結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2010年07月16日(金曜日)

「人口動態デフレ論」とコモディティ、ノンコモディティの考察

奄美地方に梅雨明け宣言。

日本列島を北上して、
この1週間ほどで、全国的に梅雨は明ける。

すると真夏、夏休み。

今夏の海外旅行者数は、
リーマン・ショック以前のレベルに戻る。

その分、国内消費には影響が出るけれど。

今週もあっという間にウィークエンド。
商人舎のホームページと結城義晴のblog毎日更新宣言のご愛読、
心から感謝。

このホームページ右段の新着ブログ。

今日の金曜日は「林廣美の今週のお惣菜」
週末に向けて、1週間に1品、これとお勧めの惣菜の注意点を、
林先生が、毎週、提案。
8月の13日の金曜日のブログで、
記念すべき「100回目」を迎えます。
秋から冬にかけて、また、
林先生とセミナーをやりたいと思っています。

昨日の木曜日は「五十嵐ゆう子のWeb小説」
「Thank you~命をありがとう」
もう第26話となりました。

それから「立教大学結城ゼミ・ブログ」
ときどきゼミ生と私からの書き込みがあります。
連絡帳のようなものになっていますが、
大学院のゼミはどんなことをやっているのか、
どんな連絡をしているのか。
まあ、興味のある方はのぞいてみてください。
まだまだブログとしては、一定のリズムとレベルにはなっていませんが。

毎週火曜日には、
「二宮護の物流業界の基礎知識」

第11回を迎え、来週は最終回。

二宮さんは『物流業界大研究』(産学社刊)の著者で、
正確な情報と的確な分析には定評のある物書き。

ご愛読ください。

さらに「杉山昭次郎の流通仙人日記」。
もう43回目を迎えますが、
7月の4日に書き込み投稿がありました。

ヒロロさんからのコメント。
「休日に職場で噂に聞いていた杉山先生のブログを覗いてみました。
一気にこれまでの連載を読みました。
自分の経験不足もあり、理解の難しい話もありましたが、何となく、
スーパーマーケットを運営する上で、
考えるべき視点が分かるような気がして、
大変勉強になりました」

これに対して、杉山先生から返事が寄せられました。

こういった双方向の意見交換や質疑応答。
私は、心から嬉しく思います。
杉山先生も、2カ月ほど、
ブログが途絶えていたのですが、
83歳にして、元気回復。

かつて、私が『食品商業』の編集長だったころ、
「杉山昭次郎の辛口書評」という好評連載を続けていました。

まさしく「辛口」の書評で、
毎月、痛快な批評で、たくさんの愛読者に支持されていました。
1995年、『往復書簡 P・F・ドラッカー 中内功』という本を、
この書評で取り上げました。

しばらくすると、編集部あてに、ダイエー社長だった故中内さんから、
墨文字で書かれた巻物のような手紙が届きました。

杉山先生へのお礼が、
丁寧な毛筆で書かれていました。

今回のヒロロさんからのコメントに対しても、
杉山先生は中内さんと同じように応えてくれました。

有難いことです。

商人舎のホームページのブログ、
このほかにも 『物流クレート標準化物語』、
『浅野秀二のアメリカ寄稿』(今週からイタリア紀行がスタート)など、
充実を図っています。

ご愛読のほど、お願いします。

さて、私は昨日、長野県の軽井沢から帰ってきました。

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アウトレットモールは相変わらず大繁盛。
dscn5505-2.jpg

東京・横浜など高温多湿状態でしたが、
軽井沢は雨上がりのさわやかな陽気。

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木々の緑も豊かで、
本当に疲れが癒された。

考えてみると、 4月からずっと、
土曜日には立教の授業が4時限分くらい入っていて、
それが先週の土曜日で終わり、
コーネル大学RMPジャパンも1年間が終了し、
仕事に一気に区切りがつき始めた。
さらに5月の米国出張の後、
講演や講義などに追われて、
気を抜いて休みむときがありませんでした。

