結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年06月23日(月曜日)

最後の「節約、倹約。もったいない」と結城義晴流クールビズの法

Everybody! Good Monday!
ジャスミン1
梅雨の合間のジャスミンの花。ジャスミン2

梅雨空の中、6月最終週です。
今月の商人舎標語
「節約、倹約。もったいない」
最後の1週間です。

徹底のほどを。

徹底とは?

①詳細に
②厳密に
③継続する

すなわち、
①細かく
②厳しく
③続ける

そうです。

そうすれば、南から順に梅雨が明け、
夏の太陽が顔を出してくれます。

消費性向も、上がります。
お客様の「買おう」という気分が、
盛り上がってきます。

 

さて、クールビズ真っ盛り。
今日、明日と2日続けて会議ですが、
クールビズ。

私流の「クールビズ」。
ちょっとお洒落ポイント。

まず、第1に笑顔。
クールビズに、しかめつらは似合いません。
いつもニコニコ。
カジュアルで、ラフな服装の、
その上に乗っている自分の顔を意識する。

第2は、シャツ。
襟元にワンポイント、アクセントのあるシャツを着る。
ネクタイというバランスをとる要素がないのだから、
ネクタイの代わりを襟が果たす。
だから私は、ボタンダウンのシャツを、
多用します。

第3は、そのシャツの下に、
ちょっと見えるTシャツ。

これは、私の場合、必須です。
真白で、伸縮性があって、
首回りがしまって見えるもの。

ここにカラーを入れると、
若者になってしまいます。
私の場合、真白。
アメリカのターゲットのものか、
日本のユニクロのもの。
ターゲットが断然、優れていたのですが、
ユニクロが急追。

汗を吸い取ってくれて、
地肌をさわやかに保つ。
Tシャツは不可欠です。

締まったTシャツでなく、
いかにも下着といったものが見えるのは、
いただけない。

さらに私は、ジャケットを、
できるだけ羽織るようにします。
ある程度、年のいった大人は、
クールビズでも、きちんとしていたい。

 

ただし私のクールビズには、
ひとつだけ隠し玉があります。

昔々の「開襟シャツ」。
これは特別に買わねばなりません。
開襟シャツの時は、
絶対に下にはランニングシャツを着る。
それが、薄手の開襟シャツに透けて見える。
ズボンは、オーソドックスなグレンチェックなど。
そしてこの時は、上着はつけません。
扇子など持てば、万全。

さていかがでしょう。
クールビズ、
楽しんでみませんか。

やはりポイントは、笑顔です。
これに尽きる。

 

ところで、ユニクロ、絶好調。
5000人のパートタイマーを、
地域限定正社員にする制度で、
モラールが上がった。

もともとユニクロは、標準の店舗で、
正社員は店長と副店長の二人だけでした。
店長一人という店もあった。

そこに転勤のない地域限定の正社員が、
一人、二人と増えた。
モティベーションが上がった。
作業の能率が上がった。
残業も減った。
退職者が減ったから。

コンビニでも、やがて、
正社員が増えるかもしれません。

クールビズは、
働き甲斐を、自分に、
提供してくれます。

楽しくなければ、
人生ではない。

では、今週も、
ハードに、エンジョイしましょう。

これもオクシモロン。

ただし、笑顔を忘れずに。

Everybody! Good Monday!

<結城義晴>

2008年06月22日(日曜日)

ジジの梅雨[日曜版]

ツユです。そとは雨。
自由が丘
ジユウガオカのハナヤさん。

ボクのうちのベランダにも、雨。
ベランダ

でも、おとうさん。
ボク、あれほしい。
おとうさん

あれです。
おなかすいた。
あれ

ほら、
あれですよ。
見る1

わかるでしょ?
あれです。
ハナヤよりダンゴ。
2

ボクの「いちばん大切なもの」
もう一度見る
おとうさんの本の題名にもある。

おとうさんも、
食器
みればわかるでしょ?

