結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年08月21日(火曜日)

モンゴル・ウランバートルのマルチ・フォーマット企業「NOMIN」を見る

日曜日から軽井沢。
20120821211104.jpg
逝く夏の浅間は雲を重ね着て
〈平成浅間千句より 新宿・柳瀬亜湖〉

本当に珍しく、
浅間山の頂が見えた。
20120821211128.jpg
松尾芭蕉は詠んだ。
吹き飛ばす石も浅間の野分かな

長野県の山や草原もすばらしい。
20120821211153.jpg

モンゴルの大平原を思い出しつつ、
日本も美しい国であることを思った。
20120814000815.jpg

そこで、ウランバートルの小売業、写真紹介。

8月6日から12日まで、
ワンアジアクラブ・ウランバートル交流会に参加したので、
特別に小売業・流通業を視察する予定はなかったし、
情報も整理していたわけではない。

だから見たまんまの印象記。

モンゴル一番の産業は何か。
遊牧民の国だけに、
農畜産業と思われがちだが、
そうではない。

モンゴルのGDPの構成比は、
第1が鉱業、つまり採鉱・採石で23%、
第2が農林・漁業16%、
そして第3に卸売業・小売業が15%で入ってくる。

製造業は8%、運輸業も8%、
不動産業6%、通信4%となる。

鉱業成金はモンゴルには多い。

モンゴル経済の成長は顕著だ。
実質GDPの成長率は2011年に17.3%。
1人当たりGDPは、
2011年現在で3070ドル。

これが2013年に5649ドル、
2016年には1万1290ドルとの予測がある。

よく言われることだが、
1人当たりGDPが2000ドルを超えると、
スーパーマーケットが成立し、
3000ドルを超えると、
コンビニエンスストアが成立する。

この基準からすると、
モンゴルはスーパーマーケットもコンビニも、
成立することになる。

しかし私は、この見方は、
厳密には、間違いだと思う。

2000ドルを越えたら、
ハイパーマーケットが登場する。

つまり総合スーパー。

3000ドルを越えたら、
ハイパーマーケットが繁盛する。

それ以前の段階でも、
百貨店は成立する。

どんな国にも富裕層は存在するし、
駐在の外国人がいるからだ。

一般国民の生活が徐々に向上してくると、
百貨店の代理機能としての総合スーパーが登場する。

これは業態用語でハイパーマーケットという。
総合スーパーも「スーパー」だと言えば、
GDP2000ドル以上というのは当たっているが、
それは食品スーパーマーケットではない。