しかも来週からコーネル・ジャパンの卒業旅行で、
ニューヨーク州に出かけます。

だから、精神的な休養をとるのは今しかなかった。
そんなタイミングでの軽井沢訪問でした。

本当に、有難かった。

成果も十二分に出たし。

信越新幹線の軽井沢駅では、
おぎのやの「峠の釜めし」ショップが、
観光客でにぎわっていました。

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「名物にうまいものなし」

果たして、断言して良いものか。
私は、否。

おぎのやの創業は明治18 年、1885年。
国鉄横川駅の開業と同時期のスタート。

峠の釜めしの登場は昭和33年、1958年。
有名な田中トモミさんの発案だとされる。
田中さんはその後、同社の副社長に就任して、
伝説的な存在となった。

栃木の益子焼の釜に入っています。
醤油味の炊き込みご飯で、
具は鶏肉、椎茸、筍、さらにささがきごぼう、鶉の卵など。
私は特に、椎茸と筍が好き。

器の釜は持って帰って、
飯ごうのように1合分のご飯をたくことができます。

荒井伸也先生のように、自宅の庭の芝生の上に二つ並べて、
ゴルフコースのティーマークの代わりに使うこともできる。

この峠の釜めしは現在、軽井沢駅、長野駅など主要な駅、
上信越自動車道や国道18号線のドライブイン、
さらに長野新幹線「あさま」の車内などでも買うことができる。
ただし車内販売は、高崎・軽井沢間の両駅に停車する列車のみ。
もちろん、百貨店やスーパーマーケットの駅弁大会でも人気の商品。
しかし私は、駅で購買して、車中で食べたり、
お土産として持って帰って、家で食べたりするのがよいと思います。

旅情と釜めしの結びつき、
その気分が大事。

「峠の釜めし」はそんなノンコモディティ商品ということになります。

軽井沢では、最後に、前原山荘で交流会。
dscn5502-3.jpg

左から、荒井伸也先生。
ご存知、作家にしてオール日本スーパーマーケット協会会長。
コーネル大学RMPジャパン首席講師でもある。
そのお隣が、荒井令夫人の恭子さん。

私の隣が、主催者の前原章宏さん。
㈱とりせん会長。

そして㈱あづま食品社長の黒崎英樹さんと、
㈱土佐屋商店社長の中津直三さん。

写真には写っていませんが、まだまだ、メンバーは多かった。
㈱関西スーパーマーケット社長の井上保さん、
サミット㈱社長の田尻一さん、
㈱スーパーアルプス社長の松本清さん、
㈱千葉薬品社長の神﨑彰道さん、
フジッコ㈱社長の福井正一さん、
そして㈱とりせん社長の前原宏之さん。

皆さん、本当にありがとうございました。

さて今日の日経新聞コラム「大機小機」。
私の愛読するコラム。
各界の一流の人物がペンネームで順番に書いているけれど、
不思議に一貫したものがある。

今日は、コラムネーム・カトー氏「人口動態デフレ論の不思議」。

日本の「デフレの正体は人口動態だという議論」に人気が集まっている。
「少子高齢化が生産年齢人口の減少をもたらし、
それが構造的な供給過剰につながる」
さらに供給過剰が「商品・サービスの単価下落につながっている」

これが「人口動態デフレ論」。
カトー氏は指摘する。
「なぜ生産年齢人口の減少は供給ではなく、需要を減らすのか」

「人がいなくても機械化でものが多く供給されていく」
「高齢者には欲しいものがない」
こんな理由が「人口動態デフレ論」の論拠だとカトー氏は言う。
しかしこれらは「きちんとしたデータ分析の裏付けに乏しい」と一喝。

生産年齢人口減少とコモディティをストレートに結びつけるから、
私は、この論議になると思います。

世の中にコモディティの商品とサービスしか存在しないとするならば、
人口動態デフレ論になっても仕方がない。

現実はそうではありません。

峠の釜めしも、旅情が加味されるから、
「名物がうまいもの」となる。

カトー氏は、人口動態デフレ論が受ける理由を上げます。
第一に「少子高齢化への懸念や恐れが人々の間に共有されていること」。
私は「高齢社会は成熟社会」と捉えるべきだと考えています。
生産年齢至上主義は、20世紀的な「成長至上主義」から出ています。

高齢社会を恐れることはありません。

カトー氏の指摘の第二は、
「マクロ経済政策」よりも「構造改革的なもの」への欲求。
そして第三は、
おそらくマクロ経済学者であろうカトー氏自身の「マクロ経済学」に、
人口動態デフレ論者が不信や反感を抱いていること。

少子高齢化すると、デフレになる。

これは短絡でしかありません。
そんな脅しに乗ってはなりません。

カトー氏の見解に私も賛成。
ただし、人口動態が最も重要な経済要素の一つであることは、
カトー氏も私も否定はしない。

<結城義晴>

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