結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年01月03日(木曜日)

初売りの「ネタばれ福袋」と夏井いつきの「添削」

1月3日。
三が日は年賀状。
2019年-年賀状_決定版

今日午後6時10分、
熊本県熊本地方を震源とする地震。
最大震度6弱、マグニチュードは5.0、
震源の深さは約10キロ。

佐賀県や長崎県、大分県、宮崎県でも、
震度3を観測した。

正月早々、地震列島に地震。
お見舞いしたい。

今年もまた、
最悪を覚悟して、
最善を尽くす。

さて、
2019年の初売り。
平成最後の初売り。

百貨店や総合スーパーは、
「おおむね活況」で「前年並み以上」

日経新聞が取材して報じた。

1日から営業開始した、
イオンリテール。
全国400店の売上高は前年比10%弱。
肌着や子ども向け商品、化粧品の福袋。
家電の5万円、10万円均一セールは、
昨年の2倍の売れ行き。

ワインの販売額も、
昨年比で10%弱の増加。

トイレや風呂などの「リフォーム袋」は、
10万~70万円の価格帯だが好調。

当然ながら、「消費増税を先取り」需要だ。

イオンは続けて「リフォーム祭」を開催。
20181221-formfestival-title

イトーヨーカ堂も、
元旦から営業。
しかし売上げは前年並み。
衣料品が伸び悩んだが、
鮮魚と精肉が約20%増。

百貨店の多くが、昨日の2日に初売り。
ほとんどが前年並みの売上げ。

三越日本橋本店の売上高は、
目標を2桁上回り、
前年実績も超えた。
高島屋も東京・大阪の主要5店舗で、
前年並みを確保した。

高島屋日本橋店には、
午前10時の開店前に5200人が並んだ。
昨年を1000人上回った。

松屋銀座店も2日、
2019円の福袋150袋が、
約30分で売り切れた。
ただ、全体的な単価はやや下がった。

阪急うめだ本店も、
2日の開店前に、
7500人が列をつくった。

池袋西武百貨店は元旦に、
約40万人が詰め掛けた。
福袋は15万個準備された。
前年比2%増は他の百貨店が、
元旦休業だったからか。

そごう・西武では、
元日初売りが毎年最も売上げが多い。

顧客が福袋を目当てにする店舗は、
元旦や2日から営業開始。

そうでない企業は3日や4日から。
それぞれでいいと思う。

朝日新聞「天声人語」

「中身は買ってのお楽しみ。
それが福袋かと思っていたが、
近頃はどうも趣が違う」

「衣類でも雑貨でも、
内容が表示されたものが目立つ。
「透明のビニール製の福袋もあった」

「わくわく感は減りつつあるか」

素直な疑問だ。

中国新聞巻頭コラムの「天風録」
お題は「ネタばれ福袋」

「”中身は開けてのお楽しみ”は今や昔。
のぞけたりふくろが透けて見えたりして、
買う前に確かめられるのが
当たり前になった」

「今どき、客の背中を押すのは、
お買い得感なのだろう。
ちょっと味気ないようにも思える」

大抵の福袋や福箱は、
お買い得になるようセットされている。
それでももっともっとお買い得が欲しい。
顧客の心理はそうなる。

ドキドキ感をさらに失わせるものがある。
それはネット上の「ネタばれ」情報。

「閲覧回数を競うユーザーが
人気の福袋の中身を知らせ、
前年と比べてお得かどうかを
値踏みしている」

コラムニスト。
「お得かどうかだけが
福袋の値打ちとは限るまい。
持ち帰り、家族や友人と
一緒に開けてみる」

「普段なら目に留めぬ品に
巡り合うこともあるだろう。
それがまた、お正月の思い出や
笑い話の種になる。
そんな福もいい」

私自身はと問われれば、
申し訳ないけれど、
福袋も宝くじも買ったことがない。

おいしいものは大好きだし、
宝探し的な買物も、
嫌いではないけれど。

宝探しと福袋は全然違うと思う。
人それぞれではあるが。