ウランバートルの「ノミン」は、
そのことを証明してくれる企業だ。
ネットで調べるとウランバートルに数店舗。

その代表的な店が、
ノミン・デパート。
20120821220918.jpg

世界中のデパートがそうであるように、
ノミン・デパートも入り口を入ると、
化粧品売り場。
20120821220949.jpg

そして多層階の超大型店。
20120821221009.jpg
ウランバートルの目抜き通りの一番店。

旧国営百貨店を、
家電小売業のノミンが買い取って経営。

ノミンは百貨店以外にも、
ハイパーマーケット、スーパーマーケットなど、
マルチ・フォーマット展開をする総合小売業。

このノミン・デパートの1階に、
ノミン・スーパーマーケットが、
デンと構えている。
20120821221034.JPG

その入り口のブランドマーク。
20120821221053.jpg
百貨店の中に入居した食品スーパーマーケット。

私が店内に入っていくと、
ちょうど停電になった。
だからパン売り場の照明も消えている。
20120821221135.jpg

それでも入り口のプロモーション・コーナーから、
ベーカリーになる。
20120821221201.jpg

さらに対面のケーキ売り場。
20120821221238.jpg

そして青果部門。
20120821221319.jpg

モンゴル人は、野菜、果物をあまり食べない。
だから品揃えも少ない。
20120821221401.jpg

青果部門から乳製品へ。
20120821221459.jpg

牛乳売り場。
20120821221623.jpg

続いて惣菜コーナー。
20120821221739.jpg

ここには人がついて、
対面方式。
20120821221901.jpg

大皿盛りの調理済み惣菜も品揃えされている。
20120821221838.jpg

さらに精肉売り場。
20120821221913.jpg

チーズなどの多段ケース売り場。
20120821221937.jpg

最下段にトレイ陳列でチーズ。
20120821221948.jpg

アイスクリーム、冷凍食品は、
独自のケースで販売。
20120821222015.jpg

主通路沿いのゴンドラエンドで、
オーガニック食品
を見つけた。
20120821222030.jpg
「後進の先進性」を象徴する売り場。

缶詰など加工食品のゴンドラ。
20120821222050.jpg

流通パンの売り場。
20120821222059.jpg

そして異常に発達しているように見える飲料売り場。
20120821222123.jpg

さらに酒売り場も全体の売り場構成比率は高い。
まず樽売りのビール。
20120821222135.jpg

高級酒店のよう。
20120821222154.jpg

全種類の酒が品揃えされている。
20120821222203.jpg

ウォッカ売り場。
20120821222214.jpg

ドラッグストア用非食品もアソートメントされている。
20120821222223.jpg

その非食品ゴンドラ。
20120821222236.jpg

レジ前へ。
20120821222246.jpg

レジもひどくこんでいる。
20120821222256.jpg

人員は豊富に配置され、
サービス感を盛り上げる。
20120821222308.jpg

ただしレジはパソコンを使って清算していた。
20120821222317.jpg

クレジットカードはこれで。
20120821222326.jpg

百貨店の1階のスーパーマーケット。
私は昭和28年に誕生した東京・青山の紀ノ国屋を思っていた。
超富裕層と駐在外国人、さらに観光客。

だから一番の目抜き通りの百貨店に、
食品スーパーマーケットが入っている。

しかしノミンはウランバートル市内の生活圏にも、
ハイパーマーケットを展開している。
20120821222343.jpg
上階は高級マンション。

NOMIN HYPERMARKETと表示されている。
20120821222356.jpg
高度成長しているときの生活圏の拠点では、
ハイパーマーケットが有効だ。
つまり総合スーパー。

それがNOMIN HYPERMARKET。
20120821222406.jpg
Hはロシア文字でN、ИはI。
OとMはアルファベットと同じ。

そこでHOMИHは、英語表記でNOMINとなる。

モンゴルは長らくソビエト連邦と深い関係にあったし、
ギリシャ正教を主たる宗教にしている。

だからロシア文字、キリル文字が使われる。
<ちなみに私、大学時代の第二外国語はロシア語だった。
文字だけは読める>

ハイパーマーケットの入り口を入ると、
非食品雑貨の売り場。
20120821222415.jpg

中のゴンドラには飲料。
20120821222440.jpg

これは他の部門と比べると、
異常なくらいの品ぞろえ。
20120821222547.jpg

そして酒売り場につながる。
20120821222538.jpg

通路上には、
ウォルマートのアクション・アレーのような島陳列。
20120821222614.jpg

飲料を冷やして売っている。
20120821222701.jpg
コカコーラやペプシコーラの営業力が、
思い知らされる。

店舗左翼のどん詰まりに冷凍冷蔵ケース。
20120821222710.jpg

平ケースは冷凍食品。
20120821222718.jpg

壁面には対面コーナーの肉売り場。
20120821222736.jpg

といっても生肉は見当たらない。
20120821222744.jpg

その隣にベーカリー。
20120821222753.jpg

そしてケーキ売り場。
20120821222802.jpg
ちなみにこの生活圏のハイパーマーケットを訪れたのは、
午前9時過ぎ。
だからまだ朝の品揃えはできていなかった。

冷凍ケースは百貨店内スーパーマーケットと同じ。
20120821222811.jpg

そして乳製品。
20120821222835.jpg

ここで、富裕層のご婦人客を見つけた。
20120821222920.jpg

多段ケースに、当たり前のように品切れがある。
20120821222847.jpg

チーズはどの店もしっかり置いてある。
20120821222858.jpg

青果部門では作業中。
20120821222911.jpg

多段ケースと平台の併用。
20120821222956.jpg

リンゴはクレートでばら売り。
20120821222945.jpg

卵売り場。
20120821223019.jpg

割れた商品もあった。
20120821223029.jpg

壁面沿いの加工食品売り場。
20120821223045.jpg

そして店舗の中央あたりに絨毯売り場が出現。
20120821223109.jpg

売れ筋はもちろん、
チンギス・ハーンの肖像入り。
20120821223121.jpg

ハンガー陳列の衣料品売り場もある。
20120821223055.jpg

そして家電売り場は充実。
20120821223132.jpg

ノミンはもともと家電小売業だからだ。
20120821223142.jpg

掃除機もご覧の品揃え。
20120821223153.jpg

その隣は玩具コーナー。
20120821223207.jpg

レジ前は、食器売り場。
20120821223228.jpg

コスメティックスも、ゴンドラに陳列されている。
20120821223239.jpg

通路内の主要なスポットには、
黄色の買い物かごがきちんと配置されている。
20120821223254.jpg

レジは13台。
20120821223305.jpg

レジの外には、化粧品売り場。
20120821223326.jpg
ここは対面コーナー。

そしてファストフード。
20120821223339.jpg

フードコートはレストランのように、
テーブルクロスがかけられていた。
20120821223349.jpg

生活圏のハイパーマーケットは、
百貨店のスーパーマーケットよりも、
低価格で大衆的な品ぞろえだった。

ただし高度成長中のウランバートルは今、
総合スーパーとしてのハイパーマーケットが、
登場している段階。

日本やアメリカ並みのスーパーマーケットの成立は、
まだまだ先のことである。

一方、郊外では、
ノミンは「ホールセールクラブ」を展開。
20120821223404.jpg
これはコストコやサムズを志向する店。
百貨店と百貨店内スーパーマーケット、
それに総合スーパーとしてのハイパーマーケット、家電店、
さらにホールセールクラブ。

ノミンはマルチフォーマットの総合小売業だ。
しかしホールセールクラブまで実験が進んでいるとは。

まったくもって「後進の先進性」を示す現象。

そして1人当たりGDP3000ドルのとき、
ハイパーマーケットが登場する
ことは、
台湾、中国だけでなく、ここモンゴルでも示された。

本格的なスーパーマーケットは、
相当に消費の成熟化が進んだ段階で花開くことも、
ウランバートルの現状によって逆に、明らかになった。

私は、その検証ができたことが、
とりわけうれしかった。

<結城義晴>

2012年08月20日(月曜日)

