
ユウキヨシハルのお父さん、
出張です。
アメリカ。
この秋は、いそがしい。
ボクは、おるすばん。
デトロイトの空港。
タイムトンネル。

ニューヨーク。
マンハッタン。

うらやましいけど、
ボクは、空をとぶのが、
こわい。
だから、おるすばん。

お父さん、
パーク・セントラルというホテルに、
とまった。

シンガポール航空のおねえさんたち。
コロンバス・サークルの大きな像。

どこに行ったの?

「昼は、たくさん、お店を見たよ。
夜は、タイムズ・スクェア」

きいろいタクシー。
地面からユゲ。

きっと、
おいしいもの、
食べたんでしょ?

「いつものように、サンプル・ライフだよ」

[サンプルライフとは:試食のサンプル商品を食べて、お腹を満たすライフスタイル。
ノブ・ミゾグチさんが言いはじめた]
「でも、ドライ・エージド・ビーフの
ステーキハウスにも行ったよ」
「シーフード・レストランもね」

「それ、ジマン?」
ボクは、おるすばん。
いつものように、寝ながら。

でも、はやく帰ってきてほしいな。
いつものように、無事に。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















