結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2009年12月10日(木曜日)

コーネル・ジャパン「立地論・店づくり論」の後でマイケル・ポーター教授に会う

コーネル大学RMPジャパン12月講義第2日目。
ここから経営技術論に入る。

まず、朝9時から立地論。
講師は、ブルーチップ㈱総合研究所代表の山本義昭先生。
テーマは「スーパーマーケットの立地政策1・2」  
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山本先生とは、私、長いお付き合い。
1時限90分の講義を2講座。
講義の全体構造は4つに分かれている。
1.小売業を取り巻く市場環境の変化
2.商圏構造とマーケット的ポジショニング
3.出店戦略の重要性
4.スーパーマーケットの立地と商圏の大変化
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有店舗ビジネスは、何よりも立地が大切。
「一に立地、二に立地、
三、四がなくて、五に立地」  

こう言われるくらい。

最近専門紙誌でも、立地論に関する特集など、
あまり見られなくなった。

とりわけスーパーマーケットは、
立地が良ければ、
そして競合がなければ、
競合が少なければ、
商品は売れてゆく。

さらに、
「売れれば売れるほど、
易しい商売となる」  

「売れなければ売れないほど、
難しい仕事となる」

だから立地は極めて大事。

そのあたり、超ベテランの山本先生は、
豊富な資料をもとに、丁寧なレクチャーをしてくれた。

一つとても重要なこと。
立地調査をするときには、あらかじめ、
自社の最も良く売れている店舗と最新店舗の調査をしておくこと。
そのうえで、新しい立地調査を展開し、
売上予測を立て、投資回収性を検討し、
出店の意思決定をすること。

昼食後、午後からは店づくり論。
講師は、田村ストアプランニング研究所所長の田村洋三先生。
テーマは「店舗づくりの理論と技術1・2」  
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田村先生とも、長い付き合い。
大学を出てから、レナウン、イトーキで、
店舗・売り場デザインの技術を身につけ、
その後、イトーヨーカ堂初期のプロトタイプ上大岡店の店づくりから、
同社総合スーパーの設計に携わり、
次に郡山に住んで、ヨークベニマルの店舗設計に勤しむ。
こちらも初期のプロトタイプ希望が丘店から始まって、
チェーン展開の中枢店舗の設計を担当。

その後、日本中のスーパーマーケットの店づくりにかかわる。

私は田村先生の『スーパーマーケット経営技術』(商業界刊)を、
「食品商業」誌に連載し、単行本にした。

田村先生は、
1.行動科学から見る動線計画
2.人間工学から見る陳列技術
3.商圏と店舗フォーマット
4.NSCの機能と配置
さらに、
5.スーパーマーケット売場レイアウトの基本と応用
6.バックルームづくりの基本と応用
こんな内容が90分。

さらに後半は、地球温暖化防止と温室効果ガス削減、
エコストア開発と講義が展開。

主張のある店づくり論を教授してくれた。

あっという間に、午後4時半。
副学長が簡単なまとめをして、
12月コーネル・ジャパンは終了。

ご苦労さま。
聴講し、勉強するのは大変。
しかし、講義の準備をし、レクチャーするのはもっと大変。

講師陣の先生方に心から感謝したい。

今回のレポートは、
副学長からの「クリスマス・プレゼント」で、
軽い内容になる。

第二期生全員に告ぐ! 年末商戦に全力を挙げよ。  
そして「厳しさに学べ」  

講義終了後、荒井伸也首席講師および事務局とで会議。
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来年度の第三期コーネル大学RMPジャパンの1年間の日程決定。
第二期の1月講義、2月講義、3月講義、4月講義などの詳細を詰めた。

事務局の皆さんも、お疲れ様。

さて、2日間、法政大学ボアソナードタワー25階で勉強していたが、
その後、26階のレストランで、ある集まりが開催された。
「マイケル・ポーター教授講演会記念パーティー」  
この日、午後3時から、
法政大学経営学部創設50周年記念として、
ポーター教授が来日し、講演を行った。

