結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2013年01月10日(木曜日)

「ふるさとの山に向かいて言うことなし」と「学ぶ者には福来る」

朝、起きたら、
窓の外に岩手山。
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頂きのあたりに雲がかかっていたけれど、
富士山とは違う感動。

まさに、
「言うことなし」

ビルの谷間のむこうに岩手山。
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なんだか朝から、得をした気分。
「今日も一日、優しく、強く」

元気を出して、はやてに乗り込み、
東北の雪の平原をひたすら南下。
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快晴のなかの雪景色、
目が痛くなるほどにまぶしい。

向かうは、横浜みなとみらい。

さて昨日は、盛岡で、
東北シジシー主催の2013新春講演会。
私は今年最初の講演。
いつものように後半は上着を脱いで、
大熱演。

その後、懇親会。

冒頭の挨拶は、
㈱東北シジシー会長の遠藤須美夫さん。
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私はスーパーマーケット業界きっての教養人だと、
尊敬している。

遠藤さんは、石川啄木を引き出した。
ふるさとの山にむかいて言うことなし
ふるさとの山はありがたきかな

私の好きな坂口安吾は、
「ふるさとは語ることなし」と碑に残した。
こちらは新潟県人。
ちょいとニヒル。

遠藤さんから「今日の講演は目から鱗」と言われたのは、
本当にうれしかった。

ユニバース社長の三浦紘一さんも、
これ以上ないというくらい勉強熱心で真摯な経営者。
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会社全体がその真摯さを体現していて、
私は大好きな企業だ。

㈱伊徳会長の伊藤碩彦(ひろひこ )さん(右)と、
㈱タカヤナギ社長の高柳智史さん(左)。
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両社は昨年4月に㈱ユナイトホールディングスをつくって、
経営統合。

そして高柳さんは、
コーネル大学ジャパン実行の第3期生。

さらに㈱びはんコーポレーションの皆さん。
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左から社長の間瀬半蔵さん、
専務の間瀬慶蔵さん。

「山田の醤油」で有名で、
商人舎でも拡販に協力している。

びはんは3.11 の大震災で、
岩手県山田町の2 店舗を失った。
しかしそこから元気に立ち直って、現在は、
被災店舗の駐車場で大型テントの青空売場を展開。
もうひとつは、八幡町の旧岩手県立山田病院内に、
20 坪の土地で「びはん旧山田病院店」を営業。

間瀬さんたちの笑顔を見てください。
今日も一日、優しく、強く。

それから、㈱ベルプラス社長の澤田司さん。
コーネル・ジャパン奇跡の第2期生。
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締めはこの人、㈱ジョイス社長の小苅米秀樹さん。
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コーネル・ジャパン伝説の第1期生で、
先のユニバースとともに、
アークスに参加。

北海道・東北でしっかりとした勢力を形成。

東北シジシーにはつわものが揃っている。
写真は撮りそこなったが、
㈱マイヤ社長の米谷春夫さん、
㈱ウジエスーパー社長の氏家良典さん、
㈱マエダ社長の前田恵三さん、
㈱キクチ社長の菊地逸夫さんなど、
元気な面々が集って、学びつつ、交流。

東北シジシーは全国のシジシー・グループのなかでも、
飛び切り元気のいい、しっかりした会社が集まっている。
いい講演会と懇親会だった。

「学ぶ者には福来る」

最後に、遠藤さんと写真。
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ありがとうございました。

「ふるさとの山に向かいて言うことなし」
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一路、横浜をめざした結城義晴。
今度はオール日本スーパーマーケット協会。
新年トップ経営研修会。
それは明日、紹介。

さて今朝の日経新聞に、
㈱イオン社長の岡田元也さんと、
㈱ファーストリテイリング会長兼社長の柳井正さんが登場。

岡田元也さんは、
アジア進出問題を語りつつ、
「スピード感がなかったらどうしようもない。
世界中の企業がアジア進出を狙い、
現地企業も急成長している。
日本企業が優位性を保てる時間は
すごく短くなっている」

日本企業の強みをこう語る。
「アジアの他国は日本の発展を追いかけているので、
日本企業にはかなり先が見通せる」

さらに「正直さも強みだ。
食品の安心・安全など正直さは信用につながる。
多国籍化が進むほど、
日本企業のブランドが持つ信頼感は重要になり、
競争力を左右する」

岡田さんは、我々の強みとして、
「正直さ」を挙げた。

私も賛成。

一方の柳井正さん。
大学に対して「辛言直言」。

「世の中がこれほど大きく変化していく中で、
社会人になってから改めて勉強しようと考える人も多いはずだ。
大学はいつでも勉強するために通えるような
生涯学習の場に変わるべきだ」
私は立教で、この生涯教育の一端を担っている。