福袋商戦は、
企業や店のロイヤルティや、
商品のサプライズ感が高まらない限り、
少しずつ衰微していくのだろう。

しかしネットによる福袋は、
そのサプライズ性にも工夫が効く。

最後に俳人の夏井いつきさん。
世界文化社刊『超カンタン俳句塾』より。
夏井いつき

しかもりさんという小売業の俳人。
初商い声掛けねばと福袋

夏井さんがアマチュアの句を添削する。
声張って売る福袋三百個

元気が出てくる。
よろしい。

今日のTBSテレビ特番「プレバト!!」
purebato9
お題は「結露」で、
この番組の「名人」梅沢富美男が一句。

万華鏡
めける結露や
初明かり

ん~、名人ながら5位。
そこで夏井さんの添削。

万華鏡めく
結露の初明かり

素晴らしい。

夏井いつきさんを見ていると、
いつも思う。

先生も教授も師匠も、
編集者もコンサルタントも、
それぞれの専門分野で、
あの「添削」ができなければならぬ。

〈結城義晴〉

2019年01月02日(水曜日)

ドラッカーから谷川俊太郎までの「いま、生きる」

三が日は年賀状でご挨拶。2019年-年賀状_決定版
今年の標語、
「リスクを冒せ。」

昨日の元旦のブログで、
ピーター・ドラッカーを引用した。
9784478410233
同じ『マネジメント』第10章の中で、
ドラッカーは未来を語る。

翻訳の上田惇生先生は、
言葉を大切にする俳人でもあって、
ドラッカーの原文は美しく訳される。

「未来は、
望めばその通りに起こるわけではない。
未来を築くには、
いま決定を行わねばならない。
いまリスクを負わなければならない。
いま行動しなければならない。
いま資源を割り当てねばならない。
特に人材を割り当てねばならない。
いま仕事をしなければならない。」

明日、目的を達成するためには、
今日、何をしなければならないか。
それを考え、行動する。

そしてその考察の真ん中に今年は、
「リスクを冒せ。」がある。

ドラッカー。
「明日を実現するための第一歩が、
昨日を廃棄することである」

この言葉に倣って、
毎日更新宣言ブログは、
12月31日に終了し、
元旦に更新宣言することにしている。
今年の宣言で12回目となった。

1年のご愛読をお願いしたい。

さて暖かい快晴の横浜。
今年の気分はことさらに爽快だ。

昨年、やるべきことはやった。
もちろんまだまだ、
やるべきことはある。
それは今年、やればいい。

山陽新聞巻頭コラム「滴一滴」
1月1日の冒頭で詩を引用。
詩人の新川和江さんの作品。
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元旦

どこかで
あたらしい山がむっくり
起きあがったような・・・

どこかで
あたらしい川がひとすじ
流れ出したような・・・

どこかで
あたらしい窓がひらかれ
千羽の鳩が放たれたような・・・

どこかで
あたらしい愛がわたしに向かって
歩きはじめたような・・・

どこかで
あたらしい歌がうたわれようとして
世界のくちびるから
「あ」ともれかかったような・・・

コラムニスト。
「新年を迎えた。
きょう元日は、大みそかとは
1日違うだけなのに異なる趣がある。
新しい何かが始まる予感と期待」

静岡新聞の「大自在」は松尾芭蕉の句。
門松やおもへば一夜三十年

「大みそかの騒がしさが明け、
一夜で30年の歳月が流れたような静寂。
気持ちを新たにすれば、
これまでの人生は一夜の夢のようだ」
芭蕉

高濱虚子の句。
去年今年貫く棒の如きもの

昨年も今年も貫かれている、
棒のごときものがある。
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大晦日と元旦。
1日しか違わないけれど、
30年も時が流れたような静寂がある。
1日が平成の30年間のような

