結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2018年04月26日(木曜日)

TOKIO山口達也の「泣いてお詫び」と三越伊勢丹の「不易流行」

ゴールデンウィーク直前。
東京・横浜は最高の新緑の季節です。

生きていることに感謝したくなる。

しかしTOKIO山口達也の事件。
詳細はわからないのでコメントはできない。

ただしマスコミ各社の、
「山口メンバー」の呼称は、
どうもいただけない。

朝日新聞も毎日新聞も日経新聞も、
みな、「山口メンバー」。

読売新聞だけ「山口容疑者」。
書類送検されたのだから、これがいい。

私は呼びつけで「山口達也」。

しかしそれでも46になる男が、
記者会見で「泣いてお詫び」はいけない。

たとえ悪事を働いても、
毅然としていなければ。
大人の男は。

こんなことを書いたら、
またまたヒンシュクを買うだろうが、
ビートルズにもローリングストーンズにも、
その他のビッグミュージシャンにも、
「グルーピー」という取り巻き女性たちがいた。

そんな感覚がなかったとも言い切れないが、
未成年者である点で言い訳はできないし、
訴えられてしまったら、これは駄目。

結局、小物のアイドルだったということだ。

私はTOKIOには何の感情もない。
念のため。

さて「三越伊勢丹が8年ぶりの赤字決算」
各紙が報じたが、
三越伊勢丹ホールディングスは、
「本日の一部報道について」と、
ニュースリリースを発信した。

「本日の日本経済新聞にて、
“最終的なもうけを示す連結純利益が
前の期比7割減の40億前後になったようだ”
と弊社の平成30年3月期業績に
関する報道がありましたが、
当社が発表したものではございません」

その日経朝刊の記事。

「2018年3月期の連結最終損益は、
10億円の赤字に転落したようだ」
(前の期は149億円の黒字)

「地方店や高級スーパー・クイーンズ伊勢丹の、
収益力が下がった店を対象に
約110億円の減損損失を、
想定より積み増して
特別損失に計上したことが響いた」

「連結営業利益は従来予想を20億円上回り、
前の期から横ばいの240億円になったようだ」

しかし基幹店はよろしいが、
郊外店や地方店の不振は鮮明だ。

伊勢丹府中店など郊外5店舗中2店が、
18年3月期に前の期の売上高を下回った。

名古屋三越など地方の10店でも、
7店で売上高が前の期を下回った。

何度も何度も書いてきたが、
イギリス第一と言われるハロッズ百貨店は、
ナイツブリッジの1店である。

やがて、良い百貨店は、
ハロッズのようになる。

三越伊勢丹の百貨店は、
新宿伊勢丹、日本橋三越をはじめとして、
他の追随を許さない店だけになればいい。

この日経の記事の中に出てくるのが、
「フード&タイム イセタン ヨコハマ」
IMG_4382.JPG8
3月に横浜駅相鉄駅側の店舗、
クイーンズ伊勢丹が改装オープン。

スーパーマーケットとフードサービスが、
融合されたかに見える。
つまりは流行の「グロサラント」。
IMG_4383.JPG8

デザイン面は伊勢丹フードサービスの、
クォリティ感がよく表現されている。
しかし残念ながら、
グロサラントやイータリー化現象の、
基本や原則はまったくない。
IMG_4384.JPG8
やや小洒落た外食テナントを、
小洒落た雰囲気で導入したに過ぎない。

もう一つは、「ミーツ国分寺」。
4月に開業した商業施設。

これらは「不動産事業の強化」と、
位置付けられる。
「こうした先行投資の負担も
18年3月期はかさんでいる」

三越伊勢丹は考え方の面で、
隘路に入っている。
そこで安易に流行を取り入れる。

しかし、大切なのは、
「不易流行」

松尾芭蕉の弟子の向井去来(きょらい)。
「蕉門に千歳不易の句、
一時流行の句と云ふ有り。
是を二つに分けて教へ給へる。
其の元は一つ也」
(『去来抄』)

変わらないもの、不易の句。
変わるもの、流行の句。
どちらもあるが、
そのもとは一つである。

伊勢丹には今、不易流行がない。

服部土芳(とほう)。
「師の風雅に万代不易有り、
一時の変化有り」

つまり、変化しない本質的なものを、
忘れてはならない。
同時に新しく変化を重ねているものをも
取り入れていく。

それが逆になってしまったら、
無残なことになる。

日経新聞「私の履歴書」
今月は高田明さん。
ジャパネットたかた創業者。

今日は25回。

高田さんの履歴書は、
一番重要なところから始まって、
生まれてから若いころのことは、
後回しになった。

この連載の構図がユニークでいい。

今日は大阪経済大学の学士時代の話。
大学ではESS(英会話部)に入って活動した。

「ESSでの思い出は、
私の大学生活の全てだ」

その後、ジャパネットの通販番組で、
電子辞書を取り上げた。

例の甲高い声で売り込みをしていた時、
とっさに20歳の時に覚えた、
リンカーン米大統領の名演説を披露した。

“Four score and seven years ago our fathers…”
「87年前、私たちの父祖たちは…」

「すると、30分の番組でなんと、
1億円を売り上げた」

最後の言葉がいい。
「とっさに口をついた私の語学体験だが、
好きで一生懸命やったことは、
人生で決して無駄にならない」

「どこかでつながってくるものなのだ」

全くもって、同感。
素晴らしい。

一生懸命やったことは、
決して無駄にならない。

かならず、どこかで、
つながってくる。

これも「不易流行」かもしれない。

〈結城義晴〉

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