「ありがとう」
「もうちょっとだけ、たくさん」
ありがとう

「………」
銀のごみ箱

ボクのために いちばん大切なもの。
食べる
おとうさんも勉強してください。

そとは、ツユだけど、
ボクは「ありがとう」
いっぱい
おなかいっぱい。
しあわせ。

いつまで、ツユは、
つづくのでしょう。
花屋
ハナヤさんの花は、
とてもきれいにみえるけれど。

ボクは、ハナヤよりダンゴ。

[ツイシン]
ボクとおとうさん、
先週、タイガーをオーエンしました。
ナマエが、ボクのナカマ。
アシがとてもいたかったのに
ユーショーしたそうです。
タイガー
おめでとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2008年06月21日(土曜日)

アイダスグループ25周年を記念して頂いた「マイ箸」とコンビニCO2排出量削減のこと

親友・鈴木國朗さんの会社㈱アイダスグループが、
目出度く25周年を迎える。

昨20日は東京・お台場で、その鈴木さん、
そしてコンビニの専門家・小森勝さん、
電通消費者研究センターの土井弘さんと研究会。

アイダスグループは、
1984年2月の創業だから、私の『食品商業』編集記者時代。
スーパーマーケットのマーチャンダイジングとプロモーションが専門。
経営戦略、販売政策、商品政策、店舗レイアウトと棚割計画、
そして販売員のサービレベルアップの指導に関しては、日本有数。
メーカー、ベンダーへのコンサルティングも多い。

さてそのアイダスグループ25周年の記念品を頂戴した。
「マイ箸」
マイ箸1
左が男性用、右が女性用。

「携帯箸」と商品説明書には書いてある。

袋を開けると、写真の二本に分かれた箸が出てくる。
白鉄刀木(しろたがやきん)という堅い木が使われ、
生漆を何度も塗ってはふき取るという工程で仕上げられている。
マイ箸2

ネジでつなぐと、長めの、手になじむマイ箸となる。
マイ箸3
これを持ち歩いて、食堂やレストランでの外食のときに使う。
すると「割り箸を使わない」という環境配慮になる。

それこそ鈴木さんの配慮が染み込んだ記念品。

ありがたい。

最近、鈴木さんは、大好きな車にも乗らなくなった。
歩き、自転車、公共交通機関を使う。
タバコも止めた。

マイクロソフトのビル・ゲイツが、
正式に第一線から引退して、
慈善事業に軸足を移すという。
個人資産6兆円のほとんどを、
ビル&メリンダ・ゲイツ財団に寄付をして、
最貧層の人々の健康を脅かす問題の解決に邁進する。

鈴木さんは、ビル・ゲイツの一つ下。
ゲイツ世代だが、
そんな感慨もあるのだろうか。

さて、そんな20日、
日本フランチャイズチェーン協会が、記者会見。
会長の土方清さん(サークルKサンクス会長)らは語った。
「コンビニエンスストアが、
深夜営業を減らしても、
二酸化炭素の削減効果は小さい」

「全国のコンビニ約4万2000店が、
営業時間を7時から23時に短縮しても、
削減できる排出量は現在の4%程度にとどまり、
国全体の二酸化炭素排出量の0.009%にしかならない」

私はこの発言、朝日新聞で読んで、残念に思った。
土方さんご自身のことを言うのではないから、誤解のないように。

コンビニ業界全体に、
自分たちが悪者にされているという負い目が強すぎる。
だから0.009%などという。

いっそのこと「コンビ二は社会的必要悪です」くらいのこと、
言ってもよい。

「だが日本の社会のなかで、
コンビニはこれだけ大きな貢献をしている。
世の中を便利にしている。
そして今のところ、これくらいしか削減効果はないが、
先頭を切って、環境問題に努力する。
その決意である。
例えば、コンビニは最も近隣型の小売業であるから、
まず徒歩と自転車でのお客様を優先する。
お客様に徒歩と自転車来店を積極的に呼びかける。
それが二酸化炭素削減に寄与することになる」

 

このくらいの大見得の切り方があってよかった。

「目の前のゴミを、
私がここでひとつ拾うことで、
地球上から確実にゴミがひとつ減る。
そう思って、ゴミを拾う」

アイダスグループの「マイ箸」、
ビル・ゲイツの6兆円の慈善事業。
そしてコンビニのCO2削減。
姿勢という意味で、みんなつながっている。

<結城義晴>

 

2008年06月20日(金曜日)

