結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2012年06月30日(土曜日)

日本スーパーマーケット協会総会パネル討論会とパーティ交遊録

2012年6月最後の日。
今年始まった1月から数えて、
ちょうど半分。

折り返し点。

後半戦はどうなることやら。

今月の商人舎標語は、
「前向き・上向き・外向き」
果たして、実行できただろうか。

私自身は、まさしく前向きだったし、
上向き、外向きだった。

いい6月だった。

今年を遡ると、
5月の標語は 「生きよ、学べ。」
4月の標語は 「シンプルに。」

3月は昨年の東日本大震災を忘れず、
「ひとつずつ、すこしずつ、いっぽずつ」

2月の標語は 「一心不怠 成長無限」
そして2012年1月の標語は、
「朝に希望、昼に努力、夕に感謝」

標語を思い出すだけで、
頑張ろうという気になってくるから不思議。

さて、ロンドンオリンピックが迫っているが、
いまひとつ盛り上がらない。

それよりも、
サッカーのヨーロッパ選手権。
決勝戦が迫る。

スペインとイタリア。

そのイタリアは、昨夜、
ドイツを破って決勝進出。

イタリアのフォワード・バロテリは、
二つのゴールを決めて大活躍。

ガーナ系移民の両親を持つ黒人。
家は貧しく、子供のころ養子に出された。

様々な騒動を起こす問題児だが、
それでもイタリア・サッカーになかったイノベーションがある。

第2のゴールのあと、上半身のユニホームを脱ぎ捨て、
自らの肉体美を見せつけたが、
そこにも何かクールな意思を感じさせる。

次の試合を見たくなる。
そんなアスリートの誕生である。
よろこばしい。

さて日経新聞コラム『大機小機』。
「面白くなくなった」などと書いたら、
「そんなことない」との返答のように、
面白いのが続く。

私の好きなコラムニスト桃李氏が、
「現状維持の壁」を書く。

「成功している限りは、
そのビジネスモデルの変更は
不可能に近い」

だから「現状維持」的な政策が増える。

「過去に成功した伝統ある大企業ほど、
そのレガシーコストゆえに
現状の変更は難しい」

「よって、やるべきことは分かっていても、
破綻かそれに近い状態にならない限り
抜本改革はできない」

しかしそれでも、
どんな企業も破綻寸前には、
それができることがある。

「日本の産業界も今ほど追い詰められれば、
事業モデルの大転換を進めざるを得ず、
再び成長する契機をつかむことになろう」

期待したい。

ただし、「行動の結果がその存亡に反映されない組織の行動」には、
おおいに問題が残る。

政党、そして日銀。

ただし「政治の失敗は、
次の選挙で国民の審判を受ける」。

コラムニストは指弾する。
「最大の例外は金融政策である」。

「過去20年間デフレに陥らず2%ほど高い成長が実現していれば、
現在の国内総生産(GDP)は900兆円となり、
財政危機も増税もなかったはずである」

「行動の結果がその存亡に反映されない組織」
いや「反映されにくい組織」
それこそ危ない。
金融政策は「正しく使えば健全な経済を維持できるが、
使い方を誤れば経済を弱体化させる強力な手段」。

しかし「結果がその存亡に反映されない存在」こそ、
諸悪の根源であることが多い。

回りを見渡してみよう。

さて、昨日の日本スーパーマーケット協会通常総会。
パネルディスカッションと懇親会の報告。

有楽町の帝国ホテル本館「富士の間」の会場には、
正会員、賛助会員企業から700名ほど参集。
はじめに、協会活動のスライド報告。
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説明をするのは、協会専務理事の大塚明さん。
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日本スーパーマーケット協会はさまざまな研究会活動を行っている。
ニュービジネス研究会、次世代販促研究会、リテール研究会など。

その研究成果は今年も11月7日、8日にセミナー形式で発表される。
テーマ資源を持って研究活動を行うのは、この協会の最大の特徴。
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そのころ、私は、控室でパネリストの皆さんと最後の打ち合わせ。
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そして、パネルディスカッションの開始。
テーマは、
「スーパーマーケットのサバイバル&成長戦略」
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パネリストは、昨日も書いたが、
80台の日本チェーンストア協会会長・清水信次さん。
㈱ライフコーポレーション会長、日本スーパーマーケット協会名誉会長、
国民生活産業・消費者団体連合会会長。
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70歳台の㈱ラルズ会長・横山清さん。
一般社団法人新日本スーパーマーケット協会会長。㈱アークス社長。
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そして主催協会会長60台の川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長。
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そしてコーディネートは、
今回50台ぎりぎりの結城義晴。
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私からのディスカッションテーマは、
ひとつは、東大震災後の社会とマーケットの変化をどう変わったのか。
ひとつは、協業、業務提携、M&Aなどの戦略、商品政策などは
変わるのか、加速するのか。

そして、消費税増税法案が衆議院で可決され、
価格コンシャスが高まる中、
スーパーマーケット企業、協会団体は、
どう考え、どう行動すべきか。
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論客の御三方だから、時間はあっという間に過ぎていく。