私は残念ながら、コーネル・ジャパンの講義があって、
それは聴き洩らしたが、
パーティーだけ、ちょっと参加。

前法政大学総長の清成忠男先生のご挨拶。  
p1
「中小企業論」の専門家で、
小売商業や流通業にも造詣が深い先生。

そしてマイケル・ポーター教授。  
ハーバード・ビジネス・スクール教授。
考えてみると、私とご同業。
p2
代表作『競争の戦略』は戦略論の古典。
『日本の競争戦略』は日本型モデルの解説書として、
世界中で読まれた。

その最後の項で、ポーター教授は、
「新しい日本型モデルの必要性」を説いている。

「重要条件に基づく優位性は、
日本の企業と消費者が環境保護に目覚めたとき、
さらに強化されるであろう」
「また日本は、増加の一途をたどる高齢者のニーズに
応える先端市場となる可能性もある」

「教育水準の高い国民は、
知識集約型の競争においては大きな資産となる。  

特に日本の女性は優れた資産であり、
日本の企業セクターを変革し、
人口の高齢化という状況下において、
経済成長を支える労働力の中核となる存在となりうる」

マイケル・ポーターの言に、
耳を傾けたい。

さてこのポーター教授の講演を聴いていた男がいた。
月刊『マーチャンダイジング』編集長・宮崎文隆。
現在、㈱ニュー・フォーマット研究所取締役編集統括。
m1
今年夏まで、㈱商業界の『販売革新』編集長を務め、
秋に退社して、NPO法人などを立ち上げていた。

36歳で看板雑誌の編集長となり、
商業界でも将来を嘱望されていたが、
「自ら変われ」の「蛻変」を断行して、
現在、大活躍中。

宮崎編集長との酒は旨かった。
久しぶりに深酒し、大議論した。

マイケル・ポーターも、
私にとっては嬉しい出会いだった。

<結城義晴>  

2009年12月09日(水曜日)

コーネル・ジャパン第二期12月講義は結城義晴・荒井伸也・矢作敏行の理論編

日本経団連会長の御手洗冨士夫さんの発言。  
タイ、シンガポール、ベトナムを訪問中、
随行記者団の取材に対して日本の国内景気を展望。
日経新聞に掲載されているが、
ここに少しだけ夢が感じられる。

「日本の国内景気も来春以降、緩やかに回復する」
「アジアをまわると回復の足取りが力強い」
「日本も密接な関係があるため、
V字回復ではないが来春から段々とあがる」

御手洗さんはご存知、キャノン会長。
だから輸出に展望を見出す。

日本の景気も、まず輸出が伸びて、
国内経済が活性化し、
それがやがて雇用や賃金に反映され、
内需につながる。

「来春以降、緩やかな回復」  

そんな希望を持って、仕事に臨みたい。

もちろん景気が少し回復したからといって、
すべての店にその恩恵がもたらされるわけではない。

「厳しさに学べ」を貫いてきた企業や店に、
好況はより多くのご利益を提供する。

さて、イオンが米国の子会社タルボットを売却する。  
岡田元也社長は、かつて、
タルボット社長からトップマネジメントのキャリアを始めたから、
忸怩たるものがあるだろうが、
最後の決断をした。

この意思決定は、正しい。

ピーター・ドラッカーが、初対面の時に
ゼネラルエレクトリック社長のジャック・ウェルチに言った言葉。
「あなたにとってドキドキワクワクする仕事はありますか。
あなたにとってドキドキワクワクする仕事はどれですか。
ドキドキワクワクする仕事だけしなさい。  
それ以外は他人に任せなさい」

これがジャック・ウェルチの「選択と集中」戦略になった。

一方、西友が「円高還元セール」を始めた。
合計約150品目の輸入商品を最大50%の値下げ。
この商人舎ホームページのトップに流れている流通ニュースの最新記事。
今日12月9日から1月3日まで。
ご存知、世界最大の小売業ウォルマート傘下で、
収益性の抜本改革に取り組む西友。