商売はお客様と楽しさが、反射する・呼応する・共鳴する

Everybody! Good Monday!
[2012vol34]

2012年第34週。
8月の第4週。

お盆はいつものように過ぎていった。
原爆の日も、終戦の日も。

ヒロシマナガサキフクシマ怒る夏
〈日経俳壇より 八王子・福岡悟〉

今年はロンドン・オリンピックも、
満足感のなかに終了。

高校野球甲子園大会も最終盤
最も面白い準々決勝。
つまりベスト8が1日で見られる。

ここを突破すると、
ベスト4で、オリンピック流にいえば、
メダルが貰える。

ここまで来たら勝ちたい。
それがベスト8の闘い。

おもしろい。

楽しさは反射するのか
仲見世を行き交う人々皆々楽しげ

〈日経歌壇より 牛久・中野笙子〉

反射するのです。
呼応するのです。
共鳴するのです。

それが商売の良さ、
おもしろさ。

商人舎からのお知らせふたつ。
第1は「秋のUSA研修会Specialコース」
去年と同じダラス、ワシントンDC、ニューヨークへ、
10月30日~11月6日の6泊8日間。

フォーマット戦略と、
ポジショニング戦略を学ぶ。
プライベートブランド開発も、
このポジショニング戦略の一環となる。

元HEB上級副社長のメリッサ・フレミングさんが、
今回もたっぷりと教授してくださる。
もちろん、浅野秀二&結城義晴のダブルコーディネート。
アメリカ小売業、チェーンストアの大潮流をとらえ、
日本流通業の戦略を鮮明にする。

それが目的。

米国では、
ウォルマートが「完全復活」。

勝者と敗者がますます、
鮮明になってきた。

そのウォルマートの株は、
7月末に株価は75.24ドルで、
「過去最高値を更新」。
20120817212932.jpg

ウォルマートの第2四半期5~7月期決算は、
純利益が40億1600万ドル、前年同期6%プラス。
売上高は1135億ドル、プラス5%。このウォルマートと、
それに対抗する企業群から、
経営戦略とイノベーションを学ぶ。
それが商人舎Specialコース。

お早目の申し込みをお願いしたい。

商人舎からのもう一つのお知らせは、
「第2回商人舎ミドルマネジメント研修会」の開催。
11月13日~15日。
2泊3日の完全合宿制。
今回は場所を変えて、湯河原。
隔離状態で、学んで、
身につけて、帰る。

この研修会には、上田惇生先生がご登場
第1回講義終了時には、
スタンディング・オベーションで先生に感謝の意を評した。
そのくらい上田先生はこの研修会に力を入れてくださっている。

当然ながら、この研修会は、
ピーター・ドラッカーの考え方を基礎にしている。

特にリーダーシップ、チームワークなど、
最も重要な考え方とその技術を強調して講義する。

こちらもお早目に、ご検討を。

さて今週は、夏の総まとめ。
とにかくお客様に気分良く、
お買いものしていただき、
楽しんでいただくことに努めたい。

私の今週のスケジュールは、
月曜、火曜は軽井沢に滞在

水曜に商人舎に出て、
木曜からアメリカ視察研修。
今回は三井物産主催のトップセミナー

来週の水曜日まで。

夏の終わりのアメリカ訪問。
私自身大いに楽しみにしている。
商売はお客様と楽しさが、
反射するのです。
呼応するのです。
共鳴するのです。

だから最後に「元気を出そう」

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気を出そうよ。
それがあなたの役目です。

猛暑・残暑で売れなかった。
それはお客さんの元気がなかったからか。
暖冬でまたまた売れなかった。
お客さんたちが買うことに疲れたからか。

いいえ、そうではありません。
お客さんには欲しいものが見出せなかった。
買いたい気分が生まれなかった。
商品やサービスにがっかりした。

あなたの元気は商品に乗り移る。
あなたの元気は店を活気づかせる。
あなたの元気はお客さんを励ます。
仲間を、取引先を勇気づける。

元気とは心の躍動です。
元気とは強いコミュニケーションです。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それが今、あなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。

では、みなさん、今週も、
Good Monday!

<結城義晴>

2012年08月19日(日曜日)

ジジと夏のおわり[日曜版2012vol34]

ジジです。
20120819202827.jpg

あつい夏も、
おわりにちかづいた。
20120819203003.jpg

甲子園も、そろそろ、
おおづめです。
20120819203045.jpg

ロンドン・オリンピックで、
あんなにもりあがったのに、
もう、つぎは、甲子園でもりあがる。
20120819203102.jpg
もりあがりながら、
もりあがりながら。

