結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月03日(木曜日)

店頭では競争を、環境では協調を

昨日の日本全国晴れ模様から一転、
今日は全国的に雨模様。
昨日はポカポカ陽気、
今日は厚手のコートにマフラー。

12月の日本列島、変化に富んで面白い。

アラブ首長国連盟のアムル・ムーサ事務局長。  
カイロで記者会見。
「ドバイ・ショックは一過性のものだと思う」
そのうえで「迅速かつ適切に対処する。警戒は必要だが楽観している」と強調。

ニューヨーク株式市場のダウ工業株平均の終値は、
前日比126ドルの大幅高で、年初来高値を更新。

ドバイの信用不安に対する懸念が後退、投資意欲が高騰。

東京株式市場の日経平均株価も、
米国株上昇を受けて9600円台を回復。

内閣府の報告書「世界経済の潮流」。  
2010年の世界の実質成長率は2%台と成長を予測。
しかし、回復ペースは緩やか。

二つの要素での回復が期待されている。
第一は、中国向けの輸出。
第二は、各国の自動車購入支援策。 

主要国は軒並み、自動車購入支援の対策を導入している。
日本のエコカー減税だけではない。
それが世界で年間年間1000万台の需要を創出する。
これは年間生産台数5300万台の、何と2割にも及ぶ。

しかし、この予測、あくまで20世紀的だ。

昨日の稲盛和夫さんの「身の丈理論」を忘れてはいけない。
「資源を循環させて一定の豊かさを維持できる社会を目指す」  

日経新聞一面トップに、
「温暖化ガス2020年度の削減幅」の見出し。
同紙調査で主要製造業では、
国内排出量1990年比で13.9%に見込んでいることが判明。
鳩山政権が掲げる25%から大きく下回る。

同紙の「第13回環境経営度調査」では、
業種別にランキングがでているが、
製造業では一位パナソニック、
二位シャープ、三位・三菱電機、
四位・NEC、五位トヨタ自動車とつづく。

小売り・外食では、
一位イオン、二位・丸井、三位・高島屋。

そんな昨日、(財)有機質資源再生センターの第2回シンポジウム開催。
テーマは「有機質資源の利活用多様化がもたらすもの」
場所は東京丸の内にある日本工業倶楽部の大会議場。
1

スーパーマーケットをはじめとする小売業、
さらに卸売り業、メーカーから、
120社150名ほどが参集。
4
同財団法人の中川武史事務局長の司会で、
3時間半にわたって講演、パネルディスカッションが行われた。
2

初めに主催者を代表し、平富郎理事長が挨拶。  
ご存知のとおり㈱エコス会長。
3
「資源、環境、エネルギーは世界的なテーマ。
スーパーマーケットから出される生鮮ゴミ、有機質ゴミの利活用は、
集荷から再生の技術、手間まで経済性が難しい。
しかし、CO2削減に貢献するためにも、
勉強して取り組んでいかなければならない」

平さんはこのセンターの活動を通して、
社会貢献していこうと真摯に向きあっている。

5
基調講演は、東京工業大学総合研究院教授の柏木孝夫さん。  
「日本の低炭素力―バイオマス、有機質資源の高度利活用に向けて」がテーマ。
今、地球規模で、
化石燃料から非化石エネルギーへのパラダイムシフトが求められている。
太陽、風力、バイオマスといった新エネルギーへの転換によって、
低炭素社会を実現した国、企業が次代の勝者となる。

リサイクル、リユース型の店舗、商品開発の必要性、
エネルギーと情報の一体化によるスマート・グリッド構想など、
多くのイノベーションが求められている。

これは、京セラ名誉会長稲盛さんの考え方と一致してくる。

20世紀的な競争から21世紀的な協調へ。  

日経新聞のコラム「人こと」。
すかいらーく社長の谷真さんが恨み節。  
「減税やエコポイント制度で、
車や家電の耐久消費財の買い替えが進み、
外食まで回らなくなった」

