結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年04月15日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その64】タケノコ

猫の目で見る博物誌――。
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タケノコの季節です。
水タケノコは1年中あるけれど、
タケノコは今が旬。

タケノコは、
イネ科タケ亜科タケの若芽。

漢字で「筍」、
あるいはそのまま「竹の子」と書く。

英語で「竹」は”bamboo”、
タケノコは”bamboo shoot”。

竹の学名は、
「Bambuseae Kunth ex Dumort.」
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竹には節があるが、
竹の地下茎にも節がある。
その節ごとに根と芽がある。
主に3~4年目の芽が成長する。
日本など温帯では春先に伸び始めるが、
熱帯地方では夏に伸びる。

成長の速さがすごい。
昼夜を問わず伸びる。

地下にあるときに成長し始めるが、
地表に顔を出すころには急成長する。

被子植物のツル性を有するものを除けば、
最も成長が速い。

漢字の「筍」は、竹冠に「旬」と書く。
この「旬」は10日間の意味で、
10日のうちに成長するからともいわれる。

急成長のあと「若竹」となって皮を落とす。
その後、高さや太さは変化せず、
硬くなっていって、成竹となる。

その後、10年くらい生きる。

タケノコは、地中にあるときに、
すべての節が形成される。
そして根に近い、下の節から、
順番に伸長していく。

タケノコの皮は「稈鞘」(かんしょう)という。
柔らかい本体を保護する。
同時に節の成長を助ける。

地上に顔を出すと、
間もなく成長が止まる。

「止まりタケノコ」と呼ばれるのは、
地上に顔を出してから、
そのまま枯れて腐ってしまう現象だ。

全体の5~7割が「止まりタケノコ」となる。

これはある種の淘汰だ。

春先に地面から芽が出かけているものが、
「タケノコ」。
それが日本や中国で食用になる。

数メートル程度に成長したものも、
穂先の部分を刈り取って食べる。
これを「穂先タケノコ」という。

タケノコは、掘り出して、切断すると、
その直後から急激に「えぐみ」がでる。
掘り採ってから時間が経つほど、
硬くなるし、えぐみが強くなる。

だからできるだけ早いうちに、
アク抜きして下ごしらえしたり、
調理したりするのがいい。
IMG_4279.JPG8
タケノコのアクの主成分は、
シュウ酸、ホモゲンチジン酸、その配糖体など。
だからアルカリ性の水で取り除く。
それが米糠や米のとぎ汁、または重曹。

アミノ酸の一種の「チロシン」を、
100g中690mgも含んでいて、
これが酵素の働きによって、
ホモゲンチジン酸に変化する。
だから、加熱して酵素の働きを止める。
これが「アク止め」である。

早いほどいい。
「湯を沸かしてから掘れ」などと言われる。

冷蔵すれば、
香りや味の劣化を防ぐことができる。
しかし、下ごしらえは早いほどよい。

食用のタケノコの代表は、
モウソウチク(孟宗竹)。
皮は黒斑と粗毛に覆われて、
生産と出荷の時期は3月、4月。

ハチク(淡竹)は、皮が淡紅色。
時期は4月、5月月。
美味だが出荷量は少ない。

マダケ(真竹)・ニガタケ(苦竹)は、
皮が薄い黒斑に覆われれいる。
時期は5月、6月。

ネマガリダケは、弓状に曲がって生える。
時期は5月、6月で、
青森県の津軽地方でよく食べられる。

カンチクは、黄色または黒紫色。
これは秋のタケノコで、時期は10月。

高級品としては「乙訓産」がある。
京都府の旧乙訓郡で生産される。
現在の向日市・長岡京市・大山崎町。
乙訓産は、竹林をふかふかの土壌にして、
日当たりも調整されて育てられる。

「合馬たけのこ」は福岡県北九州市産。

「水煮」はレトルトパックや缶詰で流通している。
ほとんどが中国からの輸入品。

「朝掘り筍」は、掘ったその日のうちに、
直売所やスーパーマーケットに出荷される。

特に新鮮なタケノコは、
生、または軽く湯がいて、
刺身として食べる。

もちろん煮物がうまい。
鰹節で出汁を煮含める。IMG_4281.JPG559
てんぷらやタケノコご飯もうまい。

栄養成分としては、
タンパク質、カリウム、食物繊維、
ビタミンはB1、B2、C、Eを含む。

タケノコの季節には、
できるだけ食べたい。

小林一茶。
筍も名乗るか唯我独尊と

お釈迦様は誕生すると、
七歩歩いて、天と地を指さし、
「天上天下唯我独尊」と名乗った。

この世で、我ほど尊い者はいない。
そんな誤解がある。

「唯我独尊」の本来の意味は、
「ただ、われ、ひとりとして、とうとし」。

私のほかにもう一人、
私がいるならば、
私はいなくてもいい。
しかし、私という命は、
この世の中に唯、独りしかいない。
私が私になる以外に誰も、
私にはなってくれない。
だから尊い。
おなじようにすべての命が、
独りとして尊い。

一茶がこの意味を知っていたか。
それはわからない。
知っていたのだと思う。

タケノコの季節。
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春から初夏にかけて、
すべての命が尊いと思わせてくれる。

ありがとう。

(『猫の目博物誌』〈未刊〉より by yuuki)

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