結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2019年03月21日(木曜日)

春は曙の「春分の日」のイチロー引退の言葉「楽しくはなかった」

2019年の春分の日。
そして彼岸の中日。

春分の反対は秋分。
その中間は夏至。
秋分と春分の中間が冬至。
だから夏至の反対が冬至。

1年はこの4つの節目によって、
4等分されている。

その意味で、
1年に4度の区切りの一つが、
今日ということになる。

しかし、
春と秋は「分ける」で、
夏と冬は「至る」。

どう見ても「至る」のほうが、
先に考えられた概念のように思える。

その通り。

夏が至る夏至は、
地球から見える太陽が、
一番北に至って、
北回帰線上にあるとき。

冬が至る冬至は、
太陽が一番南にあって、
南回帰線上にあるとき。

この地球から見える太陽が、
一番北と一番南を往復して、
元に戻るまでが1年となる。

そのちょうど中間で、
両者を分けるのが、
「春分」であり、「秋分」である。

これを「二至二分」という。

今日は太陽が南から北に向かって、
ちょうど中間点を通過する日。

いい具合に太陽が動いてくれるから、
日本にはいい具合に四季がある。

春を描写した文学で、
最も有名なのが、
清少納言の「枕草子」。
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「春は曙。
やうやう白くなりゆく、
山ぎは
少し明かりて、
紫だちたる雲の
細くたなびきたる」

坪内稔典さんの現代語訳が、
ほんとうにいい。

「春はあけぼのよ。
ゆっくり白んで、
山の端がうす明るくなり、
そこへ紫色の雲が、
細くたなびいている風景は、
たまらないわよ。
春の曙はいいよ。
すてきよ」

まさに今は、そんなとき。

だから春は、
曙のころに、
起きていなければいけない。

ちなみに、
夏は夜。
秋は夕暮れ。

冬の「つとめて」は早朝のこと。

坪内稔典さんは、
1944年、愛媛県生まれの俳人。

三月の甘納豆のうふふふふ

もちろん愛媛生まれだから、
正岡子規研究の第一人者。

その坪内さんが、
自著『四季の名言』の中で指摘する。

「『春は曙』という断定は、
その断定の強さに機知がある。
そのシャープな機知に
直ちに反応する読者は、
思わず納得の笑いをもらすだろう」

春分の日には、
そんな枕草子も思い出す。

さて、イチロー。
春分の日のメジャーリーグ開幕第2戦。
アスレチックス対マリナーズ。

菊池雄星投手が先発。
4回3分の2を投げて2失点。

イチローは昨日で引退ではなくて、
今日も9番ライトで先発出場。

4打席無安打だったが、
8回裏が終了して交代。
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観客の大声援に応えつつ、
最後にゆっくりとベンチに引き上げ、
チームメート全員とハグして、
そのまま引退した。

試合は延長12回を制して、
マリナーズが4対5で勝利した。

延長12回が終わって、
試合終了のあと、
午前零時ごろから、
イチローが記者会見に応じた。

質問「貫いたもの、貫けたものは何か」

イチロー。
「野球のことを愛したことだと思う。
これは変わることはなかった」

仕事を愛した。
これがイチローの本質。

「肩の荷を下ろしたときに、
違う野球が見えて、また、
楽しくなるなどという瞬間はあったか?」

イチロー。
「プロ野球生活の中でですか?
ない。これはない」

仕事を愛したけれど、
楽しいと思う瞬間はなかった。

同感だ。

それこそが、
プロフェッショナルだと思う。

「ただ、子どもの頃から
プロ野球選手になるのが夢で、
それがかなって、最初の2年、
18~19の頃は1軍に行ったり、
2軍に行ったりで、
そうやっている野球は
結構楽しかった」

本当の一流のプロになる前は、
「結構楽しかった」ということ。

「94年、仰木監督と出会って、
レギュラーで初めて使っていただいて、
この年まででした、楽しかったのは」

故仰木彬の現役時代は、
黄金期の西鉄ライオンズで正二塁手。
引退後は西鉄、近鉄、オリックスで、
コーチ・監督を歴任。

オリックス時代にイチローを育てた。

イチローには、
西鉄ライオンズの魂が引き継がれている。
手前味噌だけど、そう思う。

「その頃から急に、
番付を一気に上げられて、
それはしんどかった」

「やはり力以上の評価をされるのは、
とても苦しい」

「もちろんやりがいがあって、
達成感を味わうこと、
満足感を味わうことは、
たくさんあった。
しかし、純粋に楽しいかというと、
それとは違う」

この言葉、
ダイエー創業者の故中内功さんが、
退任するときと一緒。

本当にいい仕事は、
「楽しいかというと、
それとは違う」

イチローの生き方。
「生き方と考えるなら、
人よりも頑張ることはとてもできない」

ちょっと意外だ。

「あくまでもはかりは自分の中にある。
自分なりにはかりを使いながら、
限界を見ながら、
ちょっと超えていくということを
繰り返していく」

基準や尺度は自分にある。
イチローはその自分の基準が高い。

「そうすると、いつの日か
こんな自分になっているんだ
という状態になって」

「少しずつの積み重ねは、
それでしか自分を超えていけないと思う」

ひとつずつ、
すこしずつ、

いっぽずつ。

「一気に高みに行こうとすると、
今の自分の状態とギャップがありすぎて、
続けられないと僕は考えているので、
地道に進むしかない」

「進むだけではないですね。
後退もしながら、ある時は
後退しかしない時期もあると思うので」

「でも、自分がやると決めたことを
信じてやっていく」

「それは正解とは限らない。
間違ったことを続けてしまうこともあるが
そうやって遠回りすることでしか、
本当の自分に出会えない。
そんな気がしている」

遠回りも、
必ず役に立つ。

「自分なりに重ねてきたことが、
今日のゲーム後の
ファンの方の気持ちを見たときに、
ひょっとしたらそんなところを
見ていただいていたのかなと」

最後は、ファンやお客様に、
支持され、喜ばれる。

「そうだとしたらうれしいし、
そうでなくても、あれはうれしい」

仕事を愛している。
しかし仕事は、
楽しいわけではない。
達成感、満足感はある。
顧客に喜ばれるのがうれしい。

仕事の本質は、
ここにある。

〈結城義晴〉

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