「今回はかつてない価格引き下げ圧力を感じる」
「生き残るにはさらなる低価格に移行するしかない」

一昨日のこのBlog原田泳幸さんの発言を思い起こしてほしい。  
日本マクドナルドの社長兼会長。
「デフレだからといって、
企業側が焦っている印象だ」  
「商品価値が変わっていないのに値下げをするのは、
逆に消費者の不信感をあおる」
「メニューや利便性など有形無形の価値を高め、
消費者の支持を集めた」

トップの高いビジョンや固い信念が、
実は、良い業績を築き上げていることがわかる。

20世紀的な競争から、
21世紀的な協調へ。

店頭では競争を、
環境では協調を。  

「厳しさに学ぶ」とはこういったことだ。

それが現代化、ポストモダンの精神である。

<結城義晴>  

2009年12月02日(水曜日)

東大・伊藤元重さんの「1ドル119円説」と京セラ・稲盛和夫さんの「身の丈理論」

日本全国晴れ模様。
冬なのに 春みたいに あたたかい日。

冬なのに 春みたいに あたたかい日には」  
(詩・鈴木順子)  

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
動物園に行ってみて
ゾウの前など すわりこんで
パンでもかじりたくなるのです

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
ゆくさき不明の汽車にのり
荷物のように がたごとと
はこばれてゆきたいと思うのです

   冬なのに 春みたいに あたたかい日には
   冬なのに 春みたいに あたたかい日には

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
世界の平和のために
戦争をなくすために 生きてゆこうと
心の底から思うのです

冬なのに 春みたいに あたたかい日には
ネコと見つめあって
愛をたしかめあうことだって
できるのです

   冬なのに 春みたいに あたたかい日には
   冬なのに 春みたいに あたたかい日には

こんな日には必ず、
大学時代の仲間・鈴木順子さんの詩を思い出す。

そしてこんな日には必ず、
いいことがある。

そう思っていたら、
はがきが届けられた。

私の本へのお礼のはがき。
『お客様のために いちばん大切なこと』(中経出版刊)。
杉浦太西洋さん、ありがとうございます。
hagaki

さて、三越の早期退職者22%。  
新聞各紙で取り上げられたが、
正社員6700人のうちの22%の1500人が応募。
対象年齢は40歳が35歳までに引き下げられた。
退職金は数百万円上積みされたが、
それでも不況期で失業率5.3%の現在、
この退職者数には、ちょっと驚かされる。

会社へのロイヤルティが薄れてはいるのだろうが、
会社の命運よりも自分の人生を重視する人が増えている。

会社にとっては不幸なことだが、
悪い傾向ではないと思う。

その百貨店のうちの5社が、毎月1日に、
百貨店協会に先立って、業績数値を発表する。
2009年11月の百貨店既存店前年同月比実績。  

三越は、マイナス11.1%、
伊勢丹は、マイナス11.8%。

高島屋はマイナス10.5%、
大丸がマイナス6.4%、
松坂屋がマイナス5.0%。

依然として、絶不調。

三越伊勢丹ホールディングス社長の石塚邦雄さんは、
自戒する。  

日経MJの「消費見所カン所」というカコミ。
「ただ価格を下げるのではなく、
価値があって価格が安いものを、
そろえなければならない」

「約1兆4000億円の売り上げ規模の大きさを武器」にして、
「調達コストを抑制するなどの企業努力で、
価格引き下げを目指す」らしい。

しかし、私は、この考え方には疑問。

百貨店は、小売業におけるノンコモディティの代表選手。
ここは「スケールの経済」論理が成り立たない分野。
「価値があって安いもの」を、スケールで調達できるのは、
コモディティ・グッズの分野である。

それはもうユニクロが成し遂げている。

伊勢丹に、顧客はそれを望んではいない。

三越伊勢丹にも、
「厳しさに学べ」の12月となりそうだ。

まだまだ、「厳しさに学んではいない」
だからこんな発言が出てくる。

もしかしたら、石塚さんは、
もっと奥深いことを言おうとしていて、
それに理解が及ばないインタビュアーが、
自分の考えを書いてしまったのかもしれない。

しかし、「厳しさに学ぶ」ことができるかどうかは、
店と売場に出てくる。

三越と伊勢丹には、年末に訪れて、
それを確かめよう。

同じ日経MJのコラム「ニュースな見方」
東京大学大学院教授の伊藤元重さん。  
いいことを書いている。
「1995年に1ドル80円を切る超円高を経験してから、
現在までに日本の物価はほとんど変化していないが、
米国は約40%上昇している」