そうしながら、
すこしずつ、ニッポンの夏は、
おわっていきます。
20120819203123.jpg

にゅどうぐも。
20120819205853.jpg

でも空は、
ちょっとずつ、
かわってきた。
20120819203143.jpg

それでも陽ざしは、
まだまだ、つよい。
20120819203232.jpg

夏の花は、ちからづよい。
20120819203254.jpg

きいろのダリア。
20120819203320.jpg

しろいダリア。
20120819203339.jpg

あかいダリア。
20120819203453.jpg

すばらしい。
20120819203413.jpg

夏のエネルギーが、
いっぱい、つまっている。
20120819203433.jpg

エネルギーがいっぱいにみたされるから、
きっと、夏はおわるのです。
20120819203522.jpg

雪の結晶のような花。
20120819203543.jpg

そこに蜜を吸いにくるチョウ。
20120819203604.jpg

ああ、夏のおわり。
20120819203741.jpg

ボクはそう、おもいます。
20120819203815.jpg

そして夏の夕ぐれ。
20120819203843.jpg

もしかしたら、
一年でいちばんよいころです。
20120819203912.jpg

日の光と木々のかげ。
20120819203948.JPG

昼と夜のあいだのような、
夏と秋のあいだの景色。
20120819204009.jpg

空と木々。
20120819204040.jpg

ああ、ことしの夏も、
おわります。
20120819204103.jpg
ありがとう。

<『ジジの気分』<未刊>より>

2012年08月18日(土曜日)

「一日一食」主義と食料自給率向上の「無駄削減」と日本食品産業

入道雲。
積乱雲。
20120818224825.jpg
ラテン語学術名は、
Cumulonimbus(キュムロニンバス)。

その積乱雲のあと、
雷が発生したり、
大雨になったりする。

だから「雷雲」ともいう。
英語では、“Thunder cloud”。

各地で、そんな積乱雲のあとの大雨。

こうして少しずつ、秋に近づく。

8月8日の立秋から、
いま、8月23日の処暑に向かう日々。

さて「一日一食」がちょっとしたブーム。
私の友人のサービス業経営者が実践していて、
「成果が上がっている」と証言。

「16時間断食」も流行している。
これも同年の友人が実行して、成果を上げた。

お断りしておくが、
メタボリック症候群気味の私は、
どちらもやっていない。

「16時間断食」の方は、
第1に夜8時以降は食べない。
第2にお昼は炭水化物を中心に好きなものを食べる。
第3に朝は果物、または具なし味噌汁を食べる。

「一日一食」に火をつけたのは、
南雲吉則著『「空腹」が人を健康にする』
サンマーク出版から1月18日に発刊され、
発売後1カ月で20万部のベストセラー。

著者はナグモクリニック総院長。
30代の頃、暴飲暴食で77kgまで太った。
そこで、さまざまなダイエット法に挑戦。
「1日1食」に到達。

いわゆる「腹ペコ生活」。
1日の食事は夕食だけ。
その1食は好きなものを食べる。

結果として、体重62kgを維持、
56歳とは思えない若々しさ、
人間ドックでの血管年齢26歳、
骨年齢は28歳との判定。

南雲さんの根拠の第一は、「サーチュイン遺伝子」
これは“長寿遺伝子”“若返り遺伝子”とも呼ばれるもの。

この遺伝子は、「人間の生命力を司る」とされる。
そのスイッチをオンにする条件が「空腹」。

南雲さんは、自分自身の体験をもとに、
「一日一食」が人間にとってベストな食事法だと主張。

これはこれで、ひとつの考え方。
採用するか否かは個人の問題。

しかし日本国民全体が「一日一食」や「16時間断食」に取り組んだら、
スーパーマーケットやコンビニ、フードサービス業、
そして食品製造業、食品卸売業は、
どうするんだろう。

