結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年07月03日(金曜日)

コーネルRMPジャパン、感動の国内最終全員講義

コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンも
いよいよ、国内授業は昨7月2日が最終日。
昨年10月3日に開校記念セミナーで始まり、
毎月2日間、7時限の講義を、10カ月にわたって展開してきた。

最終日の朝9時、いつも通り、
大高愛一郎事務局長が授業開始の挨拶。
01
今日で最後。
大高さんの話しぶりも、
いつもの「フラット」な調子はなく、
いくぶん「シャープ」な感じだった。

一時限目は、荒井伸也首席講師の最後の講義。
「意思決定方法論と会議の持ち方」というテーマだったが、
荒井先生のレクチャーは、もちろんそこにとどまらない。
このコーネル大学ジャパンの講義の品質を高め続けてくださった。
02
まず、前日の私のマーケティング・マネジメントの最初のところに対して、
荒井先生なりのコメント。
「マーケティングは、ゴルフにたとえると、キャディー。
マネジメントが、プレーヤー」
これは荒井先生特有のアナロジー。
スーパーマーケット・チェーンストアは、
難しいものは売らない。
鮮度の良いひき肉3フェースの売り場を一日中、
維持する技術がプレーヤーに求められる。
だから、マネジメントがプレーヤー、
マーケティングは、キャディーとなる。

荒井先生の本論は、以下の内容。
1.機能的分業組織
2.意思決定の方法
3.個人での意思決定
4.会議のあり方
5・意思決定会議
6.情報伝達会議
7.目標による管理
すべて荒井先生の実体験によるオリジナルな内容。
だからこそ説得力がある。

最後に荒井先生からの第一期生へのメッセージ。
「考えよ」THINK  
他の考えを取り入れながら、自分で考えよ。
これが荒井先生の教え。

一年間のご教授を、感謝したい。

二時限目は、櫻庭周平講師による
経営者のための「財務問題と金融対策」。
04
財務対策は、三つしかない。
①借入れ
②増資
③利益による内部留保
実にシンプルだが、これを経営者は忘れてはならない。

そして「夢とロマンとビジョン」を持つこと。

以上の二点から、5年後、10年後の計画をつくる。
それが長期経営計画。

昼食をはさんで、三時限目も櫻庭先生から、
「長期計画づくり」の詳細をレクチャーしていただく。
03
これは、今回、第一期生に課す卒業論文を踏まえた講座。
テーマは、「わが社の長期経営計画づくり」。
締切は、8月末までと、長い。
夏休みをはさんで、
じっくりと自分の「夢とロマンとビジョン」を煮詰めて、
その上で、数字をつくって欲しいという願いが込められている。

そしていよいよ、本当の最終講義、70時限目。
「総括講義」は「全員講義」と化した。
内容は、第一期生全員からの決意表明。
このコーネル大学RMPジャパンの第一期生たちひとりひとりに、
10カ月を振り返り、学んだこと、得たことをスピーチしてもらう。

以下、結城義晴の独断による一言コメント風スピーチ録。

学生たちの席は、初日に座った席がほぼ定位置となった。
10カ月間、教室の窓際、一番前に座っていたのが、
級長こと、ロヂャース副社長の太田順康さん。
05
「出会いこそ、何よりの収穫だった」
太田さんには、特別講座を開いていただいた。
ロヂャース物流センターの視察と講義。
いい勉強だった。

そのまま、窓際から順番に、
スピーチしてもらう。
二番手は、飛島聡さん。
JR東日本ウォータービジネス・取締役営業開発部長。
06
「突然、会社からいわれて参加したが、
良いご縁をいただいた。
このご縁に感謝し、今後につなげたい」

㈱阪食・商品第一部長の藤原成人さん。
07
「ほんとうにすべて勉強になったが、
最後の荒井先生の一般論は自社に当てはまらない、で安心した」

㈱京急ストア・取締役店舗運営部長の上野裕さん。
08
「自分はクラスの中で、
ドラえもんのジャイアンの役回りだった。
のび太くんもいたし、
しずかちゃんもふたりいた。
いいクラスだった」

塚田英明さん。
㈱カスミ・商品統括部グロッサリー部マネージャー。
00
「未来が見えた」

㈱平和堂石山店店長の夏原行平さん。
09
「ビジョンをもって、社会の役に立ちたい」

三井食品㈱営業統括本部企画業務部長の阿部太さん。
10
「物事を深く考えるようになったし、
現場に対する理解が深まった」

㈱京王ストア・取締役店舗運営部長の能州彰さん。
11
「このクラスに入るまえに取締役店舗運営部長になり、
このクラスが終わる頃、営業企画部長になる。
すべてにわたって役に立つ講義だった」

渡邊武さん。
江崎グリコ㈱菓子営業部首都圏統括支店営業一課長。
12
「ドラッカーもずいぶん読んだし、
人生観が変わった」

三戸隆司さん。
㈱タカキベーカリー・つくばリテイルサポートセンター長。
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「クラスメイトは、お客様ばかりだった。
このご縁を大切にしたいし、
学んだことを活かしたい」

