結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年10月03日(土曜日)

ウォルマートのスーパーメルカドとハーフサイズ・ス-パーセンター発見

現地時間10月1日は、
衝撃的な一日だった。  

商人舎第4回USA視察研修会。
アリゾナ州フェニックスの一日。
これまでも商人舎研修会は、
お陰様でずっと成果を上げ続けてきた。

しかし、この日は、取材という面でも、
これまでにない収穫の大きさだった。

トレーダー・ジョーズとホールフーズは、
十二分に満足のいくインタビューができた。
(こちらは改めて掲載の予定)

しかしウォルマートの実験店に、次々に出くわしたのは、
これは、天からの恵みとしか言いようがない。

まず、スーパーメルカド・デ・ウォルマート。  
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アリゾナ州テキサス州は、メキシコ系アメリカ人が3割は生活している。
その人たちをターゲットに絞ったフォーマット。

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これが、素晴らしい。

ターゲット顧客を鮮明にすると、
店は実によくなる。  

その典型的な事例。

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1200坪の食品スーパーマーケット。
これは、もしかしたらネイバーフッド・マーケットよりも良い。
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そして400坪のマーケット・サイド。
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私はこのフォーマットは、
ウォルマートが日本のセブン-イレブンの社会的機能を、
アメリカで展開しようという壮大な試みだと考えている。
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だから野菜売り場にはサラダ材料しかない。
パンとサンドイッチとピザとデリ。
そしてコーヒーとワインとビール。
日本のセブン-イレブンそのものの中食狙い。

そして何より、まったくの新しい実験店。
「ハーフサイズ・スーパーセンター」  
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9月16日にオープンしたばかり。
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全体に2500坪くらい。
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フルラインのスーパーセンターだが、
売場と品揃えを半分に削減した。

第一に、カテゴリーをごっそりカットした。
第二に、SKUレベルでの絞り込みをした。

そして徹底した省力化を試みた。

さてどうなるか。
世紀の実験スタート。
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私たちはその最初の日本人視察者となった。

最後に日暮れの中のネイバーフッド・マーケット。
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1200坪のスーパーマーケット。
1998年から始めて今、150店。
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内容が格段に良くなった。
まず生鮮食品の鮮度が高まり、回転してきた。
ファーマシーとコスメティックスがよくなった。
店舗両翼が改革され、
その結果、全体が改善された。

ウォルマートは、1945年に、
470㎡(140坪)のバラエティストアから始まった。
ベン・フランクリンのフランチャイズチェーン加盟店。

それが、1962年、
1480㎡(450坪)のディスカウントストアに転換し、
1988年、1万㎡(3000坪)の衣食住フルラインの
スーパーセンターへと飛躍を図って、
現在の小売業世界一の地位を築き上げてきた。

しかし、現在2612店舗展開されている、
そのスーパーセンターが、
このままの出店速度で成長を遂げると、
近く、全米の市場で飽和を迎えることが確実視されている。

そこで1998年、
4000㎡(1200坪)級の食品スーパーマーケット、
ネイバーフッド・マーケットの実験が始まった。

さらに10年後の2008年、
小型店のマーケット・サイドへと
ダウンサイジングが図られた。

ところが、それでも足りないと考えたウォルマート。
スーパーメルカドと
ハーフサイズ・スーパーセンターにチャレンジした。

全国のスーパーセンターでは、
「プロジェクト・インパクト」の全面展開に入っている。


今、ウォルマートは、激動している。
自ら、その激動をつくり出している。

それによって、アメリカ中の小売業・製造業が、
激動している。

<つづきます。結城義晴>

2009年10月02日(金曜日)

ウォルマートが始めた「プロジェクト・インパクト」とさらに凄い事

9月の新車販売。  
日本では、17カ月ぶりに増加し、プラス0.2%、
アメリカでは、22.7%のマイナス。

9月のカジュアル・ファッションの販売。  
日本では、ユニクロ31.6%のプラス、
アメリカでは、ギャップ、リミテッド、アバクロ全滅。

総合スーパーとスーパーセンター。  
日本のイトーヨーカ堂30店舗閉鎖の決定、
米国ウォルマートは「プロジェクト・インパクト」全面展開。

対比的な姿をみせる日米。
私は、いま、そのアメリカ・アリゾナ州。
ウォルマート改革の真っただ中にいる。

しかし、昨日は私の部屋のインターネットがつながらず、
携帯電話のメールからブログアップ。
体調も徐々に回復気味だが、全快まではほど遠く、
それでも、気力を振り絞って、局面に対応。
私は、追い詰められてからが、意外に、強い。

さて、現在を取り戻すために、
2日前に時間を戻す。

9月30日、成田国際空港。
商人舎第4回USA視察研修会の結団式。
最初に私から趣旨説明。
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そして今回の団長さんのご挨拶。
坂野邦雄イオン㈱執行役SM事業最高経営責任者。
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姫路のウェルマート常務時代から私、20数年のお付き合い。

出発直前に、全員で記念写真。
サッカーの試合前にイレブンで写真を撮る感じ。
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そしてアメリカン・エアーラインで、11時間。
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ダラスからフェニックスまで2時間30分。
気温35度のフリーウェイを走る。
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一番初めにウォルマート・スーパーセンター。
最新タイプにリニューアルしたばかり。