「社会人の要求にこたえられる教員の技量も必要だ。
大学教員は毎年、同じ内容の講義をしている。
経済や経営などの社会科学は
社会の動きとともに変化しているはずなのに
アップデートしていない。
どんどん社会から乖離(かいり)していっている。
そんな教員は必要ない」
手厳しいが、これも賛成。

「一度、教授になったら定年まで安泰な世界なんて変だ。
ちゃんとパフォーマンスを発揮し続けないと、教授として
大学には居続けられないような人事制度にしてもらいたい」

「大学教員は研究と教育の2つの役割があるが、
教育をないがしろにしているような気がする。
はっきり言うと教えるのが下手」

「学生に学問への興味を持ってもらわないといけないのに、
相手に伝える技術を持っていない。
教える技術を養ってほしい」

そのために必要なこと。
「大学の経営から変えないと始まらない。
ちゃんとした経営者がやるべきだ。
大学といえども(資金や人材などの)インプットに
見合う成果であるアウトプットを求める仕組みが必要だ」

大学生に対しては。
「必要な基礎的な教養や知っておくべきことを知っていないし、
知識の絶対量も少ない。そのために適切な判断ができない。
もっと知識を詰め込まないと、自分が進んでいる道が
世の中の方向性に合っているのか分からない」

「実業界は自分で考えて、自分で結論を出して
実行できる人材を求めている」

「社会に望まれるビジネスはどのようなものなのか、
社会により貢献できる経営のあり方、
人間のあり方を教えてもらいたい」

「会社員製造機関ではだめで、
起業家の育成が大切だ」

「大学や大学院でそうした講座も出てきたが、小手先だ。
経営マインドを持つ人材が大学から輩出されないから、
そのための機関も自前で作った。
世の中を変えるような仕事ができる人材を育てたい」

だからユニクロでは、
大学1年生に内々定を出す選考制度を始めた。
「目的意識を明確に持つ学生に内々定を出し、
卒業後の入社を待つ」

柳井正、言いたい放題。

しかし、納得できる。

「学ぶ者には福来る」

〈結城義晴〉

2013年01月09日(水曜日)

東北シジシー講演会と野菜相場高騰対応安売りとマクドナルド減収

今日は朝から、
東北新幹線に乗り込んで、
盛岡を目指す。

仙台に着く前に、
景色は真っ白。
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ああ、東北はまだまだ、寒い。

あらためてそんな感慨を抱きながら、
結城ゼミ生の論文を読んだり、
パワーポイントをチェックしたり、
最後は急遽、原稿のゲラの校正をしたり。

2時間20分ほどで、あっという間に、
盛岡に到着。
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30年ほど前に盛岡に通っていたころは、
いつも羽田空港からYS11に乗り込んで、
花巻空港に降りたものだった。

着陸直前には、必ず、
岩手山から吹き上げる風で、
機体がスーと持ち上がって、
それからガクーンと落ちる現象に見舞われた。

そんな盛岡が、
140分の時間距離に近づいた。

到着したら、㈱東北シジシーの鎌田晃さんが、
改札まで迎えに来てくれていた。

駅前のホテルメトロポリタン盛岡。
ここで㈱東北シジシー主催の「2013新春講演会」。
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メンバー企業から、約300名が参集。
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私は第一部で講演。
「2013スーパーマーケットのTide of Time」
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今週月曜日の立教大学院サービスマーケティングが、
今年最初の講義だったが、
「講演」と呼べるものは今回が初めて。

気合が入った。
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ご清聴を感謝したい。
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しかし自分ながら、
今日はいい講演だった。

第二部は、岩田松雄さん。
リーダーシップコンサルティング代表で、
元スターバックスコーヒージャパン㈱社長。
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昨年11月21日に名古屋の㈱折兼主催の「白熱教室」。
ご一緒して好評を博したが、
二度目の結城義晴・岩田松雄の共演となった。