「この物価の差を考慮に入れて、
1ドル85円という円ドルレートを計算すれば、
1ドル119円になる」  

つまり1995年の1ドル80円に対して、
現在は額面は85円だが、
1ドル119円レベルだと、いうわけ。

日経新聞では、
京セラ名誉会長の稲盛和夫さんが語っている。  
「為政者が危機を乗り切るために、
ぶれない決意を世界に発信すれば、
国民も安心する」

「一方で、破綻状態の税制を長期的に立て直す」

これは現在の日本のことを言っているが、
企業経営者やリーダーにも、
全く同じ姿勢で臨むことが示唆されている。

行政刷新会議では、
「身の丈に合った歳出に抑えるしかない」  

そして、最後に言う。
「江戸時代は経済的には停滞したが平和で、
ヨーロッパ人が当時、
貧しいけれど礼儀正しく清潔な日本人に出会って驚いている」

「江戸時代に戻れとは言わないが、
資源を循環させて一定の豊かさを維持できる社会を、
目指せないだろうか」  

私も、この「身の丈理論」には大賛成。

日本の商業は、その時に、
大いに活躍しなければならない。

身の丈を自覚し、身の丈の良さを知るには、
「試練を潜り抜けねばならない」
「試練の果てに、己を知る」  

だからこの12月は、絶好の学びのとき。
「厳しさに学べ」  

冬なのに春みたいにあたたかい日には、
そんなことを考える。

<結城義晴>  

2009年12月01日(火曜日)

12月の商人舎標語「厳しさに学べ」と倉本長治「不況は商人を鍛える」

今日から2009年最後の月。
12月、師走。

私も走り続けます。
大晦日の12月31日まで。

今月の商人舎標語。
「厳しさに学べ」  

この12月商戦は、厳しい。
アメリカのウォルマート副社長ジョン・フレミングの言葉。
「今12月商戦は厳しくて、本格化が遅い」  
それは日本も変わらない。

厳しい消費。
厳しい経済。
厳しい商売。
厳しい経営。

誰でも分かっている。

しかし、だからこそ、
その「厳しさ」に「学びたい」

その意味で、2009年12月には、
絶好の学びの機会が溢れている。

なぜ、厳しいのか。
世界の経済が回らないから。
なぜ、厳しいのか。
顧客の生活が苦しいから。
なぜ、厳しいのか。
自己変革ができないから。

「不況は商人を鍛える」  
昭和40年の「ミクロもマクロも不況」といわれた時、
商業界創始者の故倉本長治先生は言った。

その後、昭和47年、
新興勢力のダイエーが、
百貨店の王者・三越を追い抜いて、
小売業ナンバー1となった。

不況に学んだ者が、
まさに「自己革新」を遂げ、
成長を果たす。  

大きな成長でもいいし、
小さな成長でもいい。
必死になって、厳しさに学んで、
そして、年が明ける。

私はそのすがすがしさを、一緒に味わいたい。
すべての知識商人の12月の課題にしてもらいたい。

さて今年の12月商戦の特徴。  
第1週、第2週は、少ないとはいえボーナスが支給されるとき。
5日6日の土日、12日13日の土日。
この辺りまで、これも少なくなったとはいえ、
お歳暮商戦・ギフト商戦最盛期。

中だるみして23日の水曜日が天皇誕生日。
今年は、土日曜につながらない。
しかし23日の天皇誕生日、
次の24日木曜日はクリスマスイブ、
次の25日金曜日はクリスマス。