震災後のマーケットの変化について、川野さんは、
「震災後、消費者の買い物時間が早まった」と指摘。
早い時間に買い物をする、買い物そのものの時間も短縮された。
この二つのことは大きな意味を持つ。
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「世の中は変わりつつある。震災はきっかけに過ぎない。
その変化に合わせてスーパーマーケットは変わらなければならない。
少子高齢化でパイが縮むと、財布の中身も減る。
それでもより豊かな食生活を実現したい。
価値が価格を上回る、値ごろに対するニーズは強まる」

「直接被害を受けた方以外は、大震災のメリットを受けている。
大変だと言いながらも増収増益」と横山さん。

「北海道は東北に比べて被害は少ないから、実感は薄いが、
昨年の12月からユニバース(青森)とリアルな仕事すると、
日々、細かい震災の影響はある。
しかし、オーバー・カンパニーである以上、
大手の戦略のほうが影響を受けやすい」
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清水さんは、政治の歴史を振り返りながら、
政治と行政に対する持論を展開
「震災後、経産省に行ってみたが政治が機能していないと分かった。
一番の不幸は対応が悪い民主党政権であったこと。
政治がいかに大事か」
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M&A、業務提携についての質問に横山さん。
「鴨長明ではないが、水は絶えず変化している。
ホールディングカンパニーを作って、
大波小波を乗り切れる、志が一緒の人とやる。
救済ではなく、力のある企業との合併」
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「M&Aという言葉は嫌いだ。
マインド&アグリメント、
決めたことを守っていこうということ」

㈱ライフコーポレーションと㈱ヤオコーの業務提携が合意された。

その当事者のお二人のパネリスト。
川野さんの見解。
「スーパーマーケット企業には、
それぞれのサバイバル戦略がある。
何をサバイバルさせていくのかが大切」

「スーパーマーケットには大別すると二つある。
『コモディティ・ディスカウント型』
『ライフスタイルアソートメント型』
前者はコモディティ商品の価格を打ち出す戦略、
後者はライフスタイル提案を中核とする戦略」

この見解は、私と全く同じ。
私はコモディティ重点型とノンコモディティ重点型という。

「どっちをとるかによって、
サバイバルのあり方が変わっていく。
ヤオコーは後者」
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「ヤオコーは増収増益を続け、多くの方から褒められる。
どんな企業も、いつまでも元気で居続けることができないが、
褒められると井の中の蛙になりやすい。
だから優秀な企業と業務提携をして切磋琢磨し、
自らの仕事を見直していくことが大切」

「何よりもトップマネジメント同士の信頼があったから、
業務提携が実現した」

それを受けて清水さん。
「岩崎高治社長に任せている。
社長同士、幹部同士に任せて、
協会活動、生団連活動をしている」
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こうして予定時間を超え、17分オーバーし、終了。
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私はそれぞれの発言を要約しつつ、
議論の噛み合わせを図りつつ、
ポジショニング戦略の重要性を強調した。

ピーター・ドラッカーの言う「強み」を、
活かしきる経営の時代の到来である。

講演後、「面白かった」の声しきり。
ご清聴、感謝、

そして場を移しての懇親会。
入り口で会長、副会長がお出迎え。
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㈱エコス会長の平富郎さん、
㈱平和堂社長の夏原平和さん、
全日本食品㈱社長の齋藤充弘さんも並ぶ。
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その横で大塚専務理事と語る。
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そして開会。
来賓挨拶は柳沢みつよし経済産業省副大臣。
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主催者挨拶は、協会会長の川野幸夫さん。
この挨拶がとてもよかった。
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挨拶の文言は、川野さん自らが書き起こす。
その手書きの原稿。
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乾杯の音頭は賛助会員の代表。
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今回は、加藤産業㈱社長の加藤和弥さん。
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「消費者の変化に対して、
売場の変化が必須。
製配販協力して、
売場を変えていきたい」
的確なコメントだった。

そして、一気に名刺交換と懇親の場。

マックスバリュ西日本㈱社長の岩本隆雄さん。
今年、同社は創業30周年。
その記念講演をさせていただいた。
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㈱たいらや社長の村上篤三郎さん。
流通経営問題研究会(RMLC)メンバーのおひとり。
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㈱カスミ会長の小濵裕正さんと、
商人舎エグゼクティブ・コーディネーターの川勝利一さん(左)。
小濵さんとは、久しぶりにゆっくりお話しした。
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㈱エコス元社長で、
流通科学大学常務理事の岩谷堯さん。
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紀ノ国屋ファウンダーの増井徳三郎さん。
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㈱ライフコーポレーション社長兼COOの岩崎高治さん。
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(シャッタータイミングが悪くてすみません)