岩田さんの講演テーマは、
「大競争時代の企業成長と組織再生」

私も一番後ろの席で聴講させてもらった。
もしかしたら、商人舎で、
岩田さんをお招きして、
講演会を開催できるかもしれない。

そう、考えたからだ。

とても感動的な講演だった。

さて、高値の野菜が続く。
そこで各地で「野菜のセール」が始まった。

気温低下の影響で野菜の入荷量が減り、
一部の価格が高騰しているため、
消費者の節約志向に応える。
これが名目。

日経新聞で報道。
まず、イトーヨーカ堂。
今日の9日から11日まで、
全161店で、
キャベツや長ネギなど18品目を、
通常より2割から6割値下げ販売。

期間中は通常の3倍の販売量。
約2000トン。

イオンは、グループの総合スーパーで、
野菜のディスカウント。
キャベツ、白菜、ジャガイモなど約20品目、
2~6割低価販売。

9~10日は関東の95店、
11~12日に関東を除く北海道から沖縄までの325店。

ダイエーは19~20日、
北海道を除く全国の約280店で、
野菜と果物の計20品目強。
これも2~6割のディスカウント。

相場商品を、高くなったら、安く売る。
それができる可能性は、
考えられる限り三つ。

第1は、自分の利益を度外視して、
仕入れて売る。

だから短期間、限定店舗。
つまり販促のためのマージンミックス説。

セブン&アイ・ホールディングスなら、
セブン-イレブンやヨークベニマル、ヨークマートなど、
グループを挙げて野菜の安売りができればいい。
イオンは、全国のマックスバリュで総力を挙げて、
これを展開できれば、拍手喝采。

ウォルマートやテスコなら、
そうするだろう。
期間限定、総合スーパーだけ。

これは集客の手段であり、
衣料品から住関連商品まで扱う土日型の業態だから、
展開する作戦ということになる。

第2は、年間契約で、
相場に関係なく調達できるから、
安く売れる。

調達説。

イトーヨーカ堂もイオンも、
農業経営に進出した。

だからそのメリットが出たということなのか。

しかしまだ、こんなことができるところまで、
生産量が高まってはいない。

第3は、取引先と利益減を分かち合う。
もちろん今回も協力を仰いでいるかもしれない。
だから量の限定がある。

通常仕入れのスーパーマーケットは、
青果物の相場が上がったら、
それに合わせて、
それでも利益を吐き出して売るしかない。

ここには画期的方策は、
考えられない。
革新的な農業経営をして、
産地直結するしか方策はない。

さてイトーヨーカ堂、イオンリテール、ダイエー。
いかなる手段で対応したのか。

今度、聞いてみよう。

もうひとつ大事なニュース。
「マクドナルド、9年ぶり減収」
日本マクドナルドホールディングスの2012年の既存店売上高。
9年ぶりにマイナス。

これは外食産業にとって、
ちょっとショックな報道。

「低価格メニューで客数は増えたが、
主力のビッグマックなど
価格の高いハンバーガー類の販売が振るわなかった」

「デフレ下の『勝ち組』とされた同社も、
消費者の節約志向を前に苦戦を強いられた」

2012年12月のマクドナルドの既存店売上高、
前年同月比8.6%減。

1~9月期が前年同期比2.2%減、
だから2012年度の減収が確定。

原田泳幸会長兼社長就任以来初。
つまり2004年以来のこと。

「かつて市場に驚きを与えた100円メニューは
今では珍しくない」。
原田さんの言葉。
しかし原田魔術にも陰りが見えてきた。

総合スーパーの野菜ディスカウントも同様だが、
この低価格消耗戦のなかで、
魔術はあり得ない。

今日の講演でも強調した。
最良のベーシックを、
全社・全店・全員で、
丁寧に販売していくしか、
道はない。

〈結城義晴〉

2013年01月08日(火曜日)

鈴木敏文「人間心理学・仮説と検証・継続」と経営の短期か長期か

今日は横浜の商人舎オフィス。
新田間川の川面もちょっとだけ緩んできた。
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正月8日だというのに、
寒さの中のほんの少しの温かさ。

三寒四温と言ったりするが、
その「三日寒くて四日暖かい」の厳密さは、
もう大分、薄れてきた。

川べりの木々の姿が美しい。
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彼らも今日の温かさを感じ取っているようだ。
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行間を読めとばかりに冬木立
〈朝日俳壇 米子市・中村襄介〉
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横浜高島屋は、外装だけ見ても、
元気よさそうだ。
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日経新聞に「初売り商戦に消費回復の芽」の記事。