そんなことを考えてしまった。

一方、今朝の日経新聞の社説。
「食料のムダ削減に知恵絞れ」。
こちらは日本の食料自給率からの発想。

「政府が発表した2011年度の自給率は、
供給熱量で計算した数値が2010年度と同じ39%だった」

熱量換算だけではなく、
金額換算も考慮に入れよという説もある。

それはさておいて、社説は、、
企業や消費者の努力で「自給率を引き上げる策」を主張する。
「それは食料のムダを減らす努力だ」

農林水産省の推計。
年間9000万トン強の農水産物が日本国内に供給される。
そのうち約1900万トンが、
食品メーカー、外食、小売店、
家庭などで
捨てられる。

しかも「500万~900万トンは食べられる食料」。

廃棄食品を減らせば、
自給率は上がる。

これが第1の主張。

食べられる食料で廃棄されるものの多くは、
家庭や外食での食べ残し、
小売店の売れ残り。

農水省は2009年3月に、
「食品のムダ削減に向けた対応策」をまとめた。

「小売店に賞味期限に近づいた商品は
値引き販売などで『売り切る努力』を求めた」

しかしこの面では、特にコンビニで、
「見切り販売」は進まない。

一方、「売れ残りや食品の製造過程などで出る廃棄物も、
飼料・肥料としての利用は可能」

廃棄食料を飼料に使え。
廃棄食料は貴重な資源に変わる。
これが、社説の第2の主張。

日本の飼料自給率は26%。
国産の飼料を増やせば
食肉や乳製品など畜産物の安定供給につながる。

こちらは特に多店化した外食産業は、
「食品メーカーなどに比べ廃棄物の利用率が低い」と指摘。

「食料の無駄を減らす」
もっともな主張だ。

一方、「一日一食」主義。
これも当人たちにとっては、
真剣なテーマ。

しかしこれらがもし、
一挙に実行され、実現されたら、
日本の食品産業はどうなるのか。

このことに対して企業はどう考え、
どう責任を持つのか。

このときに、
「損得より善悪を先に考えよう」と、
言い切れるために、どう行動するか。

商人舎エグゼクティブ・コーディネーターの川勝利一さん。
トレーメーカーのトップ営業マンだったころ、
「我々の仕事は社会悪だ」と言い切っていた。

もちろん川勝さんの営業成績は、抜群だった。

「食品の製造・流通・小売り・サービス」は、
社会悪では、もちろんない。
しかし、その供給競争のなかで、
それが過剰になるとき、
企業の責任はどうなるのか。

つねに「社会悪」という刃を自らに突き付けつつ、
社会に貢献できる仕事を模索したい。

結論は、
より価値の高い食品提供を追求し続ける。
これしかない。

<結城義晴>

2012年08月17日(金曜日)

ウォルマート「完全復活」と大衆受けしない「ポピュリズムとの戦い」

お盆が明けて、
商人舎からのお知らせ。

このホームページの巻頭にて告示。
第1は「秋のUSA研修会Specialコース」
10月30日~11月6日。

経営戦略、競争対策、商品政策、
その具体的対応として、
フォーマット戦略と、
ポジショニング戦略を学ぶ。

ダラス、ワシントンDC、ニューヨーク。

アメリカ小売業、チェーンストアの大潮流をとらえ、
日本流通業の戦略を鮮明にする。

それが目的。

今朝の日経新聞で、
米国小売業の最新報告記事が掲載された。

タイトルは、
「米小売り、値引きで消耗戦」

「景気回復ペースが緩やかで
消費者の低価格志向が進行」

エブリデーロープライスを構造化したウォルマートが、
その結果、復調。
「他を引き離す構図」が出来上がった。
20120817212943.jpg

「限られた“パイ”の争奪で苦境に陥る企業も目立っている」。

「失業不安やガソリン高など
心配が尽きない消費者を手助けしていく」。
スーパーセンター事業部門のルイス最高執行責任者は語る。
20120817212953.jpg

ウォルマートは今年、
食料品だけで10億ドル規模の値下げ計画を表明。
1ドル100円換算では1000億円。
20120817213022.jpg

同時に品揃えを増やす。
20120817213046.jpg

プロジェクト・インパクト戦略の修正は完全に終わり、
売場にも島陳列のアクションアレーが復活。
20120817213034.jpg
やっと強いウォルマートらしくなってきた。

既存店売上高は今年の第2四半期の5~7月期、
4四半期連続でプラスを記録。
20120817213011.jpg
日経の記事は、「完全復活」と書く。

その一方で、ダラーストアが絶好調。
ダラー・ゼネラル、ファミリーダラー、ダラーツリーの三者。

「ファミリー・ダラーは3~5月期に、
2ケタの増収増益を達成」。
20120817220907.jpg

さらにこれは私の見方だが、
ウォルマート以上の低価格を実現させている3社が絶好調。
コストコ、アルディ、ウィンコフーズ。

「こうした状況でウォルマートという“巨艦”が
値引き攻勢で収益をあげるにつれ、
資本力で劣る同業他社は追い込まれていく構図」

その事例としてスーパーバリューがでてくる。
「価格競争激化で食品スーパー部門が不振」
かつてのエクセレントカンパニー・アルバートソンも、
その3分の1ほどの店舗はスーパーバリュー傘下。
20120817220919.jpg
そんな店舗群の閉鎖や、
スーパーマーケット部門売却の観測も。