㈱ヤオコー副社長の川野澄人さん。
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加藤産業社長の加藤さん。40台と50台。
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紀文食品㈱専務の高市泰明さん。
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コーネル・ジャパン第一期生の江崎グリコ㈱の渡邊武さん。
湘南の海沿いを走って10数キロ痩せてたそうだ。びっくり。
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そして川野会長。
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大塚専務理事。
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齋藤充弘さんとも久々にお会いした。
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成長戦略に関して、突っ込んだ議論と意見交換。
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そこへ、㈱バロー名誉会長・相談役の伊藤喜美さん登場。
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久々にお目にかかり、
倉本長治先生のこと、箱根の商業界ゼミのこと、
主婦の店チェーンの勉強会で講演をさせていただいたこと、
アメリカ視察のことなどをお話しした。
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伊藤さんを囲んで、
清水さんと川野さんの記念ショット。
清水さん80台、伊藤さん90台、
若い川野さんは60台。
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伊藤名誉会長91歳と86歳の清水信次名誉会長。
それまで、ここだけ別空間だった。
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最後の最後に、
80台の清水さんと50台の結城義晴。
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今日もお疲れ様でした。

まだまだ、私は、
疾走疾駆しなければならない。
もちろん深くものを考えつつ。

つくづくとそう感じた日だった。

<結城義晴>

2012年06月29日(金曜日)

平和堂米国研修会事前講義と日本スーパーマーケット協会討論会

奄美地方で梅雨明け。
少しずつ少しずつ、
季節が過ぎてゆく。

昨日の28日。
3月期決算企業の株主総会はピーク。
全国で1000社超が開催。

まずは総会で就任した取締役のみなさん、
頑張って。

さて日経新聞の記事。
「百貨店売上高『食』が3割超」
2011年の全国百貨店売上高で、
「食料品」と「食堂・喫茶」の合計が1兆9269億円。
これは全体の31.3%。
一番多いのは衣料品34.6%。

「食」の構成比は2001年と比べると、
5ポイント上昇。

百貨店売上高は減少トレンド。
とりわけて「衣」が大幅ダウン。
その分、「食」がアップ。

どの業態でも、
「食」が増えている。
少子高齢化が叫ばれる中の、
不思議な現象だが、
「食」を巡る競争は激化するばかり。

一方、日経夕刊では、
「『肥満』ぜい肉、世界で352万トン」の記事。
話題は、ヒトの肥満度を表す「体格指数」。
BMI(Body Mass Index)と略し、
「ボディマス指数」と呼ぶ。
体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数値で、

BMIが30を超えると「肥満」となる。

イギリスのロンドン大学衛生熱帯医学大学院の研究チームによると、
余分な肉の重さは2005年現在、世界合計352万トン。
そのうち米国が3分の1を占める。

肥満ランキングは、第1位米国
第2位クウェート、第3位クロアチア、第4位カタール、第5位エジプト。

日本は155カ国中、118位。

日本の平均BMIは22.9、
米国は28.7。

日本は世界の優等生で、米国が劣等生。

ちなみに私は22.5。

研究チームは訴える。
「世界的な肥満増加は食料需給にも影響を与えかねない」

しかしその日本でも、
「食」が小売り競争の中心で、
百貨店の売上高の31.3%。
総合スーパーも食が5割を超え、
ドラッグストアでも食品の比率が上がり続ける。
食品スーパーマーケット、コンビニは、
当然ながら、「食」中心の業態。

平均BMIで23を切るレベルは、
維持したいものだが、
そのときに「食」を販売する小売業、外食業は、
どう考えたらよいのだろうか。

さて、昨日は滋賀県彦根市。
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駅前には、井伊直政像。
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鬼の角のような兜が特徴的。

彦根駅前に平和堂の総合スーパー「アルプラザ」。
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平和堂2012アメリカ研修の事前講義

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この研修会は、7月14日から1週間、
テキサス州・カリフォルニア州で開催される。

はじめに教育人事部部長の本持真二さんが、
この研修会の目的と注意点を、
丁寧にレクチャー。
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その後、90分の事前講義のつもりが、
100分くらいに延長。
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テキスト全体を使って、
米国チェーンストアの学び方、その役立て方などを講義。
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アメリカ研修の場合、
この事前学習をすることが、
一番効果が高い。

通常の公開研修会では、
その時間をとることができない。

だから商人舎では、
あらかじめ事前テキストを送って、
自習してもらう。
そのうえ、成田空港など国内で、
できるだけ時間をとってセミナーを開催する。

現地に行ってから、
いかに「虫の目」を凝らして見ても、
それだけでは学ぶことにならない。
役立てることもできない

だから、事前講義。
これは想像を超えた効果を上げる。
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私は質問もする。
そして研修生の実力を図る。

この後、グループディスカッション。
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そしてグループ班長による発表。
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この発表がすばらしかった。

最後に、私の評価と総括。
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研修生は出発まで、
事前準備の学習と調査訓練をして備える。

ピーター・ドラッカーが主張するのは、
「自己管理による目標管理」。
それがこの研修会の特徴となっている。
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私はそのことを語った。

最後に教育人事部のメンバーと写真。
成功を誓った。
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左から本持さん、教育採用課課長の永井敬一さん、
教育人事部の荒木さん。

楽しみです。

さて今日午後は、東京・有楽町。
日本スーパーマーケット協会の通常総会と、
その恒例となったパネルディスカッション。

梅雨とは思えないほどの好天気の中、
会場となった帝国ホテルへ向かう。
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会場は、今年も満席。
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15時から90分間のパネルディスカッションが始まった。
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パネラーは、お三方。
年の順に、80台の日本チェーンストア協会会長・清水信次さん。
㈱ライフコーポレーション会長、日本スーパーマーケット協会名誉会長、
国民生活産業・消費者団体連合会会長。

