3月なのに雨の真冬日。
そしてひな祭り。
お内裏様。
ジジは雛あられ、
すきだったな。
ひし餅には見向きもしなかった。
ジジはもういないし、
今日は雨だし。
仕事しよう。
ベランダの花もまだ咲かない。
けれどこの雨の中、
東京マラソン。
2007年に始まった。
私はまだ㈱商業界の社長だった。
商業界の社員たちに、急に、
ジョガーやランナーが増えた気がした。
今年は第13回。
正式名称は「東京マラソン2019」
午前9時、東京都庁前で号砲が鳴って、
白い花吹雪が舞った。
先頭集団は9時10分にスタート。
先んじて車いすマラソン10キロが、
スタートしていた。
東京都庁前を、
すごいスピードで走り抜ける。
ペースメーカーがついて、
賞金もある。
あらかじめ登録した参加者枠は、
フルマラソンが3万7500人、
10kmランが500人。
実際の全出走者は3万7603人となった。
マラソンは大会当日満19歳以上で、
主催者が出場を認めた者なら、
誰でも参加できる。
マラソンの「一般」の条件は、
6時間40分以内に完走できる者。
だから通常のマラソン大会のように、
正午スタートではなくて、
午前9時過ぎのスタートとなっている。
朝から雨が降りつける厳しい天候。
しかし先頭集団のスピードは、
日本記録を上回るものだ。
昨年のこの大会で、
設楽悠太選手が日本新記録を出して2位。
ボーナスを含めて1億900万円を獲得した。
1位賞金1100万円、2位は400万円、
3位は200万円、4位100万円。
さらに5位は75万円、6位50万円。
ゴルフトーナメント並みの賞金に、
ランナーの眼の色も違う。
東京新宿のビル群を抜けて、
市谷見附、飯田橋、神田、日本橋。
ここまでが9.8km。
さらに雷門、両国、門前仲町あたりで、
中間点の21.1km。
そして東京スカイツリーを臨む。
その後、日本橋、銀座、芝、
増上寺前では今度は、
東京タワーが見える。
折り返して最終盤は日比谷の41.1km。
フィニッシュは東京駅前。
東京中心部の名所を巡るスピードコース。
設楽悠太に続いて、昨年10月、
シカゴマラソンで日本新記録が出た。
白い帽子の大迫傑の2時間5分50秒。
期待されたし、自身、
心に期するものがあったはず。
しかし今日の寒さと、
その気負い込みと異常なスピードに、
28キロ地点で歩き出した。
そして29キロ地点で棄権。
理由はやはりオーバーペースと低体温症。
ここまでストイックに体脂肪を絞って、
高速マラソン対策を突き詰める。
スピードと耐久力は、
トレードオフの関係にある。
2時間4分48秒で優勝したのは、
エチオピアのビルハヌ・レゲセ。
がっちりして耐久力もあるタイプだ。
それでいてスピードもある。
これからはそんなランナーの時代か。
それにしても大迫は、
本当に残念だった。
目標はあくまでも来年の東京五輪。
そのオリンピックは8月9日の真夏。
酷暑対策を練って、
再挑戦してほしいところだ。
もちろん2020五輪に関しては規定がある。
マラソングランドチャンピオンシップ。
略してMGC。
そのMGC資格を得てから、
今年9月以降2人の資格者が決定し、
さらにMGCファイナルチャレンジで1人が決まる。
それをクリアして五輪に臨む。
大迫と設楽が最初の2人枠に入ってくる、
と考えられているが、
それ以外に1人枠がある。
日夜、賞金と名誉をかけて、
一世一代の死闘が繰り広げられている。
今日は4位までを外国人招待選手が独占。
5位には中央大学の堀尾謙介が、
2時間10分21秒で入賞した。
雨交じりの寒い日曜日。
一歩も外に出ることなく、
東京マラソン2019をテレビ観戦。
眠ったり、原稿を書いたり。
本当に久しぶりの休養。
そんな日も間違いなく、
「素晴らしき日曜日」だ。
〈結城義晴〉