「今年は日並びが良いこともあり、
6日までの売上高は
前年を上回る百貨店や専門店が多い」

「消費者心理が大きく改善されたわけではないが、
消費回復への期待が高まりそうだ」

セブン&アイ・ホールディングス会長の鈴木敏文さんは、
「消費者心理」をこそ重視する。

「人間の心理を考えた
細かなものの見方から仮説を立て、
正確なデータによって検証していくことを
継続的にやっていく」

〈著書『商売の原点』第二章「お客様の心をつかむ」から〉

この言葉には、鈴木さんのビジネス観がくっきりと、
しかもほとんどすべての要素が込められている。

「人間心理学」「仮説と検証」、
そして「継続」。

鈴木経営が言い尽くされている。

その消費者心理は、今日の陽気のごとく、
ちょっと温まってきたが、
まだ本格回復には至っていない。

日経記事は、そのセブン&アイ傘下のそごう・西武から始まる。
今年は百貨店で初めて全店元日営業。
「セール品目当ての顧客を取り込み、
1~6日の売上高は昨年1月2~7日と比べ15%増」

大丸松坂屋百貨店も、
2~6日の売上高が前年同期比9%増。

高島屋のコメントは、
「客数は増えたが
目当ての商品以外には手を出さない顧客も多く、
先行きは楽観視できない」

イオンリテールは、
「衣料品や食品が伸びて6日までは約5%の増収」

一方、インターネット通販の好調。
楽天は年始からの取扱額が1割以上プラス。
「正月用の本マグロなど食品の取り寄せや、
体形に合わせて選べる衣料品の福袋が売れた」。

アマゾンジャパンは、
「最大9割引きの年始セールで集客」。

記事は、「年末商戦の昨年12月にネット販売額は
個人消費の5%近くを占めた」と書く。

「今年の消費のけん引役」となるかもしれないが、
いまだ完全回復していない消費マインドでは、
限られたパイの取り合いで、
リアルがネットに奪われてしまうこともありうる。

そんな1年になりそうだ。

日経新聞コラム『大機小機』
コラムニスト隅田川氏が、
「短期か長期か」と題して書く。

「短期と長期のバランスをとることは
常に難しい問題である。
短期的な視野で問題を解決しようとすると
長期的な問題を大きくすることがあるからだ」

いわば永遠のテーマといえよう。
経済に関して3つの観点から分析する。

第1は財政運営。
新政権は大型補正予算を編成し、
公共投資を増やして景気を良くしたいと考えている。
短期的に公共投資を増やせば、
その分、成長率がかさ上げされる。

しかし、公共投資の増額分以上に
税収が増えることはあり得ない。
財政赤字は確実に拡大する。

これは長期的には
日本の財政破綻の日をより近づける。

第2は金融政策。
「日銀による積極的な金融緩和を求める声」が強いが、
短期的に金融政策面で圧力をかけすぎると
日銀の独立性に疑問符が付き、
長期的には金融政策への信頼性が失われてしまう。

さらに「デフレからの脱却を通り越して
インフレになる恐れがある」

インフレは歯磨きのチューブのごとし、
出し過ぎると戻しにくい。

第3はグローバル化への対応。
ここでは環太平洋経済連携協定への参加を問題視する。
日本の市場を開いていけば短期的には
日本の農業は大きな打撃を受けるだろう。
しかし、保護し続ければ農業の競争力はさらに低下し、
日本経済のお荷物になっていくだろう。

長期的な視野からは、
市場を開いていくことこそが
日本の農業を強くする道となる。

短期か長期か。

当面は長期的な視野での政策運営を、
コラムニストは支持する。

これはまさしく小売りサービス業、
そして卸売業、製造業の、
今年1年の経営の考え方そのものだ。

目先の利益に目をくらまされる理由は、
何一つない。

〈結城義晴〉

2013年01月07日(月曜日)

お客様は神様? 王様? 能動的消費者? プロシューマー?

Good Monday! Everyone!
[2013vol2]

2013年も第2週に入りました。
このブログでは毎週月曜日に、
Good Monday!と呼びかけて、
その下に[2013vol2]のように書き込みます。
これは「2013年の第2週ですよ」という意味。

その2013年の第1週は、
先週火曜日の1月1日からスタート。

だから今週は第2週。

私はウィークリー・マネジメントをお勧めしています。
マンスリー・マネジメントでは、
月ごとに日数や曜日回りが異なるので比較しにくい。

だからどういうわけか前年同月比が、
基準になってしまう。

私も仕方ないのでそれを使っていますが、
本来なら、直前の4週間、
あるいは13週間[=正確な四半期]の数値を比較するのが、
現状を把握するには一番よい。

みなさんは、自分の体調をチェックするとき、
前年同月比を使いますか?