サミット㈱営業企画部マネジャーの服部哲也さん。
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「弔辞を読んでもらう仲間ができた。
絆を大切にしたい」

㈱ラルズ・取締役営業副本部長の猫宮一久さん。
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「切った張ったの自分の毎日の中で、
ここでの勉強は非現実的だったが、
ここでしか知りえないことがたくさんあった。
そしてうちの社長の偉大さがわかった」

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21 Lady㈱代表取締役社長の広野道子さん。
17
「直観と理論を学びました」

国分㈱経営企画部長の時岡肯平さん。
18
「お取引先の繁栄なくして自社の繁栄なしを、
ほんとうに勉強した」

㈱成城石井代表取締役社長の大久保恒夫さん。
19
「人の成長なくして、会社の成長なし。
この考えで、私自身が勉強にきた。
そして、学んだことはすぐに実行し、会社の改革に役立てた。
働いている人を幸せにし、小売業の社会貢献を果たしたい。
それが私のライフワークです」
アメリカ卒業旅行に参加できない大久保副級長には、
少し長めのスピーチをお願いした。

㈱福原・取締役商品部長の福原郁治さん。
20
「これまで実践に即したことを学んできたが、
ここでは理論、理念、
そしてミッション、ビジョンを学んだ。
これからをスタートにしたい」

㈱トップ上野毛店店長の堀内良浩さん。
21
「難しい勉強ばかりだったが、
このクラスにいるとき、
自分の店はなぜか成績が良かった」
学ぶ門には福来る――。

日清フーズ㈱営業本部主幹の井上雅之さん。

「10カ月は本当に短かったが、商人道、信念と執念を学んだ。
一生涯の付き合いとしたい」
(仲よしの井上さんと服部さんは、♪「サンライズ・サンセット」♪)  

デイモン・ワールドワイド・ジャパン・インクの和田浩二さん。
ビジネスマネジメント部ビジネスサービスグループディレクターを務める。
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「このクラスに入る時、会社から契約書を書かされた。
二年間は会社を辞められない(笑い)。
PBを通じて日本の小売業の発展に尽くしたいし、
製配販のコラボレーションに役立ちたい」

飯塚正彦さん。
㈱ショッピングセンター丸正総本店・専務取締役。
24
「意識の高い人たちと一緒に学んだことが自分の財産です」

和泉洋さん。
㈱クイーンズ伊勢丹・マーチャンダイジング統括部食品第一部長。
25
「講義の中の8割くらいは知らないことだった。
社内の会議内容が、ほんとうによく分かるようになった」

福谷耕治さん。
㈱関西スーパーマーケット・取締役総務グループマネジャー。
26
「自分が間違っていたことの発見があったし、
安定的に増収増益の企業は店舗力が強いことがよくわかった。
この成果を自分のバイブルにしたい」

㈱ジョイス・代表取締役社長の小苅米秀樹さん。
27
「会社の転換点に、何が足りないか、
今、自社がどんな位置にいるかが分かった。
答えはない。自分で決断することが大切なのだと思う」

㈱リブネット・取締役の竹内憲太郎さん。
28
「自分の業界の常識が非常識であることを学んだ」

岸弓乃さん。
㈱キシショッピングセンター・代表取締役社長。
29
「今、自分の地元では1円戦争が続いている。
講義の前は、分からないことだらけだったが、
学ばねば成長はない。
頑張っていきたい」

荒井首席講師の最後の言葉は、「自分で考えよ」
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大高愛一郎事務局長も、シャープに一言。
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「私が一番学びました」
実感がこもっていた。
第一期生は、毎月、レポートを課された。
事務局長は、講義の翌日から、
コーネル・ジャパンのホームページの講義内容のまとめを課された。
誰よりも早く、復習し、
誰よりも早くレポートを書いた。
だから、シャープに、胸を張って、スピーチした。
「私が一番学びました。
この学びを活かして生きていきたいと思います」

私は最後のメッセージ。
32

4つの言葉を贈る。
33
志定まれば、気盛んなり。
心は燃やせ、頭は冷やせ。
Practice comes first.
Retail is Detail.  

そして、この学校の保護者であり、創設の功労者、本間謙伍さん。
㈱ニッコーレン社長。

「みなさんもコーネル卒業生の一員です。
仲間として、快くお迎えします」
本間さんは、米国のコーネルでMBAを取得された大先輩。


日本セルフ・サービス協会営業本部長・村尾芳久さんと、
FMIジャパン事務局長・中間徳子さん。
裏方さんたちもご苦労様でした。

皆さん、本当にありがとうございました。

最後の最後に、
教室のあるボアソナード・タワー25階から見る新宿の風景。
35
一年のことが、走馬灯のように蘇った。

<結城義晴>  

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