商人舎特別研修会「渥美俊一&結城義晴」二人のビッグセミナー、心から感謝

昨日6月19日、東京・大塚のホテルベルクラシック東京。
商人舎主催の記念すべき第1回目の特別研修会が開催されました。

ご参加くださった皆さん、
ご協力くださった皆さん。
ありがとうございました。
心から、感謝します。
渥美先生1

メイン講師が、渥美俊一先生。
ご存知、日本リテイリングセンターチーフコンサルタント。
ペガサスクラブ主催。
「ビッグストアづくりの原則」
これが渥美先生のテーマ。

「ビッグストア」という用語は、
日本の流通業界では、実は3つの使われ方があります。
最近は、あまり使われなくなったけれど。

第1が、日経新聞が使っていた文字通り「大型の店」という意味。百貨店、総合スーパーなどが1店ずつが統計に上がっていました。
第2は、かつての『販売革新』誌などが使っていた「総合スーパー」という業態フォーマットの意味。日本型GMSなどと同意。
そして第3が、ペガサスクラブで使っている「年商50億円以上の小売業・食堂業」という意味。

つまり、「ビッグストア」という用語は、それぞれ、
①店舗
②業態
③企業

の三つの意味に使われていて、
それが混ざっていたのです。

今回は、この第3番目の意味をタイトルにしました。
ビッグストアとは、
企業が成長し、生き残るための基礎単位と考えられます。
そのビッグストアとして50億円を突破するには、
いかに考え、いかに行動するか。
これが昨日の主題。

いかがだったでしょうか。

渥美先生は82歳。
まだまだお元気で、
現在は、60分講義が1回当たりの最長時間と、
医者から言明されています。
だから、13時から14時までと、
15時30分から16時30分まで。
良い講義でした。
渥美先生2

人生の方針はまず4つの選択肢から自分の道を選ぶところから始まる。
A型 生きがい、やりがいを求めない
B型 生きがい、やりがいを求めるが、商業以外の所に求める
C型 生きがい、やりがいを求めるし、商業の世界で求めるが、趣味・こだわり型
D型 生きがい、やりがいを求めるし、商業の世界で求める、国民大衆型
この4つの選択肢のどれをあなたは選ぶか。
ここから、スタートする。
渥美先生は、D型を選んだ人とともに、
チェーンストアを産業にしようと考えています。

渥美先生の話は、人生のことなのです。
自分の生き方のことなのです。

チェーンストア産業を構築し、
国民大衆の暮らしを豊かにする。
そのための準備段階が「ビッグストアづくり」だというのです。
渥美先生3

私は、渥美俊一の翻訳者に徹しました。
ただし、私は「商業の現代化」を旗印にしています。
そのためにどうするか。
結城
私の持ち時間は、やはり2時間。
予定の時間を少しオーバーしてしまって、すみません。

渥美先生は、「結城君のための友情出演」
言ってくださったのですが、
私は、あくまでも商人舎主催で、二人して、
「渥美俊一の思想を語るセミナー」
であったと思います。

二人とも、もっともっと訴えたいことがありました。
これからも、それを続けていきます。
ありがとうございました。

本
私の本も陳列されました。

何事にも準備段階があります。
学校で勉強する場合にも、
小学校は中学の準備段階、
中学は高校の、
高校は大学の準備段階です。

チェーンストアの準備段階がビッグストア。

準備段階という考え方と、
ビジョンという考え方が用意されて初めて、
事業や仕事は人生の目的となるのです。

<結城義晴>

2008年06月19日(木曜日)

「セブン&アイ、農業進出」マーチャンダイジングの本質を福岡での講演会でも語る

「セブン&アイ、農業に参入」
日本経済新聞一面に、
わが商業が取り上げられることが多くなった。

セブン&アイ・ホールディングスは、
3年以内に全国の10カ所に、
農業生産法人を持つ。

そしてイトーヨーカ堂全170店で、生鮮野菜を販売する。
現在、イトーヨーカ堂の生鮮野菜の販売額は、約1000億円。
そして国産比率は、97%。
これを100%にもっていくという。

実際に動き始めた。

千葉県富里市で農家と共同で農業法人を立ち上げ、
イトーヨーカ堂亀井淳社長がその法人の社長になる。
本気である。

現在、日本の農業は国内総生産の1.4%を占めるに過ぎない。
しかし、だからこそ、農業には大きな可能性がある。
日本の農業技術は、世界的に高い評価を持つ。
それが活かされていないだけのこと。

