結城義晴のBlog[毎日更新宣言]
すべての知識商人にエブリデー・メッセージを発信します。

2021年07月22日(木曜日)

[訃報]全日食チェーンの齋藤充弘さん、ご逝去。合掌。

齋藤充弘さんが亡くなった。
6月9日、74歳だった。

ほんとうに惜しい。

全日本食品㈱で社長、会長を務め、
相談役に就任していた。

日本ボランタリーチェーン協会会長、
日本スーパーマーケット協会副会長など歴任。

1971年、慶應義塾大学経済学部卒業後、
㈱ダイエーに入社。

しかし硬骨漢・齋藤充弘、
すぐにダイエーを飛び出して、
翌1972年、全日本食品入社。
全日食チェーンの本部機能を担う会社。

それ以来、一貫して、
ボランタリーチェーンの改革に邁進。

1983年、常務取締役、
1999年、代表取締役副社長、
2001年、代表取締役社長。

全日食チェーンの歴代総帥は、
加盟店店主ばかりだったが、
はじめての本部社員からの登用だった。

2013年、代表取締役会長、
そして2019年、相談役。

最後にお会いしたのは1年前。
スポーツの日の祝日。

名門・戸塚カントリークラブ。
IMG_787711
㈱プラネット会長の玉生弘昌さん、
同社長の田上正勝さん。
そして齋藤充弘さん。

思い出深いラウンドだった。

もちろん名門クラブは、
ソーシャルディスタンシングも万全。
安心してプレーし、
心豊かな時間を過ごした。

月刊商人舎2013年12月号は、
ボランタリーチェーンを特集した。
ポスト・モダニズムVCポストモダニズムVC
この特集の中で、
齋藤さんにインタビューした。

読み返しても、実に面白いので、
その冒頭の部分を再掲載――。
201312-saito-kaicho2
結城 12年間、全日本食品の社長を務められ、9月に平野実さんにバトンタッチしました。

齋藤 平野社長は選挙で選ばれました。AKB48と同じです。

結城 それは初めて知りました。

齋藤 2年前に私の後任の社長になってもらう人を選ぼうということで、全日本食品の取締役・執行役員15名、全日食チェーン協同組合の理事長15名の合計30名で検討を始めました。まず社長にふさわしい人物像を出してもらったのですが、みんな自分がなると思っていないので、これが言いたい放題なのです(笑)。

その結果を私が累計して、人格、能力、過去の業績の3つに分類しました。私の顔を見て「若い人!」なんて言うのもいて。

結城 あははは(笑)。

齋藤 今度はそれに加重して100点満点で数値化し、全候補者を30人全員で評価しました。ここまでで半年以上かかりました。

その評価を全部、私のところに集めました。もちろん、個々人の評価を把握しているのは私だけです。最終的に私がコンピュータで評者のバイアスを取り除きました。その結果、平均得点50点のところ、平野さんが70数点で断トツのトップでした。しかもいちばん若かった。

平野さんに「社長を引き受けてもらえるか」と伝えました。突然のことだったので、本人も1カ月ほど考えていましたね。最終的に引き受けてもらえることになったので、評価点数とともに公表しました。

結城 そうですか。画期的な方法ですね。

齋藤 平野さんには、社長として体制を組むのだから、一緒に仕事をする取締役6名を自分で選びなさいと言いました。

それで、1年前に平野さんが選んだ6名全員を常務に昇格させて、この1年間はシャドーキャビネット(影の内閣)のようにして予行演習をさせました。

トータル2年をかけて新体制に移行したことになります。加盟店と本部の人間が一緒に検討した結果なので、みんな納得の上で平野さんが選ばれたわけです。これがボランタリーチェーン(VC)らしい選び方です。

私から見ても、平野さんはおおらかな性格で、人をひきつける魅力を持っているので、どの方法で選んでも最終的には彼になっただろうと思います。

結城 素晴らしいですね。

齋藤 8月31日に社長を退いてから、私は何も言っていません。もう私の時代ではなく、新しい人たちの時代です。これから先は彼らにお願いしようということです。
201312-saito-yuuki
齋藤さんはこの2013年9月に会長となり、
2016年9月に公職に就いた。
日本ボランタリーチェーン協会会長。
今度はボランタリーチェーン全体を、
変えるという役割だった。

どんなときにも、
いつも公平で公正。
正論を貫き通す。

どんな相手にも、
ひるまず立ち向かう。
鋭く切り込む。

ときに誰にも思いつかない、
皮肉なものの見方を提示する。
そして笑い飛ばす。

理路整然の理論家であり、
現場に即した実務家。
そして独特の人間観察者。

反論すべきところは反論し、
同意すべきところは同意する。

一本の芯が通った経営者だった。
そしてそれは意外に珍しいことだ。

ボランタリーチェーンという、
地味ではあるが面白い組織体が、
齋藤充弘をそうさせたのだと思う。

そして齋藤充弘は、
人と人の集まるこの組織体を、
心から愛していたのだと思う。

ご冥福を祈りたい。
合掌。

〈結城義晴〉

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