400坪の小型店マーケットサイドのレディ・ミールが、
入り口わきでアイランド・ディスプレイされている。
この平ケースのトップに「Marketside」のロゴマーク。
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何とウォルマートは、多種フォーマットの、
融合化戦略を取り始めている。

メンバーシップ・ホールセールクラブのサムズのPBを、
ウォルマートで売り込んできたし、
今回はマーケットサイドの肝の売場を持ってきた。

青果売り場の中に、米のバルク平ケース。
これも、まったく新しい。
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そして、主通路上にあった「アクション・アレー」の全廃。
そう、あの100もあったアイランド・ディスプレーを、
すべて、除去しているのだ。

その結果、圧倒的に買物がしやすくなる。
そしてこのイノベーションを施した店は、
資本支出が36.7%減少し、
既存店の売上高は前年比3.2%増加し、
営業利益率は7.1%も増加した。  

ウォルマート・スーパーセンターのこのエリアのシェア17.6%、
サムズ・クラブのシェア4.8%、
ネイバーフッドマーケットは1.9%、
トータル24.3%で、企業としてナンバーワン。

ウォルマートの攻勢に、
地元アリゾナのローカルチェーン・バシャスは、
連邦破産法11条適用申請。
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しかしもちろん店舗は営業していて、
10,000品目のプライスカット政策を断行。
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しかし、顧客は冷淡。
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反応せず。ピクリとも。
バシャスはグループ158店で、シェア15.4%。
シェアはここ数年下がり続けている。

一方のアリゾナの雄・フライズのマーケットプレースというフォーマット。
全米小売業第二位・スーパーマーケット第一位のクローガー傘下。
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このエリアに88店展開していて、
マーケット・シェア18.7%。
こちらもじりじりと下がっている。
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「プライス・バスターズ」や、
「バリュー」という名のコンペティティブ・ブランドを前面に出して、
対抗する姿勢を見せるも、やはり遠く及ばない。

かつての両雄バシャスとフライズにぐっとプレッシャーをかけておいて、
ウォルマートは「プロジェクト・インパクト」を断行した。

しかし、それだけではなかった。
もっと凄いことが、このアリゾナで、
実験されていたのだ。

マーケットサイド以上に衝撃的な新フォーマット実験である。
私たちは、それに遭遇してしまったのだ。
詳細は、徐々に、報告の予定。

さて、ホテルに帰って、2時間の講義。
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それから、サンプル試食会と懇親会。
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全員に一言ずつ語ってもらった。

今回は、「小型店研究特別研修会」だけあって、
皆、自分の問題意識を明確に持っている。
それがとてもいい。

坂野団長と乾杯しながら、それを喜んだ。
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しかし喜ぶのはまだ、序の口だった。

<つづきます。結城義晴>  

2009年10月01日(木曜日)

10月の商人舎標語は「小さく考える」

10月1日です。
日本では秋の気配濃厚なこの時期。

ここアリゾナ州フェニックスは、
35度の真夏並みの暑さ。
体調不良のまま、アメリカン・エアーラインに乗り込み、
11時間でダラス。
さらに2時間半でフェニックス。

すぐにウォルマート・スーパーセンターに行ったら、
大変なことが起こっていた。

「プロジェクト・インパクト」の
全面展開が急ピッチなのだ。  

ウォルマートが、この春から始めたイノベーション。

売り場も店も、
ピリピリして、
大改革にまい進中。

2006年3月22日、
テキサス州ダラスのプラノ店で始めたイノベーション。
それをレギュラー店舗全てに適用させる改革。

プラノは高級住宅地。
そこで展開した売り場イノベーションを、
全体化しようという試み。

しかしこれは全体の高級化ではない。
基準の高度化である。  
アップグレードではなく、
アップスケール。

3年前、私はプラノ店のレジの後ろのベンチに座りこんで、
立ち上がれなかった。
ウォルマートの勇気の凄さを見せ付けられたからだった。

それを今、全面展開しはじめた。

詳細は、逐次、報告のつもり。

自己否定し、自己革新する世界最大の小売企業。  

それを私達はリアルタイムで目のあたりにしている。

私は、いまこそ歴史的瞬間そのものだと、感じる。

さて10月の商人舎標語。
ウォルマート創業者サム・ウォルトンの基本中の基本の考え方。

「小さく考える」  

これには六つのステップがある。

1.1度に1店ごとに検討せよ⇒ひとつずつ考えよ
 <Think one store at a time!>
2.意思疎通せよ!意思疎通せよ!意思疎通せよ!
 <Communicate!Communicate! Communicate!>
3.地に耳をつけよ⇒神は現場にあり
 <Keep your ear to the ground!>
4.現場に責任を、そして権限を与えよ
 <Push responsibility-and authority-down!>
5.アイデアを沸き立たせよ
 <Force ideas to bubble up!>
6.組織の贅肉を落とせ、悪しき官僚化と闘え 
 <Stay lean! Fight bureaucracy!>

ローカルチェーン・ユークロップスのトライ&エラーの心得。
これは三つ。
1.小さく始める
2.ゆっくりと進める
3.常に改善する

そして結城義晴は、
『小さく、狭く、濃く、深く』  

ウォルマートのプロジェクトインパクトも、
日本の商業・サービス業も、
10月には「小さく考える」に徹することになる。

これを貫徹できる者にしか、成果は与えられないに違いない。

Retail is Detailであることは、まちがいないのだから。

<結城義晴>  

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