まあ、人間ドックに入ったりすると、
昨年の数値と比べたりしますが、
それは1年に1回だけ検査をするから。

日々の変化を追いかけ、
週次の動きを見て、
経営をする。

それが一番正確。

だからウィークリー・マネジメントがいい。

『52週マーチャンダイジング』は、
鈴木哲男さんの提唱するものですが、
1年に52回の販促企画をつくることではありません。
お客様の週ごとの暮らしに、
店や売り場を合わせていくことです。

つまりウィークリー・オペレーションや、
ウィークリー・マネジメントが、
基本にあるということなのです。

商人舎版の週の数え方は、
まったく暦通り。
1月1日が始まる週を第1週、
今年ならば1月7日からが第2週。

従って、12月最後の週は第53週となりますが、
それまでお付き合いのほど、お願いしておきます。

さて今日7日は人日(じんじつ)の節句。
朝、七草粥を食べる習慣がある。

「七草粥」は7種の野菜が入った粥。
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ。

しかし平安時代中期の律令施行細則『延喜式』には、
「七種粥」があって、
この粥には、七種の穀物が入っていた。
米・粟・黍(きび)・稗(ひえ)・みの・胡麻・小豆。

今朝の私の七草粥は、五穀米と七草。
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質素な食事が、心地いい。

今年もこういった風習や習慣を、
大切にして生きていきたい。

年を取ってくると、
妙にそんな気分になってくる。

一日にしてならぬもの山眠る
〈朝日俳壇 所沢市・前島弘典〉
選者の長谷川楊さんが「泰然として眠る山」と評す。
一日で出来上がってしまうものではなく、
何日も、何年も、何百年も、何千年もかけて出来上がるもの。
それだけで尊敬できる。
それらを大切にしたい。

惑星に光の届く寒さかな
〈朝日俳壇 静岡市・松村史基〉
三が日は暖かかったけれど、
この数日は寒い。

そして、一月元旦。
初日の出天動説の過りけり
〈朝日俳壇 堺市・小西彦次〉

大根と人参仲良く並びけり
〈朝日俳壇 横浜市・有村次夫〉
スーパーマーケットの売場か八百屋の店頭か。
白色と朱色のカラーコントロール。
今年もよろしく。

月曜日は俳句や短歌を楽しみたい。

さて、今週のスケジュール。
七草から始まって、仕事も普通に本格化。
大学・大学院は今日から始まる。
私はサービスマーケティングの講義。
横浜の小学校は明日から授業開始。

規則正しい生活スタイルの復活。
いいことです。

仕事上、年始挨拶などに外を回る人も多かろう。
新年の賀詞交歓会なども今週から来週にかけて。
私は今週水曜日は東北シジシーへ、
木曜日は横浜でAJS新年懇親会。
その間、原稿2本執筆、
論文3本確認。

そして週末から三連休。
来週月曜日は成人の日。

年末年始の大忙しから解放されて、
すこしずつ冷静に仕事を見直したりする。

それでも、基本は、
今日も一日、優しく、強く。
今年1年の商人舎標語は1月のそれを兼ねる。

よろしく。

最後にひとつだけ新聞から。
日経新聞の『経営の視点』
タイトルは「『お客様は神様』は正しいか」
特別編集委員の森一夫さんのコラム。

「『安ければ何でもいいという市場からは撤退しろ』。
パナソニックの津賀一宏社長は腹をくくった」。
この書き出しで始まる。

かつての松下電器、
テレビ事業の安値競争下で「負け組」。

「『お客様は神様』を金科玉条に、
あまねく広く売ろうと商品モデルを増やし値段を下げ、
そのあげく大赤字だ」

ただしコラムニストのいう「お客様は神様」というフレーズ、
これは三波春夫でございます。

パナソニック創業者の松下幸之助は、
「お客様は王様」。

「誰に何をどう売るか、焦点を絞って
事業構造を組みかえる必要がある」

つまりマーケティングのSTP。
基礎の基礎。

セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング。

「ある分野やある地域などの様々な切り口で、
それぞれの顧客に密着して、
そこでトップシェアを目指す」

今さらか、という気がしないでもないが、
「パナソニックは、
88のビジネスユニット(事業部)を
56に再編して競わせる計画」。

キリンビールの磯崎功典社長。
泡を凍らせたビール「フローズン〈生〉」がヒット。
その理由を調べて驚いた。
「アンテナショップに来た人が
スマホなどで写真を撮って友達などに広めてくれた」
これもスマホを使ったクチコミ。