妙な組み合わせだが、
この3日間は、
バースデーがらみ。

そして25日のクリスマスの夜から長期の「おやすみ」。

私は、23日からもう、
長期休暇ムード一色になると思う。  

それをどうとらえるか。

『食品商業』11月号は創刊以来、年末商戦を大特集する。
今回は、「巣ごもりニーズ獲得のシナリオ」と題して展開。

山本恭広編集長自ら、
「“より安く”⇒値頃、
“より少なく”⇒適量 に加え、
“よりおいしく”」と訴えた。

この「巣ごもり」とは。

12月26日土曜日から1月3日日曜日までの9日間、
官公庁から民間企業まで冬の長期休暇に入る。

多くの消費者が、家庭に巣ごもりする。
それを捉えようとのマーケティング提案。

それもある。
おおいに。

だから「巣ごもり」対策は、
周到に打たれねばならない。

しかし、消費はさまざま。

高速道路を利用して、短いドライブに出る人もいるだろう。
依然として、お得な海外旅行に出掛ける人もいるだろう。
家庭で映画やテレビ、スポーツ観戦を楽しむ人もいるだろう。
各々のイベントに参加する人もいるだろう。

ヤオコー会長の川野幸夫さんのいうライフスタイルの変化。

かつて高度成長のころは、
「十人一色」の生活だった。  
その後、バブルを経験して、
「十人十色」の志向となった。  
さらに21世紀に入って、
「一人十色」のライフスタイルとなった。  

この「一人十色」が、
「自由に使える時間」が増えた今回、
不況とはいえ、大展開される。
いや、不況だから、知恵を絞って、
他人と違う行動をしたい。
差異性を楽しみたい。

違いのある生活に、
カネはかからない。
時間はかかるけれど。  

これが年末年始の日本人の生活の仕方だと思う。
私自身が、そうしたいと思っている。

さてイトーヨーカ堂は、今日から3日間、
「円高還元セール」を展開する。  

豚肉、果実をはじめ輸入食料品20品目を、
20%から50%、通常価格から値引き販売する。
いつもながら素早い対策。
円高になったからとて、
それがすぐに仕入れ原価に反映されることはないけれど、
顧客は納得して買ってくれる。

その顧客への説得力、顧客の納得性を、
イトーヨーカ堂はよく知っている。

一方、日本マクドナルドの原田泳幸さん。  
2009年も6年連続全店売上高増収企業の社長兼会長。
日経新聞のコラムで発言。
「デフレだからといって、
企業側が焦っている印象だ」  

「商品価値が変わっていないのに値下げをするのは、
逆に消費者の不信感をあおる」

好調企業トップの時代の見方。
「メニューや利便性など有形無形の価値を高め、
消費者の支持を集めた」

有形財を商品という。
無形財をサービスという。

その両方の価値を高めたことが、
マクドナルドの不況対策だった。

これは率直に学びたい。

昨日の、アイダスグループ代表の鈴木國朗先生の言葉。
鈴木さんは、特に商品と販促戦略において、
スーパーマーケット経営指導の第一人者。

「経営者に『これだ』という戦略がない。
みな、粗利を上げろとか、ロスを減らせとか、
同じような基本ばかり言っている。
自分の会社はこれだという戦略が必要だ」

マクドナルドの原田さんの発言は、
戦略をもった経営者の、それだ。

昨日も書いた。

激動の12月。
現場にデンと居続けよう。
浮かれることなく、
現場に根を下ろした仕事をしよう。

「厳しさに学べ」  
この姿勢が、私たちに、
充実した31日間をもたらしてくれるに違いない。

最後に「厳しさ」に立ち向かう時の心構え。

元気を出そう」  
[結城義晴著『メッセージ』(商業界刊)より]

元気を出そうよ。
それがあなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。

冷夏・残暑で売れなかった。
それはお客さんの元気がなかったからか。
暖冬でまたまた売れなかった。
お客さんたちが買うことに疲れたからか。

いいえ、そうではありません。
お客さんには欲しいものが見出せなかった。
買いたい気分が生まれなかった。
商品やサービスにがっかりした。

あなたの元気は商品に乗り移る。
あなたの元気は店を活気づかせる。
あなたの元気はお客さんを励ます。
仲間を、取引先を勇気づける。

   元気とは心の躍動です。
   元気とは強いコミュニケーションです。

天気は人間の力ではどうにもならない。
景気も組織の力で動かせない。
しかし元気だけはあなたの力で生み出せる。
そう、元気は自分で何とかなる。

だから、元気を出そうよ。
それが今、あなたの仕事です。
元気をふりまこうよ。
それがあなたの役目です。 

<結城義晴>  

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