70台の㈱アークス社長・横山清さん。
新日本スーパーマーケット協会会長。

そして主催協会会長60台の川野幸夫さん。
㈱ヤオコー会長。
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コーディネーターは50台の結城義晴。
三者三様の哲学や戦略を、存分に語っていただいた。
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それにしても、頭を回転させることで、
ちょっと疲れた。

詳細は明日に譲るが、話題の3経営者が勢ぞろいし、
「サバイバル&成長戦略」について、
ディスカッションした。

乞う、ご期待。
(明日に続く)

<結城義晴>

2012年06月28日(木曜日)

「木を見て森を見ず」の国際感覚欠乏とイオン、西友のNB値下げ作戦

商人舎ホームページの人気ブログ。
「中山政男が叱る!! 間違いだらけのPOP」
連載の最終回を迎えた。

中山先生は、
押しも押されもしない日本のPOP広告指導の第一人者。
POP広告に対する40数年の経験と実績がある。

何よりも、誰よりも、
POPに対する深い「愛」がある。

だから中山先生の観察や分析・指摘には、
いちいち納得されられ、感心させられる。

連載のご愛読を、心から感謝したい。

朝日新聞のコラム『経済気象台』。
私の好きなコラムニスト昴氏。
「消費増税関連法案の衆院通過に
ワシントン、ウォール街の友人たちは
『やったな』と半ばうらやましげに言う」

世界経済の低迷と信用不安の元凶を生み出しているのは、
「各国の膨大な財政赤字」。

「一刻も早く財政立て直しに踏み出した国が
一歩抜きんでる」

だから日本の「決められる政治」に、
『やったな』となる。

「党のマニフェスト違反を批判」するグループに対して、
コラムニストは、「木を見て森を見ず」と切り捨てる。

「世界の中の日本という国際感覚に
乏しいことを暴露したに過ぎない」
これも痛快な言い回しだ。

もうひとつ、日経新聞には、
「イオン、1000品値下げ」の見出し。
記事にはイオンのほか、西友、イトーヨーカ堂、
さらにダイエーのビッグA、ピーコックストアの情報が入っている。
しかし大見出しは「イオン値下げ」の方が目を引く。

まずイオンは、今日28日から、
総合スーパー「イオン」などで
ナショナルブランドの価格を、
従来より最大約3割引き下げる。

食品500品目、衣料品50品目、住居関連品450品目、
トータルで1000品目。

2009年3月の3400品目値下げ以来。

記事では、値下げ原資は、
物流費の圧縮分に求められる、とされている。
「自前の配送車両が
メーカーの工場まで出向いて商品を引き取るなど」

西友はすでに今月14日から、
加工食品など500品目を3~26%値下げしている。

こちらも、コスト削減分を値下げ原資とする。

私の言う「利は内にあり(経費削減説)」だが、
西友も店舗や物流センターの作業効率化を図って対処する。

しかしこれは、それこそ徹底しなければ成果は出ない。
徹底とは、「細かく、厳しく、しつこく」

西友は今年末までに対象を約1400品目に広げる。
西友はしつこくなってはいる。

一方、イトーヨーカ堂は、
「競合の動きに応じて個別店舗ごとに対応する」

ダイエーは子会社のボックスストア「ビッグ・エー」
16年度までに4割増の250店に拡大。
一般の店舗より20~25%安く販売しているが、
これは今回の趣旨とは異なる。

もう一つ、J・フロントリテイリング傘下のピーコックストア。
スーパーマーケット83店を運営。
今年度から低価格店「ピーマート」を本格展開する。

現在2店、12年度中に4店を業態転換、
13年度は新規出店もスタート。

水を差すつもりは毛頭ないが、私は、
百貨店系の高級スーパーマーケット企業が、
ディスカウント型の店舗を展開するのは、
「おやめなさい」と言っている。

消費税増税で、
国民の価格コンシャスは高まる。
しかし、だからと言って、
社風に合わないディスカウント・フォーマットをやってみるのは、
流通業の歴史が示す間違いだ。

もちろん唯一の成功がある。
アメリカのデイトンハドソン百貨店が始めたターゲット。
しかし同社は今では、社名をターゲットと改め、
ウォルマートに対抗するチェーンストアを構築している。

そこまでやれるか?
私はいつも、そう、問う。

さて昨日は横浜の実家に行って、
母に会ってきた。

商人舎オフィスから歩いて10分足らず。
なのに両親の元を訪れる機会は多くはない。
今年揃って87歳を迎える。
来年はともに米寿。

反省しつつ、できるだけ顔を見にゆく。
全体にぐっとこじんまりしてきた母の体、
なのに手だけずいぶん大きくて、
びっくりした。

帰りに、私が卒業した横浜市立宮谷小学校に立ち寄った。
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「夢と勇気と知恵を育む宮谷小学校」と、
スローガンが掲げられていた。
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放課後の校庭では、
子供たちが遊んでいた。
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校舎の外壁には、
創立100周年記念壁画。
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コンクリートの鼠色に、
児童の絵の水色が映えていた。
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会社に戻ると、
猪股信吾さんが来ていた。
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猪股さんは立教大学大学院を修了した修士。
結城ゼミ2期生で、修士論文のタイトルは、
「インターネット空間における小売引力モデルの研究
~検索エンジンがもたらしたオンライン商圏」

