結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年07月27日(月曜日)

コーネル・ジャパン卒業旅行記④イサカを後にマンハッタンへ

Everybody! Good Monday!  

2009年7月最終週。

今週末から、8月。
夏休みとお盆へ、突入。

日経新聞の記事。
全産業的に「蛻変」が起こっている。  
すなわち主力事業の転換。

富士フイルムホールディングスはこの1年で、
医療、液晶分野を重点強化し、
この部門が、複写機・プリンターを上回る。
写真フィルムは、デジタルカメラの登場で、大幅販売減。

日清紡ホールディングスは、自動車部品事業が主力だが、
太陽電池関連が利益において、それを抜く。

いまの主力部門を、次の主力部門に転換させる時が来ている。

現在、私はニューヨーク。
こちらでも、ウォルマートが、
エコラベルで、企業姿勢を大転換させている。
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7月16日に、取引先1500社を招待して、
サステナビリティ・マイルストーン会議が開催された。
その席で発表されたもの。

ウォルマートは、扱い商品全品にエコラベルを付ける。  
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1品ずつ製造から廃棄までの環境への負荷を評価測定する。
それを数値化して、顧客にお知らせする。
そのためにラベルに表示をする。

全取引先が、このエコラベルに協力する。

ウォルマートは、この環境へのサステナビリティにおいて、
全企業に対してリーダーシップをとる。

ウォルマートの環境対応の真剣さが分かるが、
同時に、低価格と利益に終始してきたウォルマートが、
大転換を示していることになる。

最後に利益は付いてくることも、明白だが。

さて、コーネル・ジャパンの一行、
ニューヨーク州北部のイサカに後ろ髪をひかれつつ、
マンハッタンへ向けて、一路、南下。  

その車中が、「結城ゼミ」。
「2009米国スーパーマーケットTide of Time」  
いつも商人舎のアメリカ視察研修会で講義している内容の、
超コンパクト版。

車中で、都合、4時間ほど。

2008年通年の米国小売業売上高は、4兆4783億ドル。
その中でウォルマートは4012億ドル。
1割近くを売上げ、アメリカ国民の3分の2が、
週末にウォルマートで買い物している。

ウォルマートを中心に回る米国小売業。
しかし「働きたい企業100社」には、
スーパーマーケットが5社、入っている。

今回訪れたウェグマンズ、そしてナゲットマーケット、
ホールフーズ、スチューレオナード、
それにパブリックス。

このコーネル・ジャパン旅行で、
私たちはこのうちの3社を訪れる。

講義は、世界企業順位、
米国チェーンストア・ランキング、
そしてコーネルの店舗バナー論、
ウォルマートのアンビータブル・プライスと、
ホールフーズのオーガニック・マーチャンダイジング、
そのコモディティ性とノンコモディティ。

そしてロイヤルカスタマー。

あっという間に、
ハナフォード・ブラザーズの店舗に到着。  
このエリアで170店をドミナント展開するローカルチェーン。
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5600平方フィートの店舗面積で1週間に60万ドル。
年商30億円。

左端が、ディストリクトマネジャーのミッシェル・シモーネさん。
その隣が、シェリル・ロンデネリさん。
そう、昨年10月来日して、
コーネル・ジャパン開校セミナーでパネルディスカッションしてくれた店長。
2008年度全米ベスト店長に輝いた。
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ハナフォードが、この地区の全力を挙げて、
コーネル・ジャパン第一期生を迎えてくれた。

4つの班に分かれて、この店舗の全体のヒアリング&ウォッチング。

青果部門のデパートメント・マネジャーのエリカさん。
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600品目で、オーガニックは105品目。

そのエリカさんがつくった売り場。
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生鮮・デリ・ベーカリーを統括するアシスタントマネジャー(右)と、
ベーカリーの部門マネジャー。
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ハナフォードは女性マネジャーが、実に多い。

アシスタントマネジャーは二人。
生鮮と非生鮮に一人ずつ。

第一期生はハナフォードのキャップをかぶって、視察。
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ミート部門は、青果と並んで、店の看板。
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マネジャーも自信満々。

その「カスタム・カット・ミート」の売り場。
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牛肉は、チョイス・グレード。
その上の「アンガス」グレードも品ぞろえして、
品質と安さの両立を図る。

バックヤードでは、
セントラルストア(非生鮮)担当アシスタントマネジャーが、
質問に答えてくれた。
こちらのアシスタントマネジャーも女性。
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週4回のグロサリーの配送で、
在庫は非生鮮で25万ドルと、しっかり抑えられている。

店頭ディスプレーも見事。
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ミーティングルームに昼食が用意されていて、
皆で立食パーティ。
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そして質問大会。
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全部門のマネジャーが売り場で迎えてくれて、
質疑応答したうえで、
まとめて総括。

だから全体像がはっきりした。

コーネル・ジャパン一期生の収穫。

最後に、ファサードを背景に、
全員で記念写真。
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優秀店長のロンデネリさん。
「店長の仕事は、次の時代の人を育てることです」  

これはまさしくコーネル・ジャパンそのもの。
こんな歓待、受けたことがないほどのもてなしだった。

私はバスの中で、総括した。
「私たちへのおもてなしは、
そのまま地域のお客様へのホスピタリティとして、
習慣化されている」  

その後、バスはさらに南へ。
途中、ウッドベリー・コモンのアウトレット・モールに寄ってから、
定番のスチューレオナードへ。  
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店頭のクレドの前で、写真。
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Rule1  The Customer is Always Right!
Rule2  If the Customer is Ever Wrong, Reread Rule1.
原則1 顧客はいつも正しい。
原則2 たとえ、顧客が間違っていると思っても、原則1を読み返せ。

最近は、写真撮影は許されていないが、
この石碑、移動した。
店舗入り口にあったものが、
駐車場のほうに寄った。
だから写真を撮ることができた。

店内は、あい変わらずの楽しさいっぱい。
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しかし、土曜日だというのに駐車場も大混雑ではないし、
レジも大行列ではない。
不況の影響が、この店にも出ている。
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客数は、そこそこ確保できているが、
買上げ点数が激減している。

スチューレオナードの、これからの底力が見ものだ。

そして、マンハッタン。
帯広のイサカから、東京・歌舞伎町へ、移動してきた感覚。
これは帯広の福原郁治さんも認める。

夕食は、タイムズスクェア。
人気のシーフードレストラン「ブルー・フィン」。  
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三井物産USA副社長・佐藤一夫さんが、
夜の食事会の主催者。
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心から感謝。

食事が終った夜の11時。
タイムズスクェアは、ご覧の混雑状態。
不況を吹き飛ばす、勢いが感じられる。
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わがコーネル・ジャパン一期生も、
この元気さ。
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ホテルは、ノボテル。
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清潔で、簡素で、私は好きだ。

私たちは、コーネル大学とニューヨークに、
卒業旅行に来た。

しかしこの旅は、1年間に自分がどれだけ変わったかを、
確かめるためのものだ。
同時に、この旅のなかで、
自らを変えることを目的としている。

ウォルマートは、変わろうとしている。
160万人のアソシエーツを雇用しながら。
富士フィルムも日清紡も、
ハナフォードもスチューレオナードも。

蛻変しようとしている。

今週も、少しでも、自分を変えたい。
変わった自分を確認したい。

Everybody! Good Monday!  

<まだつづく、結城義晴>  

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