日がしずむ。

すこしずつ、
くらくなる。

月がでる。

雲にかくれたり、
そのあいだから、顔をみせたり。

そうすると、
ユウキヨシハルのおとうさんが、
会社から、かえってきます。

真夜中まで、
アメリカのテキスト、
つくっていました。
ボクは、おやすみしていました。

あれれ?

目がひっくりかえった。
そして……。

「おかえりなさい」

でも、ねむい。
だから、「おやすみなさい」

「いいよ、いいよ。
おきてこないで、いいよ」
「そっと、おやすみ」
そして、つぎの朝。
ボクは、すっきり。

よく、ねました。

きのうの夜は、
やさしく声をかけてくれて、
ありがとう。
ボク、きいてましたよ。
おとうさんも、
いそがしいだろうけれど、
ゆっくり、おやすみしてください。

うごいたら、やすむ。
シゴトしたら、キューヨーする。
ほんとうに、やすんでください。
ボクの「おねがい」です。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