しかしウォルマート西友の「円高還元セール」には、
ウォルマートのグローバル調達網活用によって、
パワーとリアリティがある。

昨日から、コーネル大学RMPジャパンの12月講義。  
冬晴れの東京・市ヶ谷、法政大学ボアソナードタワー。              
1
その25階が、私たちの教室。
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12月の最初の講義は結城義晴。
「チェーンストア経営概論」  
3
ゴドフリー・レブハーの『チェーンストア』(商業界刊)と、
渥美俊一先生の『商業経営の精神と技術』(同)、
さらに『21世紀のチェーンストア』(実務教育出版)などから、
チェーンストアの本質と社会的任務などをレクチャー。
4
1940年、JCペニー社長のアール・C・サムズが、
「買物街の解放」という報告書を書いた。
ここにチェーンストアの社会的機能19項目が上げられている。
(1)チェーンストアは、生活水準を向上させる。
(2)チェーンストアは、小さな町々の事業並びに購買力を保全する。
(3)チェーンストアは、地方的企業の所産である。
(4)チェーンストアの株式の所有は、広く分散されている。
(5)チェーンストアの本社事務所は、国内至る所に配置されている。
(6)チェーンストアには、兼任経営が存在しない。
(7)チェーンストアの賃金給与は、割高である。
(8)チェーンストアは、社員が定着する。
(9)チェーンストアは、町に資本を持ち込むものである。
(10)チェーンストアの支払う賃貸料は割高である。
(11)チェーンストアは、市場を拡大し、また、農民所得を増大させる。
(12)チェーンストアは、市や町の繁栄に寄与する。
(13)チェーンストアは、すべての小売業に対し、高い標準を設ける。
(14)チェーンストアは、災害救助の要請に応じる。
(15)チェーンストアは、一層多額の税を納めている。
(16)チェーンストアは、小売業の廃業率の高いことに関しては、大きな要因とはならない。
(17)チェーンストアは、少年たちによい機会を与える。
(18)チェーンストアは、競争相手のためにも機会を大きくする。
(19)チェーンストアは、消費者に対する機会均等をもたらす。

ちょっと古いが、この中に、
チェーンストアのあり方が網羅されている。

私の考え方は、チェーンストア経営においても、
「原理原則を補助線として使う」
そう、ドラッカー先生のご指摘通り。

熱心に聴いてくださって、
ここらから感謝。
5

第二講義は、荒井伸也首席講師。
「スーパーマーケット原論その2」  
6
荒井先生は、
サミット㈱時代の改革の経験をもとに、
顧客行動から見た業態論、
そして秀逸のスーパーマーケット経営論を展開。

この講義は、コーネル・ジャパンの目玉商品。
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荒井先生の講義は、スーパーマーケット経営を、
他産業でも通用する理論の積み重ねで解き明かす。

これがその秀逸さの理由。
だから誰にでも理解できる。

第3講義、第4講義は矢作敏行法政大学教授。  
コーネル大学RMPジャパン主任講師。
テーマは「小売イノベーション論1と2」  
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矢作先生は、小売業における学者として日本第一。
そしてご自分のテーマ、「小売業のイノベーション」
エッセンスを180分通しで語っていただく。

コーネル流に学生への質疑応答を加えて、
参加型の講義を展開してくださった。

矢作先生の持論が展開された。

「持続的な競争優位性」をつくり出すために、
「模倣できない中核的な組織能力の保有」が不可欠となる。
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後半はコンビニエンスストアとスーパーマーケットの比較事例研究。
セブン-イレブンとヨークベニマルの分析。
深くて狭いイノベーションと広くて浅いイノベーションと、
矢作先生は整理する。
前者の典型がセブン-イレブンやユニクロ、
そしてヨークベニマルやヤオコー。
後者が百貨店や総合スーパー。

当然ながら深くて狭いイノベーションこそ、
模倣できないコアコンピタンスをつくりだす。

最後に矢作先生は、
クリステンセンの「イノベーション・ジレンマ」を紹介。
「イノベーションを起こした優秀な企業ほど、
自らの顧客に深く適応し、高度な企業モデルを構築する結果、
自己の顧客欲求以外の新しい顧客欲求に対応できなくなる」  

(矢作敏行テキストより)  

以って自戒とすべし。

今日までの講義が理論編。

明日から具体的経営技術論。
お疲れ様。

講義終了の午後7時には、
外は暗くなっていた。
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その後全員で銀座へ。
忘年会会場は「リストランテ・ヒロ」
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最初に副学長の乾杯のスピーチ。
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とびきり旨いイタリアン・フルコースと、
シャンパン、ワインを堪能。
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最後は、荒井首席講師の締め。
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お疲れ様でした。