それでいて、去年、今年を、
貫くようなものがある。

したがって、
いらなくなった昨日のものを捨て、
明日のために必要な昨日のものを残す。

拙著『お客様のためにいちばん大切なもの』から。41mATIqae-L._SX338_BO1,204,203,200_
「生産的でなくなった、
過去のものを捨てる。
何が残るか。
生産的な過去のもの。
それが『文化』です。
明日につながる昨日のもの。
それが『文化』です」

私はそれを組織文化と考える。
そして組織文化を大切にすることは、
経営を合理化することと矛盾しない。

最後に東京新聞「筆洗」が、
谷川俊太郎の「生きる」に触れた。
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2連目と3連目を引用しよう。

生きる

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎていくこと――

谷川俊太郎、87歳。
現役の詩人です。

私もそのように、
率直に純粋に、
「いま」を生きたい。

〈結城義晴〉

2019年01月01日(火曜日)

謹賀新年の商人舎標語「リスクを冒せ!」と日本のPositioning

2019年-年賀状_決定版
新年、おめでとうございます。

しかし、今年こそ、
めでたさも中くらいなり
でしょうか。
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だから2019年の標語。
リスクを冒せ。

4月末日、今上天皇が退位され、上皇へ。
翌5月1日、徳仁皇太子が天皇に即位し、
新元号が始まる。
新しい時代がやってくる。

この新天皇の即位に伴って、
4月27日から5月6日までが、
10日間の超大型連休になる。
新しい価値観と生活スタイルが生まれる。

6月にはフランスで、
FIFA女子ワールドカップが開催される。
9月20日には日本で、
ラグビーワールドカップが開幕する。

そして10月1日、
消費税率が10%に引き上げられ、
残念ながら軽減税率が導入される。
幼児教育・保育も一部無償化される。

翌2020年7月24日から8月9日まで、
東京オリンピックが開催される。
続いて8月25日から9月6日まで、
パラリンピックが開かれる。

日本社会は大きく変容していく。
消費も商売も、商品も売場も店も大きく変質する。
想像を絶するスピードで変革されていく。
背景に世界的ポピュリズムの進行もある。

時代が大きく変わるときに、
仕事にも経営にも求められるものがある。
それはリスクを恐れないことだ。
リスクを冒すことである。

「経済活動とは、現在の資源を未来に、
すなわち不確実な期待に賭けることである
経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

このピーター・ドラッカーの言葉は、
大きく変貌を遂げる2019年に、
心と頭と体に自覚させておかねばならぬ。
――リスクを冒せ。
〈結城義晴〉

ピーター・ドラッカーは、
その著『マネジメント』の中の、
第10章「戦略計画」で語ります。
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「経済活動の本質とは、
リスクを冒すことである」

これに以下の文章が続きます。

「ベーム=べバルクの法則によれば、
生産手段が経済的な成果をもたらすのは、
不確実性すなわちリスクの試練を
受けた時だけである」

「たとえリスクを
皆無にすることが不毛であり、
最小にすることが疑問であるとしても、
冒すリスクは冒す価値のあるものに
とどめなければならない」

「実は、計画が成功するということは、
より大きなリスクを
負担できるようになることである」

「より大きなリスクを
負担できるようにすることこそ、
企業家としての成果を向上させる、
唯一の方法である」

「しかしそのためには、
冒そうとしているリスクを、
理解しなければならない」

「いくつかのリスクから
最も合理的なものを
選ばなければならない。
勘と経験に頼ることはできない」

今年1年間の商人舎の提案は、
この意味での「リスクを冒せ」です。

昨年の日経新聞電子版。
「経営者ブログ」で、
二人のブロガーが、
同じような心配事を指摘しています。

伊藤忠元会長の丹羽宇一郎さん。
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「カレンダーを見ると
気になることがあります。
年末年始や成人の日の連休で、
この1カ月は半分近くが
全国一斉に休みになります。
世界が激変するなかで
日本だけが2日に1回も休んでいて
大丈夫でしょうか」