とても優れた論文で、
立教大学紀要論文集に採用された。

その猪股さんは、
売れっ子のWEBコンサルタント。
ご用命の向きは、商人舎まで。

今日は、滋賀県彦根市へ。

頑張ります。

<結城義晴>

2012年06月27日(水曜日)

「決める政治」の評価と日経2011小売業調査の年商・利益・ROA順位

消費税増税法案、可決。

日経新聞社説は、
『決める政治』への一歩として評価したい」

朝日新聞は、
「迷走を重ねてきた『決められない政治』が、
ようやく一歩、前に進む。
率直に歓迎したい」

読売新聞は、
「財政再建と社会保障制度改革を
推進するための大きな一歩だ。
『決められない政治』に決別し、
参院で法案を確実に成立させなければならない」

まったく同じ論調。

まあ、日本の世論が、
決断し、決定し、可決したことを、
後押ししている。

ずいぶん早いが、
年末の「今年の漢字」は、
「決」となるか。

はたまた「紛」となるか。

さて日経MJの第45回小売業調査が発表された。
主要小売業の2011年度の営業実績に関して、
全国の小売業722社から回答が得られた。
前の期と比較可能な480社。

その合計売上高は前期比横ばい、
営業利益は2010年度比プラス10.3%、
2期連続の2ケタ増。

小売業全体の2011年度の傾向が、
「売上高横ばい・営業利益1割増」

これは重要なトレンドだ。

あなたの会社、あなたの店はどうだったか。
比較するとよい。

売上高のランキングは、
①イオン5兆2061億円(2.1%)

②セブン&アイ・ホールディングス4兆7863億円(▲6.5%)

この2社がずば抜けている。
セブン&アイは、
北米のサウスランド社の会計基準を変更して減収。

ベスト5までは、
③ヤマダ電機1兆8355億円(▲14.8%)

④三越伊勢丹HD1兆2399億円(1.6%)

⑤ユニー1兆0792億円(▲3.0%)

ユニーまでの5社が、
日本で年商1兆円を超える企業。

⑥Jフロントリテイリング9414億円(▲0.9%)
⑦ダイエー8695億円(▲4.6%)
⑧髙島屋8581億円(▲1.3%)
⑨ファーストリテイリング8203億円(0.7%)
⑩エディオン7590億円(▲15.8%)

ただしここに来年は、
⑬ビックカメラ6121億円(0.6%)
+㉗コジマ3704億円(▲17.6%)
が、
滑り込んで、9825億円で、
第6位となる。

今回のベスト10だけ見ると、
家電チェーンがダウン・トレンド。
だからこの業界で合従連衡が起こる。

百貨店業態も、
三越伊勢丹がプラスで、
髙島屋と大丸がマイナス。
⑯エイチ・ツー・オーリテイリング5031億円(8.7%)は、
好調で、平均すれば「横ばい」。

セブン&アイは、
西武沼津店・そごう呉店を閉鎖する決定をした。
そして都心の主力店に集中する。

百貨店はしばらく、
地方都市の店が閉鎖され、
大都市の店を増床して、
「都市型業態」の特徴をさらに顕著にする。

日経新聞の記事では、
「業種別ではスーパーが、
3.8%と3期ぶりプラス」
とある。

この統計では、
「全国スーパー、地域スーパー、地方スーパー」の分類で、
これでは業態が全く分からない。

いつも私はこれを指摘しているが、
総合スーパーなのか、食品スーパーなのか、
衣料スーパーか住関連スーパーか。

「スーパー」を「業種」としているのだから、
これはあきらめるしかないが、
少なくとも経済産業省の分類には準じてもらいたいところだ。

「スーパー」に対して、
「コンビニ」は4.1%増。

そして専門店は0.9%減。
ここには家電チェーンも含まれるが、
「連結ベースでの集計を始めた00年度以降初の減収」。

私は「専門店の時代到来」を明言しているが、
家電チェーンが加わるから、
そのトレンドは日経の大分類からは見えない。

売上高ランキングに対して、
日経MJは営業利益順位を一番目立つとこに掲載している。
①セブン&アイ2920億円(20.0%)
②イオン1956億円(13.5%)
③ファーストリテイリング1163億円(▲12.1%)

利益の3強で1000億円超はこの3社。
ただし単体のセブン-イレブンが1831億円(8.3%)。

④ヤマダ電機889億円(▲27.5%)
⑤ローソン617億円(11.2%)
⑥ニトリホールディングス579億円(10.0%)
⑦ヨドバシカメラ523億円(▲14.2%)

ここまでが営業利益500億円超。

つづいて、
⑧ユニー440億円(25.4%)
⑨しまむら439億円(10.3%)
⑩ファミリーマート425億円(11.4%)