解散はもう11時に近かった。

コーネル・ジャパン第二期生、
どんどん団結力がでてきた。

忘年会の交流だけでも、
その真摯さが伝わってくる。

楽しみなコーネル・ジャパン第二期ではある。

<結城義晴>  

2009年12月08日(火曜日)

ヤオコー川野幸夫会長対談「私の経営は情9割・理1割」

イオンが、この10日(木曜日)から14日(日曜日)まで、
「ボーナスセール」を展開する。  

全国の総合スーパー・ジャスコ、
スーパーマーケット・マックスバリュ、
そしてイオンモールのテナント専門店2万2500店。
「ボーナス減少割合と同じ」1~2割引きセール。
「減額ボーナス応援セール」の趣旨。

日経新聞の今年の「ボーナス使い道調査」。
支給予想額が前年減と答えた人が45%。
使い道の第一は「貯金」35%、
第二は「月々の赤字補填」22%、
第三は「ローン返済」20%。

イオンのセールは、この傾向への対策。

「ボーナスもらって今夜はご馳走」
こんな特売コピーよりも、
よほどリアリティがある。

一方、セブン&アイ・ホールディングスは、
今日、「セブンネットショッピング」を立ち上げる。  
社長は、鈴木敏文会長子息の鈴木康弘氏。

こちらはすでに展開しているセブン&ワイの書籍インターネット販売に、
食品から玩具・文具・化粧品まで500万品目。
もちろんプライベートブランドのセブン・プレミアムも扱う。

本腰を入れて、ネットショッピングに取り組む姿勢。
2010年から10年、20年先への対策。

ちょっと古い言い回しとなったが、
私は「クリック&モルタル」こそ、
最強のネット販売だと考えている。  

すなわち有店舗と無店舗の組み合わせ。

ただしリアル店舗で品質を確認してから、
無店舗で買うのではない。

リアル店舗のロイヤルティが、
ネット販売の信用となるから、
「クリック&モルタル」こそ、
顧客の信頼を勝ち取ると考えるものだ。

これも日経の記事。
ネット通販は好調。
前年比1~2割の伸び。

先週の「ボーナスサンデー」の12月6日、
楽天市場の売上高は30億円を超えた。  

ネット通販は2008年度売上高推定額は8兆円を超えた。
これは日本全体の百貨店やコンビニエンスストアを上回る金額。

「セブンネットショッピング」の立ち上げは、
このトレンドをとらえたもの。

しかし大手小売コングロマリットといわれる企業グループ、
やはり態勢が決まってから動く。

すなわち、遅い。

セブン&ワイは遅くはなかったが、
楽天と比べると、遅い。

イオンにしてもセブン&アイにしても、
「大企業病」の臭いがしないでもない。  

さて昨日は、朝から埼玉県川越市。
ヤオコー本部を訪問。
川野幸夫さんにインタビュー。  
ヤオコー会長にして日本スーパーマーケット協会会長。
1
商人舎と商人ねっとの共同企画CDオーディオセミナーの収録。
タイトルは「知識商人登場!」
川野さんは、まさに知識商人。
2
最初は、日本スーパーマーケット協会会長としてのビジョン。
小売業、商業の地位は、
その社会的な機能や貢献度に比べて、
不当に低い。

正当な評価をいただいて、
その上で、多くの人材に商業の世界に入ってきてほしい。
協会会長としての川野さんの仕事は、
この一点に絞られている。

私も、川野さんの持論には100%賛成。
だから気持ちよくインタビューをすることができた。
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スーパーマーケットとしての戦略に関しても、
私の考えはなぜか、川野さんと一致している。

川野さんは言う。
「まず理念が大切です」  
「お陰様」の気持ちで仕事すること。
「お陰様」が理念そのものとなる。 

次に「商売のコンセプト」。  
「何屋になるか」
「何屋なのか」  

それがライフスタイルアソートメントストアという概念になった。

このライフスタイルアソートメントに関して、
商品やサービスを、
コモディティとノンコモディティに分類して考える。
これも私は同感。

同感、同感ばかりで、
2時間はあっという間に過ぎて行った。
3
是非、CDオーディオセミナー、
聞いてください。

発売は、来年1月15日。
予約受付中。

最後に川野さんの言った言葉。
「私の経営は情9割、理1割」  

「しかしこれからは情の比率が下がり、
理の割合が上がってこなければならない。
しかし情が半分以下になることはない。  
スーパーマーケットや小売業はそういう仕事です」

