結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年07月24日(金曜日)

コーネル・ジャパン卒業旅行記②感動の最終講義と修了証授与

ニューヨーク時間7月23日、午前8時。
イサカ市のラマダ・イン。
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今日は、コーネル・ジャパンの最終講義。
そして、修了証が授与される。

さっそくバスに乗り込む。
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バスの中でも、なぜか嬉しそうな結城義晴。
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すぐに、広大なコーネル大学のキャンパスに入ってくる。
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日本の大学の1000倍もあるだろう敷地。
なんといっても、ゴルフ場がキャンパス内にあるくらい。

そのスタットラー・ホテルへ。
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有名なスクール・オブ・ホテル・アドミニストレーション。
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大高愛一郎コーネル・ジャパン事務局長は、
16年前にここで学んで、MBAをとった。

スタットラー・ホテルは、その研修機能を兼ねていて、
学生によって、運営されている。
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ロビーの奥のカベには、
このホテルに寄付した企業の名前が入ったガラスの皿が飾られている。
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私たちのセミナールームは、「エール」。
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「ジャパン・プログラム」と掲示がある。

そしてコーネル・ジャパン名誉学長のジーン・ジャーマン先生と再会。
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コーネル大学名誉教授で、
食品流通の世界最高権威。

早速、朝一番の講義。
大高事務局長の司会。
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もう一年が経過してしまった。

ウィリアム・ドレイク教授から、スケジュールの確認。
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まず、副学長の挨拶。
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コーネルの先生方に、
そして故西村哲さん、本間謙伍さん、
大高愛一郎さん、
日本セルフ・サービス協会の皆さん、
すべての皆さんに、心から感謝。

ロッド・ホークス先生の講義。  
「世界の食品産業、その課題と潮流」  
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ホークス先生は、コーネルで30年間、研究生活を送るベテラン教授。
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何ともうらやましいかぎり。

食品産業に影響を与えているものは、まず三つのトレンド。
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①都市化
②飽和化
③集中化  

これは世界中、どの国にも共通する現象。
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その中で、世界の小売企業はどう転換を図っているか。

ヨーロッパ、アメリカ、アジアの国々の現状を紹介しながら、
見事に課題と潮流を解き明かしていく。
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私には、ウォルマートの新しい考え方が、実に良い勉強になった。
2007年にウォルマートは、19年ぶりにキャッチフレーズを変えた。
「Save money,live better.」  
商人舎の標語にもさせてもらった。
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しかしこの標語には、ウォルマートの大転換の意味が込められていた。

どこのマスコミにも、どんな媒体にも載っていない内容。
詳細は、いずれ私の考え方を組み入れて、公開の予定。

ホークス先生の講義は、食の安全・安心と環境対応に至って、終了。
ホークス先生があるスーパーマーケットのCEOに聞いた。
「今、一番の問題は?」
かつてならば、「ウォルマート対策」「競合問題」という答えがあった。
しかし現在は、「安全・安心と環境こそ、死活問題と答える」

世界的に、大きなトレンドだ。

ホークス先生は、3時間近く、一気に語った。

そして、エドワード・マクラフリン教授を紹介。
マクラフリン先生こそ、このコーネル・ジャパンの学長。
そして、コーネル大学食品産業プログラムの総責任者。
つまりジャーマン先生の後継者にして、現在の世界最高権威。
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マクラフリン先生の登場をもって、
午前中の講義終了。

昼食。

レストランは、同じ階。
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バイキング方式ながら、
美味。
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ローストチキンが、特に、美味。
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そして全員で、食事。
食事のときは、無言。
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午後1時、ほんとうに最終講義。
マクラフリン学長の「Forecast for the future」  
「未来予測」  
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マクラフリン先生は、まず、
日米の経営者やマネジメントに質問をして、
答えを得ていた。

日本は今回のコーネル・ジャパン第一期生。
アメリカは、前日に終了したばかりの食品産業プログラム受講生。
そのアンケート比較。
実に興味深い。
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そしてこのアンケートへの回答をテーマに、
学生への質問が始まった。

質問しながら、考えさせる。
誘導したり、追い詰めたり、
あるいは先を考えさせたり。

私には、この講義の進め方が、実に興味深かった。
勉強になった。

自分の答えをすでに出している第一期生たち。
それが米国の同業者の答えと比較される。

そして質問。

第一期生の表情を追ってみる。

福原郁治さん。
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和田浩二さん。
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飛嶋聡さん。
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福谷耕治さん。
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途中で、全員に手を上げさせる。
そしてまた質問と問答。
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服部哲也さん。
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答えを引き出したら、
謎解きをする。

そしてまた質問。

答える猫宮一久さん。
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詰め寄られても、しっかり対抗する夏原行平さん。
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そして、飯塚正彦さん。
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そして最後にマクラフリン先生の仕掛けがあった。
まず皆に、これから日本のスーパーマーケットの売り場面積は、
拡大するか否かを問うた。
「拡大よりも、ピークを迎えて縮小するだろう」という答えが多数。

そのあと、しばらくしたところでの質問。
「品揃えアイテム数は、増えるか否か」
これには、増えると答えた人が多かった。

これらを直結すると、
面積が狭くなるのにアイテムは増える。
「どうするのか?」

マクラフリン先生の勝ち。

実に面白い講義。
勉強になった。

しかし答える第一期生の確信に満ちた語り口と表情は、
素晴らしかった。

私は誇りに思った。

そして最後の講義は終了。

皆の頭の中に、「将来を考える、その方法論が残った」

これを「弁証法」という。  

ソクラテスやプラトンが得意としたモノの考え方。
プラトンは、師ソクラテスの弁証法を書き残した。

「弁証法」とは、
「対話のかたちでモノを考えること」  

いつの間にか、第一期生は弁証法を身につけたのだった。

マクラフリン学長に心から感謝したい。

休憩中に、修了証への署名。
私は、薄墨の筆。
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マクラフリン先生はペン。
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そして私の最後の総括。
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食品は、どんな国でも確実に、
多様化・個性化・高度化する。
一方、成熟社会では、コモディティ化が、
驚くべき勢いで進む。
同質化、画一化である。
しかしこのコモディティも、
生活者にとって必須の商品。

だからコモディティは絞り込む。
多様化・個性化・高度化商品は、入れ替える。

世界のトレンドと弁証法の未来予測を聞いていて、
私の結論であり、持論。

しかし、自分で考えることが、
何よりも大切。
自分で考え、対話することが、
本当に必要。

それがコーネル・ジャパンの最大の収穫。

第一期生は、最後にも、
「伝説」をつくった。  

大高事務局長、登場。
修了証授与式。
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全員の名前を一人ひとり、私が、大声で、読み上げ、
マクラフリン学長が手渡し、
握手、握手。

まず、上野裕さん。
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阿部太さん。
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時岡肯平さん。
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三戸隆司さん。

藤原成人さん。
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小苅米秀樹さん。
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和泉洋さん。
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能州彰さん。
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塚田英明さん。
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そして渡邊武さん。
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皆さん、ほんとうにおめでとう。

最後の最後に、全員で、記念写真。
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「伝説の第一期生」  

「腐っても第一期」とは、アークス社長にして、
日本セルフ・サービス協会名誉会長の横山清さんの言。

「しかし、横山さん、そうは言わせません」

確かに彼らは「伝説」つくったのです。  

<結城義晴>  

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