8月6日、木曜日のことです。

ユウキヨシハルのおとうさん、
朝はやく、でかけていきました。

おおきなリュックサックをせおって。
フジサンへ、山のぼり。

ボクは、
おとうさんのことや、
フジサンという山のこと。
かんがえています。

おとうさんは、
なんとか、
のぼっているみたいです。

やっぱり、
ジュンビがよかったと、
ボクはおもう。

くつが、よかった。

きていったものも、よかった。

リュックサックも。

カッパは、
ほんとうによかった。

ツエも。

いがいに、
やくにたった。
ほんとうに、
ジュンビはたいせつ。

だから、くらくなってしまったけれど、
たかいところまで、
のぼることもできた。

たかいところも、
くらくなる。
くらくなったら、
ボクは、ねむくなる。
ボクは、ねます。

フジサンも、くらくなる。
お月さまだけ、
あかるい。

ボクは、うちで、
ねています。

夢を、みています。
ユウキヨシハルさんも、きっと、
夢、みているんでしょう。

いちばんたかいところに、
のぼった夢です。
ボクも、おんなじ夢を、
みることにします。
<『ジジの気分』(未刊)より>





