そして、「ブルーオーシャン」の絵。
5
その前で写真。
4
川野さんは「ブルーオーシャン戦略」を最初に口にした経営者。
そしてその実践に努めてきた。
ヤオコーという20期連続増収増益の企業と店と人が、
それを如実に示している。

「まだまだです」
川野さんは言う。

この志の高さが、ヤオコーを支えている。
そしてこの志は、日本スーパーマーケット協会全体に、
波及されることとなる。

心から感謝。

<結城義晴>  

2009年12月07日(月曜日)

米国GEの次世代のリーダー教育投資と「ビッグ・シンカー」

Everybody! Good Monday!  

暖かかったり、寒かったり。
毎日、日替わり陽気の2009年12月。
第2週の始まりです。

今年の年末商戦。
厳しくて、遅い。  

ウォルマート副社長ジョン・フレミングの予測。

しかし全体のトレンドがそうであっても、
逆をいく戦略がある。

ユニクロの60周年感謝セールなどその典型。
世間が「厳しくて、遅い」ならば、
我々は、早くこじ開けようとの企画が、
極めてインパクトの強い独自性を生みだした。

今週、来週と現下の情勢は、
ボーナス支給期間。  

サラリーマン家庭では、ちょっと懐が暖かくなる。
しかし、将来への不安がある。
だから財布のひもは固い。
ぎりぎりまで支出を抑えて暮らしてゆく。
それが一般的な消費者心理。

そのちょっとを的確にとらえ、
顧客を喜ばして、商売に結び付ける。
そんな考え方はある。

一方、ちょっと豊かにはなるものの、
出費はますます抑えたいと考える家庭もある。
そんな人たちには、
「節約、倹約。もったいない」  
これを徹底して提案する。

今週・来週は、その意味で、狭間期間に入る。
心してかかりたい。

自分の店の主張を、はっきりと行動に表したい。
狭間期間の営業活動の鉄則だ。

さて今日の日本経済新聞。
米国ゼネラルエレクトリック社の幹部教育の記事。
「学び続ける最強企業」のタイトル。  

「金融危機の荒波に揺れる最良企業は、コスト削減に躍起だが、
残された聖域が一つある」

それは「次世代のリーダーを育てる教育投資」

GEは1956年に世界で最初に企業内大学を創設した。
「ジョン・F・ウェルチ・リーダーシップ開発研究所」という。
通称「クロントンビル」。 
それが発展し、現在も続いている。

GEの年間人材教育予算は10億ドル(90円換算で900億円)。
この教育予算だけは、どんなときにも削減されることはない。

コーネル大学リテール・マネジメント・プログラム・オブ・ジャパンも、
まったくこのGEの考え方と一緒だ。

日経はスーザン・ピーターズさんにインタビューしている。
GEの教育担当副社長。
「外部の声を聞き、
そこから学ぶ姿勢が、
リーダーの重要な資質になる」  

「経営陣は幹部教育を、
時間とカネをかけるに値する投資と考えている。
教育の予算を正当化したり、
投資対効果を考えるより、
教育の中身を考える」  

「GEマンの多くは15~20年ほど第一線で働き、
その間に絶えず教育を受け続ける。
次世代の幹部は2~3年ごとに集中教育を受ける」
幹部教育、次世代のリーダー教育こそ、
重要だとGEは考えている。

求められる人事像を聞かれてピーターズさん。
「ビッグ・シンカー」と答えた。
“Big thinker”  
すなわち「大きな視野を持つ人」。
「大きな考え方の人」。

そのために「若手社員が中堅・ベテランの指導役になる」
こんな教育システムなども考慮中。
「リバース・メンタリング」という。  

GEの教育は今月の商人舎標語に通ずる。
「厳しさに学ぶ」  

今週も喜んで学ぼう。
この厳しさに。

Everybody! Good Monday!  

2009年12月06日(日曜日)

ジジのサイレント[日曜版]

うしろむきだけど、
ボクの名は、ジジ。
1
今朝は、サイレント。
「ジジのパントマイム」

どうぞ。

まず、左手で。
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いかが?

