨店売上高概況」

全国の総販売高は5273億8866万円で、
昨対プラス14%(既存店)。
3カ月ぶりのプラス基調は、
もちろん、震災の影響を受けた反動によるもの。

昨年は震災後、店舗は被災し、客足は遠のき、
さらに計画停電などで営業体制が整わなかった。
それらの店舗が一年経ち、営業を再開したことが、
今月のプラスの要因。

それを物語るようなものすごい数字。
仙台が昨対プラス170%、
東京がプラス26.7%、
横浜も、プラス26.5%。

また、最近の復興ムードや円高・株安の影響で、
消費マインドが好転しているため、
高額商材もプラス21.2%と好調。
昨年はブランド品を買う気分になれなかった
消費者が多くいたことも要因だろう。

次に日本フランチャイズチェーン協会発表、
「コンビニエンスストア統計調査月報」

震災特需で品切れが続出した反動で、
インスタント食品などの加工食品や
乾電池などの非食品の売上げは落ちた。

しかし、惣菜やパン類の売上げが好調に推移し、
結果、総売上高はプラスだった。

既存店売上高は6671億7400万円で、
前年同月比プラス0.4%。
客数は10億9955万人で、プラス2.2%。
平均客単価は606.8円で、マイナス1.7%。

震災の影響をものともせず、
今月もプラスを維持したコンビニはさすがである。

さらに日本チェーンストア協会から発表、
「チェーンストア販売統計(月報)」
半分くらいが総合スーパーの売上げだから、
その統計と見たほうがいい。

総販売額は1兆0056億2007万円で、
既存店前年同月比はマイナス2.4%だった。

食料品や住関品は震災の反動で、マイナス。
食料品が6305億円でマイナス4.3%、
住関品が2005億円でマイナス2.5%。

衣料品は好調で1022億円のプラス5.9%。
低温傾向で春物衣料の動きは鈍かったものの、
昨年の反動で売上げとしては、あがった。

最後にスーパーマーケット。
日本スーパーマーケット協会、
オール日本スーパーマーケット協会、
新日本スーパーマーケット協会、
3協会合同調査・発表、
「スーパーマーケット統計調査」

今月の発表も日本橋の日本スーパーマーケット協会会議室にて。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の松本光雄専務理事が
3月の販売結果を発表。
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総売上高7738億6929万円で、
既存店前年同月比はマイナス3.3%。

食品合計は6807億3216万円、マイナス3.0%。
青果は相場高が影響し、1090億4468万円で、プラス3.2%、
水産が722億4392万円でマイナス0.7%、
畜産が776億8221万円でマイナス5.3%。

惣菜は今月も順調で、
693億7477万円のプラス2.6%。
日配は1426億3176万円でマイナス1.7%、
一般食品が2097億5482万円でマイナス8.3%。

そして非食品が635億2852万円で、
こちらもマイナス8.3%。

エリア別にみると、震災の影響は顕著に表れている。
北海道・東北エリアだけが既存店ベースで
プラス3.1%だった。

関西エリアのみ、新規出店が相次いだためか、
全店ベースでプラス4.1%とよかったと、
松本専務理事。
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「3月の商売はどこの企業も、
昨年の特殊な事情をどうカバーするか、
価格訴求やチラシなど、対応に追われた。
結果として売上高マイナス3.3%にとどまってしまった」

「昨年の震災特需の状況を考えると、
飲料、缶詰、パスタ、米などの一般食品や、
乾電池、紙製品などの非食品の売上げが
不振だったのは当然のこと」

「震災から1年経った現在の状況を
気仙沼の複数の企業にヒアリングをした」

そこでは以下のような声があがった。
・がれきの撤去は進んでいるが、街づくりは進んでいない
・高台での一般住宅の建築ラッシュがすごい
・雇用の需要と供給がマッチしていない
・競合店が次々と再開してきて、商況は厳しい
・売上げを支えているのは工事関係者とボランティア
・仮設住宅で油の使用を敬遠してか、揚げ物が非常に売れている
・東北に観光にきてほしい
・東北地区を風化させないでほしい

「ちなみに、一昨年3月のデータと比較してみた。
一昨年はまだ3団体の数字がなかったから
一概には言えないが、
日本スーパーマーケット協会ではプラス0.2%、
オール日本スーパーマーケット協会ではプラス2.0%。
つまり、震災の影響を除けば、
そんなに悪くはなかったといえる」

今月のゲストスピーカーは、
㈱マルヨシセンター取締役副社長の伊東栄治さんと、
執行役員総合企画室マネジャーの竹垣亘さん。
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マルヨシセンターは「うどん県」こと、
香川県高松市に本社を置く。
小売店37店舗、売店1店舗、外食店2店舗を展開している。

「わが社と全店競合しているマルナカが、
昨年、イオンに買収された。
マルナカの売り場が変わってきている。
従ってマルナカへの対応を考えている」

「“600坪スタイル”の店舗を増やしている。
売場面積600坪、バックルーム250坪、駐車場120台。
37店舗中、11店舗は改装した。
今では全体の売上げの44.6%はその11店舗のもの」

「惣菜やデイリー、パン、そしてうどんは、
自社工場で製造。
荒井伸也AJS会長から教わった“Just in Time”方式
いかにうまくできるか、工場をうまく使えるかが重要」

今後の目標に関してもコメント。
「マルナカのNB商品の売価がすごい。
マルヨシセンターはそれに対抗する、
赤字覚悟の販売から脱却しないといけない」

「意識を共有し、店舗の価値創造に取り組み、
お客様に愛されるローカル・スーパーマーケットを
つくっていきたい」

突如、日本最大手のイオンに買収された企業と、
競合することになったマルヨシセンター。
その対マルナカ戦略は、
全国のローカル・スーパーマーケットの注目の的でもある。

低価格政策を採用するナショナル・チェーン。
対抗するローカル・チェーン。

どちらも千日手を繰り返していては、
いけない。

それでは肝心のお客様が、
喜ばない。

<結城義晴>

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