米国はますます、
勝者と敗者が鮮明になってきた。

「ウォルマートと中小業者の顧客争奪は、
さらに過酷なものになりそうだ」
日経記事の総括。

その「ウォルマート株、今年2割上昇」の記事も。
7月末に株価は75.24ドルを付け、
「過去最高値を更新」。
20120817212932.jpg

世界的な景気の不透明感が強まる中、
業績安定の小売業界の「勝ち組」に、
投資マネーが流れ込んでいる。

米著名投資家ジョージ・ソロス氏も、
4~6月期にウォルマート株を新たに組み入れた。

ウォルマートの第2四半期5~7月期決算。
純利益が40億1600万ドル、前年同期6%プラス。
売上高は1135億ドル、プラス5%。

米国スーパ―センターの既存店売上高は2.2%増。
これは市場予想を上回った。

CEOのマイク・デュークは、
ウォルマートとしては当たり前のことを口にした。
「顧客への低価格戦略を進めた」

このウォルマートと、
それに対抗する企業群をしっかり学ぶのが、
商人舎Specialコース。

テキサスのHEBをはじめとして、
コストコ、アルディはもちろん、
クローガー、セーフウェイ。

さらにウォルマートと異次元の競争をする各社。
ウェグマンズ、ホールフーズ、トレーダー・ジョー。

そして最新トレンド。
イータリー、デュアン・リード、スチューレオナード、エトセトラ。

経営戦略を考察するには、
これ以上ないという研修会。

アメリカ視察の場合、
航空券の手配に期限があって、
出発45日前までに名前を決定しなければならない。

つまり9月中旬。

お早目の申し込みをお願いしたい。

ホームページ巻頭の告示の第2は、
「第2回商人舎ミドルマネジメント研修会」
今年5月末の第1回は、
お陰様で大好評。

成績優秀者の発表も行われて、
参加企業のミドルマネジメントの意欲は飛躍している。

第2回は、11月13日~15日。
2泊3日の完全合宿制。
今回は湯河原に泊まり込んで、
隔離状態をつくる。

学んで、身に着けて、帰る。
だからすぐに行動できる。

この研修会は、ピーター・ドラッカーの考え方を基礎にしている。
さらにリーダーシップ、チームワークなど、
最も重要な考え方とその技術を強調する。

ウェグマンズが働きがいのある企業ランキングに上位にいるのも、
ホールフーズに入社希望者が殺到しているのも、
最新のマネジメントの考え方が、
これらの企業に貫かれているからだ。

ウェグマンズの鍵を握るのは、店長である。
しかし、店長はリーダー。
20120817215931.jpg

店長教育の一環として、設けられているのが、
「改革チーム」「トレーニング・チーム」プログラム
「改革チーム」は、改革したい部門や課題が生じると編成され、
1店舗で実験を行う。
20120817215945.jpg

実験が成功すれば「トレーニング・チーム」が登場。
全店舗は6エリアに分類され、
エリア代表店の担当者が実験店の成功を学び、
「トレーニング・チーム」となり、全エリア店に普及させる。

だから顧客志向が徹底されたオペレーションが実現する。
20120817215955.jpg
今月の商人舎標語、
「学ぶ組織・教える組織」

ウェグマンズはまさしくこのスローガン通りの企業だ。
そして商人舎ミドルマネジメント研修会は、
それをおおきな主題にしている。

ホールフーズマーケットも、
店舗は部門組織ではない。
チーム組織だ。
20120817220007.jpg

店長もアソシエーツも、
「チームワーク」のプログラムのなかで、
学び、教える。
20120817220018.jpg

そこからホールフーズの進化が実現される。
20120817220029.jpg

商人舎ミドルマネジメント研修会は、
150人限定。
満員になり次第、締め切る。

こちらも、早めのご検討、
よろしくお願いしたい。

さて今日の最後は、『大機小機』。
コラムニスト隅田川氏が、
「ポピュリズムとの戦い」を書く。

「日本経済の立て直しのためには、
財政の再建と成長力の引き上げが車の両輪となる。
このうち財政再建は、
ポピュリズムとの戦いがカギとなる」

「財政再建のためには社会保障費を削り、
税・社会保険負担を増やす必要があるが、
いずれも国民に不人気な政策となるからだ」

コラムニストは、政府の「日本再生戦略」にも、
「3つの重要な部品が欠けている」と指摘する。

第1は、「エネルギーの安定供給に向けた指針」。
「原発への依存」に関しても、明確な筋道が必要。

第2は、医療福祉分野を支える社会保障の制度的枠組み。
財政的、制度的展望が示されていない。

第3は、環太平洋経済連携協定(TPP)への対応。
農林漁業の活性化に関連する重要案件。
しかしこれにも明快な方針がない。

コラムニストは言う。
「この3つの部品は、いずれも
国民に厳しい選択を迫るものばかりである」

「今後、欠けた重要部品を補って成長政策を進める上では、
国民に不人気な政策にも取り組む必要がある。
成長政策もまたポピュリズムとの戦いとなるのである」

ポピュリズムとは、
「情緒や感情によって態度を決める大衆を重視し、
その支持を求める手法」

だから「ポピュリズムとの戦い」とは、
「大衆受けしないけれど、
必須の方針を貫くこと」。

商人舎のアメリカSpecialコースも、
ミドルマネジメント研修会も、
「売上げを上げ、利益を生み出す」といった、
大衆受けするテーマの研修会ではない。

売上げと利益が重要なことは、言うまでもない。
しかし、それが短絡的に上がることない。
アメリカの状況を見ても、それは明らかだ。

だからこそ、
経営戦略とマネジメントが、
企業には今、必須であると思う。

アメリカでウォルマートの脅威に対抗できる者は、
フォーマットとポジショニングの経営戦略と、
リーダーシップとチームワークのマネジメントを、
軸のぶれなく、コツコツ積み重ねてきた企業である。

<結城義晴>

2012年08月16日(木曜日)