セブン&アイのような、マネジメントがしっかりした企業グループが、
農業に乗り出すことは、大いに期待できる。
その意味で、私はこのことに関心がある。

マーチャンダイジングとは、
1.[Right Merchandise] 適正な商品を
2.[Right Place]適正な場所に
3.[Right Time]適正な時に、
4.[Right Quantity & Quality]適正な量と質を、
5.[Right Price & Cost]適正な価格とコストで、
提供するためのプランニング。

米国マーケティング協会の定義に、
私が加筆したもの。
加筆したところは、
「質」と「コスト」。

この意味では、イトーヨーカ堂の農業への進出は、
マーチャンダイジングそのものだ。

ただし、「工場を持たないメーカー」が、
小売業のマーチャンダイジングと言われた。
「農場を持たない生産者」の道に限界が来たのか。
議論が分かれるところだ。

一つだけ、いつもの注文。

徹底してほしい。

①徹底とは、
②詳細に
③厳密に
継続すること

セブン&アイ・ホールディングスは、
このマネジメントの徹底に関しては、日本の小売業で、
最高の実績を持つ。
だからこそこのグループには、
経営戦略が問われる。
その経営戦略力が試されている。
言わずもがなのことに違いないだろうが。

 

さて、昨18日は、福岡へ。
羽田空港からJAL317便で。
羽田
富士山が、実にくっきりと見えて、
今日の良き日をたたえてくれた。
富士山
私の生まれ故郷、福岡へ到着。
福岡
博多駅近くの博多スターレーンへ。
TERAOKAニューバランスフェアで講演。
講演前に、旧知の㈱スピナ社長の松永大治郎さんが、
訪ねてくれた。
高野公幸テラオカ社長と三人で、写真。
松永さん

元気な㈱トライアルカンパニーからもお二人。
後藤睦男専務(右)、佐々木信良常務(左)。
tanakasannto

ここでの講演は、いつも、熱が入る。
生まれ故郷だからか。
講演
時間は自由に下さっているので、
一応、1時間半の予定だが、
お断りしつつ、2時間20分。
ご満足いただけただろうか。

講演が終了してから、
サイン会。
私の著書『お客様のために いちばん大切なこと』
落款を押しているところ。
川越さんと

そして最後に、九州テラオカ社長・川越(かわこし)純一さんとパチリ。
サイン会
川越さんの顔が異常に黒いのは、テニス焼け。
彼は、日本テニス選手権シニア部門に出場した有数のプレーヤーなのです。

ふるさとでの講演会、
堪能し、満足した。

富士山が応援してくれた気がした。

<結城義晴>

 

2008年06月18日(水曜日)

『お客様のために いちばん大切なこと』重版が決まりました。「こころから、ありがとう」

4月26日発刊の私の本。
『お客様のために いちばん大切なこと』
おかげさまで、重版となりました。
増し刷りです。

ありがたいことです。

お買い求めくださった皆様、
書店、取次店の皆様。
そして中経出版の飯沼一洋さん、
商人舎ファミリーの皆さん。

本当にありがとうございます。

何よりも嬉しい。

 

私はこの本の「はじめに」で書いています。

「私が、この本で訴えたいのは、
『人間のもつ力の尊さ』です。

お客様のために店がある。
お客様のために会社がある。
お客様のために仕事がある。
そしてお客様のために自分がある。
そこでいちばん大切なのは、
『何よりもまず人間を尊重すること』だと思うのです」