つづいて、右手で。

サイレントなのに、
声が出ちゃいそう。

もう、いい?
おとうさん。

ああ、きもちよかった。
きれいになった。

どうです?
今朝のボク。

ありがとう。

<『ジジの気分』(未刊)より>

2009年12月05日(土曜日)

スーパーマーケットNISHIYAMA[後編]「圧巻の寿司売場」と惣菜アイテム

11月の新車販売ランキング。  
日本自動車販売協会連合会の普通車と、
全国軽自動車協会連合会の軽自動車の統計を合わせたもの。

トヨタ自動車の「プリウス」が6カ月連続で第1位。
第2位は、ホンダのフィット。
第3位は、スズキのワゴンR 
第4位、ダイハツのムーヴ。
第5位、トヨタのヴィッツ。  

今や日本の車の代名詞のようなハイブリッド車。
エコカー減税と新車購入補助金、
つまり政府支援策が効果を発揮した。
その上、燃費性能が高く、環境対応。

11月の総販売台数に占めるハイブリッド車比率は、
全体の約1割に達する。
前年同月に比べ7ポイント増の9.7%。

ハイブリッド車比率は今年4月から急上昇。
それまではホンダのフィットが首位だったが、
9月までの半期平均で全体の8.9%。
それが11月は10%に近づいた。

トヨタは12月7日に、
新型ハイブリッド車「SAI(サイ)」を発売。
発表後1カ月で受注台数1万4000台。
これは月間販売目標の約4.7倍。

政府の支援策があったとはいえ、
異常なブームをつくりだした。

日本人は、金がないのではない。
使い道がないのだ。  

もっと丁寧に言えば、
金を使わねばならない世代に金がなく、
金を使わなくてよい世代に金がある。
全体でならしてみると、金がないわけではない。

だから金がある人から金を引き出し、
経済を循環させ、
それが活性化するとやがて金のない世代に、
金が回るようになる。

小売業やサービス業は、
その役目の一端を担っている。

さて、スーパーマーケットNISHIYAMAスタディの後編。  
寿司・惣菜・自家製ケーキなど。
すぐ食べられる商品がすごい。
すぐ食べられるものの出来が良いから、
顧客の反応が早い。
反応が早いから、
現場に結果がすぐにわかる。
すなわちやりがいがでる。

寿司売場は、間違いなく日本有数。
「日本一」と言いたいところだが、
私が日本中の店を見ているわけではないので、
「日本有数」と言っておこう。

売場中央に、デンと構えるのが、
三田店名物俊ちゃん亭の煮魚・焼き魚コーナー。  
もちろん自家製。
担当者「俊ちゃん」のはっぴ姿と笑顔がいい。
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大皿に旬の魚の焼き物、煮物が、
10種類以上おいしそうに並ぶ。
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新潟産つばすの煮付け150円、同じくごまさば150円、
秋刀魚の塩焼き130円と驚くほど安い。
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北海道産の日高浜炊き昆布は198円。
これが絶品。
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売り込み商品には、これでもかと、
ショーカードを付けて、お客にアピール。
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この鮮度とこのボリュームで低価格を実現しているのは、
北海道の指定工場で製造させている自社開発商品だからだ。
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自慢の寿司コーナー「心鮮感」。
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この日は「細巻バイキング」をテーマに
様々な細巻寿司を1本100円均一で販売。
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あおりいか、ツナ、あなごなど、
旬の具材を巻いた巻き寿司が並ぶ。
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オリジナルの寿司メニューが並ぶ圧巻の寿司売場。
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握りとちらしの特選寿司は1000円。
かにのボリューム感がすごい。
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本日のお勧め「香住かにづくし」ちらしは1パック850円。
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寿司コーナーはそのボリューム、メニューの豊富さで圧巻。
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太巻き500円、中巻380円。500円で大満足のPOPで訴求。
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NISHIYAMAは、サンドイッチ寿司などのオリジナル商品開発に優れている。
全国のスーパーマーケットが実習を受けにくるくらいだ。
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気節限定の「秋祭寿司」。
商品も売場でも季節訴求が本当に上手い。
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とろっとろ煮豚弁当580円。
これは精肉売り場の「とろとろ煮豚」を、弁当に転用した商品。
大人気。
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揚げ物コーナー。
「最高級の油を使っているから胸やけしません」と、
顧客に訴える。
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こだわりの逸品には、その理由を表示して販売。
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こだわりの逸品のケーキ菓子を通路の特設コーナーで販売。
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京都菓子職人がつくったアップルケーキ150円、
チョコパイサンド120円、フルーツ姫タルトはホールで598円。
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本当に安い。