日経新聞「シニアが拓く”終活”」と渥美俊一「人口動態のままにせよ」

盆の明け。

竹島に、尖閣列島。
日本国は「成熟国」として、
毅然たる態度を。

ただし是非とも、国際世論を味方につけたい。
それがまた、成熟国の態度。

オリンピックやスポーツで、
「大国」ではなく「成熟国」を実現させるに似ている。

そのオリンピックが終わると、
夏の甲子園高校野球の季節。

もう、2回戦が進み、3回戦へ。
これから準々決勝あたりが一番面白い。

そのなかで、ロンドン・オリンピックで言えば、
ジャマイカのウサイン・ボルト並みの投手が出てきた。

桐光学園・松井裕樹。
我が地元・神奈川県の、まだ2年生ピッチャー。

第1回戦では今治西高から奪三振22で完封。
第2回戦は常総学院から5点取られたものの、
19奪三振。

まったく痛快な投手。

常総学院の佐々木力監督のコメント。
「18くらい取られるのでは……と言っていたが、
本当に取られた」
ただし一つ多くて、19。

桐光学園の野呂雅之監督とは、
私、何度か同じ会合に出たことがある。

私が小学生のジュニアソフトボールにかかわっていたころ、
優秀でやる気のある選手は、
卒業してから港北シニアに行った。
中学生の硬式チーム。

私が最後に監督を務めた時のエースで4番の選手は、
東海大相模高校に行った。

野呂監督は当時、桐光学園のコーチで、
港北シニアの会合にスカウトにやって来ていたのだ。

ユーモアのある太っ腹の男。

その野呂監督が探し出した逸材が松井。
ほんとうに楽しみだ。

世の中、いつもいつも、
楽しいことが降って湧いたように、
やってくる。

それでも、
「夏もピークを過ぎ、
人の優しさが沁みる季節である」

フリーアナウンサーの住吉美紀さんの言葉。
ほぼ毎日更新の『すみきちブログ』から。

その通り。

急に、味わいの深いコーヒーが飲みたくなったりする。

さて、毎日更新ブログついでに、
『佐藤勝人の一刀両断』。
「お盆期間中にお休みの
小売業や飲食業やサービス業が
結構目につくなー」

「その殆どは
中小チェーン及び
家業店及び生業店が多い」

「よく考えたら定休日で
年間52日も店を閉め
さらに年末正月に
ゴールデンウイークに
お盆と平気で店を閉めるから参っちゃう」

「それで売り上げが厳しいとか
お客が来ないとか言われてもねー
あなたのお店に行ったって
いつも閉まってんじゃねーのか?」

「その前に商売ならば
なぜ店を開ける仕組みを
考えないのか?」

「お盆休みぐらいちょっと
旨いご飯でも食べようと
嫁と外食に出かけても
休みかよバカヤロー」

「美味しいケーキでも
手土産にと思ったら
休みかよバカヤロー」

「商売の本質を
見誤っているんじゃないのか?
店はオーナーや店主のために
あるんじゃないよね?
『店は客のためにある』」

「世間の休みの時こそ繁忙期の業界が
なぜ閉まってんだ!!!!」

痛快にして真理。

桐光学院・松井裕樹並みに、
拍手。

さて日経新聞が力を込めて、
今週火曜日から一面で連載中。
「シニアが拓く」

「日本人の平均寿命は男性79.44歳、女性85.90歳。
65歳からの人生をざっと20年と見積もれば、
食事や睡眠を差し引いた自由時間は
およそ10万時間

勤続40年の労働時間より多い自由な時間」

どう過ごさせるか、
どうマーケティングするか。
どうビジネスに結び付けるか。

それがこの連載の視点。

「安らかな最期を迎えるための準備の『終活』に、
シニアは精を出す」

「経済産業省の1月の調査では、
60歳以上のほぼ4割が葬儀の事前準備セミナーなど、
終活サービスの利用に興味を示した」

立教大学大学院の一昨年のある修了生の論文テーマは、
「エンディング・ビジネス」だった。

「終活」は「就活」のごろ合わせで、
ちょっと流行らせようとの意図もあるのかもしれないが、
「エンディング・ビジネス」もなかなかよろしい。

その65歳以上の人々、
「一人暮らしは11年で469万7000世帯。
夫婦のみも459万6000世帯」

「4人に1人が65歳以上――」

「700万人の団塊の世代が加わり、
シニアの存在感は一段と高まる」

「1500兆円とされる個人の金融資産。
その3分の2は60歳以上が保有する」

「世帯平均所得が538万円と、
23年ぶりの低水準」

そんななかで、
「現役世代は親からの資産継承なくして
将来への展望は見通せない」

「シニアの親と現役世代の子。
家計のつながりは強まる一方」

家計経済研究所の調査。
「親から経済的な支援を受けている既婚世帯は
全体の2割強」
「住宅購入の支援に限れば、
11年は7万3000人が
贈与税の非課税制度を利用」

第一生命経済研究所の調査。
「60歳以上の消費支出は
2011年で100兆円
を超え、
日本の個人消費の45%を占めた」

総務省の家計調査。
「65~69歳の1世帯あたり消費支出は
6月まで12カ月連続で前年同月を上回る」

「6月の支出額は前年同月比4.6%増の27万2649円」
全世代平均の伸び率は1.5%」

インプレスR&Dの調査。
「60歳以上の男性の13.6%がすでにスマートフォンを使いこなす。
『購入を検討中』『将来的には購入する予定』との合計は41.0%。
最新機器に示す興味は旺盛」
結城義晴も、半月後にはこの仲間に入る。

今日の記事のなかで、
イオン村井正平専務執行役のコメントがある。
ちゃんと村井さんの年齢も、62歳と断ってある。
「年間のマーケティングスケジュールを
見直す必要がある」。