業態で見れば、
コンビニの収益の高さ、伸びは一目瞭然。
日本小売業を象徴するのは、
やはりコンビニということになる。

最後にROAランキング。
総資本経常利益率。
①メガネトップ27.8%
②ABCマート24.6%
③ニトリホールディングス23.0%
④ユニテッドアローズ21.2%
⑤ファーストリテイリング20.6%
⑥セリア20.3%
⑦ポイント20.1%

20%以上が7社もある。

⑧ワークマン19.3%
⑨しまむら16.9%
⑩カインズ16.4%

「専門店の時代」は、
この収益性指標によって明らか。

プライベートブランドをしっかり作っている企業が、
このランキングにしっかり入っている。
そのことも強く認識される。

ベイシアのグループでも、
ワークマンとカインズがROAトップ10に入っている。

ROAは規模に関係しない。
あなたの会社、あなたの店ではどうか。
比較してもらいたい指標だ。

さて昨日は、夕方まで商人舎オフィスに来客多し。

まずUIゼンセン同盟専門店ユニオン連合会のお二人。
副会長の石崎克哉さんと、
組織化部長の浅井孝治さん(右)。
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来月5日の労使懇談会で講演する。
その打ち合わせ。
テーマは「商業の現代化を求めて」。

打ち合わせと言いつつ、
近代化から現代化に至るマネジメントのあり方から、
アメリカ流通業の最新トレンドにまで話は及んだ。
講演の前哨戦のようになってしまった。

夕方には、大高愛一郎さんが来社。
コーネル・ジャパン第1期の事務局長であり、
現在は、三井物産㈱所属で、
セブン・プレミアムのマーケティングを担当する。
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私は大高さんの活躍が、心からうれしい。
何だが実の弟のような気がする。
もっともっと、フードビジネス産業全体に、
貢献してもらいたいと期待しているし、
それができる人だと思う。

日が暮れそうな時間帯に、
横浜高島屋「人形町 今半」に移動し、
當仲寛哲さんと合流。
當仲さんはUSP研究所代表取締役所長。
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その當仲さんはITビジネスに携わっていながら、
実にユニークな、というかアナログな、
スケジュール管理を行っている。
それがこれ。
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ちょっと前までは、裏紙に罫線を引いただけの予定表だったが、
スタッフが見かねたのか、カレンダーを手描きしてくれたらしい。
6月は梅雨のイラスト。
楽しそうな、予定表だ。

もちろんスーパーマーケットの情報システムについての、
新企画も話し合った。
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大好きなすき焼きをいただきながら、
大高さん、當仲さんとの談笑。
久々に心がほぐれた。

<結城義晴>

2012年06月26日(火曜日)

中国の景気減速、ふたつの見方と万代ドライデイリー会懇親会

消費増税法案、可決。

消費増税を柱とする税と社会保障の一体改革関連8法案。
今日、午後、衆院本会議で、賛成363票、反対96票で可決。
消費税率は2014年4月に8%、
2015年10月に10%に
引き上げられる。

問題の民主党の反対票は、
小沢一郎元代表や鳩山由紀夫元首相ら55人以上。
欠席・棄権を含む造反者は約70人。
これは毎日新聞とYahooの速報。

小沢・鳩山、何をするのだろうか。

さて、警察庁の調査。
全国の企業の株主総会。
水曜日の28日に約900社が開催予定。
10年前はなんと2000社超だったというから、
それでも少しずつ分散はしている。

私も今日は、
非常勤取締役を務めるCCLの第12回定時株主総会。
カスタマーコミュニケションズ㈱。
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無事、総会を終えて、取締役会。
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西川明宏社長、
米倉裕之取締役、そして私が再任。
井上美智雄取締役が退任し、
川崎清さんが新しく非常勤取締役に就任。
川崎さんは㈱プラネット常勤監査役。
井上さん、ご苦労様でした。
プラネットの副社長に専念し、
井上さんのさらなる活躍がまた、はじまる。

4年前、同時に取締役に就任し、
いろいろとお世話になりました。

ありがとうございました。

さて昨日のブログで、
万代ドライデイリー会での講演会を報告した。
講演は、2時30分から110分。
300枚を超えるスライドを紹介しながら、
中国流通業に学んだこと、学ぶべきことを一気に語った。
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1000名ほどの万代経営幹部、お取引先が集まった場での講演は、
いつもながら、力が入った。
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そうしたら今日の日経新聞『大機小機』。
「中国の景気減速をどうみるか」のコラム。