この本には、
こうすれば売れるということは、
いっさい書いてありません。
こうすれば儲かるということも、
書いてありません。

こう考えれば、生きがいが持てる。
こう行動すれば、やりがいが生まれる。

そんなことが、書かれています。

そして、そんな生きがい、やりがいを持って生きた商人のことが、
書かれています。

第一章は お客様と仕事
「働きたい会社」と「ありがとう」に満ち溢れた仕事のこと。

第二章は お客様にどう接するか
「ゴールデンルール」や「ブーメランの法則」のこと。

第三章は お客様にくり返し来ていただくために
「ロイヤルカスタマー」と商売のこと。

第四章は 仕事に貫くべき考え方
「小売りの神は細部に宿る」そして『商売十訓』のこと。

第五章は 緊急事態にこそ真価が試される
「新潟県中越地震の」のこと。

第六章は お客様の喜びこそ人生の目的
オリジン弁当の安澤英雄さんのこと。

こんな構成になっています。

そして、お願いです。
この本をお持ちの方、
是非、最後まで読んでください。

第五章、第六章、そして「おわりに」まで、
読んでください。

それがたった一つの、
私からのお願いです。

この世は「ありがとう」によって、
成り立っています。
「ありがとう」が満ち溢れた仕事。
それが商業です。
それが商売です。

こんな本が書けたこと。

心から、感謝しています。

<結城義晴>

追伸
重版に当たって、
1箇所だけ直しました。
というよりも文章を削りました。
さて、どこでしょうか。

今日は、福岡で講演です。
TERAOKAニューバランスフェア
博多スターレーン。13時から。
おいでください。

そして明日は、渥美俊一先生・結城義晴のセミナー。
12時30分から、東京・大塚です。

お申し込みの皆様、お待ちしています。
よろしくお願いします。
商人舎ファミリー、大集合です。

2008年06月17日(火曜日)

イオンおゆみ野SCは中型地域コミュニティショッピングセンターと位置づけよう

食品値上げが相次いでいる。
いつまで続くのかと消費者は不安にかられている。

この消費マインドの不安感が、実は、一番の問題である。
いわば「共通の敵」「みんなの敵」である。

本日の日経新聞一面トップに、
「値上げ食品の売上げ減」という記事が取り上げられている。

ほとんどの商品で、値上げ後に売上げが激減。
しかし伸びているアイテムもある。

日本ハムシャウエッセン。
キリンのどごし。
雪印ネオソフト。
AJINOMOTOキャノーラ油。
日清フーズ マ・マースパゲティ。

一番手ブランドは、値上げ後も、
売上げダウンを免れる可能性を持つ。
二番手以下が、大幅にダウンする。
そしてその二番手以下に取って代わって、
小売業のブランドが購買される。

二番手以下のナショナルブランドメーカーは、
そこでプライベート・レーベルをつくることにもなる。

値上げによって、消費者は、商品の価値を見る目を持った。
類似商品は、いらないと、声を上げ始めた。
それがナンバー1ブランドと、
それと同じ用途・目的のプライベートブランドの、
「複占」状態を生み出しつつある。

「複占」とは、二者によって、
ある限定されたマーケットのほとんどが、
占有されてしまう状態のこと。

値上げによって、商品分野で、それが起こり始めている。

 

さて、お約束どおり、5月30日にグランドオープンしたSCの紹介。
イオンおゆみ野ショッピングセンター。道路から
千葉市緑区おゆみ野南。
24時間営業のマックスバリュおゆみ野店とヤマダ電機が核店。

駐車場1500台、駐輪場550台[これからは駐輪場が重要になる]。
敷地面積は、6万3412。
商業施設の面積は2万4024。
敷地

SC全体の商圏人口は、12万人、約4万2000世帯と設定されている。
建物は、マックスバリュをコアにしたイオン棟とヤマダ電機の棟。

このSCの最大の問題点は、この2棟が離れていながら、
マックスバリュとヤマダが接近していること。
全体の回遊性が悪くなっている。
ショッピングセンターは、
全体最適でなければならない。

これが大原則。
いおん
だからイオン棟は、マックスバリュの1核の様相を呈している。

そのイオン棟、二層のエンクローズドモール形式。
1階

SC

しかし食品スーパーマーケットのマックスバリュは、
レベルが上がってきた。
生鮮食品の鮮度、品揃え、惣菜デリの味とメニュー。
ドライグロサリーの品揃えと価格。
そしてプライベートレーベル・トップバリュのお値打ち感。

オープン初日の取材であったため、
生鮮食品の鮮度などは正確には判断しかねるが、
オペレーションレベルが上がり、
客数が伴えば、生鮮の鮮度は高く維持される。
イオングループに、そのことが分かってきた。

マックスバリュの入り口は、
ヤマダ電機に近い駐車場側からと、
SCコンコース側からとの二つ。

駐車場からの入り口脇に、地場野菜のコーナー。
地産地消。
地場野菜
千葉県は「千産千消」を謳っている。座布団一枚。
県内産地から、ナス、キューリ、トマト、トウモロコシ、
小松菜、ブロッコリなどなど。
千葉県は農産県だ。