「今夏は帰省シーズンに合わせ、
ランドセルの品ぞろえを4割近く増やし、
全国のスーパーで展開した」

「従来、お盆は食品の品ぞろえを増やしてきた。
今は孫向けの買い物需要が大きい」。

「シニアの存在感が大きいのは、
レジャーやエンターテインメントといった『コト消費』」

「65~69歳世帯の6月の教養娯楽サービスへの支出」。
2万0761円。
消費支出に占める割合は8%。
全世代平均は6%」

日経のこの3日間の記事には、
こまごまと事例が紹介されている。

是非、読んでいただきたい。

私自身、9月から、
シニアと呼ばれる仲間に入るのかもしれないが、
私のちょっと上の年代が「団塊の世代」。

この世代を中心に、
ビジネスを組み立てねばならないことは、
確かだ。

故渥美俊一先生は、
標語をつくるというやり方はとらなかった。
データと情報と論理の人だった。

しかしその言わんとするところを結城義晴なりに標語にすると、
「人口動態のままにせよ」

渥美先生にはボルト並みに、脱帽。

<結城義晴>

2012年08月15日(水曜日)

8月15日、お盆中日と終戦記念日に思う

お盆中日。

墓参りや先祖供養をする家、人々。
家族と、友人と、休暇を楽しむファミリー、グループ。
顧客満足のために仕事に勤しむ商人、商業。

その今日8月15日は、
終戦記念日。

第二次世界大戦、太平洋戦争に、
日本が敗戦した日とされる。

日本政府は、今日を、
「戦没者を追悼し平和を祈念する日」としている。

しかしその戦争終結の日には、
いくつかの説がある。

第1は、1945年8月14日。
日本帝国がポツダム宣言の無条件降伏を受諾した日。

第2は、1945年8月15日の今日。
昭和天皇による終戦詔書の玉音放送の日。
つまり降伏が帝国国民に公表された日。

第3は、1945年9月2日。
日本帝国政府が降伏文書に調印した日。

そして第4は、7年後の1952年4月28日。
サンフランシスコ平和条約発効の日。
国際法上、連合国と日本の戦争状態が終結した日。
この日は、日本が完全な独立を回復した日でもある。

旧日本帝国政府は、
お盆に入ってからポツダム宣言を受諾し、
お盆中日に玉音放送をして、
自ら敗戦を認め、国民に知らせた。

その後、9月に入ってから、
連合国との間に正式の降伏文書が調印され、
さらに46年から48年までの東京裁判など、
戦争終結の処理業務が行われ、
7年後の1952年に平和条約が発効された。

しかしこの間、1950年から1953年まで、
朝鮮動乱が勃発している。

日本で平和条約が効力を発揮し始めたとき、
朝鮮半島では南北の戦争が起こっていた。

サンフランシスコ平和条約から60年。

私は今年9月2日、還暦を迎える。
私にとっても特別の夏である。

糸井重里さんが、
『ほぼ日』の巻頭言「今日のダーリン」に、
吉本隆明さんのことを書いている。

「戦争が敗戦というかたちで終わった日。
愛国的な考えの学生だった吉本青年は、
なにを感じればいいか、なにを考えていいかもわからず、
海に飛び込んでずっと浮かんでいた」

その吉本さんのことを糸井さんは語る。
「悲惨な戦争、憎むべき戦争という考えのなかで、
一兵士として死に、さらにもう一度、
人として否定されねばならない友のことを、
必死でかばおうとしていたように見えました」

日本人にとって、とても大切なこと。
みんなが憶えておきたいこと。

「戦争のなかの『近所の友たち』を大切に思う気持ちと、
戦争を無くしたいと思うこととが、
どちらも成り立つような考えがあることを」

1945年8月15日から67年。
「戦没者を追悼し平和を祈念する」とは、
二つのことを意味している。
戦争のなかにいた友たちを大切に思う気持ち、
戦争をなくしたいと考える思想。

しかしそのことを確認した平和条約が結ばれた時にも、
朝鮮動乱は起こっていた。

今日は、お盆中日。

墓参りや先祖供養をする家、人々。
家族と、友人と、休暇を楽しむファミリー、グループ。
顧客満足のために仕事に勤しむ商人、商業。

そして戦争と平和を考える人、メディア。

今日8月15日、
蝉がジイジイ、
鳴いている。

<結城義晴>

「月刊商人舎」購読者専用サイト
月刊商人舎 今月号
流通スーパーニュース
月刊商人舎magazine Facebook

ウレコン

今月の標語
商人舎インフォメーション
商人舎スペシャルメンバー
商人舎発起人
海外研修会
2026年USA研修会
国内研修会
第18回 ミドルマネジメント研修会

東北関東大震災へのメッセージ

商人舎の新刊
前略お店さま

チェーンストア産業ビジョン

結城義晴・著


コロナは時間を早める

結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

結城義晴の著書の紹介

新装版 出来‼︎

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》

新装版 店長のためのやさしい《ドラッカー講座》
(イーストプレス刊)

新着ブログ
毎日更新宣言カレンダー
2026年8月
« 7月  
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031 
指定月の記事を読む
毎日更新宣言カテゴリー
毎日更新宣言最新記事
毎日更新宣言最新コメント
知識商人のためのリンク集

掲載の記事・写真・動画等の無断転載を禁じます。商人舎サイトについて
Copyright © 2008- Shoninsha Co., Ltd. All rights reserved.