「顧客は自主的に宣伝もしてくれるパートナーにもなり得る」。

お客様は神様ではなく、
お客様は宣伝マン。

立教・結城ゼミの武藤麻代論文がテーマとするのは、
「能動的消費者」、
アクティブ・コンシューマー。
彼ら・彼女らがここでいう宣伝マン的な活動をする。

キリンは、
「職人技を入れ込んだビールを求める層など、
具体的な顧客像を念頭に置いている」。

私はいつも言うが、
マス・マーケティングから、
ワン・トゥ・ワン・マーケティングへ。

しかしここで誤解してならないことは、
マス・マーケティングのご利益も、
お客様にとっては必須のもの。

誰かがそれを担う必要がある。

全員が全員、
マス・マーケティングを志向する時代ではない、

というだけのことだ。

「高度成長期以来、
均質な商品を安く大量に供給することで成功を収めた産業は
転換を求められている」

転換には時間がかかる。
パナソニックの津賀社長の宣言。
「V字回復は目指さない。
すぐ駄目になるからだ。
私は根っこから変える」

「根っこから変える」
これは当たっているだろう。

しかしこのコラム、
「お客様は何なのか」の、
解答がない。

「残念~!」

ギター侍、・・・ちと古いか。
でも三波春夫よりは新しい。

時にお客様は、「王様」。
松下幸之助の持論。

時にお客様は、「能動的消費者」。

時にお客様は、「プロシューマー」。
アルビン・トフラーのいう「生産=消費者」。

事業ごとに、商品ラインごとに、
業態フォーマットごとに、
それぞれにポジショニングしていく必要がある。

そういった考え方を企業や組織に植え付けるには、
「根っこからの転換」は必要だろう。

2013年第2週から始めてもいい。

では、みなさん、今年も。
Good Monday!

〈結城義晴〉

2013年01月06日(日曜日)

ジジの年賀[日曜版2013vol1]

あけましておめでとうございます。
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ジジです。

ことしも、よろしく、
おねがいします。
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そとは、おだやかなお正月。
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きょうは、みなさんに、
ユウキヨシハルさんといっしょに、
ごあいさつ。
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おとうさんは、
手をひざのうえにのせます。
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ボクは、まえをむいて。
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よそみしては、
いけません。
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こっちをむいても、
いけません。
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おとうさんともども、
ことしも、よろしく、
おねがいします。
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ごあいさつがおわったら、
両手をとってもらって。
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たちあがることも、
できるんです。
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それから、だっこ。
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ボクは、だっこ、
あんまり、
すきではありません。
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でも、いちおう、
ふたりなかよく、
ことしも、
いきていきます。
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みなさんにも。

ちいさなよろこび、
ささやかなしあわせ、
あすへのきぼう。

ありますように。

〈『ジジの気分』(未刊)より〉

2013年01月05日(土曜日)

芥川賞作家・津村記久子「コンビニの人」と小売業態3カ月天気予測

今日は朝から立教大学。
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結城ゼミの今年最初のミーティング。

しかし正門は閉まっていて、
まだ通常の授業が行われているわけではない。
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だからキャンパスはひっそりとしている。

「高村光太郎ふうにいえば」と、
『天声人語』を借りれば、
「人にいやがられる、刃物のような冬」。
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しかし、マキムホール4階のゼミ室は暖かい。
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全員が、一応、
卒業論文を終りまで書いて、
そのうえでの面談。

最後の最後の詰めを打ち合わせして、
仕上げにかかる。

来週の金曜日、20時30分が締切。
それを過ぎるともう一年やらねばならない。

私は「磨き」と呼んでいるが、
この作業が文章書き、論文作成には欠かせない。

一緒に頑張ろう。

今日の日経新聞最終面『交遊抄』。
「コンビニの人」
芥川賞作家の津村記久子さんが書いている。

「十年半勤めた会社の近くには、
コンビニエンスストアがあった。
昼寝のために昼休みの外食をやめて、
八年ぐらいの間、ほぼ毎日通いつめたと思う」

「その間、ずっと変わらず
店員さんとして働いていた二人のお姉さんがいた」

「雨の日も風の日も、
いいときも悪い時も、
二人はきびきびと
わたしの持ってきたものを
レジに通してくれた」

「わたしには密かに、
彼女たちのぶれない仕事ぶりが支えだった」

「昨年六月の退職の日も、
わたしはそのお店に昼ごはんを買いに行き、
一人だけいた方のお姉さんに
『今日で会社辞めるんですよ、もう一人の方は?』
と声をかけた。
とても驚き、残念だと声をかけてくれたお姉さんは
『あの子も昨日突然やめちゃったのよ』と言っ て、
少しだけ泣いた」