見方は大きく2つに分かれる。

「1つは、中国の政策対応が慎重だったというもの」。
例えば金融緩和に関しても、中国は「小出しにとどまってきた」。

その理由は、中国指導部が、
「高成長の『ひずみ=格差拡大』に対する低所得層の反発を
強く意識している」からだろうか。

もう1つは、
「中国の成長力自体が低下し始めた」という判断。
こちらの方がそら恐ろしい。

私も納得するけれど、
中国は「一人っ子政策」を続けてきた。
その結果、確実に「生産年齢人口比率が低下に転じる」。
その時期は迫っている。

コラムニストは、
「中国がこれまでの高成長からの屈折点を迎えている」とも語る。

その中国、「今月初めに政策金利を引き下げ、
いよいよ本格的な景気刺激に乗り出した」。

一つ目の見方ならば、
「世界経済のエンジンが動き出す」ことになる。

欧州にも日本にも、これは朗報。

一方、ふたつ目の中国の高成長の屈折点という見方では、
欧州、米国、日本、そして、
世界経済全体の低迷が長引く。

コラムニストは、
「どちらが正しいか、
その答えは遠からず明らかになるだろう」。

しかし私は、どちらかと言えば、
前者の考え方を支持するものだ。
日本にも世界経済にも、
中国の景気刺激策は、
朗報だととらえたほうがよろしい。

「遠からず明らか」と見ようが見まいが、
明らかになるなら早い方がいい。

さて昨日の続き。
万代ドライデイリー会は講演会のあと、
恒例の部門別上海小売業報告会。
私は、デイリー部会に参加して、発表を聴講した。
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上海流通の小売業の最新マーチャンダイジングなどを、
各自、自らの仕事に引き寄せて語る。
この会は、毎回、こうした発表の場を設けて、
学んだことを全員で共有する。
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これが、とてもいい。

そして、6時半からは、全員が着席しての懇親会。

会を代表して、開会の挨拶をしたのは、
ケイ低温フーズ㈱社長の龍首文昭さん。
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そして30分間の食事タイム。
20分が過ぎるあたりから皆、そわそわと動き出し
あっという間に、会場は、
名刺交換、挨拶の場に化し、ご覧の通り。
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加藤徹社長、山下和孝副社長の前はごった返し。
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その山下副社長と握手。
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その合間に、
5月20日に行われた万代ファミリーフェスティバルの映像が流れ、
私は、ついこの間のことだが、懐かしく見入ってしまった。
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AKB48のダンス・パフォーマンスも、
遠い昔のことのよう。
あれから、本当に忙しかった。

そして、中締めは、
㈱日本アクセス執行役員大阪支店長の赤井慎一郎さん。
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万代ドライデイリー会副会長。
赤井さんも上海視察組。
「結城先生のブログは気をつけろと聞いてはいたが、
上海でコーディネートしてくれた美形のシンさんとの写真は、
いろいろと問題になってしまった」と、会場を沸かせてくれた。

締めは、㈱万代執行役員の磯田雅人さん。
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大阪締め。決まった!
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加藤徹社長とも金屏風の前で記念ショット。
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今月の商人舎標語。
「前向き・上向き・外向き」

人の組織が、
全体でこのマインドになると、
強い。

それは企業も、国家も。

<結城義晴>

2012年06月25日(月曜日)

小売りサービス業の雇用に明るい兆しのニュースと万代DD会の講演

Everybody! Good Monday!
[2012vol26]

2012年の第26週。
6月も終わりの第5週です。

それにしても忙しい6月でした。
来年はもう少し、楽にしたい。

中国・上海に1週間ほど出張し、
帰国してから福岡、札幌、今日は大阪。

その間も講演や原稿執筆で暇なし。
ほんとうにありがたいことです。

今週もまた、梅雨。
このトレンドに変わりなし。

しかし、子供のころのようなシトシト、ジメジメは、
薄れたような気がする。

ところで、一体改革法案が明日、可決される。
今日午後の衆院議院運営委員会理事会で、
消費増税を柱とする社会保障と税の一体改革関連法案が、
明日26日午後の本会議で採決されることが正式決定。

消費税大蛇(おろち)のごとく街を飲む
<朝日俳壇 松戸市・大谷昌弘>

いよいよ「とりあえず増税」に踏み出す。

価格コンシャスの高まり、
意識しておかねばならない。

父の日や夜討ちのやうに息子くる
<朝日俳壇 所沢市・岡部泉>

私のところも、
先週、ワインが3本届き、
昨日、息子夫婦がやってきた。

今年また新しき名の苺買ふ
<朝日俳壇 泉南市・藤岡初尾>

相次ぐ品種改良、
大丈夫なのかと思いつつ、
苺はうまい。

よその庭枇杷食べ頃の色となる
<朝日俳壇 熊本市・永野由美子>

隣の庭のビワこそ、旨そうな季節。

その場所を聖域としてひと房の
バナナが激しく熟れながら在る

<日経歌壇 池田・小川ちとせ>

バナナの存在感、
梶井基次郎の「檸檬」に劣らず。

考えてみると、
果物のおいしい頃合いです。

今週の私のスケジュール。
今日は大阪・堺。
万代ドライデイリー会の定時総会。
私は上海視察研修会の総括講義。

明日は午後から、
カスタマーコミュニケーションズ㈱
の定時株主総会。
株主の皆様、よろしくお願いします。

水曜日は横浜の商人舎オフィス。

木曜日は、滋賀県彦根。
平和堂のアメリカ研修会の事前講義。
7月にテキサス州と北カリフォルニアを訪れる。

そして金曜日は、
日本スーパーマーケット協会総会と、
パネルディスカッション及び懇親会。

パネラーは、
同協会会長の川野幸夫さん、

㈱ヤオコー会長。
新日本スーパーマーケット協会会長の横山清さん。
㈱アークス社長。
そして日本チェーンストア協会会長の清水信次さん。
生団連会長、㈱ライフコーポレーション会長。