メイン通路の島陳列で、キウイフルーツ・ゴールド。
陳列も丁寧。スキルがあがった。
キウイ
手前は籠盛のマンゴーなど。
これも上手な陳列。

主通路右側に、「オーガニック食品コーナー」
全国から取り寄せた。
意欲的試みだが、
まだコーナーづくりでお目見えという段階。
全カテゴリーに有機食品やオーガニックが入ってくるのは、
もう少しか。
オーガに食う

冷凍食品は、平オープンケース。
床のウェットルックは、日本でも当たり前になってきた。
冷凍食品

カレーのエンド。
グランドオープンだから、
そして88円だから、これだけ積むことができる。
エンド
日常的に、これだけのボリューム感を、
エンドで主張出来るようになれば、強い。
12万人商圏のスーパーマーケットならば、
価格の出し方とエンドの組み立て方、ダミーの使い方で、
エンド陳列の迫力を出すことが出来る。
ウォルマートのエンドは、その意味で参考になるはず。

鮮魚売場は、スーパーマーケットの奥壁面沿い。
sakana
調理作業場つきのアイランド形式の売場。
島さかな
客数が多ければ回るが、減ってくれば悲惨。

日配品は、訴求品目を絞り込んで、
ボシューム陳列。
オープン当初だけでなく、
常時、この絞込みと提案があれば良い。
ボリューム陳列

ソーセージは、1アイテム大量販売。
これもよい売場。
ソーセージ

惣菜は、鮮魚部門と同様に、
アイランド形式の売場と、壁面売場の二段構え。
和風惣菜がアイランド側。
総菜島

壁面の角に、デリカテッセン売場。
デリ

そして、SCと面した主通路に洋日配やデザート売場が配置された。
SC側

この形式を、SCでは採用し続けるのだろう。
無理なく、顧客を誘導できる。

SCテナントは1階に52店。
2階に36店。
2

100円ショップのキャンドゥは2階。
キャンドゥ

イオン・ファンタジーも2階。
イオンファンタジー

精文館書店は、マックスバリュと反対側の、
すなわちヤマダ棟とも反対側のエンドで核店の機能を果たす。
1階にはペットシティがあって、これも核店機能。
しかし、この二つでは、SCのアンカーストアとして弱い。
書店

ドラッグは、カラダラボ。
マックスバリュも薬剤師配置のフード&ドラッグであるから、
SCの中に2カ所ドラッグがあることになる。
顧客からみたら、便利だ。
drug

このSCは、赤ちゃん休憩室や、
リラクゼーション施設、スポーツクラブ、
歯科クリニック、美容室、ネイルサロンなど、
非物販を強化・充実させている。
それが、特徴でもある。
さらに外食も、フードコートだけではなく、
レストラン等も16店入れた。
子供

805万本の植樹を掲示したボード。
植樹」

イオンおゆみ野SCは、機能としてみると、
リージョナルショッピングセンターやモールと呼ばれる大型ではない。
ジャスコと呼ぶ総合スーパーや百貨店を核にしているわけではない。

かといってスーパーマーケットを核とした小型SCでもない。
ネイバーフッドショッピングセンターではない。

ではこのSCは何か。
このSCは何を狙っているのか。

マックスバリュのスーパーマーケットとヤマダ電機。
アメリカのショッピングセンターの分類の中型を、
コミュニティ型SCと呼んだ。

このおゆみ野の施設は、まさに敷地2万坪・駐車場1500台の中型SC。。
そして地域コミュ二ティを極めて重視しているところを見ると、
「コミュニティ型SC」といって差し支えないだろう。
このSCは地域との一体感を狙っている。
その意味で、周辺の商業施設と違っている。

富士南SC、泉大沢SCについで、
イオンが地域コミュニティ密着型の中型SC開発に乗り出した。
そう捉えるのがよい。

「中型SC]――中途半端なようだが、
明らかに「ライフスタイルセンター」ではないのだから、
中型コミュニティショッピングセンターと、
位置づけるのが妥当であろう。

SCの位置づけに関しては、議論があろう。
今後、整理を試みたい。

<結城義晴>

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結城義晴・著


流通RE戦略―EC時代の店舗と売場を科学する

鈴木哲男・著

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