「彼女らは今何をしているのだろう、とときどき考える。
わたしの会社員生活を支えてくれたお姉さんたちの、
楽しく、穏やかな日々を願う」

『交遊抄』は有名な人が、
有名な友人を紹介するのが常。

ところが津村さんは、
名もないコンビニの店員さんとの交遊を書いてくれた。

ありがとう。

2008年下半期に『ポトスライムの舟』で、
第140回芥川賞受賞。
昼は会社勤務、夜は小説執筆。

津村さんは、「自慢話や美談、説教などは疲れる」という。
この精神、とてもいい。
『やりたいことは二度寝だけ』(講談社刊)は、
津村さん初のエッセイ。

あとがきに書いてある。
「何も残らないし、ひたすら地味で意味も無いけど、
読んでる間少しらくになった、と感じていただければ
これ幸いである」

忙しかった年末年始商戦のあと、
こんな本に触れるのもいい。

さて昨日の日経新聞に、
産業景気予測特集。

恒例の『主要30業種の天気図』1~3月編掲載。
各業種の生産、販売、操業率、収益などから
担当記者が判断したもの。

生活分野カテゴリー業種では、
食品・飲料は晴⇒晴
繊維・アパレル 
晴⇒晴
医薬 曇⇒曇
家電 大雨⇒大雨

小売業の好調組。
コンビニ 晴⇒晴
ネットサービス 曇⇒晴

記者の感覚がわかる。

これに対してローソン社長の新浪剛史さんのコメント。
「コンビニエンスストアは、
安さでスーパーにかなわない。
付加価値競争が重要だ。
各社の出店攻勢で既存店の状況は厳しいだけに、
売上高を追うのではなく、利益にこだわる。
例えば、レジで注文を受けてから提供するコーヒーは
粗利益率が70%程度と高い。
デザートやサンドイッチなどを同時に購入するケースも多く、
もっと売っていきたい。
接客力が上がるとおせち料理の予約が増えたり、
固定客がついたりと効果も大きい」

津村さんの「コンビニの人」は、
自然な接客力を出していた。

小売業は業態別に分類され、曇組が大半。
百貨店は曇⇒曇
ドラッグストア 曇⇒曇

J・フロントリテイリング会長の奥田務さんのコメント。
「将来への不安や電気料金の引き上げなどで
消費を取り巻く環境は厳しい。
高額の衣料品や宝飾品などでは
スーパーで見られるような単価の下落は起きていない。
上質なものを求めるニーズは底堅い」

コンビニも百貨店も、
経営者は不思議に、
「スーパー」を意識している。

サービス業も曇組。
外食 曇⇒曇
旅行・ホテル 曇⇒曇

そして、ひどく悪いのが、みんなが意識するこれ。
スーパーは雨⇒雨

新浪さんも奥田さんも、
たとえに使うが、
こちらは雨模様。

ただしいつも思うが、
この「スーパー」は二つの業態が包含されている。
日本の商業統計小売業態分類でいえば、
「総合スーパー」と「食料品スーパー」。
前者の年商約6兆円、後者は17兆円。
合わせれば、23兆円。

国際的・学術的に言えば、
ハイパーマーケットとスーパーマーケット。
アメリカでもヨーロッパでも、
小売業の中核となる2大業態。

これが分類されていれば、
総合スーパーは雨でも、
食料品スーパーは曇くらいにはなるはず。

なにしろ、食品・飲料は、晴⇒晴なのだから。

こんなところで目くじら立てるのはやめよう。
読者の側で、そのくらいは読み取る必要がある。

このブログはそのお助けをするだけ。

「ひたすら地味」でも「すこしらく」を与えてくれる作家・津村記久子さん、
「コンビニの人」の「楽しく、穏やかな日々を願う」津村さん。

正月週間が今日、明日の土日で終って、
来週から通常営業に戻る。

お疲れ様。
「今日も一日、優しく、強く」

良い週末を。

〈結城義晴〉

2013年01月04日(金曜日)

