結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年01月06日(日曜日)

日曜版【猫の目博物誌 その71】小寒の部分日食

博物誌は古代ローマ時代に生まれました。
その古代ローマの言語・ラテン語では、
「Naturalis Historia」といいます。

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大プリニウスが世界で最初に、
地理学、天文学、動植物や鉱物など、
あらゆる知識に関して記述しました。


猫の目で見る博物誌――。
今日は身近な天文学です。

「寒の入り」の今日、2019年1月6日は、
3年ぶりの「部分日食」。
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前回は、2016年3月9日。
珍しいことです。

晴れ間が広がった地域では、
太陽が一部、月に隠された。

今日の太陽は午前8時半過ぎから、
月に隠され始めた。

そして午前10時ごろに最も欠けた。
「食の最大」と呼ぶ。

その後、南から徐々に元通りになった。
(ムック『アストロガイド 星空年鑑 2019』より)
部分日食
那覇では8時50分に太陽が欠け始め、
9時39分に「食の最大」、
10時32分に欠け終わり。

同じように福岡では、
欠け始め8時38分、食の最大9時47分、
そして欠け終わり11時4分。

京都:8時40分-9時57分-11時23分
東京:8時43分-10時6分-11時36分
仙台:8時44分-10時9分-11時42分
札幌:8時46分-10時13分-11時47分

「日食」は、地球から見て、
月と太陽が一直線に並ぶことによって、
太陽が月に隠される現象だ。

月が太陽の前を通るときに、
太陽が少しずつ欠けているように見える。

一方、地球が太陽と月の間に入って、
太陽から見て地球の影が、
月にかかることによって、
地球からも月が欠けて見える現象。

月食は満月の時に起こる。
地球上のどこからでも同時に観察できる。

日食には3つの分類がある。

第1が皆既日食。
太陽と月の中心点が重なって、
太陽がすべて隠される。

昨2017年8月21日に北米大陸で見られた。
今年2019年7月2日には南米で見られる。

皆既中の数分間は、
空が夜のように暗くなる。
肉眼でも太陽の外気層「コロナ」が、
ドラマチックに輝いて見える。

とくに日食の始まりと終わりに、
太陽が月に隠れる直前と、
太陽が現れ始めた直後に、
瞬間的に太陽光が漏れて強く輝く。
ダイヤモンドの指輪のように見えるから、
「ダイヤモンドリング」という。

皆既日食が起こる領域を「皆既帯」という。
この領域の範囲内しか、
皆既日食は起こらない。

皆既帯の外の広い範囲で、
部分日食が起こる。

第2がその「部分日食」。
月が太陽の一部だけを隠す。
皆既日食が起こった時に、
中心日食帯の外側で見られる。
皆既帯に近いほど太陽が大きく隠れる。

今日の現象が部分日食だった。

第3は「金環日食」。
太陽と月の中心がほぼ重なる点では、
皆既日食と同じだが、
月が地球から遠い場合には、
月の見かけの大きさが小さいので、
太陽をすべて隠すことができない。
そのため太陽と月が重なっている時に、
太陽の外縁部分がリング状に輝く。
金の輪のように見えるから」金環日食」。

金環日食も皆既日食と同じように、
見える領域が帯状に発生する。
「金環帯」と呼ばれる。

その外側の広い範囲では、
部分日食が現れる。

今日の部分日食は、
冬至から2週間しか経過していないため、
太陽の高度が低めだった。

日食のための太陽観測には、
専用の日食グラスを使う。

CE安全規格認証の日食グラス(300円)。  51BewAr57ZL._SL1000_

紙製サングラス3個セット(880円)。41Cy0v0aoeL
やや高級な太陽観察専用オペラグラス(1980円)。41ad08lJdzL

簡易的には厚紙に小さな穴を開けて、
影を見たりする。
すると欠けた太陽の形を確認できる。

残念ながら横浜や東京は曇り空で、
部分日食は見られなかった。

今日の東京の10時6分の部分日食。
(AstroArtsより)
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皆既日食は今年7月3日に、
アルゼンチンなどで見られる。
日本からは部分日食も見られない。

しかし12月26日には、
インドネシアなどで金環日食がある。
日本でも部分日食が見られる。

正岡子規は、川東碧梧桐らと、
「日蝕十句」をつくっている。

明治29年8月9日の午後。
部分日食は太陽の8割ほどを隠した。

お日様を虫が喰ひけり秋の風

日の神も御病気とやらこの残暑

―――ある人は旧弊と笑ふけれども、
旧弊由来雅趣を存する事多かり。
さりとて明治の詩人として生まれて
科学的の俳句もなくてやはと戯れに。

日と月と重なりあふて昼暗し

日蝕に満月の裏ぞ見られける

――因みにいふ。
古人に月蝕の句は一、二首これを見たり。
日蝕の句はいまだ見しことなし――。

子規のチャレンジ精神が、
日食で句をつくらせた。

日食はドラマチックです。
部分日食もそれなりに印象的。
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猫の目には、
青色と黄色しか見えません。
部分日食は鑑賞できます。

それに暗闇でも見えるので、
皆既日食は得意です。

(『猫の目博物誌』より by yuuki)

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