150円なら思わず手にとりたくなる。
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この味で、150円。
そしてこの量。
だから利益がでる。

NISHIYAMAの「こだわりの逸品」は300アイテムある。
すべて自社開発商品だ。

自社開発するから、「よいものをどんどん安く」が実現できる。

良い品をどんどん安く」   
<『メッセージ』より>   

「良い品をどんどん安く」
この言葉のもつ本来の強靭さは、
生態系のごとく循環の構造を有するところにある。

良い品を売る。適切な品質を提供する。
すると、顧客は喜ぶ。
そんな顧客が増えると、品はどんどん売れる。

どんどん売れてゆけば、一品一品が安くなる。
売れれば売れるほど安くなる。
「利は売りにあり」で利益が生じる。

利益が、次の良い品をつくることに貢献する。
この新しい「良い品」によって顧客はもっと喜ぶ。
そしてますます、どんどん売れる。

ますますどんどん売れれば、さらに一品一品は安くなる。
安くなるから、いっそう大きな利益が生まれる。
それが、さらにさらに良い品をつくることに機能する。

こうして「良い品」のレベルは飛躍し、
「どんどん」の量は爆発し、
「安く」の水準は国際級になってゆく。

真理は、常に循環しつつ、構成要素そのものを高めていく。
真理は、この体系にこそ宿っている。
真理とは、自ら進化する構造を内包するものなのだ。

だから「良い品をどんどん安く」の一挙実現を図ると、失敗する。
三つの要素をいっぺんに果たそうとすると、挫折する。
仕事や商売の成長と発展に、短絡はない。

トヨタのプリウスもNISHIYAMAも、
「よいものをどんどん安く」の好循環に入っている。

<結城義晴>  

2009年12月04日(金曜日)

日本のトレーダージョーズ「NISHIYAMA」流サムシング・ベターの秘密[前編]

日本列島、昨日と打って変って、
今日はポカポカ陽気。
毎日毎日、変化を楽しむことができる。
しかし地球は温暖化が進む。  
ロシアの冬も超のつく暖冬。
なんとモスクワで気温8度という。

そんな暖冬の東京証券市場、
日経平均株価が1万円の大台を、
一瞬のことだが超えて、一安心。

それでもドバイショックのようなことが起こる。
すると地球規模で、一瞬の閃光とともに、
パニックが起こる。

ゆめゆめ油断がならない。

世界最大の労働組合のナショナルセンター「連合」が、
中央委員会を開催。
「5年ぶりに賃上げ改善要求を見送る」  
これを正式決定。

連合幹部は、何ともやるせないだろうが、
「賃上げ水準の維持と雇用の維持を最優先」する方針。

古賀伸明会長は、賃上げに関しては、
「参加の業界別労組や個別組合に判断を任せる」とコメント。

しかしこれによって、従業員・労働者に対して、
不当に低い賞与やサービス残業が、
幅を利かすようなことがあってはならない。

モティベーションを上げるだけ上げておいて、
その上で働かせるだけ働かせておいて、
その見返りを払わない。
正当な権利をも侵害する。
そうしておいて企業の存続を果たすだけ。
こんな経営者には、経営者の資格がない。

連合の意思決定が、
こういった風潮を蔓延させないことを望むものだ。

さて、今日と明日は2回にわたって、
スーパーマーケットNISHIYAMAの売場と商品紹介。  
1
先月6日に三田店を訪れた。
そのときにはダイジェストでお伝えしたが、
読者のためには、詳細を紹介した方が良いと考えていた。

何しろ、Retail is detailなのだから。

NISHIYAMAのsomething betterをご披露しよう。
前編は、生鮮食品と加工食品。
2
「よいものをどんどん安く」  
中内功さんが言ったダイエーのスローガン。

いつでも、どこでも、
「よいものをどんどん安く」を実現できれば、
お客様は喜んでくださる。
「よいものをどんどん安く」提供しつつ、
適性の利益を確保できれば、
店は繁盛し、企業は繁栄する。
従業員も満足する。