株価1万668円、1ドル88円だが小売業ポジショニングが経済を潤す

新年早々、完徹してしまった。
完全徹夜。

でもちょっと気分は高揚していて、
悪くはない。

立教大学大学院・結城ゼミ生の卒業修士論文を、
読んで、手直しして、考察して。

結構、楽しい時間。

1人が4万字から6万字書く。
昔流に400字詰め原稿用紙にすると、
100枚から150枚。

いずれも1年間の研究成果が結集された力作。
一行一字たりともおろそかにはできない。
丁寧に丹念に、読む。

読んでいると、白々と明けてきて、
朝日が昇ってくる。
それがとてもいい。

私はこういったことに強いのです。
めったに病気はしません。

机の脇にジジが寝ていたりする。
それもまた、いい。

かくして今年の結城ゼミ、
素晴らしい成果をあげられそう。

しかしもう一息。
詰めが残っている。

一緒に頑張ろう。

今年から助っ人が一人増えて、
3人がかりで、校正態勢を取っている。
これもいいですね。

私は論旨だけ気にかけていればいい。
力強い味方が加わって、
商人舎も結城ゼミも、
今年は、一層充実しそうだ。

ありがたい。

今日も一日、優しく、強く。
今年の商人舎標語。

さて今日の「大発会」。
東京株式市場で日経平均株価。
1万0688円11銭。
昨年大納会比2.82%で、
292円93銭高。

3%かぁ。

今年1年、小売りサービス業も、
これが目標になるかもしれない。
大阪証券取引所ナイト・セッションでは、
1万0810円。

東京外国為替市場では、
16時40分過ぎに1ドル88円08銭。

2010年7月28日以来、2年5カ月ぶり。

株式の世界では「辰巳天井」というそうだ。
辰年巳年は相場高騰。

1989年の巳年は史上最高値の3万8915円、
2000年の辰年は平均株価2万円を回復。

今年の巳年、いかがなることやら。

しかし株価や為替よりも大事な指標は、
リンゴ1個、Tシャツ1枚の売れ行き。

先進国はいずれも、
コモディティ化現象が進んで、
それが経済の停滞につながる。

食べることでは「飽食」、
着るものは「箪笥在庫」、
住まうニーズはまだ足りないが高額。

消耗品で、ボリュームを担う商材の売れ行きが、
国の経済のもととなる。

あなたの店の売上げが上がるとしよう、
それはあなたの会社が潤うことにつながる。
しかしあなたの商品を提供してくれるメーカー、問屋も、
あなたの店が売れることで潤う。

販促会社も、
什器やレジ、システムを提供してくれる会社も、
あなたの店のリンゴやTシャツが売れることで、
潤う。

結果として、経済が回ることになる。

いま、それが大事な構造となる。

さて国際ショッピングセンター協会の発表。
アメリカ主要小売業の昨年12月既存店売上高。
前年同月比4.5%増。

まったく偶然だが、
日本のユニクロの既存店12月売上高は、
4.5%増。

来店客数7.2%増、
客単価2.5%減。

米国主要チェーンストアは、
まずコストコが9.0%プラス。
海外店10%増、米国内店8%増。
絶好調。

次は百貨店のノードストロームで8.6%増。

百貨店はメーシーズが4.1%増。
クリスマス商戦で全店24時間営業を敢行。
それでも平均以下。

ジュニアデパートのコールズは3.4%増。

オフプライスストアのTJXは6.0%増。
しかしウォルマートと同業態のターゲットは、横ばい。

ディスカウント企業がいいわけでもない。

ユニクロと同業のギャップはトータルで5.0%増。
ギャップのなかのバナー別にみると、
バナナリパブリック1%増加、
北米GAP2%増、
しかしオールドネイビー13%増。
オールドネイビーはユニクロにおけるg.u.。

ディスカウント業態がすべて良くて、
百貨店などがすべて悪い。
いや、人々がみな、
高級高額品小売業やラグジュアリーブランドにあこがれ、
低価格品商売はダメ。

こんな先入観は、
もう有効ではない。

ディスカウントならば、
他社がマネのできないディスカウント。

高級品販売や百貨店業態ならば、
やはり他社にできない消費とサービス。

要は、模倣のできない商売。
ユニークさ。
それが際立つこと。

それを私はポジショニング戦略と表現する。
今年はそんな時代となる。

〈結城義晴〉

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