テーマは、
「スーパーマーケットのサバイバル戦略」

コーディネーターは結城義晴。

アークスの八ヶ岳連峰経営、
ライフとヤオコーの業務提携。

当事者企業のトップが、
それぞれの協会会長を務める。

これは、面白い。

しかし私はあくまでオーソドックスに、
ディスカッションを進めるつもり。
ご期待ください。

さてさて月曜日の日経新聞『景気指標』。
流通の専門家の編集委員・田中陽さんが、
「非製造業、雇用に明るい兆し」と題して書く。

私、田中さんの論説を信頼している。

雇用に関する第1の兆しは、
アルバイトやパートの時給。
「リクルートの調査によると、
5月の三大都市圏の平均時給は
前年同月より2円増加し948円となった」
みなさんの店と比べていかがだろうか。
「外食チェーン、居酒屋などのフード系の5月の平均時給は
918円で前年同月比18円(2.0%)も増。
販売・サービス系も同様な傾向にある」

時給が増えることは、
雇用する側にとっては、負担増ではある。
しかし、それは、
回りまわって、
巡りめぐって、
売上げトレンドを上向きにする。

理由をリクルートが分析。
「出店や総菜販売など新たな事業展開に
積極的な居酒屋業態からの求人が多い」

第2は正社員の雇用。
小売りサービス業の求人模様。
「小売業の新規求人数は3万7470人で、
前年同月比14.9%増、
飲食店は1万8527人で18.6%増

「この業界は離職者も多く、
求人意欲は日ごろから高い」

しかしそれ以上に、
「東日本大震災以降、個人消費の回復の追い風もあり
ホームセンターや衣料専門店などの新興企業で
中途採用を積極化していることが背景にある」。
田中陽さんは、「内需拡大」に期待をかける。
「消費者物価指数は
依然として水面下でデフレの状態」。
にもかかわらず、
「所定内給与や総労働時間が増加傾向を見せ、
景気ウオッチャー調査でも雇用環境の改善が鮮明」

回りまわって、
巡りめぐって、
需要の拡大につながることを
期待したい。

時給のアップや雇用拡大は、
大蛇に飲まれた消費税のごとし。

さて、今日の
万代ドライデイリー会総会での講演。
朝、新横浜から新幹線で新大阪へ。
その間に、原稿を一本仕上げ、
急ぎ、会場となるリーガロイヤルホテル堺へ。
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総会を終えたドライデイリー会会員各社の皆さんが、
会場いっぱいに、詰めかけてくれた。
この会での講演は毎年、2回のご指名。
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講演テーマは「中国・上海で学んだこと、学ぶべきこと」
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今月6日から11日まで上海を視察した。
前半は㈱万代の社員の皆さん、
後半は万代ドライデイリー会のメーカー、卸のお取引の皆さん。

2チームをコーディネートして、
中国商業を見てきた。

その報告を兼ねた講演会。
最前列には加藤徹社長をはじめ。
経営幹部の皆さんが並んで聞いてくださる。
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いつも、 力が入る。
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中国の流通近代化の歴史、市場分析、
さらには、業態別の動向までを一気に話す。
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そのうえで、「後進の先進性」と「後発の優位性」が、
中国流通の特徴であることを、スライドで解説。

RTマート、ウォルマート、カルフール、テスコ、、メトロのハイパーマーケット、
百聯集団のコングロマリットぶり、Oleの高級スーパーマーケットを、
300枚を超えるスライドで、紹介。
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まとめは、すでにブログでも書いたが、
成長著しい中国は、いまだ業態の時代であること。
スーパーマーケット業態は未整備であること。

そういったことを日本と比較して、話した。
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ご清聴に、心から感謝。

今週も、忙しいけど、頑張ろう。

みなさんも、
Good Monday!

<結城義晴>

2012年06月24日(日曜日)

ジジとウィリアムス主教[日曜版2012vol26]

ジジです。
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梅雨はつづきます。

ジャスミンの花。
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さいています。
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梅雨にも、
お花はさきます。
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これはなんの花?
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アジサイ。
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rikkyoの緑のなかにも、
アジサイ。
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rikkyoのキャンパスは、
梅雨のころも、きれいです。

ユウキヨシハルのおとうさん、
毎週、2回、rikkyoにいきます。
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本館はモリス館といいます。

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モリス館をくぐる。
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右の方向。
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左の方向。
20120624151342.jpg

おとうさんの研究室は?
20120624161103.jpg

ここ、マキムホールです。
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でも、ここがいちばん、
由緒あるところ。
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蔦のからまる図書館旧館。
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石碑があります。
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「人の子が来たのも
仕えられるためでなく
仕えるためであり
また多くの人のあがないとして
自分の命を与えるためである」

銅像があります。
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立教学院創始者・ウィリアムス主教。
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1874年にこの大学をつくった人。

仕えるためにきた人。
すごいヒゲのおじいさん。
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ボクのヒゲも、
かないませんが、
このキャンパスの景色に、
マッチしています。

ボクの命も、
仕えるために、
あるのでしょうか。

<『ジジの気分』(未刊)より>

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