その意味で「よいものをどんどん安く」という考え方は、
真理を突いている。

アメリカのトレーダージョーズは、
もうこのブログでもおなじみだが、
商人舎の2009米国チェーンストア・ランキングで55位。
年商72億ドル(1ドル100円換算で7200億円)。これは前年比10.7%プラス。
店数はもう326店で、こちらは11.6%プラス。

アメリカの小売業の好調組を私は「WWTC」と呼んだ。
ウォルマート、ウォルグリーン、トレーダージョーズ、コストコ。

彼らは皆、「よいものをどんどん安く」の企業ばかり。
食品専業は、トレーダージョーズだけ。
この会社とNISHIYAMAは、同じ考え方である。

まず、青果売場から。
カボチャ。
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「落合さんの栗かぼちゃ」
北海道・美深産。100グラム38円。
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これがうまい。
NISHIYAMAは自ら商品開発を積極的に展開している。
しかし残念ながら、素人がいくら努力して開発しても、
「よいものをどんどん安く」は実現できない。
プロの存在抜きには可能とならない。
そのプロフェッショナルとは、
専務取締役の古山勇起さん。

南高梅干898円。
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しかし南高梅つぶれ梅は748円。
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これが飛ぶように売れる。

「やまぶきたまご」は、
黄身に針を刺しても破れない。
強くて濃厚でおいしい卵。
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テレビでも紹介された「サンマみりん干し」。
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みりん干しは通常、生サンマとして出荷された残りでつくられる。
しかしNISHIYAMAでは、脂の乗った一番グレードの高いサンマで、
みりん干しをつくる。
だからとびきりうまくて、安い。

「新物時鮭」
これも開発商品。
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北海道近海で水揚げされた時鮭。
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商品が「よいものをどんどん安く」だから、
プレゼンテーションの力が生きてくる。
売り方や見せ方だけが特徴的でも、
商品がそこそこでは、顧客にすぐに見破られてしまう。
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西山進社長も古山専務も口をそろえて強調する。
「サムシング・ベターは商品そのもの、そして人です」

刺身売り場。
「旬」「鮮度」「地域一番」
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「生紅サケとほたて貝柱」の刺身。
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「いいもん見つけてきました」のPOPが躍る。
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エンドでは、スパゲッティの開発商品。
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フィリッツスパゲティは、
イタリア産のデュラム・セモリナ100%使用で、
500グラム178円。
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「安くてうまい」はまさに本当。
自社発見商品。

調味料にも開発商品は多い。
「なつみかんとだいだいのポン酢醤油」
300グラム398円。
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「石橋ばあちゃんの手造り柚子こしょう」
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これもバスケットに陳列するだけで、
確実の固定客がつく逸品。

ゴンドラエンドの開発商品群。
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カレールー、そうめん、ちゃんこの素。

ワインも自社開発商品。
白ワインはシャルドネ、
赤ワインはカベルネソーヴィニオン&メルロー。
2アイテムだけ。
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フランスから持ってきたワインを詰めかえて、
「TANBAWINE」と命名。
丹波篠山のワインというわけ。
これなどトレーダージョーズのチャールズ・ショーのよう。

今日の最後は精肉売り場。
「不況には低価格タンパク源が売れる」とは林廣美先生の名言。
ご存知、日本最高の惣菜マーチャンダイジングの指導者。
NISHIYAMAのそのひき肉売り場。
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「トリプルミンチ100グラム100円」
これが飛ぶように売れる。
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自家製の「とろとろ煮豚」も特製の製法で、とびきりうまい。
100グラム198円。
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ナショナルブランドメーカーがコピー商品をつくるが、
NISHIYAMAの域には達しない。

日本のトレーダージョーズNISHIYAMA。
自分で開発し、自分でつくる。
巨大メーカーや従来の産地発想で、
見落とされていた商品の見落とされていた部分を、
プロフェッショナルが見つけ出し探し出して、
自社商品として開発する。

業界慣習や業界の常識の裏を行く。
だから「よいものをどんどん安く」になる。

それがNISHIYAMAのサムシング・ベター。(明日に続きます)  

<結城義晴>  

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