結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2008年10月10日(金曜日)

アメリカ小売業はWWTCの時代⇒低価格の極ウォルマートとアルディに品質を感じる

今、現地時間午前2時半。
ブログ更新遅れ、恐縮。

アメリカの小売業で、元気の良い会社。
その頭文字を並べると、
WWTC。

プロレス団体のような感じ。

すなわち、
Wegmans & Walmart ウェグマンズとウォルマート、
Trader Joes & Costco トレーダージョーとコストコ。

昨年までは、WWWTCだった。
これにWhole Foods ホールフーズが入っていた。

ホールフーズも決して悪くはない。
ただ、この5年ほどの絶好調状態には、
ちょっとブレーキがかかった。

そのWWTCのうちのWWを訪れる。

ウォルマートは、この経済恐慌の不況の中、
9月の前年対比既存店売上高がプラスの2%。
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この時期、ハロウィンは最重要プロモーション。
10月31日に向けて、各社とも充実した売り場づくり。
しかし、ウォルマートに勝る者なし。
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売り場の広さ、品揃えの豊富さ、価格の安さ、
そして何よりも楽しさ。
アソシエーツが、自分で楽しんでいるし、
それが売り場によく表現されている。
滲み出ている。

W2
ワンプライスのエブリデーロープライスは、
「Unbeatable」と名付けられて大展開。
「傑出した価格」「誰にも負けない価格」とでもいった意味。

W3
そしてハイ&ローの「ロールバック」も、
程よく配置されていて、購買意欲をそそる。
このエンド陳列も見事。
何度も書いているが、
この1年でウォルマートの売り場プレゼンテーションは、
格段の進化を遂げた。
目に見えてイノベーションが図られた。

10年も前のウォルマートとは、大違い。
実際に、参加団員からも、
「10年前に見たウォルマートとは全然違いますね」と、
ため息の声が漏れた。

デリカテッセン部門の試食も、
たっぷりの量と美味しい提案、
そして清潔な試食セットで、大好評。
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ウォルマートと同様に、Aldi アルディも好調。A1
ご存知、ドイツのボックスストア。
ハードディスカウンターの代表。
そして限定品揃えのリミテッド・アソートメント。
イオンが、実験店をオープンさせたタイプの原型。

最新全米チェーンストアランキング90位。
2007年度年商36億ドル(1ドル100円で換算すると3600億円)、
売上げの伸び率は12.5%。
店舗数は850店で、この伸び率は3.7%だから、
1店当たりの売上げが躍進している。
それが売り場によく出ている。

壁には、
「Unbelievable Quality…
Incredible Saving…
Guarantee」

信じられない品質、途方もない節約、保証します。
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このポークチョップには、驚いた。
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鮮度、品質が確かなのだ。

売り場は、簡素。
徹底して、金をかけない。ローコスト。
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それでも、主通路沿いで、ハロウィン販促。
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人手もかけないが、売り場のレベルは保たれている。
売れている店の感じが、漂っている。
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アルディは、ドイツに本拠を置く会社だが、
アメリカ・ヨーロッパで、
ウォルマートよりも単品を量販しているチェーンストア。

1979年に私は、アルディの米国上陸1号店を、
シカゴの郊外で視察し、取材した。

それをすぐに元気なころのダイエーがコピーして、
「ビッグA」と名付けた。
このAは、アルディからとられた。

その米国アルディ、
傘下にあのWWTCのひとつ「トレーダー・ジョー」を擁する。

トレーダー・ジョーの秀逸さが、
兄弟会社のアルディにも伝わっている。

いま、アメリカの不況の中の好調なディスカウンターは、
「悪かろう、安かろう」では、断じてない。
それが、最大のポイントである。

では、アンチ・ディスカウンターはどうか。
ウェグマンズはどうか。
それは、明日のお楽しみ。

今日は、ここまで。
書いているうちに、午前4時を超えた。

最後に忘れずに「林廣美の金曜日のこの一品」
体育の日につながる3日間。
惣菜部門で、1品に絞って売り込むその1品。

お肉たっぷり酢豚
酢豚
スタミナたっぷりのお肉を大量に盛り込んだ酢豚。
ポイントの第1、黒酢。
黒酢を使えば、酢の効用が高まる。
ポイント第2は、スライス豚肉を使うこと。
スライスした豚肉ならば、製造も簡単。
だからこの1品に絞って、量販できる。

黒酢・スライス豚肉の「お肉たっぷり酢豚」

失敗を恐れない。

さて、ウェグマンズのカテゴリー・マーチャント吉野邦夫さん、
日本の「ロックフィールド」を大絶賛。
あの商品を、アメリカにもってきて、
アレンジして売れば、必ず大ヒットする、と。

ウェグマンズ流に商品化のアレンジをすれば、
必ず人気を博す、と。

そのロックフィールドの岩田弘三社長の特別講演を軸に、
林廣美先生と結城義晴が、
現在の惣菜・デリのマーチャンダイジングとマーケティングを、
語りつくす商人舎特別研修会
「不況でも惣菜は売れる!」。

10月24日金曜日に迫る。

アメリカも大不況。
しかしウェグマンズ、ホールフーズのデリ部門は好調。
その他の店のサービス・デリ、フードサービスの最新情報も、
写真紹介します。

是非、ご参加ください。

ということで、明日は、ニューヨークへ向かう。
語りたいことだらけですが、
それを表現する時間が足りない。

その意味では、欲求不満の結城義晴です。

<結城義晴>

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