「世界から置いてけぼりに
なるのではないかと心配になります」

5月のゴールデンウィークは、
10日間の大型連休となる。

「休日はマーケットが休みになります。
日本の株式市場や外国為替市場は
海外の投資家の影響が大きくなっています。
日本だけが休んでいると、
そっぽを向かれてしまう恐れがあります。
外国企業と取引をしている企業も、
休んでばかりいると
中国や韓国の企業に
仕事を奪われかねません」

「日本が休んでいても
世界が通常通りに動いたら、
日本は無くてもいいことに
なってしまいます」

もう一人の鈴木幸一さんも、
同様の予測をする。
IIJ会長で日本インターネットのグル。
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「世界の金融・証券市場は動き続けている。
日本だけクローズのままでいるのは、
何かあったらどうなるのだろうかと
心配である」

「オフィスの仕事であれば、
どうしてもという場合は、
休日出勤で対応をすればいいのだが、
日本のマーケットだけが、
長いお休みということの不安は
大きいはずなのだが、
そんな議論もほとんどないようだ」

鈴木さんのIIJも機動的に動く。
現在の商人舎だって、
何かあったらすぐに動く。

「ふとしたきっかけで、日本の休日を
“狙い撃ち”といったことだって、
まったくないわけでもない」

「何事についても、
平和が常態となっている日本では、
心配をすることそのものに
違和感をもたれてしまうようだ」

丹羽さんはライフライン機能についても、
考察を巡らせる。

医師や看護師、患者にも、
本来、休日はない。
警察・消防のライフラインを担う人々にも
一般のような休日はない。

商業も同じだ。

「時間給で働いている人も
休日が増えると十分に
収入を得られなくなります」

「一斉にみんなが休むというのが
問題だと思います。
個人的に適宜休みを取る
といった対応が必要です」

つまり小売業やサービス業のような、
休暇の取り方が日本全体に求められる。

「国際情勢は混沌としており、
主要国のトップもおちおちと、
休んでいられない状況です」

「日本の政治家は年末年始に
外遊やゴルフに出かけますが、
日本だけが悠々と
休んでいて良いのでしょうか」

そのとおり。

「日本は大きな借金を抱えながら、
2019年度の当初予算案で
過去最大の支出を決めました」

一般会計予算の閣議決定は、
初めて100兆円を超えた。

「財政は非常にシリアスな状況です。
外国人労働者の受け入れを拡大する
改正出入国管理法も強行採決されました」

「中国の名目国内総生産はこの30年で
ドルベースで30倍超、
米国も3倍強になりましたが、
日本は1.6倍にとどまります」

「日本経済は米国や中国に規模で劣り、
過去の勢いも感じられません」

鈴木さんは情報通信分野を心配する。
「中国の主要都市で5Gサービスが始まる」

5Gは英語で5th Generation、
第5世代移動通信システム。

「5G対応の通信機器では、
ファーウエイが一歩先に進んでいる」

「国家の情報機密の面から、
中国製機器の使用が難しくなった」

日本企業は欧州メーカーに頼るしかない。
明らかに中国に後れを取る。

ファーウエイは国家の支援のもとで、
10万人を超える研究開発部門を抱える。
日本の民間企業では太刀打ちできない。

丹羽さんの主張。
「19年が新しい時代の夜明けとすれば、
今のままで良いわけがありません。
世界の中の日本の立ち位置を自覚して、
真剣に日本の将来を
考える時ではないでしょうか」

全面的に賛成だ。
この立ち位置こそ、
「ポジショニング」である。

そしてそのためにこそ、
国も企業も個人も、
「リスクを冒せ!」である。

〈若き日のドラッカー〉
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だからこそ、
「冒そうとしているリスクを、
理解しなければならない」

「いくつかのリスクから
最も合理的なものを
選ばなければならない」

「勘と経験に頼ることはできない」

元旦から、やや力こぶを入れて、
2019年の毎日更新を宣言する。

よろしく。

〈結城義晴〉

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